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anemoneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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41.  ボーン・スプレマシー
ジェイソン・ボーン、ちょっとカッコよくなりすぎましたね。前作の微妙なダサかっこよさがわたしは好きだったので、これはちょっとシャレになってないなあという感じがしました。マリーの出番が早めに終わっちゃうのも痛い。生まれて初めて、ジョアン・アレンを良いと思いました。この役はけっこうハマリ役だったと思います。最大の呼び物だったカーチェイスも、大画面で観た割にはちょっと物足りない感じ。どちらかというとカーチェイスというよりカークラッシュという感じで、もっとスピード感のあるチェイスは過去にもけっこうあったと思います。アナログ感を大切にしたようですが、技術の進歩にこちらが馴れてしまいやすいジャンルではあるので、アナログでやるならよほどのスゴ技を出して戴かないと。後半ダレたのが惜しいです。サントラの良さは前作から非常に注目してたんですが、今回も非常に良い出来でした。これ音楽無しで観たら最低につまんないでしょうね。それほどサントラに存在感のある作品です。ハリウッドのメジャー作品がモスクワであれだけ大がかりなロケやって、いかにも典型的なアメリカ人キャラのマット・デイモンがモスクワ市内を歩き回ってるというのがものすごく新鮮で、なんだか感慨深いものを感じてしまいました。行きがかり上続編も結局見ると思いますけど、3作が限界かな、という気がします。やっぱり007って凄いんだなあと関係ないことを改めて思い知らされました。【追記】六本木ソルジャーさんへ:言われてみれば何ヶ所か「ずいぶん雑だなあ」と思ったカットはありました。最近流行りなのかな、という気もしますのでそんなに気になりませんでしたけど、そもそもストーリーに求心力がないので、これがダメなのは手ぶれ以前の問題ではないかと。たぶんモスクワロケがやりたかったんじゃないですかね。
6点(2005-02-13 00:42:35)
42.  サスペクト・ゼロ
やっぱりベン・キングズレーって、ベン・キングズレーなだけのことはあるんですよね。「マトリックス」に出たからと言ってまだ1人で客を呼べるほどではないキャリー・アン・モスに、特に人気が出たという話も聞かないアーロン・エッカート、ほとんど誰も覚えていない「シャドウ・オブ・ザ・バンパイア」のE・エリアス・マーハイジ監督、これだけ地味な組み合わせでありながら日本で劇場公開されるからにはそれだけの理由があると思って良いと思います。いわゆるベタベタなサイコ・ホラーを一歩踏み越えて、きちんと捻りを効かせたプロットは見事。あまりにもきちんとしすぎていてツッコミ甲斐の無い作品ですが、こういう緻密なお仕事を最近あまり目にしてなかったので大変嬉しかったです。わたしは映画版の「羊たちの沈黙」をそれほど高く評価していませんが、その原作の精神をかなり色濃く受け継いだ内容になっていると思います。2回観て来ましたが、時間が作れればもう1回観たいな。恐さはないですが、知性と品格はあります。一歩間違えば「ギフト」とか、あのへんに納まりかねない内容ですが、差をつけたのはやっぱりベン・キングズレーの名演技だったと思います。役者一人でこうも違うものかと感動しました。あとやっぱり作りが非常に緻密で丁寧です。映像的には特に目新しい物ではないですが、やるべきことをきっちりやり、真剣に丁寧に愛情を持って作られた映画だと思うので、わたしは大好きです。 【追記】おじさま激憤ですね(笑)このぐらい意見の分かれる物の方がわたしは好きなのかも?と納得してしまいました。ノレなかったらアウトですよね。前半タルいし。2回観ないと良さがわからない作品って結局ダメなんだと思います。
10点(2005-02-12 00:35:56)(良:1票)
43.  アレキサンダー
