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もっつぁれらさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 542
性別 男性

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41.  穴(1960) 《ネタバレ》 
「大脱走」、「アルカトラズ~」と見てきましたが、ウワサ通り(笑)やっぱりこれが一番面白い。この2作品は看守の甘さなどが原因でやや不満もあったが、本作においては不満のつけ入る隙が全くといって言いほど存在しない。 他の脱走ものと決定的に違うのは、囚人たちの真剣さが見ている側にもひしひしと伝わってくるところであり、ストイックなまでにひたすら穴を掘り続けることによって映画全体に並々ならぬ緊張感が生まれているところだ。床に穴を掘るところを見ると文字通り“力作”だなぁと感じてしまう(終盤の下水道の壁に穴をあけるシーンにカットが入ってしまっているのが非常に惜しい。2時間半の映画になってもいいからあのシーンはぜひ長回しで撮って欲しかった)。 また、小物の使い方も極めて秀逸であり、柱を影にして看守の目を逃れたところは、あれが映画の演出でなく本当にあれで難を逃れたのだとしたら驚愕ものである。 そして、最後にロランが放った「情けない奴だ」のセリフ。これは極めつけのセリフだ。 ガスパールは裏切ったのか?ということを後から考えているようではダメである。 これは無知な自分に向けられているようであり、非常に痛かった。※
7点(2004-09-19 20:00:27)
42.  鏡の国の戦争 《ネタバレ》 
戦争の非情さが痛いほど伝わってくる重い映画だった。 戦争の悲しさや無常感を描いた良作は他にも多々あると思うが、それらに決して劣ることのない出来だと思う。エイブリー演じるアンソニー・ホプキンスの言葉一つ一つが痛切で心に重く焼きついてしまった。本作のタイトル通り、国境を境にしてそれを鏡に見立てたサブプロットも興味深い。 途中で出てきた自転車の集団や羊の群れは一体何を意味していたんだろう・・・。 ちなみに、原題The Looking Glass Warの“looking-glass”は鏡という意味で、mirrorよりも上品な言い回しだそうだ。※ 
7点(2004-08-31 17:51:06)
43.  欲望(1966) 《ネタバレ》 
私もあのジャケットの表紙の絵に惹かれて見た人間の一人です。しかし、自分には合わなかった。そこにあるものが本当に実在するのかということを訴えかけているということはわかるような気がします。それを表現する為に写真という媒体を使ったのはナイス。評価できるところは、写真を引き伸ばしていくところ。しばし無音の状態が続き、ここが見せ場だという感じは伝わってきて私の目も覚めてきたが(笑)、それほどの緊張感はなかったと思う。それに、あの写真を見て死体の存在に気づくことも不自然・・・。いや、やっぱりあれでいいのかも。我々には見えなくとも主人公には見えていたのかもしれません、そこにある何かが。なるほど、確かにあのシーンに集約されていますね。さらに突き詰めていくと、盗み撮りされた女の人も本当に実在しているのか怪しいですよね。電話をかけても繋がらなかったし。あのライブのシーンにも特に意味は無いように見えるかもしれませんが、やはり、何か訴えるものがあるように思えます。あのライヴハウスの観客たちは異様なまでに見入っていましたけど、それは観客が聴いてる筈の音の存在、そしてアーティストの存在までも現実にそこには本当に存在しているのかを言い表したかったのかもしれません。また、ギターの一部が観客に投げ込まれても平然とした様子で、さらに言えば観客が存在していないかのように淡々と歌いつづけるヴォーカル。では、プロペラは?家に帰ってきて足で触った。動いた。間違いなく、確かにそこに存在している。プロペラはこの世で確実に存在しているものの象徴なんでしょうか? ラストは【月子】さんのご指摘で初めて気がついたのですが、音が出てたんですね。もっとはっきり聴かせてくれればよかったのに。 まぁ、いずれにしろこの悠長なストーリーは私には合わないですね。【STING大好き】さんのおっしゃる通り、起承転結映画に慣れた人間がいきなりこの映画を見るとどうしてもこんな点数になってしまいます(笑)。中途半端に明るい音楽もいいと思わないし。 今になってふと思ったんですけど、実はこの悠長なストーリー、それさえも存在していないかのように見せたかったのかもしれませんね。ストーリーの進みが異常なまでに遅く、進んでいるのかもハッキリしない。無駄な部分がやたらと多く組み込まれているのは、飲み物に水を入れて薄めるかの如く・・・って考えすぎかな?
