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はち-ご=さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 327
性別 女性
年齢 37歳
自己紹介 知的障害を持つ23歳女性です。
1週間に40時間働いているから多分社会人だと思うけど
今は旦那や発達障害者仲間とルームシェア生活です。

知能指数は11歳ですが、
この映画レビューサイトでは
見よう見まねで大人びた文章で気取らせて貰っています。

ちなみに登録自体は旦那がやっていますので
■妻投稿■がついているのが私です。
あ、でもそうじゃないので一人称が「僕」なのも
実は私が投稿していたものもあったり
「ドラえもん」とか「A」とか(^_^;)

インターネットの書き込みは初めてに近く
インターネットルールは一通り勉強したつもりですが、
「場の空気を読む」などの高度な技術は難しいので
そんな時にはスルーしてください。

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41.  101 《ネタバレ》 
妻投稿■101匹わんちゃんは、うちらのルームシェアで食事の後にみんな(旦那と私を含めて大半が知的障害者、自閉症の20代)で見るのに最適な映画。日本中の障害者施設、児童館、デパートのよい子の広場に備え付けてある「家や映画館以外の場所で見ることの多い地域アニメ映画」としてさりげなく愛されている作品なんで、どうリメイクするのかなと思っていましたが・・・・さすがよくわかっていらっしゃいます。■まず作品の色。この映画は犬の演技を最大限に生かすため色を重要視しています。ダルメシアンのブチブチが似合う背景はやっぱり寒そうなイギリスですよね。白と黒って外気の寒さの中では寒く感じ、屋内の暖かいところでは暖かく感じるそうです。「寒いところから暖かいところに帰らなくっちゃ」ってのが言葉を喋れないかわりに表現されてて、おかげで結構わんちゃんに感情移入してしまいました。■それから最初に登場する魔女の非道ぶりとその魔女に対しピンチシーンなしにかわいい動物がお仕置きするシーン。これはまさに「お母さん公認のセガール映画」だと思います。人が面白半分に殺される娯楽映画が大嫌いな人(でも悪い奴を痛めつけるのは好きな人)にとって、動物のウンチは格好のアイテムではないでしょうか。あのラストの悪女の運命は「最高」に悲惨すぎます。■「かわいい!抱きしめて温めてあげたい(変な意味じゃなく)」という感情と「やっちまえー」というセガール的感情、そして「たくさんの人と見られて楽しい」という感情が持てる映画。その感情を現代的パトカーとゲームというキーワードで「現代」をアピールしながらも、継承させていこうというスタッフの気持はよくわかりあした。9点!!!
[DVD(吹替)] 9点(2009-08-20 04:33:35)
42.  逮捕しちゃうぞ the MOVIE
ラストのヘリからパトロールカーが発信するシーンからモトコンポが悪党のヘリに特攻するシーンまでのアクションは見物。このノリが中盤にあればと思うと若干の物足りなさが残る。警察署襲撃シーンも夏美と美幸が戦うわけではないのでメリハリにかける。せっかくマシンガンをバババババとやる連中が出ているんだから、もう少し中盤にキレを持たせる事は出来なかったのだろうか。アクションだけリュック・ベッソンかマイケル・ベイがプロデュースしたらどうだろう。■追記。うちらのハンドルネームは作中のプログラム「815」とは関係ありませんよ(V)o¥o(V)
[インターネット(字幕)] 6点(2009-07-20 19:22:00)
43.  学校の怪談 《ネタバレ》 