今まで一度も良いと思ったことのなかったアンジェリーナ・ジョリーを初めて良いと思いました。オリバー・ストーンという監督は決してヒラメキの人ではないですが、キャスティングのセンスだけは常にダントツに良いと思います。今回も、才能は認めているけど大箱モノにはどうかなあ、と微妙に危ぶんでいたコリン・ファレルが、史劇を立派に背負って立ち、まったく見劣りしませんでした。戦闘シーンなどは最近のこの手の物の中では比較的地味かな、と思いましたが、人物重視の丁寧な撮り方に好感度大です。やっぱりどうしても長いので、場内でもだいぶ寝ている人が多かったように感じましたが、これだけのスケールで時代劇をやろうと思ったら必要な長さだったんだと思いますし、無駄に長かったわけではないのでOKだと思います。流行っているワリには今イチ重厚感に欠ける物が多かった昨今の時代劇の中では頭一つ飛び出ていると思いました。コリン・ファレルは素晴らしい実力の持ち主だと思いますし、どう考えてもこの役が本当にやれるとは思ってなかったわたしはかなり真剣に脱帽しました。あと、ストーン作品だけあってやはり脚本は非常にしっかりしています。時代背景にそれほど知識がなくても楽しめる仕掛けになっていますし、3時間費やすだけの値打ちはしっかりあると思いました。秀作、ぐらいは言っても良いんじゃないかと思います。
8点(2005-02-07 00:05:20)
44.  オーシャンズ12
わたしは前作の「オーシャンズ11」もそれほど面白くないなーと思ってしまったので今回も割引券もらわなかったらたぶんわざわざ観なかったんですけど、これはちょっとひどすぎですね。大物揃いでみんなで仲良しで楽しいぞーっ、っていうのはわかるんだけど、本人たちだけ楽しみ過ぎちゃっていて観客のことはホントにどうでもいいって感じ。話もはっきり言って大したことないし、今やブラピやジュリア・ロバーツ共演でもなければ日本の劇場で顔を拝むのは至難の業のアンディ・ガルシアはほんのちょっとしか出て来ないし。わたし自身は贔屓の役者で採点がめちゃくちゃ甘くなる方なんですけど、好きな役者がこれだけ揃っててこうまで眠いというのはもう、駄作としか考えられません。キャサリン・ゼタ=ジョーンズにブラッド・ピット、アンディ・ガルシア、ドン・チードルにマット・デイモン、おまけにブルース・ウィリスのカメオ出演、普通に考えたら3日は寝られないほど嬉しいキャストなんですが???デビュー当時のソダーバーグを本気で高く評価しただけに無念でなりません。これが本当に「セックスと嘘とビデオテープ」を作った監督の作品でしょうか?本当に「エリン・ブロコビッチ」や「トラフィック」を撮った監督の仕事でしょうか?残念ですが、ソダーバーグは馴れ合いの中で大切なものを失ったと思います。妊娠中のジュリア・ロバーツはびっくりするほど顔がむくんでいて腕はブヨブヨでした。恐ろしいモノを観てしまいました。別の意味で、しばらく眠れそうにありません。モルモン教徒の家族が異常に多いギャグにうっかりウケてしまったので3点。前半はまあまあ笑えたんですけどね。これはひどすぎます。
3点(2005-01-23 01:38:45)(良:1票)
45.  ネバーランド
素晴らしかったです。ジョニー・デップ主演と幻想的なシーンの取り合わせはすごくティム・バートンの香りがしたんですが、物語はバートン作品には無いリアルさで、この違和感を埋める存在としてケイト・ウィンスレットがベタハマリでした。どう見ても健康そのもののケイト・ウィンスレットが少女の透明感と不屈の闘志に溢れたシングル・マザーの両面をさりげなく見せてくれるのも素晴らしかったし、子供たちを決して子供扱いせず、徹底して「友達」として扱うジョニー・デップの個性も良くハマッていました。ベタな話のベタな展開なのに見ている間中思いっきり引き込まれてしまったことは、すなわちこの作品がストーリーや技術的な要件をはるかに超えて優れた作品であったことを意味していると思います。子供で泣かせる映画かと思って観ましたが、全然そうではなく、むしろ大人のために作られた人生観溢れる作品になっていたと思います。なんで出て来たのか誰にもわからないダスティン・ホフマンとか、ラストの5分間は本当に必要だったのか、とか言いたいことはいろいろありますけど、とにかくケイト・ウィンスレットの演技者としての技量に圧倒された作品でした。別に減量しなくたって死にかけの病人に見せられるんだって。それがプロというものでしょう。納得です。 わたしが「感涙評価」に10点をつけるのはこれが初めてじゃないかと思いますが、場内はもう、すすり泣きの声で充満していました。くれぐれもハンカチをご持参下さい。 【かーすけさん】あの役はたぶん、ウィノナ・ライダーだったんじゃないのかなーと思います。なんかイメージ的に狙ってる世界がそうだったんじゃないかな、と。