7点(2004-07-03 21:41:50)(良:1票)
44.  泳ぐひと 《ネタバレ》 
ビデオ屋であの裏表紙のあらすじを頭っから信じ込んでしまった。確かにあの裏表紙の解説通りに見ると、ネッドの周りの友人たちが時の流れとともに変わってしまったことに絶句し、家に着いたらそこはもう寒々とした廃墟で、時代の流れの悲しさをこのシーンで一気に押し出したといった感じの、時の流れの虚しさを訴えた映画として見ることが出来るかもしれない。ただ、この見かただと結末が凄く悪いと言うか、不条理極まりないと言う感じに見えてしまう。 次のような見かたも出来る。この映画、悲しむべきはネッドの周囲の人間達の変貌ぶりではなく、むしろネッド本人の境遇なのではないかと。ネッドは既に破産しておりネッド本人がその事実と向き合えずにいるが、すでに廃墟化した自宅に着いてようやく現実に戻され号泣する。この後者の見かたの方がつじつまが合っていると私は思う。この見かたで面白いのは、自己の破産を隠し通そうと躍起になっているのではなく完全に以前の上流階級のままであると思いこんでいる所、少しづつネッドの正体が知れてくる所、そして、ネッドが最初のダンの家のプールにどこからともなく現れたことであると思う。結末がわかってからオープニングのシーンを思い出すと非常に面白い。 〔追記〕この映画は、ある意味、自分を映画の世界に入り込ませたきっかけとなった映画かもしれない。 というのは、この映画を自分が初めて観たときの解釈(上記前半)と他のサイトでのこの映画の解説(上記後半)とが大きく食い違っていたから。自分の余りの理解力のなさに愕然としてしまい、その悔しさがそれ以来映画を観続ける原動力になっているような気がするのです。 戒めの意味も込めて、ちゃんと残しておきます(笑)
[ビデオ(字幕)] 7点(2004-06-27 00:25:39)(良:1票)
45.  パリは燃えているか 《ネタバレ》 
映画の鑑賞前は必ず監督やキャストなどの情報はある程度頭に入れて臨むのですが、ズラリと並んだ豪華キャストの面々に、どんだけ人間ドラマ熱いんだと、期待してしまいましたが、この映画に関してはそこは期待すべきではない作品のようです。 自宅のテレビでの鑑賞なので時計も見ながらでしたが、ジャン=ポール・ベルモンドが登場するまで50分も待たされましたからね(笑)。 監督のルネ・クレマンがフランス人という事もあり、起用したキャストのほとんどがフランス人俳優で、また言うまでもなく、フランス側の視点でカメラを回していたのが特徴的です。 ドイツ兵に「美しい街だ」と言わせたり、市街戦でもドイツ軍を迎え撃つシーンが多かったりするなど、終盤にかけては言わずもがな。 また、昔の記録映像を織り交ぜながら語る手法は、映画のストーリーが史実に基づいたものだという事を表現していて、リアルに迫った説得力のある語り口として捉えることができると思います。 映画中盤辺り、ピエール・バネックはアメリカ軍へ、ベルモンドはフランス軍へそれぞれ掛け合い、ナチスドイツを退けようという動きが高まってきたところでインターミッションが入る構成も良く出来ているなという印象です。 ドイツ軍司令官のゲルト・フレーベ扮するコルティッツ将軍が上からのミッションに徹することができず、軍が人を統率することの難しさも描かれていて、映画を観終わった今、ウクライナに侵攻しているロシア軍もいろいろと上手くいかないことが多いのではとか考えを巡らせてみたりもしました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2022-10-14 02:41:38)
46.  オー!
