41. タイタニック(1997)
今考えるとよくもあそこまでヒットしたもんだと思います。興行的な面も含め、舞台の隅から隅まで至った細やかな作り、船の沈没の仕方まで丁寧に再現した製作者の姿勢など、この作品が歴史的作品であることは間違いありません。ただストーリーは背景を除けばよくあるものですし、婚約者役のビリー・ゼーンがあからさまな嫌な役だったりと、ちょっとは人物設定などにもひねりがあってもいい気がしました。船の中で出逢いそこで恋に落ちる設定なのでどうしても長くなるのは仕方ないとも思いましたが…もう少し何とかならなかったのかという感じですね。しかし演出面など、やはりジェームズ・キャメロンは実力を備えた監督であると思いました。この映画によって、映画にそこまで興味のない一般の人にはやけに俗な扱いをされるようになってしまったのが残念です。あとは言わずもがな、主題歌・音楽も素晴らしかったです。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-15 02:19:59) |
42. レ・ミゼラブル(1998)
《ネタバレ》 前半の逃避行などがやけに見応えある作りになっていてかなり引き込まれました。リーアム・ニーソンとジェフリー・ラッシュが好きだったので見ましたが、二人の攻防戦には満足です。人の悪が本当の意味で変わるときってのは、暴力や懲罰などの悪によってではなくて善によってなんだろうなと思わされる作品ですね。ただラストにもだいぶ高評価が集まっているようですが、どうも呆気なさすぎるような感が拭えませんでした。ジャベルはいくらなんでも死ななくてもよかったのでは?という感じです。。その後のジャンの颯爽と歩き出したときの表情は印象的でした。 [ビデオ(字幕)] 5点(2007-01-14 06:48:55) |
43. アルマゲドン(1998)
パニック映画が好きな私としてはなかなか好きな作品の一つです。掘削工の破天荒な仕事ぶりも面白いですし、ただ実際こういった隕石の危機に地球が瀕したときに果たして本当に掘削工の人々の依頼をするのかというのは疑問に思いました。映像を見せたいのと山場と尺のために小隕石を世界各地に衝突させるのもどうかという感じでしたが、その他諸々パニック映画ならではのご愛嬌ということで及第点ギリギリでしょうか。あとは主題歌選びの巧さもこの映画が興行的に成功した一因だと思います。 [映画館(字幕)] 5点(2007-01-14 00:24:45) |
44. マトリックス
マシンガン撮影やワイヤーアクションなど、この映画によって一気にそれらが広まったことを考えれば映画的な価値は必然的に生じてくるものと思います。それらを除いて考えても、ファッションや舞台まで細やかな気遣いが行き届いたスタイリッシュな映像は素晴らしいです。哲学的な要素の強いストーリーは、最初の方でだいぶ一生懸命伝えようとしているのはわかるんですが…なかなか上映中に充分に理解しながら進んで行くのは難しかったですね、鑑賞後にだいぶ考えた覚えがあります。ただ一旦理解してしまえばリピートしてみると面白さ倍増なはずです。あと見終わった後、根拠なく喧嘩に勝てそうな気になります。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-13 23:45:18) |
45. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
のちに発見されたビデオテープという設定なので、どうしても映像が途絶えるまで(最後まで)取り立てた山場がないのは仕方ないとは思いましたが…こういった作品になるのなら元の設定から変えてもよかったのではと思いました。ただ予算的な制限の中で生まれた作品ですし、アイデアや撮影方法を見ていると随所に工夫も見られたところはよかったです。 [ビデオ(字幕)] 1点(2007-01-13 23:29:30) |
46. フェイク
どうもジョニー・デップがアル・パチーノの心を摑んでいく様子がピンと来なかった気がします。無愛想ながら仕事ができるクールな部下、ってだけならジョニー以外にもいたのでは、という感が否定できず、本物のジョー捜査官も実際そんな男だったのか疑問になりました。その設定さえ呑み込めばアル・パチーノのマフィア役もすっかり板についてますし、ラストの切ない感じも何とも言えません。 [DVD(字幕)] 4点(2007-01-13 23:22:12) |
47. 蝶の舌
《ネタバレ》 ヨーロッパ映画にありがちな悠長な展開+大胆なカット割りで終盤まではあまり映画に入り込めませんでした。ただラストのワンシーンが素晴らしいですね。わけもわからず、大人の世界には無力であることを重々知りながらも、何か自分にはできないのかという子供ならではの心情がラストにうまく集約されていると思います。口にできる語彙も少なく、ただ教えてもらったことを連呼するしかできなかった少年の気持ちが痛いくらい私の心に刺さりました。 [ビデオ(字幕)] 4点(2007-01-13 01:40:27) |
48. シンプル・プラン