10点(2005-01-16 02:27:20)(良:2票)
46.  TAXI NY
ヨーロッパ作品のハリウッドリメイクって私の中ではコケやすいんですけど、珍しく成功した例だと思います。元々の「TAXI」があまりフランス映画の王道を行ってるというわけでもないので、ある意味やりやすかったのかも知れません。サミー・ナセリを安易にアダム・サンドラーあたりに置き換えないで、クイーン・ラティファを持って来たのは大正解でしたね。へんに原作のイメージをひきずることなく、良い味だけが引き継がれたという感じがします。突き抜けたバカさ加減はやっぱり原作の方が上かなあ・・・という気もしますが、これもハリウッドではある意味ありがちな物だからかも知れません。イカしたお姉ちゃんたちが無駄に露出するお着替えシーンなんかはいかにもアメリカ~っ、という感じですが、フランス版の方がもっとキワどいエッチネタ出して来てたような気がしますし、このへんの匙加減の探り方に仏米の差が出て来るところも面白いですね。アン・マーグレット、いったいナニやってんだか(^^;ジミー・ファロンのコミカルな演技も非常にほどほど感があって安心して楽しめました。珍しく、日本人にもちゃんと笑えるコメディです。お勧め出来ます。
9点(2005-01-11 01:00:14)(良:1票)
47.  マイ・ボディガード(2004)
一定の水準は満たしていると思われるのですが。やっぱりちょっと前半と後半のメリハリが利かなすぎというか、どっちか思い切って捨てるべきだったんじゃないのかな、と思います。どっちつかずで、中途半端に長さが強調されてしまいました。加えてデンゼル・ワシントンがどうしてもハードボイルドな人に見えないのと、相変わらず白人みたいな役をやっているなあ、という反感がどうしても前に来てしまって、彼の孤独な前半生とかピタとの間に芽生えた絆の重さみたいなものがあまり伝わって来ない。さらについ最近も誘拐されているのを見たばかりのダコタ・ファニングの絶叫におねえさんはちょっぴり飽きている。こういった不幸な要素の組み合わせに加えて、一目見渡しただけで筋書きのバレてしまう安直なキャスティングなど、ノレない要素がここまで揃ったワリには最後までちゃんと観られましたので、そういう意味では立派に頑張ったと言えるのかも知れません。たぶん私はデンゼル・ワシントンがダメなんですね。「マルコムX」までの彼はとっても色気のある黒人俳優だったと思うのですが、黒人俳優を辞めてしまったらタダの冴えない二枚目になりました。この役は彼でなくても良かったですし、黒人である必要もなかったと思います。そう思わせてしまうのは、俳優にとっては非常に不名誉なことです。結局は力量不足なんだと思います。 ダコタ・ファニングにしてもあれほど才能ある子役に毎度毎度こんな役しか与えられないなんてちょっと可哀想すぎ。子役が子役でいられる時間って限られているので、せっかくの逸材なんだからもうちょっと真剣に企画を考えてあげるべきだと思います。次回作も予告編見たらやっぱり絶叫してましたけど、なんとかしてあげられないんですかね。私だったらエドワード・ノートンとダコタ・ファニングで「ペーパームーン」をリメイクしますけど。  あとRonnyさん↓が書いてらっしゃる通り、カメラワーク無駄に凝りすぎ、映像狙いすぎ、残念ながらセンス無さすぎ。目指したものはわからないでもないんですが、これ上手にやらないとほんとに頭痛を誘発します。普通に撮れるようになってから目指すべきだと。 ウォーケンにハズレ無しと信じてましたが、最近ちょっと何でもアリになって来ちゃいましたね。トシかなあ。
5点(2005-01-03 00:09:13)
48.  バッドサンタ