フランス映画は大好きなのにフランスの犯罪映画フィルムノワールはちょっと苦手意識がありまして、この映画もその例に漏れずそんな感じ。 ストーリーはまぁ分かるんですが、共感も感動もできないし更に言えば鮮やかな犯行トリックもないしということで、どうしても物語に入っていける要素が見出せないままだった気がします。 オープニングのタイトルのフォントも映画の雰囲気に反して妙にポップな印象だし、スタッフ・キャストのクレジットの出し方もセンスがイマイチ。 組織のボスが銃で腹を撃たれたシーンの描写とか目ヤニを取る仕草とか色々と鼻につく演出が気になってしまい低評価にしそうなところでしたが、ここはベルモンド主役作品という事でオマケして6点。
[映画館(字幕)] 6点(2022-09-09 01:54:40)
47.  禁じられた抱擁 《ネタバレ》 
映画後半のセシリアの「二人が友達になってくれればいいのに」でデジャヴが舞い降りてきた。 観終わって調べてみると、だいぶ前に観たことのある「倦怠(1998)」と同じ原作とのこと。 自分にとっても17年前に観た映画なので内容はほぼ覚えていないのですが、男女の微妙な恋愛感情を描いた作品という印象で、本作の中でも例えば、カトリーヌ・スパーク扮するセシリアが一旦アトリエを出てすぐに引き返して戻ってきてキスをするという捉えどころのない感情表現が序盤から出てくるところからも難解な映画という印象で見始めたと思います。 ストーリーとしては、男女の恋愛話だけでなくお互いの両親も出てきたりするなど奥行きのある物語のように感じられ、また、序盤に出てきた実家の新人家政婦との“触れ合い”の描写も非常に官能的で上手いと感じさせる一方、野原で口論になった挙句に押し倒し金を握らせた途端に抵抗を止めたりする唐突な感情表現も出てきたりと、やや雑な部分も見え隠れしていた印象です。 終盤で、セシリアがアトリエを後にしたところでfineの文字が出るのですが、この直前の会話がまた微妙すぎて解釈に悩むところ。 映画全体で終盤のクライマックスらしきシーンが出て来ずに終わりを迎えてしまうというのはヨーロッパの映画ではよくありますが、本作はその中でも特に締め方があっさりとしていて驚きました。 原題「La noia」は原作と同じ「倦怠」だそうですが、邦題は個人的にはややいじくり回しすぎたかなと。
[映画館(字幕)] 6点(2021-06-24 03:09:09)
48.  リオの男 《ネタバレ》 
ん~、自分は「カトマンズ」はアクション・コメディ共に良かったですが、こちらはややアクションに傾倒しすぎてコメディの方にもうひと頑張りあればという印象。 期待した分だけ落差があったために若干低めの点数です。 大好きなベルモンドのアクションは相変わらず格好良く、乱闘シーンや飛行機から飛び降りるシーンなど後のハリウッド作品などにも影響を与えたというのも納得の冒険活劇です。 フランソワーズ・ドルレアック扮するアニエスがさらわれて空港まで追いかけるわけですが、運良く見つけることができた上にパスポートの提示もなしに国際線でリオまで飛べてしまうという謎の展開はもちろんご愛嬌。このコミカルなドタバタ劇にツッコむなんぞ野暮というもの。 ホテルの部屋からアニエスを救い出して監視していた男を部屋の外から扉をロックして閉じ込めてしまうのももちろんご愛嬌ですし、建設途中の建物を上へ上へと登りながら物を落として追手にぶつけるのも、よくあそこまで都合よく転がりやすいものが並べられてるなと、アクション活劇は楽しく見ることができました。 主演二人は、ベルモンドはストライドの大きい走る姿は見ていて格好良いし、一方のドルレアックもサンバのリズムの軽快なステップも見どころの一つだと思います。 余談ですが、当時のリオデジャネイロの開発途中の街並みが見れたのはある意味貴重ではなかろうかと。自分は行った事ないですけどね(笑)
