Menu
 > レビュワー
 > すねこすり さんの口コミ一覧。3ページ目
すねこすりさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 432
性別
ホームページ http://blog.goo.ne.jp/kirin6770
自己紹介 こちらでの書き込みは休止しております。
よろしければ、ブログへお立ち寄りを。

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1990年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順12345
投稿日付順12345
変更日付順12345
>> カレンダー表示
>> 通常表示
41.  ボーイズ・ドント・クライ 《ネタバレ》 
こんなことを言っては身も蓋もないけれど、人間社会から差別・偏見・イジメがなくなる日なんて、永遠に来ないと思う。人間に限らず、動物界でさえ(だからこそ、かも知れないが)マイノリティーは壮絶なイジメに遭う・・・。初めて見る稀少な存在・事例を、一体どれだけの人間が「無」の感情で受け入れることができるのだろうか? この作品は、そういう意味で極めて難しいテーマを取り上げたわけで、「差別はダメよ」というメッセージを伝えるだけならむしろ簡単、恐らくもっと饒舌になっていただろうと思う。作り手は、差別の完全排除が不可能なんてことは織り込み済みで、だからこそ、淡々と事象を描写するに至ったのだと解したい。それが故に理不尽な展開に納得できず、共感を得られない部分も多いのかも知れないが、これはこれで仕方のないつくりだと思う。ここで、安直に「性同一性障害は障害なんです。みなさん、もっと理解しましょうね」と障害をクローズアップし過ぎても、ヘタすれば上から目線になってしまう可能性もあるし、マイノリティーには問答無用で感情的に激しい嫌悪・排斥願望を抱く人間がいるのも事実。「とにかく嫌い(不気味)」を理由にする人に正論を盾にした説教臭いメッセージはむしろ逆効果とも言える。・・・ということを踏まえた上で、しかし、ジョンとトムの終盤の行為については、マイノリティーに対する感情的排斥願望ももちろんあっただろうが、ラナの心を奪われたことに対する怒りと嫉妬、あるいは「化け物」を受け入れたラナ自身に対する怒りを、ブランドンが最も屈辱感を味わうに違いない行為で以って解消したという要素が大きいように感じた。ラナ自身がブランドンが女性と分かった時点で拒絶していれば、凄惨な事件は起きなかったように思うからだ。最後も「化け物」を抹殺したいという感情よりは、自分たちのしたことを公にされたことに対する怒りから暴走した行為とも言えないだろうか。ここが、差別によるもの、と解されると極めて衝撃的だけれど、あくまで2人の男の自己愛・自己保身によるものと考えれば、それほど不思議でもない。ここは、あえて語り過ぎずに、見る者に解釈・判断を任せる姿勢は良いと思う。いずれにしても、作り手の志には敬服するが、評価の難しい作品。見ていて終始居心地悪く、それこそ好き嫌いで点数をつければ、この点数。
[DVD(字幕)] 5点(2009-08-27 13:02:46)
42.  海をみる
これまた、不快指数の高い映画。でも、大して過激な描写がないのに、見ている者を不安にさせるつくりはさすが。さすが、だとは思うが、(以下余談)ああいうことを思いつく人とは一緒に暮らせないなー、と見終わった後しみじみ思ってしまった。だって、される可能性がゼロじゃないでしょ、思いつくってことは。才能なんかなくてもいい、ありきたりの感覚を持った穏やかな人が一番ね、一緒に暮らすには。
[ビデオ(字幕)] 6点(2009-08-19 15:30:50)
43.  シンプル・プラン 《ネタバレ》 