妻投稿■この映画の価値ってなんだろう。原監督のクレヨンしんちゃんが成功して以降、子供向けのアニメや映画にも「(大人のためのわかりやすい)感動」「ストーリー・クオリティー」「哀愁」が求められるようになった今日この頃、この映画にはそうしたものはない事は確かだ。従って、この映画はクレヨンしんちゃん感動作と同じ視点で見る映画ではない。小学校時代に日常現代世界の片隅に確実にあったはずの亜空間世界を冒険する「だけ」の映画なのだ。■だが、その「だけ」の部分に対する拘りは非常に秀逸で、少なくとも「ゲゲゲのきたろう映画版」みたいな嘘物ではない。例えば日常空間から亜空間に誘い込まれていくシークエンス。このあたりを「怖くない」「幽霊が出てこない」と見限るのは実にもったいなく、私はむしろこのシークエンスにこそ最大の楽しみがあると思う(というか今時のすぐウソくさいCGやワープに頼る日本ファンタジー映画には絶対表現できないだろう)。■名作ともいえる絵本「押し入れの冒険」に意図的な感動シーンやストーリーがないように、私は子供映画に必ずしも「クレヨンしんちゃん的感動&哀愁」が必要だとは思わない。この映画は「感動」や恐怖の提供が目的ではなく、とりあえず観客に「小学校の亜空間」を映画の子供たちと一緒にさまよってもらいたかったのだ。
[地上波(邦画)] 9点(2009-07-08 01:07:33)(良:1票)
44.  フォレスト・ガンプ/一期一会 《ネタバレ》 
妻投稿■久しぶりに面白い映画を図書館で観ました。フォレストは滅茶苦茶成功して勲章まで貰って大統領にも何回も会いました。これを「素晴らしい人生」と人は言うのでしょう。でも果たして彼は勲章や名誉に興味があったのでしょうか。もしそうだったら、彼はピッピー会場で暴力沙汰は犯さなかったはずです。彼はジェニーとずっとアラバマの家にいたいという子供のころからの願いをかなえる事が出来ませんでした。ジェニーに何度会えても、ジェニーは様々な理由でいなくなってしまう。やっと会えたと思ったら彼女はエイズに冒されているのです。■私はガンプがマイクに向かっていい事を言う時に警官が妨害して何も聞こえず、ガンプがジェニーと抱き合った時に観衆がワーッというときが、この映画のメッセージだと思います。人は他人の栄典には興味はないけど、愛する人がいつもいることにはとても拘ります。ダン中尉のエピソード、走っている姿に勝手に感動する人々、ラストの寂しそうなガンプ。「感動大作」とよく言われる本作ですが、この映画は作中のアメリカ人がそうしたように「観客をフォレストで感動させるため」に作られたものではありません。観客に愛する人がいる事に感動してもらうために作られたのだと思います■蛇足だけど、知的障害者を映画にするとマスコミから「障害者を出汁に使っている」とか「障害者を差別(あるいは美化)している」という非難がなされるが、知的障害者は全人口の2%いる事を考えると、知的障害者を主人公にした作品は目くじら立てるほど多いわけではないと思います。確かにこの映画は知的障害者をファンタジーにしている傾向がありますが、これは映画そのものがファンタジーなのであって、女の子に天使の羽を生やしたり、目の見えない人に透視能力を持たせたり、片腕のない人に万能サイボーグハンドを装着させるのと同じだと思いますよ^^
[レーザーディスク(字幕)] 9点(2009-06-26 05:13:49)(良:5票)
45.  北京原人 Who are you? 《ネタバレ》 