[映画館(字幕)] 6点(2021-05-14 23:24:50)
49.  やさしい女 《ネタバレ》 
オープニングで、テーブルが倒れるモーションだけでブレッソン映画だと分かる。これって、凄いことですよ。 どうやったらあのようなショットが撮れるのだろう・・・ブレッソンに聞いてみたい。 それはともかくとして、これは超が10個付くくらいの超難解映画。 何故難解かと言えば、過去の出来事のみを一方的に語るというスタンスをとっているためであり、また、回想シーンにおいても女は男に対しての感情をほとんど口にすることもないままに物語が進行し、銃を男に向けるアクションですら動機が分かり辛く、死人に口なしのもはや八方塞がりの映画なのだ。 何が彼女を自殺に追いやったのかとか、夫婦間にどんな亀裂がなど、詮索する事が無意味であることは間違いなさそう。 ストーリーの辻褄合わせは無視して人物の心情を読み解くべき映画もありますが、これはそれすらも許さないであろう映画。 ただただ画面の中で起きているモーションに着目し、そこから何を読み取るかではなく何を感じるかに注力すべき映画。 これが並みの映画監督なら心理描写が全然出来ていないなどと酷評するところではありますが、最初に述べたテーブルの動きや死体の描写、視線などを含めた役者の表情、室内シーンの陰影の付け方、要所要所で聞かせる街の喧騒などなど、これぞブレッソン映画というべき本作に自分のような素人がいちゃもんを付けられる訳もなく、ただひたすらに映画に向き合うのみなのであります。 けど、これだけは問いたい。「やさしい」とは???
[映画館(字幕)] 6点(2015-11-07 22:03:16)
50.  恋人泥棒 《ネタバレ》 
タイトルは原題邦題共にダメ。シナリオもまぁ、可もなく不可もなくといったところ。 それよりも、やはりアメリカのテクニカラーの映像が個人的にはあまり好きにはなれず、おまけに、意図を理解するのに苦労するようなカメラワークがこの映画の価値を下げてしまっているように思いました。 ズームインを多用していたのと、変に凝った映像を作ろうとしたのか、男が警部としてフェアチャイルド家に入った時に乾杯するシーンで物の陰から撮っていたり、二人で地下室に忍び込むシーンでも同様に“物陰ショット”をやっていたりして、視点が定まらないというか、かなり奇妙な撮り方をしていたのが勿体なかったと思いました。 また、音の使い方もあまりセンスが良いとは言えず、映像が切り替わるのと同時にBGMも途中で寸断される事が何度もあって音に対する無頓着さを感じさせられましたし、やはり何と言ってもクラウディア・カルディナーレの声が嗄れていたのが非常に残念なところでした。 しかし、しかーし、唯一にして最大の見どころは下着姿のクラウディア! 灼熱の地下室の中、服を脱ぎ捨てた彼女のスーパーボディーには目を釘付けにされてしまい、更に炭酸を浴びせられて身悶える抜群のサービスショットなんて、思わず身を乗り出して見てしまうほど!何であんな所に都合よく冷蔵庫が置いてあるのかはさておいて、ここはもう自分映画史上最大と呼ぶに相応しい超奇跡的なワンシーンです!!! この潜入シークエンスを何とか終盤に持ってこれるようにストーリーを組んで、最後に「ローマに、また宝石を一緒に戻しに行きましょ」で終わりにした方が良かったんじゃないかな?