すみません、この映画は、前提が大間違いだと思います。「人間誰でも大金を目にしたらこうなる」って、勝手に決め付けないでよぉ。大体、3人で山分けしたら1人当たり、1億5千万円弱。そこまで躍起になるほど魅力的な金額でしょうか? いまどき、宝くじでも1等3億円です。私はいい歳してろくな貯えもないその日暮らしの身だけれど、そんな怪しげな大金要りません。だったら部屋の掃除していて思いがけず野口英世が1枚出て来た方が百倍嬉しいです。こういう人間は世の中の少数派だと言いたいのでしょうか? なかでもとくにハンク的な人間が一番キライです。自分だけ正義面して、そのくせ実は強欲で、同穴狢の悪妻の言いなり。自己保身のためなら恐ろしいほど巧妙な作り話もし、実の兄をも殺せる。・・・この愚かなる兄を演じていたソーントンがとにかく出色です。この人のおかげでこの作品は辛うじて最後まで見られます。ある意味、あの兄が一番共感できるかも。ラストシーンは、しかし一応のカタルシスを得られます。あんな夫婦の下に生まれたお嬢ちゃんが気の毒で仕方ないです。
[DVD(字幕)] 4点(2009-07-27 17:04:32)(良:1票)
44.  マイ・ドッグ・スキップ
犬&子ども。これだけで反則って感じなんだが、まあ、見ちゃうんだよね、犬好きとしては。そもそもポスターが反則だよね、これ。ポスター欲しさに、かなり探し回ってオリジナルのを(結構イイお値段だった)買っちまいましたよ。日焼けするのがもったいなくて、買ってから5年も経っているのにまだ梱包したまま・・・。で、久しぶりに再見いたしました。何度見てもクサイなぁ、と思うし、犬が演技しすぎだし、主人公の少年もちょっと好みじゃないのは変わらない。でも、ケビン・ベーコン&ダイアン・レインの両親は素敵だし、そうは言っても片玉でもやっぱりスキップは可愛いし、BSシネマ堂本舗で山本晋也監督も言っていたけれど、静かな反戦映画でもあるのよね。何となく無下にもできないんだよなぁ。イイ子過ぎるスキップが、どうしても食い足りなさを感じさせるわけで・・・。とにかく、やっぱりこの映画はポスターですよ、ポスター。これで作品価値2割増です!
[映画館(字幕)] 6点(2009-05-08 16:12:48)
45.  ムッソリーニとお茶を
う~ん、イイ映画。まずタイトルが良い。舞台はフィレンツェってのもイイ。ウフィツィのボッティチェリの前でティータイムなんて羨ましい。ロミジュリやブラザーサンがさりげなく入っていたり、何と言っても豪華俳優陣に、さすがはゼッフィレッリ、と堪能。彼の素晴らしい美的センスや感性の背景には、こんな特異な環境があったとは! 彼の作品ではクライバーとのオペラ『カルメン』と甲乙つけ難く好きだなあ。音楽も良いし、衣装、美術もステキ。もう何度も見たけれど、見る度に酔いしれる。まぎれもない名作だと思う。やっぱりゼッフィレッリ、好きだなあ。
[映画館(字幕)] 9点(2009-04-30 11:17:53)
46.  ショーシャンクの空に 《ネタバレ》 
あまりに評価が高いのでビビッて書き込みできずにいましたが、最近再見したので、勇気振り絞って今さらですが投稿致します。もとは、劇場で見たのですが、そもそも一緒だった相手もイマイチならば、入場したときは既に予告編が始まっており満席&立ち見、途中で気分悪くなって内容どころじゃなくなった、という曰く因縁付きの作品。その後も何度もTVでもBSでも見たのだが、初見時の環境なんかに関係なく、やっぱりこの高評価はナゾだってことを見る度に感じさせられてしまうわけです。この作品を「脱獄モノ」って言うのはちょっとね・・・。だって、脱獄準備の緊迫感ゼロ(所長とのやりとりに『アルカトラズ』のような手に汗握る緊張感は皆無)、脱獄自体スンナリ行き過ぎ(雷鳴にあわせて石で汚水管叩き壊すって、凹んでもいなかったじゃん、あの汚水管)、脱獄後ハッピー過ぎ(横領したお金はまあ冤罪の賠償金ってことで倫理など問う気はありませんけど)。まあ、ヒューマン系でしょう、中途半端な。トミーが死んじゃったのは自分の言動が遠因だと分かっているはずなのにアンディには何の葛藤もないし。しかも、ムショ暮らしはそこそこ自由で楽しそう、シャバで貧困と戦って生きるほうが遥かに過酷。なんかこう「切実感」がないのですね、作品全体に。別に駄作だとは思わないけれど、十分凡作だと思います。というか、私の感性なんて、所詮マイナー路線でございます。ですから、この点数でもお許しください。