いいなあ、この映画。わたしはありきたりじゃない話が好きだし、先が読めない話が好き。新しいな、と思える話が好きだし、その話にぴったりの俳優がその時たまたまちょうどいい年齢だったりするとものすごく嬉しくなってしまう。ビリー・ボブ・ソーントンはけっこうどんな役でもこなせる俳優だと思うけど、この役はまさにハマリ役だったんではないでしょうか。何しろ史上最悪のサンタさんですからね。 そんなに意表をつく展開か、と言われると意外にそうでもない話なんだけど、ありそうでなさそうな絶妙なズレ加減がいい。笑いのツボはかなりブラックで、ひねりもオチもけっこう辛口。決してファンタジーにはならないシビアな姿勢も非常に好感が持てました。いろんな意味で、オトナ向けの作品ですよね。 どう考えてもロクなものにはなりっこないウィリーのくそったれな人生が、決してある日突然バラ色に姿を変えるわけでもなく、突然魔法のように立派な人間に生まれ変われるわけでもない。彼の人生をそのまま肯定するわけでもなく、さりとて否定するわけでもなく、ただ「いいじゃんそれで」に帰結するところが凄い暖かいと感じました。ある意味断崖絶壁まで追い詰められているウィリーを、悲壮感に走らず淡々と演じ切ったビリー・ボブ・ソーントンの上手さが際立つ一編です。好きだなあ、こういうの。
9点(2005-01-02 23:55:31)(良:1票)
49.  Mr.インクレディブル
過去に見たあらゆる映画の中で、最も優れたスタッフロールに全点。ストーリーは良くも悪くも期待を裏切らない普通に良く出来たストーリーだし、総合点は高いと思われるが、毒が無さすぎ。「ファインディング・ニモ」が予想外の高水準だっただけに、残念ながら「こんなもんか」という感じ。でも普通に期待した程度には面白いし、やっぱり実写では実現不可能なスピード感はある。たぶんベタなヒーロー物を意図したんだと思うしファミリーがいい感じに結束して息の合ったアクションを展開する流れはテンポ良く楽しい。プラスアルファを期待してしまっただけに無念さが残るが、映画って最後の15分とスタッフロールが良ければかなり得点が上乗せされてしまう部分があるので、騙されないぞ、と意地になったきらいはあると思う。サミュエル・L・ジャクソンがアニメでもやっぱりクールにキメてくれたのは嬉しいし、出番は少ないものの予想以上に活躍してくれたので印象自体は悪くなかった。やっぱりどうしても「ニモ」に比べるとキャストが地味だったのが敗因かも。けっこう笑いのツボは押さえていたし、安心してファミリーで見に行くには持って来いだとは思います。あと一押し、さえあればかなり乗れたはずなので、食い足りなさが非常に残念。主役がクレイグ・T・ネルソンっていうのがダメですよね。敢えてアナログを強調した音楽は好感持てました。
6点(2005-01-02 00:44:55)
50.  スーパーサイズ・ミー
面白かったです。マイケル・ムーアのパロディなんじゃないの?と思うようなファストフード版「ボーリング・フォー・コロンバイン」なんですけど、敵がファストフードだけにそれほど深刻ぶらずに済みました。自ら被験者になる、という過激なパフォーマンスはアメリカ人ならではの売れよう根性だと思いますが、バカバカしさの中にこれまで誰も言おうとしなかった「肥満」に対する重要な警告が込められていて、タッチは軽いですが非常に重要な作品であるとも思います。特にアメリカの高校生が学食で当たり前のようにジャンクフードを食べていることや、栄養の不均衡が集中力や学習意欲を低下させることをきっぱり告発した姿勢は見事でした。 アメリカ人がいかに肥満しているか、というシーンで日本の観客からは「おぉー」というどよめきが上がったんですが、実際アメリカであのぐらいの肥満は少しも珍しいことではないです。これはちょっとでもアメリカの土を踏んだ人なら全員が実感していることだと思います。1週間も居れば、自分はちょっと栄養不良なんじゃないかと思えて来ますから。 一方的にファストフード・チェーンだけを批判するのではなく、それを安易に利用するアメリカ人の生活習慣、外食依存型のライフスタイル、運動量の低下など消費者側の問題点にもきちんと触れている点にも好感が持てました。ただしファスト・フードの手軽さ、価格の安さ、それに頼らざるを得ない貧困層のジレンマまで含めてしまうと結局マイケル・ムーアの世界に突入してしまうので、本当はそこまで掘り下げるべきだったのかな?とは思います。 この作品は実際にマクドナルドからスーパーサイズを廃止させ、いくつかの高校からは清涼飲料水を撤去させました。そういう意味でも、価値ある作品であったと思います。