「もしもしもしもし!」「(ムスカ風に)私は北京原人だ。平均点ワーストランキング№1の呪いによって、ホモ・サピエンスの監督の脳が破壊された。従って私が臨時に指揮を執る。私は片岡礼子のおっぱいを狙っている。人類が二足歩行をした時、メスが性的成熟をアピールするために乳房が発達したと言われている。北京原人の私がメガホンをとる以上、女性が乳房を丸出しにする事は至極当然なことなのだ。現代人はストーリーがなっていないだとか、引田天功が脈絡もなく出てくるだとか、下らない事でギャーギャー喚く。しかし私はこの映画を大変できのいい最高傑作だと信じている。丹波哲郎が片岡礼子に言い渡した命令、自ら餌になりに暴走してくるマンモス・・・素晴らしいではないか。これに感動できない人間はどうやって捕食や繁殖を行っているというのだ。1点や2点をつける者を私は同じ人類として認めない。満点以外の評価はあり得ないのだ。(はちーご妻の注:数字としての0の概念が確立されたのは古代ローマ時代です。従って40万年前の原人に1の後に0を表記する能力はありませんので悪しからず・・・)
[ビデオ(邦画)] 1点(2009-06-05 14:58:54)
46.  ゴジラVSキングギドラ 《ネタバレ》 
妻投稿■ごめんなさい。投稿者数50人で平均点5.00点という奇跡とも言うべきシンメトリーを私が壊してしまいます。■それはともかく、この映画のキーワードはズバリ「1991年」。私がまだ6歳だったころお母さんと映画館で見て、最近見直しました。この時代は冷戦が終わり、バブル真っ盛りで未来志向の時代。この映画もビオランテまで確実にあった黒とこげ茶色に非常口の緑を加えた「昭和的映画世界色」が一気に廃されています。司令部のデザインも前衛的だし、暗闇のシーンが多かった前二作と違って昼間のシーンを多くして、ゴジラ1984では真っ暗な中に立ちはだかっているだけだった新宿副都心の未来さを際立たせています。未来人のネタや過去や未来に縦横無尽に飛ぶストーリー、キングギドラまで未来志向にしてしまうあたりには、「ゴジラというSFを使い、どれだけ映像の世界で未来を描けるか」に果敢に挑戦した作品だと言え、2009年の今見れば合成や映像技術にダサさも見えますが、このダサさも「懐かしさ」と「未来」が複雑に融合した独特の味を見せてくれています。VSシリーズではビオランテと並んで凝ったストーリーですが、ビオランテとは対極にある方向性を見せていると思います。ゴジラザウルスがタイムスリップする際にわざとらしい感動的な光のオーブを見せるのではなく、CGで浮き上がったゴジラザウルスの形が細かいパーツごとに消えていくのと交互に見せる演出はかなり秀逸。キングギドラとゴジラが交互に敵味方になったり、人類の科学力故に主人公の苦肉の決断がよりシッチャカメッチャカな事態を生みだす堂々巡りともいえるお話は、ゴジラのメッセージを「未来」という絵具で表現した結果ではないかと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2009-06-01 22:27:14)(良:1票)
47.  タイタニック(1997) 《ネタバレ》 
妻投稿■■この映画が公開されたとき、私は養護学校に通う10代前半の女の子だったが、映画の内容を見るたびに当時の男の子の名前が思い浮かぶ。ジャングルジムに上ると必ず野郎同士恍惚とした表情でリオデジャネイロポーズとったり、私に対して「ローズ、子供いっぱい作ろうよ」と言ってきたり(即粛清)、駐車車両のガラスに息を吹きかけて「ああん、デカプリオ、デカプリオ」と言いながら揺らしていたり、まあ、思春期の男の子にとっては、ローズのおっぱいの出ていたという点で、変態への道の登竜門だったのでしょう。■■あれから12年。深刻な社会情勢や難病を併発していたこともあって、あの時の仲間で今も生きている人はタイタニックの生存者と同じくらいの割合まで減ってしまった。あの映画は確かに長いし、取り立てて変ったところの無いメロドラマだ。でもあの音楽、正当すぎてパロディやすいシチュエーション。すべてがあの平和で穏やかな時代の友達を私に思い出させてくれる、まあ、違った意味で私の大切な映画だ。
[DVD(吹替)] 7点(2009-05-06 02:28:44)(笑:1票)