[映画館(字幕)] 6点(2009-04-27 17:04:08)(良:1票)
47.  カフカの「城」 《ネタバレ》 
原作未読。うー、カフカをハネケが映画化だもんね。「変身」「審判」しか原作は読んだことがないが、この居心地の悪さは、むしろ予想通り。オーソン・ウエルズの『審判』とは全く違う趣きながら、不条理さ全開。フリーダといい、頭の悪そうな(でも良さそうな)助手の2人といい、まったくもってイラつく存在。しかし、最もイラつくのはK自身。・・・てところを、ハネケはうまく描写していると思う。自分のことしか考えないKが、彷徨い出会う人間たちが浮かべる無表情だったり、嘲笑のような笑みであったり、冷徹さであったり、すべてがKを追い詰めていくところはハネケの底意地の悪さの面目躍如といったところでしょ。そして、あのデッドエンド。ひゃ~、ここまでやられると、文句も言えません。ハネケさん、あなたもエゲツナイお方よのぉ。私はあなたにどこまでも着いて行くぜ。
[DVD(字幕)] 7点(2009-01-13 11:00:12)
48.  リング(1998)
これは、ゼンゼン怖くないからダメである。呪いのビデオはよく出来ていると思ったが、主人公は原作どおり男性のまま、高山と元夫婦なんぞにしない方が良かったと思う。原作も、怖いというより、謎に引き込まれる感じではあったが。例のブラウン管から貞子が這い出てくるシーンは見応えあり。でも、怖いかと聞かれると、やっぱり怖くないんだよな。オンエアされるたびに何度か見ているが、最初から怖いと思えなかったので、見るたびに自分の中でパロディー化していくのを止められない。困ったもんだ。
[地上波(邦画)] 4点(2008-12-09 15:46:30)
49.  フロム・ダスク・ティル・ドーン
うー、バカバカし過ぎて、コメントする気にもならない・・・。借りたDVDのchapter24だけどうしても再生できなかったんだけど、展開的にゼーンゼン問題なかった。・・・脱力。
[DVD(字幕)] 2点(2008-12-05 15:41:29)
50.  マディソン郡の橋 《ネタバレ》 
イカツイ体のメリル・ストリープが可憐な花柄ワンピースを当てて鏡を見る姿や、土砂降りの中で髪がモズクの様に額に張り付いたイーストウッドの顔に、役者魂を感じるか、映像的なNG感を抱くか、はたまたロマンを感じるか・・・。まあ、私は、苦笑してしまったクチなんだが、それはこの作品では瑣末なこと。不倫も、中年の恋も、出会ってすぐに恋に落ちるのも、人生にはアリだと思う。しかし、私がこの作品の中で一番許しがたいのは、フランチェスカの「ロバートと一緒に行ったら、私たちは終わり」という思考回路だ。つまり、非現実の時間(=4日間)だからこそ、「素敵な恋の想い出」を喰ってどうにか現実の余生を生きて行けるんだわ、ということを、このオバハンは最初から悟っていたということである。こんな客観視しているオンナが、その4日間を「真実の愛」の様に語っていることが、噴飯モノなわけ。男女の「愛」って、本来そんなキレイなもんじゃないと思うし、そもそも命懸けで愛する気もないのに、何が「ホンモノ」だ! と言いたい。そういう意味では、ロバートの方が、後先考えずに「一緒に行こう」と言うだけ、まだマシだ。彼女の家庭を壊したという罪悪感と一生向き合うことを受け入れる覚悟を無意識のうちにしていただけ、彼の方がまだ「真剣」だったと見える。とは言え、もともと、この原作も私はあまり好きじゃなかったし、メリル・ストリープとイーストウッドで映像化されると聞いたときは、そのベタすぎるキャスティングに思わず笑ってしまったくらい。こういうフランチェスカのような、自分は安全圏にしっかり身をおきつつ非現実な甘い想い出に陶酔している人間が、私は一番嫌いなのである。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-11-13 13:43:41)(良:1票)