10点(2005-01-02 00:35:08)(良:5票)
51.  ターミナル
トム・ハンクスはコメディアンであると信じる立場から、本来の彼の持ち味が生かされたコメディ作品は嬉しい。問題は1000人もの観客と同じスクリーンを見ているはずなのにゲラゲラ笑い続けていたのが私一人であったこと。この寂しさはいったい何なんだ。 トム・ハンクスだから、スピルバーグだからと言って大箱でいかにも感動系なコピーをつけて売らなければならないという事情もわからなくはない。だからと言ってクスリとも笑わずに深刻ぶってスクリーンを見つめ、とってつけたようなラストでは涙まで流す観客の異様なまでの主体性の無さに愕然とした。人々は映画に対する感想まで誰かに教えてもらわなければならなくなってしまったんだろうか。自分の頭でモノを考えていれば、この程度の「感動話」に泣ける方がどうかしている。 もはや「大作」にしか出演を許されなくなってしまったトム・ハンクスと、「大作」しか手がけられなくなってしまったスピルバーグにとって、果たしてこの選択が正しかったのかどうかは疑問。これは低予算で低スケールで、地味に撮って味の出るストーリーだったと思うし、泣く泣く大作に仕立てた割には頑張っていると思うのだけれど客寄せパンダのキャサリン・ゼタ=ジョーンズは蛇足だったし主人公がNYへ行きたい理由も実際そんなに必要ではなかった。ただ飛行場から出て行かない主人公というシチュエーションだけが重要だったのであって、優れたアイデアだっただけに潤沢すぎる予算は却って邪魔になってしまった。売れすぎた才能の行き場の無いエネルギーという皮肉。ついにスキンヘッドになってしまったスタンリー・トゥッチの熱演に敬意を表して7点。返す返すも惜しい作品ではある。「トゥルーマン・ショー」にとても似ていると感じたのは私だけだろうか。
7点(2005-01-02 00:18:35)(良:1票)
52.  エイリアンVS. プレデター
8歳児向けだが、ことエイリアンが絡むと途端に8歳児モードにシフト出来てしまう私はうっかり楽しんでしまうことが出来た。ほとんど寅さん状態っていうか。おーおー元気でやってるぅ、頑張れぇ、という楽しさ。誰にも期待されてないことをよくよく自覚している無茶苦茶ベタなストーリーと、子供向けのコスプレアクション物にありがちな対決シーン展開、過去にエイリアンと闘った人類の中ではずば抜けて強いサナ・レイサン。ツッコまれるために出来たような映画だけど、まあお祭りですから。真面目な人にはかなり辛かったでしょうね。盛り込まれたギャグは全て空振っており場内の誰もクスリとも笑ってませんでした。私はそれなりに楽しかったんですが、まあエンドロール最後まで観なくていいや、と思ってしまった久しぶりの作品でしたし、わざわざもう1度観ようとは思いません。プレデターの中で、メインで活躍していた彼にはちょっぴり『死霊のえじき』のバブくんを思い出しました。Bマイナス級のエセ“超大作”だと思いますが、今年は年末年始向けの大バコ物が寂しいので、そこそこ売り上げるのではないでしょうか。確かに正月向けではあると思います。
5点(2004-12-19 02:21:29)
53.  イブラヒムおじさんとコーランの花たち
60年代初頭のパリの裏町を舞台に、家庭に恵まれない孤独な少年と、彼に愛情を注ぐイブラヒムおじさんとの心の交流を描く・・・というといかにもありがちな話ではあるのだが、込められたメッセージはあまりにも深く、重い。最後の肉親であった父親に裏切られたユダヤ人の少年は、異教徒であるイブラヒムおじさんの養子になりたいと願い出る。彼にとってユダヤ人としてのアイデンティティは家族の裏切りによって完全に否定され、イブラヒムおじさんこそが彼の欲していた全てを与えてくれる存在であったことになる。だが人生に必要なものは全てコーランの中にあると言い切るイブラヒムおじさんの孤独な半生が明らかになるにつれて、実は少年モモの存在こそが、おじさんの人生にコーランだけでは決して与えられなかった最後の一片であったことがわかってしまう。