[映画館(字幕)] 6点(2014-03-16 13:34:47)
51.  水の中のナイフ 《ネタバレ》 
「戦場のピアニスト」の後に本作を観ると、作風のあまりの違いに面食らうこと間違いなしでしょう。 こっちは、まるでアントニオーニの映画を観ているよう。 シャープなモノクロ映像の中で繰り広げられる卓越した人物描写。卓越し過ぎて置いて行かれることも・・・。 冒頭のキャスト&スタッフ紹介が終わった直後、フロントガラスに反射する木々の影が消え人物の表情が浮き出るという洒落た演出に早くも唸らされます。 また、画面の手前と奥に人物を配置した構図が幾度となく出てきていて、斬新な印象さえ受けます。 舞台となる湖というのが面白く、海とは違ってたまに遠くの方に小さく島が見えたりして、遠くから目撃者がいるんじゃないかと思わせるような程良い感じの密室感が作られていたような気がしますし、登場人物の三人以外には一人の人影も出さずにストーリーが進んでいく舞台設定も異様なほどの孤独感や切迫感が出ていて、他の映画では決して感じることのない独特の雰囲気が出ていたと思います。 男同士の心理戦が微妙すぎて難しいのですが、ヨットの上の状況を例えて言うならば、飛行機のコックピットの中に一人の狂人が入ってきたというような印象で、ナイフを持った狂人が癇癪を起こさないように事を穏便に収めておきたいような感じでしょうか。 しかしながら、恐怖心を余計に煽るような演出は本作の主題から外れるということもあってか、全編を通して一度もナイフに光を反射させずに通していて、それが一筋縄ではいかない心理戦の難しさを暗に示していたように感じました。
[映画館(字幕)] 6点(2012-06-08 23:58:00)
52.  女と男のいる舗道 《ネタバレ》 
ヌーヴェルヴァーグとかは勿論のこと、予備知識はなるべく入れずに観るようにしているのですが、この映画の一番最初でキャストとスタッフのクレジットがアンナ・カリーナの横顔の上に載せられているのを見て、何て斬新なオープニングなんだと衝撃を受けました。 ストーリーが章ごとに区分されて進む形式やこのオープニングクレジットなど、これがヌーヴェルヴァーグ的な表現なのかどうかはわかりませんが、今のこの時代に観ても十分に驚きを与えうる映画だと思います。 必見はアンナ・カリーナが「裁かるゝジャンヌ」を観ているシーンで、劇中で涙を流すジャンヌをアンナ・カリーナにオーバーラップさせる演出。このセンスはもう最高。 また、手紙に自身の特徴を書いているときに立ち上がって身長を測っていた姿がとても可愛らしく、手を広げて測っているときに顔が指で押されてフニャっとなってしまっている時の表情がたまらなく好きですし、「右を向くのも自分の責任、不幸になるのも・・・」と、哲学的な会話が展開されるのもゴダールらしい味が出ていていいです。 最後に銃で撃たれて悲劇的な結末を迎えるところや、全体的なストーリーが自分好みではないところが残念でしたが、客を楽しませるために「面白いストーリーを作ってみました」みたいなわざとらしい話を聞かされるくらいなら、こういうストーリーの方が何倍も楽しめると思います。
[映画館(字幕)] 6点(2011-08-11 23:03:48)
53.  荒野の七人 《ネタバレ》 
オリジナルの方はまだ観ていないのですが、「七人の●●」とか「●●の七人」という作品で、7人全員にスポット当てることが出来ているものって、あるんでしょうか? この映画も、途中までは凄く良い。人数集めをするシーンで、一人また一人と仲間が増えていく時の高揚感は他の映画では感じることの出来ない盛り上げ方で、ここまではかなり好き。けど、5人目くらいまではしっかりと人物描写をしながら人数を増やしていっているのですが、最後の方になるとちょこっと顔出して終わりといった手抜きとも言える進め方なのでどうしても中途半端な印象が残ってしまいます。ここは上映時間をあと30分増やしてでも7人全員のキャラを確立させて村に行って欲しかったです。 ついでに、もう一つ不満なのが村民の態度が コロッと一変してしまうくだりなんですが、「死体がこの辺一帯に散乱するのはイヤだ」とか言って7人が逆に締め出しを食らうところは、まぁ、起承転結の“転”にあたるところを組み込んだつもりなんでしょうけど、馬鹿げていると言うか何というか、あれだけ頼っておきながら手のひら返されて裏切られるとイラッとさせられてしまって、ここは大きくトーンダウンしてしまいました。 それと、1回目の銃撃戦の後のダラダラとした流れもダメ。 ユル・ブリンナーを初めとする豪華キャストの格好良さにオマケして、大甘の6点。
[映画館(字幕)] 6点(2011-07-09 14:58:42)(良:2票)
54.  2001年宇宙の旅 《ネタバレ》 
映画というのは客からお金を取って成り立つ商売であって、例えば、ピカソのような芸術作品を美術館に行ってお金を払い鑑賞すると、その絵を理解して納得する人は少ないと思いますが、ほとんどの人は満足し、鑑賞に費やしたお金と時間を後悔する人はほとんどいないと思う。さて、この映画はどうでしょうか。 この映画の余りの異質さに、なんでこんな映画が世に出たんだろうと思った。 この原作を読んだりして、この世界を表現したいと考えたクリエイターは他にもいたかもしれませんが、実際にその方法と資金の両方を持ち得たのは世界でキューブリックただ1人だったということ。この世界を表現してしまったのが、趣味で映像を撮る個人作家やイラストレーターや漫画家ではなくキューブリックだったということでしょう。 映画を見た後に皆さんのレビューを拝見してみると、映画の中に出てきたあの石板の役割や意味が少し理解できたような気がしたので再度鑑賞してみましたが、特に印象は変わることはなかったです。 つまり、面白くないものはどう逆立ちしても面白くないわけであって、原作を読もうが色んな解釈を聞こうが「だから何だ」で終わってしまうことがほとんど。 この映画に限らず、「原作を読んで評価が上がりました」とか「理解できない人は原作を読んだ方がいい」というレビューがあちこちで見受けられますが、映画の評価はあくまでも映画そのもので評するべきだと思います。 この映画の決定的にダメなところが、機械が人間に危害を加えようとするところなんですが、機械に対する考察や知識に欠けていると言わざるを得ません。多くは語りませんが、キューブリックは「ロボット3原則」についてもう少し勉強してからこの映画を作るべきで、それを知っていればHALが人間を陥れようとするくだりはこの映画の中に組み込まれなかったと思いますし、この映画の中でも肝となる部分ですので、ここでのリアリティのない安易な未来観のせいか、どうしてもこの映画に対して安っぽさを感じてしまいます。 それと、細かいところですが、船員二人が球体の中で作戦会議をする時に、スイッチを順々に切るシーンがありましたが、あのスイッチがいかにもアナログ的で笑ってしまった。キューブリックも未来に対しての先見があるようでいて、こんな映画を作って格好つけてはいるけども、やっぱりアナログの時代の人なんだなぁと思ってしまいました。
[映画館(字幕)] 6点(2010-08-01 20:05:19)(笑:1票)
55.  8 1/2 《ネタバレ》 
冒頭の人間凧の映像の格好良さから、早くもテンションが上がってきたのですが、ストーリー全体を通して見てみると、自分の理解が及ばないところが多々あり、それが非常に残念、というか、悔しい。 けども、主人公の苦悩は十分に伝わってきて、その描き方が面白いと思いました。 自分の考えを理解してもらえない、周りの人間を信頼できないとかは、何か共感できてしまったり・・・少なくとも、嫌いではないですこの映画。 ただ、現実と幻想の境界を把握しきれないままだったので、再度機会があれば是非とも観てみたいと思いました。 
[映画館(字幕)] 6点(2010-03-25 00:32:50)(良:1票)
56.  輪舞(1964) 《ネタバレ》 
オープニングの影絵&キャスト・スタッフ紹介は大好き。 その直後の、夜の街の街灯の光の色加減なんて、もう堪らなく好き。 終始に渡って、ただ何の脈絡もなく語り合っているだけの映画なので、ハッキリ言ってストーリー的な面白さは全くないです。 しいて見どころを挙げるとすれば、登場する女優さんたちを眺めるのと色鮮やかな画面模様くらいでしょうかね。 色使いなんかは、この時代の特徴とも言える独特の色合いが出ていて凄く好きなのですが、スコープサイズの画面を使っているだけに、ちょっと画面の構図がイマイチなシーンがいくつかあったのが残念でした。 先にレビューなされた方のコメントを拝見すると、オフュルス版のオリジナルの方が評価が高いようですが、この映画は観ての通り、ストーリーを語る映画ではなく、画面の華やかさが求められるべきであるので、これはこれで成功しているのではと思います。オリジナル版は未見なので何とも言えませんが。
[映画館(字幕)] 6点(2008-10-30 01:15:43)
57.  夜霧の恋人たち 《ネタバレ》 
邦題に騙された気がする。「夜霧」どころか「霧」すらもなかったし、「恋人たち」と謳っているのにラブストーリー的要素は二の次のような気がします。そのお陰で話が散漫に感じられてしまい、ほとんど物語に入っていけませんでした。 花瓶ではなく花を投げつけたり、入社試験の包装のテストなど、面白いところは他にもいくつかあったのですが、それはあくまで枝葉なこと。 けど、ラストで昔からの女友達と一緒になってエンディングを迎えられたのは良かった。ラストの朝食のシーンが愛に満ち溢れていて、これが凄くいい。こっちまで幸せな気分にさせられてしまいます。晴れた日の公園でシャンソンを背に、二人仲良く歩き始めてFINの文字。これで、終わり良ければすべて良し。このシリーズ初のハッピーエンドですね。 ★通算200レビュー★
[映画館(字幕)] 6点(2007-12-16 01:16:15)
58.  突然炎のごとく(1961) 《ネタバレ》 
フランス人の恋愛観はさっぱりワカラン。 唯一良かったのは、カトリーヌ役のジャンヌ・モローが適役だったことくらいか。 劇中の三角関係は、到底理解できるような状況ではないけれど、ジムとジュールはそれぞれがお互いを認め合い、両者とも相手の女性に対しても思いやりをもっていたからこそあのような共同生活を営むことが出来たわけで、美しい友情を描いた映画、とも捉えることが出来る・・・・・かな?難しいけど。 美しい笑みを浮かべた彫刻にそっくりな女性が現実に現れるというのは、いかにもトリュフォーらしくて好き。 また、終始に渡って明るいBGMが流れていたことから推測するに、実はあのラストは悲劇と捉えるべきではないのかも・・・。 やっぱりワカラン、この映画。 
[映画館(字幕)] 6点(2007-11-24 23:51:19)
59.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
はっきり言って、脚本がクドい。 台詞回しで観客を惹きつけようとする魂胆がミエミエで、その辺に嫌味を感じる。脚本も演技も小物使いも確かに良いのはわかるけど、ほどほどが一番良いと思う。ストーリーは面白いのだが、自分にとっては、ただそれだけの映画。 ソフィストケイティッドなラブコメなら、ワイルダーの師匠ルビッチの方が面白い。あくまで好みの問題だが。 こんなに酷評しちゃったら「麗しのサブリナ」のレビューを変更せねばイカンなぁ・・・。 “映画らしい映画”って何だ?!?  
[映画館(字幕)] 6点(2007-09-04 00:16:57)
60.  シュザンヌの生き方 《ネタバレ》 
エリック・ロメールの「六つの教訓物語」シリーズ第2作。 ストーリーの核は、要するに、主人公のベルトランはシュザンヌのことを内心馬鹿にしてたのだけど、実はシュザンヌにとってはギヨームとベルトランの二人っていうのはただの遊び友達にしか過ぎなかった、ということらしい。 正直のところ、最後まで観てこの主題・ストーリーにはさほど好感も共感の念も湧いてこなかった。ギヨームの、女に対する利己的な態度や、シュザンヌがギヨームの態度をすぐに許して早くもギヨームの腕の中にいるところとかも、ダメだこの女って思っちゃう。 けど、この映画のシュザンヌのように、沢山の男に好かれたいという願望をもっている女の人って結構いると思う。自分の周りに、私のことを好きでいてくれる男がいればとりあえずは安心っていう人。そういう人って周りに対しては結構愛想がよくて、本気で交際を迫られてもハッキリ断らずにはぐらかして、いつまでも自分の傍に置きたがったり(キープ君ってやつ)、シュザンヌのようにちょっとは好きっていうだけで意味もなく寝ちゃったり、奢ってあげちゃったりしてしまうんでしょうね。 そう考えると、最後のシーンで男にクリームを塗らせるシュザンヌは、あれはまさに至福のひと時なんだろうなぁと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2006-12-15 23:52:12)
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