48.  奇跡の海 《ネタバレ》 
妻投稿。とりあえず自己中、排他的で独善的な宗教、狂信的な愛、他人の無茶に付け込んで欲求を満たそうとする外道、間違った方向にしか進まない人間の「良心」・・・いろいろ描かれていたが、私みたいな素人が感じることと言えば唯一、文字通り全てがイカレポンチという事だけだ。ヤンはイカレポンチ、ベスもイカレポンチ、レイプ野郎漁師もイカレポンチ、私もイカレポンチ、私の旦那もイカレポンチ、ランス・フォン・トリアーもイカレポンチ。教会の人間はまともな人間だが、イカレポンチから見ればやっぱりイカレポンチ・・・。最後の空の鐘は、何の幻覚なんだろう? 他のレビュワーの皆さんもその幻覚を見ていらっしゃるという事はひょっとして皆様も・・・? こうなったらここにイカレポンチパワーを集結させ、「死霊の盆踊り」の夜の帝王と北京原人を3体ほど召喚しましょう。あのイカレポンチ村を平定できるのは彼らしかいない・・・。
[ビデオ(字幕)] 10点(2009-04-29 20:39:10)
49.  GODZILLA ゴジラ(1998) 《ネタバレ》 
妻投稿。■模倣というのは単なるパクリではなく、オリジナルに対する勉強とそれに対抗できる自分の解釈が模倣者には求められるのだと私は思う。その点からすると私はこの映画を支持できる。少なくとも監督は日本の怪獣というものは人間が上を見上げるものだということを理解しているからだ。■その上で解釈を変えてみた・・つまりゴジラの頭と人間の頭を結ぶ直線と地面との角度を、日本版の30度未満から、80度以上に変えてみたのだ。ゴジラがイグアナになったのも、この解釈の違いから来ている。あまり速度の出ない直立二足歩行の日本版だったら、80度90度の位置から人間が見上げる描写を描くにはかなり無理のあるものになっただろう。しかしティラノサウルス型になったことで、「人間の持つ巨大生物に対する畏怖」の描写に新たな要素が加わったのではないかと私は思った。■本作はアメリカの核実験に対する反省が表現されていないと非難されているが、怪獣映画を作るには軍隊の協力を得ないと作るのは難しいので、ストレートには表現できないという妥協はあると思う。それでも人を襲うためでも侵略のためでもなく、魚をとるためにマンホールから悠々と現れるその姿は現実のホホジロザメやライオンを見るときに感じる畏怖詠嘆が表現されていると思うし、それを米軍が発砲して全部がめちゃめちゃになる場面はそれなりにメッセージ性があるのではと思う。■ただラストのジュラシックパークとロストワールドには萎えた。
[DVD(吹替)] 9点(2009-04-14 20:10:20)(良:1票)
50.  クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡 《ネタバレ》 
妻投稿■赤ちゃんを愛するすべての人に捧げる映画! 特に新婚さん妊婦さんといった出来たてホヤホヤの家族に強くオススメします。■映画の内容はただ一つ。「赤ちゃんを守り抜け!」。ジャークだとかタマだとか設定が出ているけど、そんなものがどうでもいいことはラストのオチが証明しています。街で見慣れたワゴン車でひたすら日本の北に逃げるシーン、スーパーマーケットや健康ランド、日本の田舎が戦闘の舞台になるシーンは、この映画がヒーローではなくスクリーンの前の日本の家族の為に作られた映画であることを証明していると思います。■アクションアニメ映画の見所はやっぱり最後の大技ですが、それがこの映画では敵に対する必殺技ではなく、赤ちゃんを空中で受け止める合体アクションになっていて、そのスリルに私は予期せず野原一家と一緒に「よっしゃー」と叫んでしまいました。「日本人はなんて格好いいんだ」と思ったきっかけも、私にとってはラストサムライではなく、この映画のひろしでした。
[DVD(邦画)] 10点(2009-04-10 21:56:00)(良:1票)
51.  バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3 《ネタバレ》 
冒険が終わり見なれたニュータウンに帰ってこられた嬉しさ、懐かしさともう冒険が出来ない寂しさ。それらが静寂の中で表現された終盤は僕にとって忘れられない映画の1ページです。
[地上波(吹替)] 9点(2009-04-08 15:42:40)
52.  ムトゥ/踊るマハラジャ 《ネタバレ》 
妻投稿。無茶すぎる。ありえない。これがこの映画に対する第一の印象である。インドは世界有数の格差社会。何千万人という子供が奴隷にされているような国だ。そんな国の映画の冒頭で、「欲を捨てれば世界はお前のものだ」なんて暢気な歌を歌う映画が受け入れられるのだろうか。・・・・それが受け入れられているのである。■一見歌って踊っての馬鹿映画だが、この映画は「お金のないお前たちは不幸なんだ」と言い切ってしまう世の中への挑戦。冒頭の手間かかりすぎの手書きの登場人物紹介や突如現れるハデハデダンスは、人々の心の中に忍び込む「不幸感や被害者意識」に対する宣戦布告。映画全体がいかに些細なことに意味を見出すか、いかに日常を楽しむかを日々模索する人生ランナーに対する最大限の賛辞となっている。格差や女性に対する暴力、殺人、詐欺など重いテーマを扱いながらも決して復讐殺人を達成するシーンがないのがその証拠だ。私が結構重視する分野であるアクションシーンも、香港のジャッキーやタイのトニー・ジャーと違う怪力を軸とした路線を追求しており、ラジニカーントのその後の映画でさらに洗練されている。■エンターテイメントとは何か? 私はただ笑わせるだけでなく、手に汗握る冒険のすえ幸せにするのがエンターテイナーだと思う。この映画は狂った踊りによって私に人生の楽しみ方のヒントを与えてくれた点で、私にとっては極上のエンターテイメントだ。
[ビデオ(字幕)] 10点(2009-04-06 21:22:23)
53.  デーヴ 《ネタバレ》 
馬鹿旦那がうぜーレビューを書いてくれたおかげで変更せざるを得なくなった妻の投稿です。この映画は政治主張云々よりも、ホワイトハウスを舞台にしたおじさんの冒険物語がメインになっていると思う。家の中で黒服の人間に連れて行かれて異世界に連れて行かれ、救急車に乗ってそこから降りて日常世界に戻る。このシークエンスは押し入れの冒険(絵本)や千と千尋、バック・トゥー・ザ・ヒューチャーと共通するものがある。こういう物語において「日常世界との剥離」そして帰った後家に帰れる「懐かしさ」冒険を終えた「達成感」そしてもうあの世界には戻れない「焦燥感」をいかに表現するかが重要だと思うが、この映画はそれをSF異次元パワーも魔法も使わないで表現しきってしまった。特に「日常へ帰る達成感と焦燥感」を救急車を降りて公園を歩いて行くだけで表現したあのシーンは素晴らしいものだと思うし、日常へ帰る前の異世界でかけられた最後のあの言葉も物凄く秀逸だと思う。■■それからこういう物語では主人公および一緒に冒険した観客が「何を得てそれを日常にどう生かしていくか」も焦点になるが、この映画で主人公が得た物は「国民の有権者としての責任」だと思う。日本において「自己責任」は弱者に対する違法行為を正当化する曖昧な概念でしかないが、アメリカは同じ政府であっても「責任」というものがくっきりかっきりしており、政治の責任は有権者ということになる。この前提で生きているアメリカ人が映画で主人公と一緒にホワイトハウスを冒険するという点で、この映画は大人のためのファンタジーアドベンチャーという地位を確立しているのだと私は思う。
[ビデオ(吹替)] 10点(2009-03-31 18:28:40)(良:1票)
54.  
妻投稿。「私たちにとって怖いのは差別される事ではなく、いないものとして扱われること」と私の先輩(知的障害者女性)は言っていた。マスコミは「頑張って健常者の仲間入りをしようとする障害者」と「悪い事しても法律で罰せられない(実際はそんなことはなく、むしろ健常者なら執行猶予になりそうな罪に実刑が下ることも多いのだが)怖い池沼」ばかりながし、健常者が知的障害者にどれだけひどいことをしているかを流さない。なぜか・・・多くの人にとって興味があるのは「知的障害者との融和」よりも「知的障害者が自分たちにどういう影響を与えるか」という事実があるからだ。つまり需要があるから供給がある・・・単純なことだ。別に悪いことではないし、この社会は健常者を基準としているのだから当たり前の事だ。■■■しかしこの映画はそんな「社会の当たり前」の嫌な面を容赦なく突きつけてくる。もちろん障害者を扱ったものではなく、オウム真理教という殺人集団を扱ったものだが、この映画は「オウムは意外と悪い集団ではないよ」ではなく、マスコミ報道や市民があの時共有していたものがいかに薄っぺらかったを、オウム事件を通じて当事者である観客一人一人に訴えているのだ。私は見ている観客の立ち位置すら否定しかねないその容赦のなさという点がマイケル・ムーアになくて森達也にあると思う。■■■オウム事件から10年、日本は成長しただろうか。発達障害者に貼られる「ゲーム脳」「準ひきこもり学生」というレッテル。だめだこりゃ・・。自閉症や知的障害の人はもう社会に理解を求める甘えは捨てたほうがいい。 おっと、そうやって孤立したらオウムみたいになっちゃう(かも?)ね。
[レーザーディスク(邦画)] 8点(2009-03-29 15:51:09)
55.  クレヨンしんちゃん 電撃!ブタのヒヅメ大作戦 《ネタバレ》 
妻投稿。クレヨンしんちゃんの原監督の映画は「誰のための映画か」がはっきりしている。暗黒タマタマは「家族のための映画」、、嵐を呼ぶジャングルは「ヒーローのための映画」、オトナ帝国は「ヒーローになれない大人のための映画」、戦国大合戦は「明日殺されるかもしれない人たちのための映画」・・・・。私はこれらの映画に全部感情移入したし、泣いた。でもこの「豚のヒヅメ」だけは、どうしても自分に一体化できない事が悔しい映画だ。なぜならこの映画は「男はつらいよ」以上に男のつらさと強さを描いた「男のための映画」。描写される家族の絆やお色気と正義の絆も、男が守りたくなるだろうなという描写がなされ、息子を助けると同時にみさえを気遣うひろしや、ひろしに操縦桿を握らせて(元)妻を助けに行き、最後は敵もみんな助けようとする心の広さを見せる筋肉に、きっと私の旦那みたいな野郎どもは物凄いトルクやボルテージを感じるんだろうなと思った。■■でも今回「男の生きざま」を体現しているのは「家族のいる」男たちよりも「一人ぼっち」のぶりぶりざえもんに他ならない。旦那は「女の子にとって大切なことは幸せになることだが、男の場合はそうじゃない」と酔っ払って言っていたことがあったけど、それを体現しているのがぶりぶりざえもんだ。破壊兵器として生まれながらも、男らしく女の子を助け、最後は存在そのものを否定され抹消されるという人間として最大の悲劇をも受け入れる彼の姿に、私は「男というものはこういうものなのか」と涙が止まらなかった。■■本当にいい映画である意味悔しい映画。特にクレヨンしんちゃんとぶりぶりざえもんがタマタマという名の男の象徴を掴み合い、「立派だぞ」と喚くシーンでは、女の私が立ち入れない悔しさを感じてしまった。私が立ち入ったら「変態」になっちゃうからね(汗)。
[DVD(吹替)] 10点(2009-03-27 19:39:13)(良:2票)
56.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 
妻投稿。この映画の題名は「Developed Story」にしたほうがいい。先進国の成熟した男がどういう生き物かを超的確に表現した作品だからだ。後ろにマンがつこうがカントリーがつこうが、developedという単語には「成熟」という意味と「あとは真っ逆さま」というニアンスがあり、そこに虚しさと傲慢さ、おまけにたくさんのお金が存在するわけだから、カオスが出現するのは間違いない。「american beauty」だと今のアメリカ社会がロリコン変態オヤジ的カオスに陥っている事を言い表すには良いかもしれないが、私はロリコン変態オヤジ世界度は日本のほうが高いと思うし、アメリカ社会はむしろ男色にまっしぐらしていると思う。いずれにせよ、developedという単語を持つものは、実は裸の王様だという事をこの映画は言いたいんだなと私は解釈した。
[地上波(吹替)] 10点(2009-03-24 00:43:12)
57.  サラフィナ!
歌と踊りはお金がなくても時代文明関係なく出来る人類普遍の娯楽であり芸術だと再認識した映画です。彼女達が踊っている間はスラム街がすごい美しく見え、服も肌も黒い女の子たちと高圧線鉄塔や乾燥した黄色い大地とのコントラストは絵画を見ているような気分になりました。これ迷彩服を着た白人が踊っていたら絵的に褪せちゃうでしょう。この絵的な部分が自分たちの町、自分たちの肌、とにかく自分たちを誇りに思っているというメッセージだと思います。日本社会じゃなかなか許されない贅沢です。
[ビデオ(字幕)] 8点(2009-01-06 08:08:23)
58.  モスラ(1996)
命の神秘を感じてほしいので、戦車や都市破壊シーンを出さないというスタッフの趣旨をパンフでみた瞬間狂気の沙汰だと思った。ただ考えてみれば怪獣映画の歴史で初めて人間に語りかけてきたのは実はモスラの小美人。モスラ3部作は主人公が「家族」「友達」であり、それが味方怪獣と敵怪獣両方に対してどう向き合っていくかを描いた作品なので、自衛隊は邪魔かもしれない。少なくとも「小さき勇者ガメラ」みたいに子供を変に美化する方向に逃げず、真正面から描きたい事にぶつかっているようには思える。怪獣同士の戦いも最近のクソCGやふざけたプロレスファイトに比べ迫力と美しさの点では結構レベルが高く、怪獣映画の1つの形として評価することは十分にできる。
[ビデオ(邦画)] 6点(2009-01-02 06:50:17)
59.  シベリア超特急
妻投稿・・。私がこの映画レビューサイトにおいて出会った映画で一番素晴らしい映画と思えるのは、ラピュタ、ゴジラ、チャップリンを抜いて実はこの映画なのです。この映画で水野晴郎さんは「映画評論家が実際に映画を撮るとこうなる!」という自身のメタフィクション化と、こんな映画でも真剣かつ楽しそうに演じる自らの姿によって、観客に対し、「他人の映画、演劇、ドラマ、小説、絵画、そして人生を評価し場合によってはこき下ろす事も政治経済社会文化の継続と進歩には大切」だが、「作品を作り上げる事の方が、チャチや文句を言う事よりもずっと偉い」という事を絶対に忘れてはいけないと訴えていると思うからです。「このサイトで映画レビューを楽しみたいなら、これだけは忘れちゃいけない」と言われたような気がしました。よっぽど映画を愛していなければこんな事は表現できないと思います。「映画を見る人」というよりは「映画を愛する人」に捧げられた映画。10点を進呈します。
[ビデオ(邦画)] 10点(2008-12-27 20:56:34)(良:8票)
60.  ターミネーター2/特別編 《ネタバレ》 
面白い映画なのだが、逃げるシーンに徹すれば良かった。製作費やターミネーターの形態の変化とバリエーションを持たせつつ、恐怖から生まれる友情、恐怖から生まれる疑念というように、前作の一本柱である「追いかけられる恐怖」を多様に派生させた面では「理想の続編映画」だ。しかしなぜ黒人をぶっ飛ばす必要がある? 理由はあるにしろこのあたりに第3弾にみた破綻の予兆を見た。地球を救う救わないなんて「追いかけられる恐怖」とは少し外れているだろう。そこをどうリンクさせるかが足りていない。
[地上波(吹替)] 5点(2008-12-27 16:25:23)
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