二人の旅するおじさんの故郷、そこは赤茶けた大地の中にわずか4、50軒の家が肩を寄せあう貧しい村だ。その村からフランスに渡り、何十年もの歳月を黙々と働き続けて来たおじさんにとって、モモはその長い人生が決して無駄ではなかったことを証明する一つの光明でもある。底辺で生きる人々のささやかな幸福を描いた作品はいつも、心の中に一筋のやるせない翳りを残し続ける。パリの裏町でひっそりと数十年間に渡る地味な人生を歩き続けたイブラヒムおじさんの孤独は、オマー・シャリフの名演技と共に永く記憶に残り続けるだろう。
9点(2004-11-30 01:12:01)(良:1票)
54.  13デイズ
わたしにとって、何故「アポロ13」がケビン・コスナー主演で作られなかったかはものすごい謎である。まあロン・ハワードだからトム・ハンクスっていう組み合わせなんだろうけど、年齢的にも外見的にも、役選びのスタンスから考えても、あの役はトム・ハンクスよりぜんぜんケビン・コスナーの方が向いている。なのに何故か「アポロ13」が作られた95年、ケビン・コスナーはうっかり「ウォーター・ワールド」なんかに出てしまった。たぶん彼なりに悔しかったんじゃないかと思うし、アメリカ近代史に残る英雄の役がやっぱりやりたい。そこでひねり出されたのが「13デイズ」だったんじゃないのかな、と。残念ながらこの話の主役はやっぱりジョン・F・ケネディとロバート・ケネディだと誰だって思うだろうし、ケビン・コスナーの演じたケニー・オドネル役は地味な割りに不自然に浮いている。なんでケビン・コスナーがJFKじゃないのかというと、あまりにも顔が似てない上に9年前にジム・ギャリソンをやっててそりゃマズいだろう。結果、どうもあれですね。なんかスターかくし芸大会みたいになっちゃいました。ボブ・ケネディが似すぎてるのもアダになったというか。いい話なんですよ。いい話だし、大事な話。戦争はどうやって起こるか?または防げるか?という外交史上に残る大事件なんですけど、それやったJFKが翌年消されちゃダメじゃん。わたしはこういう話がとっても好きなので「おぉ」とか喜びながら見てましたけど、映画としては残念ながらかなりダメだろうな、と思います。これは主役をJFKにしないと。マクナマラ国防長官役のディラン・ベイカーは素晴らしかったですが。あと「○○日」というタイトルにはヘビメロが多いので、ケビン・コスナー主演ということもあってわたしは長年この映画をベタベタの恋愛モノかと思い込んでおりましたことを正直に告白しておきます。「キューバ危機」とかそういうタイトルにしてくれれば劇場で見れたのにな。でもこれたぶん劇場で見るには地味過ぎですけど。遺憾ながら大好きなのに5点。あと字幕ですがフルシチョフがずっと「首相」扱いされてたのがとってもイヤでした。戸田さん、ウソはいけないよ(怒)
5点(2004-11-21 04:57:37)
55.  バイオハザード(2001)
2を先に見るという暴挙に出ちゃったので、やっぱり1作目の方が地味になるのは仕方がないですが、予想に反してなかなか面白かったです。浅いプロットと説明不足がテンポ作りの上では良い方に働いてましたし、娯楽作品としてこれ以上の物を期待しなければまあこれもアリかなと。ミラ・ジョボビッチの脇にミシェル・ロドリゲスを持って来るってかなりの反則技だと思いますけど、この二人の濃さが殺し合わなかった演出の技量にはちょっと感心させられるものがありましたね。ゲームキャラを意識する上で登場人物の心情とかを必要以上に掘り下げないことは大事だと思うので、この組み合わせは見事だったと思います。テンポに特化した作品ですが全体の食い足りなさまで含めてスッキリさっぱり短くまとまりました。ものすごくほどほど感のある作品だと思いますし、そういう意味で非常にバランスが取れていてわたしは好きです。一番最初のエレベーターのシーンに出て来る女の人って『インタビュー・ウィズ・バンパイア』に売春婦役で出て来た人ですね。わたしこの人の顔好きなんで、もうちょっと出て来て欲しいな。
7点(2004-11-14 03:27:36)
56.  モンスター(2003)