《ネタバレ》 この映画に描かれた人間模様が果たしてリアルなのかリアルでないのか、それすらも普通の日常を暮らしている私たちにはわからないような設定ですが、やけにどこかでありそうな物語なのが面白かったです。スノーモビルの事故に見せかけてしまうところは当然ながら、雪国という設定をうまく生かした展開や演出が秀逸です。夫婦間の諍いで収められてしまったブレント・ブリスコーは可哀想な気がしましたが、似てもいないしあまり釣り合っていない兄弟のようでしっかりお互いを思い合っているビル・パクストンとビリー・ボブ・ソーントンのコンビがよかった気がします。最初は消極的で自他共に認める有識者だったビル・パクストンの言い分が徐々に変わっていく様子が、静かに狂い出す人間像をリアルに表現していて、観ていて少し恐ろしくなりました。それでも結局は札束を隠して得をするような、非道徳的な結末で終えなくて良かったです。ラストに札束を守ることとは別の切り口の山場が用意されていたのも良しです。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-11 23:33:16)(良:1票) |
49. フォレスト・ガンプ/一期一会
《ネタバレ》 一見全てがうまくいっているようにも見えますが、一般の人々の人生もうまくいったことばかりを繋ぎ合わせていけば(さすがにこの映画ほどではないかもしれませんが)、意外とそこまで作りすぎたストーリーではないような気もします。この時代にしてはなかなか上手にこなしたCGもよかったですし、全体を通して安心して見ていられる作りも個人的には好きです。終盤以外はフォレストが自分の人生を語るような構成になっていますが、そのお話が嫌味に聞こえないのもフォレストが知的障害を抱えた人であるという設定に妙があると思いました。同時にその人物設定により、幸せになるためには学歴も財産も、健常者かどうかってことも全く関係ないってことを伝えようとした作り手の手腕に敬意を表したいと思います。 [ビデオ(字幕)] 9点(2007-01-08 18:35:40) |
50. プライベート・ライアン
生まれて初めて見た戦争映画がこれだったので、戦争映画ってこんな感じなのかというイメージがついてしまいました。今考えればとんでもない固定観念を持ってしまったもんです。冒頭の大激戦が目立ちがちですが、大衆的な戦争映画にさせない丁寧な作りも見逃せません。色褪せた戦場の無機質な映像を背景に、突然の敵の襲来、それに次ぐ死んだ戦友を埋めるシーンなど、映画内に大きく起伏を持たせながらも、常に次にいつ新たな敵が襲ってくるかもしれない緊張感を絶やさずに描いたところは、スピルバーグの実力ならではだと思いました。一人の戦士のためになぜ自分たちが命がけの任務を課せられなくてはいけないのか、意味の理解できないall for oneの例を通し、大きくは(無意味なone for all, all for oneの塊と言えそうな)戦争の無意味さを投げかけているような気がしました。 [映画館(字幕)] 6点(2007-01-06 22:01:53) |
51. セブン
ずいぶん前にこの映画でフィンチャー監督に出逢いましたが、未だにこの作品がフィンチャーものでは一番好きです。ケヴィン・スペイシーの怪演ぶりも相変わらずでしたが、観るものにじわじわ迫ってくるような緊迫感の演出も、ラストの落としっぷりもかなり完成度高いです。時には雨を、時には夜の闇を、最後は砂の乾燥感を映像美に巧みに生かした手腕にも脱帽です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-28 14:48:25)(良:1票) |
52. シザーハンズ
かなりブラックな要素の強い映画ですね。。人が人(この映画ではロボットですが)に対してここまで簡単に掌を返してしまう怖さや、集団心理の前ではどんなに正しい主張をしていても潰されてしまう現実がよく描かれています。原色に統一された家並みやエドワードの作った刈り込みが映画中の随所に映りこんだりして、おとぎの国での話であることを忘れさせない作りになっていますが、要旨はあくまで現実社会に置かれています。ちょっと前の話でいえば、事実上の公認候補を弟だとか息子だとか祭り上げながら当事者が逮捕されたら知らん顔の政治家たちを見て、この映画の言っていることが証明されたような気もしました。ストーリー面の話をすれば、序盤エドワードが街の人に簡単に受け入れられすぎでは、とも思いましたが。そこはご愛嬌ってとこでしょうか。 [ビデオ(字幕)] 9点(2006-12-25 21:53:19) |
53. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
《ネタバレ》 テンポのいい展開が何より肝ですね。社会の闇舞台を象徴した少々色褪せ気味の映像映りがいい効果を引き出してる気がしました。ただ結局関係者がみんな死んでうまくいく、的な終わりは若干短絡にまとめすぎ?な印象は拭えません。ともあれ見て後悔はさせない映画です。 [DVD(字幕)] 7点(2006-12-25 21:11:16) |