51.  ファニーゲーム
もし、ハネケとの最初の出会いがこの映画であったら、私は、彼のその他の作品を見る気にはならなかっただろうな、と思ったりもする。いや、でもやっぱり見たかな。ウンザリするような不条理劇。あの巻き戻しで、ハネケの底意地の悪さ全開であった。白い手袋に、短パン・・・、この視覚的効果の凄さよ。もぉ~、いい加減にしてくれッ! 見た後、勝手に「あの時、○○が××していたら・・・」などとあれこれシミュレーションしてしまったよ。どんなにシミュレーションしたって、強引にリモコンで巻き戻されるのにね・・・。でも、そうせずにはいられなかったのだよ。ハネケ自身がリメイクしたそうですが、あんまり見る気せず。・・・でも、見ちゃうかな、やっぱり。
[ビデオ(字幕)] 7点(2008-11-04 15:31:06)(良:1票)
52.  黒猫・白猫
これぞ、「ザ・クストリッツァ」というべき作品でしょう。このガチャガチャ感がタマラナイ・・・。そして、音楽! 素晴らしい!! 100%コメディーで、動物が今度もたくさん出てくるなどイロイロと楽しい要素満載なんだが、個人的には、この映画は「ダダンに始まり、ダダンに終わる」と言ってもよいくらい、ダダンがイイ!! あの顔、ノリ、踊り、歌・・・、彼のキャラに拠るところ大だと思うんですけど・・・。結婚式でコサックダンスしながらオイルですっ転ぶ際のあの顔! 何度も見直しちゃいました。ダダン万歳! あ、あと、忘れてならないのは、男の子がチェスをしているオジサンのハゲ頭を後ろからおもむろに引っ叩くシーン。ああいうのがイイんだよね。彼の映画は基本的に1シーンが長いのだけれど、その長さが決して冗長でなく、無駄な描写でなく、隅々までエネルギーが行き渡っていて「人生は素晴らしい!」を地で行く大好きな映画の一つです。
[映画館(字幕)] 9点(2008-09-24 16:06:17)(良:1票)
53.  アパートメント(1996) 《ネタバレ》 
よく出来た謎解きドラマです。でも、それだけです。主要人物である男女4人ですが、ロマーヌ・ボーランジェ演じるアリスが唯一人、人間味を発揮していただけで、あとの3人は都合よく配置されていた、という感じです。特に、肝心の、ヴァンサン・カッセル演じるマックスの行動は理解不能。そもそも、リザを重要な仕事をすっぽかすほど愛していたの? だったら、リザが姿を消したときにもっと必死に捜せばいいじゃん! かと思えば最後はなにかい、アリスちゃん選ぶんかい? いや、じゃなくって、やっぱ婚約者かい!! と、まー、次々呆れさせてくれるんです。しかし、この映画は「謎解きありき」で作られたと考えれば、そういう疑問はむしろ瑣末なことなんでしょう。おかげで、やたら作りこみすぎです。マックスとリザが、会いそうで会わずにすれ違いを繰り返すところなんか、鼻白むのよ。ただ、謎を解きたい、というのは人間の根源的な欲求ですから、人物造詣なんかお粗末でも、「たった一つの謎」だけで最後まで引っ張られちゃうんです。で、見終わった後、残るものは何もない。「あー、アリスちゃんは、そんなにマックス君が好きだったのねー」という感想を除いては。それにしても、マックスにしろアリスにしろ、一目ぼれだけであそこまでの執念って、それも不可解といえば不可解。フランスじゃ、ああいう恋愛の始まりはフツーなんですかね。とにかく、イロイロ不満が残る作品だけど、モニカ・ベルッチが相変わらずの美しさで、それが鑑賞の目的の一つだったんだから、ま、いいか・・・、とも思うわけです。