はっきり言って「実録犯罪シリーズ」の域を超えていないと思うし、シャーリーズ・セロンの中に誰が入っていたって出来栄えはそんなに変わらなかっただろう。ものすごくリアルな話ではあるが、実話なんだからそんなの当たり前だろう。実際アメリカの片田舎へ行けば、殺人を犯してないだけであのぐらい可哀想な女の人は山ほどいるし。主人公のあまりの可哀想さにうっかり泣かされてはしまったものの、やっぱりこういう覗き見趣味的な映画って私は嫌いだ。特に小細工も無しで正々堂々と観客の涙を絞り取った『21g』のナオミ・ワッツと比べて、増量と特殊メイクが9割のこの役がそんなに優れていたのかは正直疑問に思う。要するに“あの”シャーリーズ・セロンが醜女役をやっているから興味が持続するわけで、それって演技者としての力量とはあんまり関係ないんじゃないだろうか。それに引きかえ、クリスティナ・リッチのあの異様な存在感はいったい何だ。どちらが凄いって圧倒的にクリスティナ・リッチの方が凄いと私は思うよ。何しろあの嫌らしさ、わざとらしさ、とにかく不自然な純真さ。彼女無しでは絶対にあり得なかった映画だと思うのでクリスティナ・リッチに全点。シャーリーズ・セロン、美人でスタイルが良いことも確かにハンディの1つではあると思うが、そういう個性から逃げたらダメだと思うよ。不細工な役者が特殊メイクで美女役をやっても誰も褒めてはくれないでしょ。そういえば『エレファント・マン』もオスカー獲ってましたよね。演技というものをナメない方がいい。
6点(2004-11-08 17:40:27)(良:2票)
57.  ブロウ 《ネタバレ》 
これを最後まで観てしまった私は、たぶん何かを期待してたんでしょうね。一代記モノってけっこう好きなんですけど、なんというかこれは、好きになれない映画でした。前半のイケイケムードは楽しめますし、儲かって儲かって笑いが止まらないあたりまでは良かったんですけど、後半の泥沼とあまりにもお約束の訓話的オチには正直怒りに近いものを感じました。同じ「夢のあと」系だったら『カジノ』とか『グッドフェローズ』が既にありますし、ファンの方には非常に申し訳ないんですけどペネロペ・クルズという女優に品性のカケラも感じてない立場からは、あのバカ女役は全然シャレになってなかったです。ハル・ベリーとかシャロン・ストーンとかとは格が違い過ぎます。要は知性の問題かと。敢えて増量せずに中年太りを演じたジョニデには自信のほどが伺えますが残念ながらこれやるんだったらいっそ増量した方が良かったですね。加えてこれだけの長尺一代記にしては脇があまりにも甘かったです。レイ・リオッタは熱演しすぎて一人浮きしちゃってるし。ジョニデとレイ・リオッタで麻薬撲滅キャンペーンに荷担してどうする、って感じですね。麻薬王と言うにはちょっとスケールが小さいし、何しろオチが健全すぎる。その上長い。フランカ・ポテンテの横顔が美しいので+3点。 【追記】皆さんのレビューを読んでてだいたいわかりました。これ、出て来る女性がみんなサイテーな役だから嫌いなんですね、私(笑)
6点(2004-11-05 03:26:02)
58.  ラッキー・ナンバー
ノーラ・エフロンのクソ真面目なつまんなさが逆に妙なズレ方で却って面白くなってしまったという不思議な映画。ジョン・トラボルタの俗っぽい高級感と、ティム・ロスの存在感、リサ・クドローのバカっぷりが異様な相乗効果を出してました。話は不幸の泥沼系ですが、この微妙なまとまりのなさとあまりにも丁寧すぎるギャグのギャップにすんなり乗れればイケてる作品だと思います。わたしはこの手の哀しい小悪党モノは大好きですし、全体に腹黒いストーリーとおバカなキャラクターたちにはかなりの愛おしさを感じました。狙ったのか単に本当にダサいのかよくわからない中途半端に古いBGMとか、基本的にノーラ・エフロンって異常にセンス悪いと思うんですけど偶然にしろよくハマッていたので彼女の仕事としてはこれは傑作のうちに入れてあげたいと思います。明らかに人気低迷し始めたところのビル・プルマンの使われ方はちょっと気の毒な気がしました。一発芸だけ披露しに出て来るマイケル・ムーア、たぶん友情出演なんだろうけどこの人俳優だけやってた方がいいですね。キャスティング一発の映画ですがトラボルタってやっぱりいい雰囲気を作る個性だと思いますし、どう考えてもB級止まりの作品をここまで見せるのは大したものだと思います。エプロン姿のティム・ロス最高。
8点(2004-11-04 01:43:37)
59.  コラテラル
いろいろな意味で非常にバランスの悪い映画でした。どう考えてもジェイミー・フォックス演じるマックスの方が主役なのに、トム・クルーズに主役オーラが出過ぎているために話がバラけているのが第一の間違い。そのトム・クルーズが喋りすぎるために中盤がダレすぎ、孤軍奮闘するマックスの焦りがその頑張りの割にはスクリーンからこちらに出て来れない。しかもストーリーは地味で、どちらかと言えばB級サスペンス向け。加えてどう考えてもLAではなくNY向け。小粒な役者を集めてポール・シュレイダーあたりがNYでゲリラ的に撮ってこそ初めて面白くなるストーリーを、何故かハードボイルドのメッカLAで、トム・クルーズ“客演”で撮ってしまった。トム様をかつぎ出した以上予算はたっぷりあるから、無意味な空撮とかばんばん使ってLAの街並みを贅沢に俯瞰で流しているけど完全に無駄。たぶん『ヒッチャー』のバリエーションなんだろうと思うけど、本来決して器用ではないトム・クルーズにこの脇役は無理でしょう。終盤の30分だけ、期待していたジェイダ・ピンケットの脚線美とジェイミー・フォックスの大活躍をちょっぴり堪能できた、ただそれだけの映画です。巻き込まれ役がブルース・ウィリスで、冷徹な殺し屋がサミュエル・L・ジャクソンだったらかなりおもしろくなったと思います。要するにそういうレベルの映画です。こんなに輝いてないトム・クルーズは久しぶりに見ましたけど・・・。しょっぱなでチラッと出て来たジェイソン・スティザムが何の伏線にもなってないのもイタかったですね。ジェイダ・ピンケットは今最も輝いている黒人女優の一人だと思っているけど、私生活でウィル・スミスと結婚しているくせに映画の中までジェイミー・フォックスに肩なんか抱かれちゃうのちょっと反則だと思います。
5点(2004-11-01 23:08:59)
60.  ソウ
素直にめっちゃ面白かったです。『セブン』だ『CUBE』だという宣伝文句に却って身構えてしまい、この手の宣伝文句ではまず大したことはなかろう、と予告編ではそれほど期待してなかったんですけど、何しろ配給がLION'S GATEなわけで・・・これは微妙ですよね。登場人物2人の密室劇を想像してましたが、かなり掟破りのカットバック大乱用、これは新しかった。一見だらだらとまとまりのない回想談に見えて個々のモチーフがそれぞれに緊張感溢れるホラーの手法で撮られているのでいちいち緊張できましたし、それぞれにメリハリがありました。パズルに特化した奥行きもな~んにもない作品ですが、何にもない上にパズルにもなってない作品が山のようにあることを思えば、これは頭一つ抜きん出ていると思います。「オマエ、なんで○○せんのや~」と内心叫んでしまうツッコミどころはそれなりにありますが、パズルのためには必要な展開なのでやむなし。この図太いワタシが思わず目を覆ってしまうショックシーンあり、ズシン!と客席が揺れる仰天シーンあり、少々行き過ぎたきらいはありますが、今どきやるならココまでやらないと。というわけで大判振る舞いの10点です。どうも私の10点は乱発しすぎて値打ちが下がっているように思いますが、少なくともポスト『セブン』を宣言したあまたの作品の中ではこれまでに一番面白コワかったです。まあそもそも私はパズルとしての『セブン』は1ミリも評価していないので(笑)そういう意味ではこっちの方が上じゃないですか。ありがちな映画でないことだけは確かです。久しぶりにいいものを見ました。
10点(2004-11-01 01:41:50)(良:1票)
0121.86%
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2172.63%
3264.02%
4304.64%
5517.89%
67611.76%
710416.10%
813120.28%
910115.63%
108613.31%

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