41. シンドラーのリスト
《ネタバレ》 イマイチ腑に落ちなかったのが、どうして主人公のオスカー・シンドラーはユダヤ人の救済に全力を捧げたのか疑問です。 彼のバックボーンが何も描かれていないから、確かにユダヤ人迫害は酷いことですが、リアルタイムであの現場に立って、自分がナチスだったら、自分の身を案ずるのが普通じゃないかって思うんです。 それを覆す正義感が見えないから高得点はつけられませんでした。 ウィッキペディアに書かれていましたが、シンドラーの婦人は本作について、偽善的すぎるという感想を持たれたそうです。 それから、シンドラーに正義と悪の葛藤があまり描かれてはいないようにも感じました。 ゲート少尉のメイドだった女性が、シンドラーの最後のリストに挙げられ、最後の墓参りで石を置いたシーンは感動しました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-08-14 19:29:39) |
42. レインメーカー
豪華な監督、豪華な出演者、展開が早いシナリオ、面白いです。 でも気になるんです。 ダニーでビートが愛川欽也に似てるんです。 決して笑わせようとして書いているんじゃないんです。 痛々しい患者たちが見せる大げさなジェスチャーや所々に伺えるコメディータッチの要素が作品を軽くしてしまっています。 タイトルにインパクトがないし、一年後には忘れちゃうでしょうけど、見る価値はありました。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-08-01 07:42:56) |
43. ニキータ
今回になって初めての鑑賞です。前々から「レオン」と同じ監督だけっていうのは知っていましたが、やはり「レオン」と比べてしまいますね。どうしても突破できない展開のクライマックスは、やはり「レオン」のほうに軍配があがるかも。でも、女性が主役のアクション映画っていう意味では、本作が最高ではないでしょうか。まだ未見の方にはオススメします。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-06-02 04:52:25) |
44. ハードエイト
「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」で有名なポール・トーマス・アンダーソンの26歳の時に作った作品。 サミュエル・L・ジャクソンが出演していたからではないけど、タランティーノの「パルプ・フィクション」のような面白さがあった。 構成とかストーリーが似ていたわけでなく、セリフのやりとりや、突拍子なシチュエーションが、とても人間臭さを感じさせてくれ、作品の世界観に入り込むと病みつきになる感じがした。 グウィネス・バルトロウのネジの緩んだ娼婦の役も面白かったポイントの一つ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-04-08 01:13:35) |
45. フォーリング・ダウン
全体としてはコテコテのハリウッド映画ですが、ストレスを抑えきれない主人公が店で缶コーラ一つで店内を荒らしたり、ハンバーガーショップで写真と実物の違うことでもめたりするなど、一つ一つのシークエンスにスパイスの効いた笑いがあって、観る者を飽きさせません。 話は変わるのですが、実は私、昨日資格試験があって、その解答速報の結果、合格のボーダーラインにいる自分にストレスを感じているんです。 そんな私のような心境の人には、うってつけの映画だと思います。 マイケル・ダグラスがマイケル・ダグラスっぽくないのがよかったですね。本当に異常者になっていく過程が見てとれました。 ロバート・デュバルの役は如何にもどこかである典型的な役柄で面白くなかったですね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-10-22 05:29:39) |
46. カストラート
物語がよく理解できなかったのですが、カストラートというものの素晴らしさを味わえた素晴らしい映画でした。 この時代、作曲というものには印税もなく、たいした価値はなかったのは知っていましたが、現在、カストラート自体禁止になっているのですから、当時聴いた聴衆は特別な感動を味わえたのでしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-06-07 03:50:35) |