[DVD(字幕)] 6点(2008-09-08 11:12:43)(良:1票)
54.  ルディ/涙のウイニング・ラン 《ネタバレ》 
あのー、これって究極の差別映画だと思うんですけど。そもそも、スポーツに「情」が挟まれること自体、噴飯モノ。確かに、ルディは努力しましたよ。でも、スポーツは努力の度合いが評価対象なの? 結果・実力が全てでしょ? なのに、最後にチームメイトが彼の名を叫んで試合にチョイ出する。この「チョイ出」ってのが、また、腹立たしい。勝負に関係ネーから記念出場ってことじゃん。バカにするのもほどほどにせい、って思う。彼らがルディを試合に出したいと考えたのは、その知能、体格、身体能力などを総合的に考え、「それでも、こんだけ熱意があるんだから」ってことなわけで、ハンディがある「のに」頑張った! そのご褒美でしょ? ご褒美ってのは、「くれてやる」ものなんですよ。上位者が下の者に。ルディの努力が報われた、んじゃなくて、周囲の哀れみを買ったんでしょ。「いや、彼の熱意が周囲を動かした」だ? 笑わせるな。それはスポーツなど実力主義でないところでやってくれ。熱意だけで選ばれる世界なら、誰も苦悩しないよ、スポーツ選手は。周囲の人間も、チームメイトも、スポーツマンシップにもとる。ふざけた映画だ。不愉快。
[DVD(字幕)] 1点(2008-08-25 15:45:32)(良:4票)
55.  黒い家(1999)
もし、自分が売れっ子作家になって、書いた作品がベストセラーになって、映画化されることになったとしても、監督は森田以外でお願いします。
[DVD(邦画)] 1点(2008-08-20 14:44:19)
56.  イン・ザ・スープ 《ネタバレ》 
んー、どうも評価のしにくい映画です。何かこう、見終わった後に、モヤモヤした感じが残ります。主人公はアルドルフォなんだけど、ジョーの方が魅力的なキャラで、アルドルフォは完全に喰われているのも、その原因の一つかな。いや、多分、このモヤモヤは、世間でも結構評判の良いこの映画の良さを、自分が理解できないことにあるのでしょう。抑揚のない展開で退屈だった、と言えばそれもそうだけれど、抑揚のない映画にも面白い作品は多くあるわけだし。途中、何度も睡魔に襲われかけたことも、私の中では「つまらない」印象を大きくしているのかも。やっぱり面白い映画は、睡魔に隙を与えないものだから。かといって、全部面白くなかったか、というと、随所に良いシーンはあるわけです。でもそれがブツ切りで、心地悪い。しかも、終わった後、ジョーが死んでしまったこと以外、出て来る人々に何の変化も起きていないことに気付いて、何ともいえない虚無感に襲われるし。コキ下ろす気にもならないけど、好きとも言えない。こういうのを「合わない映画」って言うんでしょうか? もっと「合わない」作品なんて他にも一杯あると思うんだけど。自分の感性に対する信頼が少し揺らいだ感覚です。
[DVD(字幕)] 5点(2008-07-28 14:25:53)(良:2票)
57.  アリゾナ・ドリーム
何とも、評価のしづらい映画であります。面白くないのか、と問われれば、一応面白いです。じゃ、分かるか、と問われれば、よく分かんないです。テーマが、タイトルにあるように「夢」であることは分かります。でも、それだけです、と言っても良いくらい。クストリッツァ監督は、人が宙を舞う画が好きですね。この映画にもやっぱり出てきました。この監督の撮る画は、ホントに心に残る美しいものが多いです。美術もセンスを感じ、動物も多用し、視覚的に飽きさせないのです。さすがだな、と思ったのはやっぱり音楽ですね。使い方がうまい。こういうところが「よく分かんないんだけど、何か面白いんだよね」という感想になるのでしょうか。悲劇的なラストですが、その後のサカナが泳いでいく画がどこか暗示的で、後味は悪くないものになっています。