47. 新・刑事コロンボ/恋におちたコロンボ<TVM>
《ネタバレ》 邦題の理由は当時ヒットした「恋におちたシェイクスピア」から来たと、私の所持している本に書かれてありました。 本作のシナリオはフォーク自身が書かれていて、マンネリ化した「新・刑事コロンボ」を脱し、昔のコロンボのオマージュがいくつか含まれています。 本作のゲスト、フェイ・ダナウェイはエミー賞を取ったそうです。 でも、声優さんがパッとしないせいか、言われてみないと誰かわからないのが残念です。 コロンボが恋に落ちたか別として、犯人の女性がコロンボに魅力を感じたことは本当で事件の解決の行方よりストーリーが膨らんでいます。 ちょっと意外な点は「コロンボ」というドラマは最初に人間関係の全てがわかってしまう点にあるのに、今回は、最後に共犯者について、エッ!ってわからせる点にあります。これは本作のハイライトだと思います。 ちょっとわからないのが、なぜコロンボが犯人の目星を掴んだ点です。ファースト・インプレッションです。 誰かわかる方、教えてください。 [CS・衛星(吹替)] 7点(2013-05-09 06:49:00) |
48. ブレイブハート
ちょっと疲れたけど見ごたえのある映画でした。 メル・ギブソンの綺麗なブルーアイが印象的でした。 黒沢映画真っ青の壮大なスケール。戦争シーンは迫力あったけど、これを観て歴史的に残虐だった過去と受け止めるか、単なるアクションとして楽しむのか、アカデミー作品賞として、どう判断したのか疑問を感じます。 ジャンヌ・ダルクみたいなラストでしたが、もう一度観たいと思えないのが正直な感想。 一度は観る価値あり。 ソフィー・マルソーの代表作にもなるでしょう。とても綺麗でした。 [地上波(字幕)] 7点(2013-02-21 09:45:13) |
49. 理由(1995)
評価が低いですが、予備知識なしに見れば娯楽作品としてはおススメですよ。 ネタバレレビューはできるだけ見ないことです。 冒頭からメッセージが伝わってきそうですが、あまり深く考えないことです。 邦題のセンスは0点。 加えて、久々に見たケイト・キャプショー。インディー・ジョーンズに出てた頃は凄い美人だったのに普通の人になってた・・・。 [地上波(吹替)] 7点(2013-01-30 06:26:32) |
50. TINA ティナ
《ネタバレ》 ティナ・ターナーがソロで活躍した80年代は日本でも洋楽ブーム。私もMTVなどに夢中でした。 雑誌では本作が製作される前からアイクの暴力沙汰は有名な話で、ティナの暴露本にアイクも自伝本を出版する等ドロドロだった記憶があります。 ですが音楽が私生活に表れない明るいスタイルだったので映画のステージは上手く再現されていた気がします。 なんで、この役者さんがティナの役に選ばれたのか最初は疑問でしたが、次第にティナにそっくりになり、最後は本人のステージに変わる演出は素晴らしかったです。 今もユーチューブで検索すると70歳になったティナ・ターナーがダンサー3人と合わせて「プラウド・メアリー」を歌っている姿を観ると元気が出ます。 アイクは2007年に亡くなっています。 因みにティナは創価学会員です(当時)。 [DVD(字幕)] 7点(2012-05-13 22:03:51) |
51. 推定無罪
《ネタバレ》 本編120分が短すぎと書かれた下のレビューですが、お昼のロードショーではCMカットで90分でした。 この邦題とモノローグだけで主人公が無罪なのはわかるのですが、サブストーリーの奥さんとのやりとりが伏線を張っていたのには驚きました。 友人が勧めるベタベタ韓流ドラマでは、サブストーリーは全くといっていいほどメインストーリーに関わらないので、こういうサスペンスドラマはたまにはいいと思いました。 ハリソン・フォードの、いかにも容疑者に近い人柄を出している演技はなかなかのものです。 [地上波(吹替)] 7点(2011-12-07 00:02:01) |
52. パルメット
この映画、テレビでは「レア・魔性の肉体」というタイトルがつけられていましたが、本題「パルメット」よりは観る人の興味を惹きつけます。 本サイトでは点数が低いですが、別のサイトでは、かなり高評価を得ています。 魅力的だが、どことなく影のある女性の罠にはまっていく男という設定は「白いドレスの女」や「氷の微笑」などで、もはや定番。 ですが、プラスアルファがあって、かなり楽しめました。 新人のシナリオコンクールで優勝しそうな脚本といった感じです。 マンネリ化した「相棒」を観るよりずっといいです。 因みに、この映画の紹介でクロエ・セヴィニーの写真が使われていたりしますが、彼女の出番は、それほど多くないです。 [地上波(吹替)] 7点(2011-08-05 17:33:12) |
53. きれいなおかあさん
《ネタバレ》 タイトルから想像出来る、ありふれてるけどいい話です。 生活苦の母と聴力障害者の息子。悪く言えば、それだけの話です。 日本を含むアジアでは、障害者、若しくは余命何カ月のお涙頂戴的映画が氾濫していますが、本作は、大好きなコン・リーが出ている理由だけで個人的に7点つけちゃいます。 おかあさんがきれいじゃなかったら点数はもっと低いです。 コン・リー、この時36歳でちょっと太め。その6年後「ハンニバル・ライジング」で本作より綺麗で若くなっているから驚きです。 今の姿を是非見てみたいです。 エンドロール含めて90分で終わります。得るものはあります。 [DVD(吹替)] 7点(2009-11-02 09:30:49) |
54. 許されざる者(1992)
《ネタバレ》 過去のイーストウッド主演の西部劇に比べると、後味は悪くないのですが、テーマが「殺人の虚しさ」ということで「爽快感」はそれほどないです。 イーストウッドの西部劇初心者なら「荒野の用心棒」などから観るべきだと思う。 イーストウッドは、この作品あたりから人間の虚しさを強調した作品が増えたように感じます。 タイトルの「許されざる者(Unforgiven)」は誰のことなのか? ハックマンが「地獄で会おうぜ」と言った最後の言葉が重ねて気になったところです。 山田康夫さんの吹き替えは本作が最後なんですね。 今はもう違和感なく新しい吹き替えを観ることができますが、とても懐かしく思えました。 主題曲はイーストウッド本人の作曲らしいのでエンドロールでじっくりと聴いてみてください。なかなかのもんですよ。 [DVD(吹替)] 7点(2009-08-27 17:31:13) |
55. シンプル・プラン
《ネタバレ》 墜落した飛行機に残されていた大金をネコババしようとしたばかりに、次々と災難が降りかかってくる。 観賞し終わって、冒頭一番まともな主人公が一番殺人を犯しているところに、皮肉な運命を感じてしまう。 私は以前、傷害事件に会って、和解金として100万円を目の前に置かれたことがありました。 金なんかで絶対に許さないと心に誓っていた自分ですが、目の前の現金を見た時、無意識に顔がほころんでしまった記憶があります。 「欲」というのは潜在的なものも含まれていて、「罪の意識」を免れようとする気持ちも、現状に立たされないと自分がどういう行動に出るか断言できないのが、私の結論です。交通事故のニュースで「ひき逃げをして、怖くなって逃げた」という供述をよく耳にしますが、なんとなくわかります。 因みにDVDの裏ジャケには、「原作をスティーブン・キングが絶賛!」と書かれていましたが、映画の内容もキング色が見え隠れした仕上がりになっています。 退屈させない娯楽映画です。 [DVD(吹替)] 7点(2009-08-27 07:29:10) |
56. マディソン郡の橋
《ネタバレ》 全くイーストウッドのカラーが出ていないのがいいですね。沢山の女優が本作に興味を抱いたらしく、その中からイーストウッドはメリルを選んだとのことですが、公開当時、既に原作本を読んだ知人のほとんどが、イーストウッドは歳を取り過ぎていて適役じゃないと言ってました。確かにイーストウッドは65歳ですものね。 原作未読の私には、それほど違和感もなく、お互いが惹かれあっていく過程にのめり込めました。 究極の愛を描いた素晴らしい作品だと思いますが、ラストに流れていくにつれ、メリルの揺れ動く気持ちが延々続いた時、この作品は平凡な家庭を送る普通のおばちゃんのために作られた、おとぎ話なんだなと、ちょっと興ざめしてしまいました。これが旦那と奥さんの立場が逆だったら、ヒンシュクもんだし、仮に、二人が「失楽園」よろしく掛け落ちしてしまったら、絶対にヒットしなかったと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2009-08-13 04:29:55) |
57. めぐり逢えたら
《ネタバレ》 出会ってすぐ愛し合うラブストーリーって正直大嫌いだけど、何故かこの映画はハマりました。 トム・ハンクスが並の男で、メグ・ライアンがちょっとだけ「上」ランクのルックスなのがグッドです。 これがテレビでお馴染みの美男美女で20代のラブストーリーだったら、ここまで評価は上がらなかったでしょう。 ラブコメです。決して現実的な考えで鑑賞してはいけません。 ところで最近、ニュースの特集で、会話時間が2分、それを数十人の男女が回転寿司のように席を移動しながら行うお見合いパーティーを見ましたが、この映画に至っては主役の男女の対面時間は合計しても2分ありません。しかし、遠くから相手を見たケースも含めて、合計3回会っています。 恋愛に縁を求める人は、この二人よりも、2人を囲っている魅力のない人たちを反面教師に恋愛の勉強をすべきだと思います。ちょっと上目線に感じたら御免なさい。 それからナット・キング・コールの有名な歌の歌詞、字幕スーパーで初めて理解できました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-07-24 22:57:38) |
58. 男はつらいよ 寅次郎紅の花
《ネタバレ》 浅丘ルリ子出演の第4弾。そして「男はつらいよ」最終作。 最後の作品として最高かもしれないが、これ以上のものを作れと言われて作れる訳がない。全作品と比べるのは間違いである。 そもそも「寅さん」と現実社会問題の接点は全くなかった中で、「阪神大震災」の映像は、寅さんがリアルワールドに入ってきた最初で最後の作品ではないだろうか? 後藤久美子は寅さん映画のマドンナ役で最多出演と言われているが、寅さんの恋愛対象として演じたわけではないので、マドンナ役とは呼べないと思う。 私は吉岡秀隆が登場した頃から、「男はつらいよ」には興味を持てなくなった。 今回、浅丘ルリ子演じる「リリー」の4作品を連続して鑑賞したが、渥美さんは本当に若い! 皮肉にも、賠償さんをはじめ、トラ屋の人たちの老け込み様が際立って見えた。 手紙を読むことでストーリーを転がしているので、寅さんもリリーさんも凄く遠い存在に感じた。 歳を取ると恋愛は出来ないのだろうか? 渥美さんの体調が悪いのが原因だというのはわかってはいるが、満男のラブストーリーが主軸になるほど、年寄りは隅で生きなさいと言われているように思ってしまう。 しかし、この作品は最後の最後で感動的なラストを迎える。 それは他の作品を複数鑑賞した者だけが得られる感動なのだ。 [DVD(邦画)] 7点(2009-07-08 01:43:22) |
59. ペパーミント・キャンディー
《ネタバレ》 物語がさかのぼっていくアイデアは、今となっては斬新さは感じられません。 「そういえば、最初どんなだったっけ?」と、もう一度見直したくなります。 純粋な青春時代が20年経って、全く違う人間に変わってしまうのは誰にでも起こりえるかもしれませんが、特に、この映画のポイントになる「光州事件」を知らない日本人には、私も含めてイマイチ心に打つものが薄くなってしまうのではないでしょうか。 若い女性を誤射してしまったトラウマと初恋の女性を、クソ真面目な性格でごまかしながら生きていく主人公の姿がとても痛々しい。行き当たりばったりで抱いた女に見せた涙がとても純粋なものに見えます。さぞかし朝食の約束を果たしたかっただろうに…。 自転車の漕ぎ方を教わった女房が、自動車の運転を教わった男と浮気していたのは、いかにも映画的で面白かったけど、そんな女房が主人の心境をどこまで知っていたのかは全く描かれていないので、ものすごく気になりました。 しかし、この映画は主人公だけを描いた一人称のストーリー。私も現在線路に立った主人公と同じくらいの年齢なので、もし自殺する時って、もうどうでもよくなっちゃうのかな…って改めて考えさせられました。 「誰かを道連れに死んでやる!」と叫んだら、その相手が初恋の相手なんだから、たまったもんじゃありませんよ。 残念ながらペパーミントキャンディーという小道具の効果はあまり感じられませんでした。 それから、BGMで、リッチーブラックモアズ・レインボーの「キャッチ・ザ・レインボー」が使われていたのは、マニアックな選曲でニヤリとさせられました。 [DVD(字幕)] 7点(2009-05-19 08:28:56) |
60. 暗戦/デッドエンド
「男たちの挽歌」以上、「インファナル・アフェア」以下に位置していると思う。 どちらか一方でも満足された方は必見の娯楽作品。 いかにも「香港!」という感じのコミカルな要素もあるが、小道具や伏線がかっこよく、スピード感あふれる展開に観る者を退屈させない。 アンディ・ラウが香港の映画祭の金賞を取っただけあって、やはり見どころは彼の存在と言っていい。 それから90分でまとめた監督の実力を付け加えたい。 [DVD(吹替)] 7点(2009-02-09 15:02:50) |