[DVD(字幕)] 6点(2008-07-22 16:01:25)
58.  遠い空の向こうに
良いオハナシです、それは確かです。「実話です」映画ってのは、それだけで見るものに色眼鏡を掛けさせる、と思う。奇跡みたいなことが現実になったからこそ、「実話です」が媚薬のごとく効いて来る。でも、これ、「実話です」の媚薬のないノンフィクション映画だったら、感動するでしょうか? 私はしませんね(媚薬も効きませんでしたが)。『ロレンツォのオイル』でも感じましたが、結果を知っているハナシを見せて、なおかつ感動させることの難しさはここにあると思います。時間経過に伴い事実をデフォルメしたであろう描写をされても、「あ~、そーですか。ドキュメンタリーでやってちょーだい」としか思えません。「ウソみたいなホントのハナシ」を見せられるより「ホントみたいなウソのハナシ」の方が、案外説得力もあり、胸に迫るものがあるのですね。それは恐らく、事実が虚構を圧倒的に超える力を持っているからでしょう。なのに、虚構の世界に引きずり下ろして「感動」という安っぽいスパイスを混ぜ込んで再構築するために、虚構以上に陳腐な事実が出来上がってしまう。「実話です」映画ってのは、だから、製作者サイドとしては、手を出すにはもっと慎重であるべきでしょう。
[DVD(字幕)] 5点(2008-06-23 15:42:37)(良:1票)
59.  ラヂオの時間
TVドラマ『王様のレストラン』一作品だけで、このドラマを描いた脚本家・三谷幸喜は天才だと思う。他にも戯曲の秀作は多くあるけれど、「映像」というツールにおいての彼の最高の作品は『王様の~』だと、私は信じている。・・・のだけれど、映画監督としての彼は、正直なところ??である。本作も、公開当時、劇場で見た時は、それなりに笑えたのだが、その後、何度かTVでオンエアされたのを見るにつけ、見る度に「つまらない度」が上がっていくのだ。そもそも、上質のコメディーというのは、何度見ても面白いもの。単に「つまらない度」が上がっていくだけなら、まだ許せる。本作は、見る度に「ウザ度」も上がっていくのである。展開が読めているからか、と最初は思ったが、そうじゃない。これは、彼の他の失敗作にもいえることだが、「狙いすぎ」なのである。別段面白くもないセリフを、さも「面白いだろ~、笑え~」と放り投げられ、不快極まりない。『12人の~』にも、このウザさは感じたのだが、三谷映画に共通して漂うモノ、いわばatmosphereである。最新作『ザ・マジックアワー』(未見)は好評のようなので、是非このatmosphereを振り払って欲しい、と願っているのだが、『THE有頂天ホテル』も見事に裏切られたので、あまり期待はしていない。でも、私は、三谷幸喜という脚本家を心から尊敬しているのだよ。頼むから、芸能人みたいに振舞うことはやめてくれ。上質な、「さすが!」と唸らせる脚本・戯曲を描いてくれーーー!!!!!!!!!!
[映画館(邦画)] 3点(2008-06-17 14:49:36)(良:2票)
60.  山の郵便配達
山道を父と息子が黙々と進むのと同様に、淡々と進む話。会話の端々に親子の感情が絡み合う。父の仕事に対する真摯さに次第に息子が理解を深めていく様子は心が洗われる。父を負ぶって、息子が冷たい川を渡るシーンが象徴的。何より、この映画を秀逸なものにしているのは次男坊の存在。ラストシーンの次男坊の行動で、父子の世代交代がなされたことが、静かな感動とともに見る者に伝わってくる。好き嫌いが分かれる映画だろうが、私にとっては何度でも見たくなる素晴らしい映画。映画として撮る意味を感じられる作品です。TVドラマじゃ、あり得ませんから。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-10-09 11:06:39)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS