621. パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々
《ネタバレ》 こーゆー無邪気にビジュアルで楽しませてくれる映画は好きです。 英語の先生が悪魔みたいなのに変わるシーンに始まり、ミノタウロス、ハデス、メデューサ、ヒドラと有名なモンスターや神が盛り沢山。もうそれだけでテンションが上がります。 きれいなCGを駆使したアクションや映像も申し分なし。冥界のビジュアルが何気に良かったです。 ミノタウロスが投げた車が飛んでくるシーン、ヒドラとの戦いのシーン、どれも迫力ある画で大満足。メデューサの蛇の質感やばいです。 現代社会の中で神話の神や怪物が戦うっていう設定は凄くわくわくするものですが、実際にはパーシーたちと現代社会とのつながりがほとんど描かれなかったのがもったいない。ニュースでパーシーとお母さんに関する偽情報が報道されたくらいでしたね。 また、半神ならではの特殊能力を披露したのがパーシーのみってのがちょっと寂しい。 まず訓練所にいる半神の数が尋常じゃない。あまりに多すぎて『半神』という特別感が薄れる。それぞれ何らかの神の子供なわけだから、その神ならではの神通力みたいなもんがあっても良さそうなもんです。中世の格好してひたすらちゃんばらごっこじゃあ、なんかそーゆーのが好きなオタクの集まりにしか見えません。 とまあ最後にちょっとケチつけちゃいましたが、個人的には非常にアリなエンターテイメントムービーです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-05-11 04:25:31) |
622. ちょんまげぷりん
《ネタバレ》 面白い。錦戸亮君の声質が好きなので、木島安兵衛が最高に良かったです。 かっこよさと面白さを兼ね備えた最強のキャラクター、ここに誕生。 武士の生き方や振る舞いってのを、今の日本人はもう一度見習うべきかもしれませんね。 尺の都合上仕方のないことではありますが、ほとんど何の葛藤もなく現代に溶け込んでしまったのはちょっともったいなかったか。ケーキを作り始めちゃったのはいささか唐突に感じました。 物語序盤はジェネレーションギャップというのか、カルチャーショックというのか、そういったものに大いに笑い、物語後半は頑張るお父さんの姿に励まされる。なんだか随分と元気をもらえる映画でした。 他の方同様、ファーストフード店で友也たちを叱るシーンは最高に良かったです。あれこそ今の日本人が忘れてしまった心かもしれません。ケーキバトルの決勝戦、友也のミスを『それでは仕上げにまいろう』と言って、何てこと無い感じで最上のフォローをするのがまたかっこいい。それが洗濯物を畳みながら泣いている友也君につながっちゃうかと思うと、こちらも泣かずにはいられません。 笑って、泣いて、感動して、一本の映画で喜怒哀楽全部もっていかれました。 ただ最後がね。そりゃないよ。せつねーよ。これからってところで強制送還。地蔵、あんた悪ぃやつだな。 なんか無理矢理良い話っぽく終らせましたが、やっぱ3人仲良く暮らしてほしかったです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-05-08 15:07:23) |
623. グリーン・ホーネット
《ネタバレ》 行き当たりばったり系の映画は苦手なんですが、これは楽しく見られました。 こちらが落ち着いて考える間もなく、次々と話が展開していくからかもしれません。 主人公はあんま好きじゃないです。最初は嫌なやつでも良い。そこから成長してくれたらそれで良い。 ブリットはどうでしょう。最初から最後まで嫌な奴。なんでブリットにカトーがつきあってやるのか理解に苦しみます。まあ気が合ったのかな? 最初のほうは面白かったんです。カトーの凄さを目の当たりにしたブリットがカトーを大絶賛。ブリットの潤沢な資金力とカトーの類稀なる才能で生まれるニューヒーロー。こーゆーの好きです。 ハイブリッドな車やガスガンなど、ユニークなアイテムも良い。キャメロンディアスも良い。容赦の無い悪党も良い。本格的なマフィアって感じの登場シーンがとても良かった。そんなマフィアが悪ふざけのようなヒーローに翻弄されるってのが痛快。 やはりブリットのキャラかな。終盤で『君に嫉妬していたんだ』って心情を吐露しますが、もっと早く言って欲しかった。 カトーとレノアを二人ともクビにしたのはドン引きです。まさに何不自由なく育ってきたボンボンの、一番クソな部分が出ています。とても応援できないです、こんなやつ。 そういえばクライマックスで、突然ブリットがカトーと同じような能力に目覚めるシーンがあったんですが、あれは一体何?いや、別にそーゆー展開にもっていっても構いませんが、だったら伏線の一つくらいはってほしいものです。 と、ちょっと文句が多くなりましたが、見ているときはなんだかんだでずっと面白かったのも事実です。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-04-30 23:45:43) |
624. フリークス・シティ
《ネタバレ》 人間、ゾンビ、ヴァンパイアが共存している街にエイリアンが襲来するトンデモ映画。 なんですが、ストーリーが割とまじめに作られています。とゆーか、まじめに作りすぎて、前半30分がまあだるい。 特殊な舞台設定を除けば、そこらに凡百とあるティーンの青臭い青春ドラマと変わりません。 それをだらだら見せられるのが前半30分。かったるいですが人間関係や状況の把握はしやすいです。 で、エイリアンがやってきてからが本番。 もともと人間とヴァンパイアは折り合いが悪く、エイリアンがきっかけで本格的な抗争へと発展。UFOが来たのが、お互いの陰謀だと罵りあい、最後は殺し合いを始めちゃう。そしてなぜかそこにゾンビ達も参戦。この人たちは人間を食べにきただけ。もうブラックユーモアにあふれていて、結構犠牲者が出てしまう始末。特にゾンビはひどくて、助けてくれた人だって見境なく食べちゃう。 更にこの殺し合いの最中にエイリアンまで攻撃を開始して、かなりカオス。 そしてなぜか最後は3種族が一致団結してエイリアンを撃退しちゃうっていうお話。 正直、これと同じ映画はまずないと言い切れます。 主人公が実は人間ではなく、4番目の種族だったというサプライズがまた面白い。とは言え、カンの良い人なら主人公の正体は早い段階でわかると思いますが。 グロ映像はありますが、恐怖映画ではありません。 万人に愛される映画とは言えませんが、個人的には好き。 B級好きなら押さえておきたい作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-26 15:06:30) |
625. デビルクエスト
《ネタバレ》 好きなジャンル。ニコラス・ケイジも好き。思っていたよりホラー色があって、そっちの意味でも楽しめました。 クレア・フォイ演じるアナは独特の迫力があって、たびたび驚かされます。 冤罪なのかクロなのか。疑心暗鬼が旅をよりスリリングなものにしてくれます。 街や村に着けば、ペスト患者と死体だらけ。ゾンビ映画さながらの異様な光景。何が潜んでいて何が出てくるか分からない、そんな不穏な雰囲気作りはA級映画に匹敵するクオリティです。 不気味な魔女疑いの女。ぼろぼろの吊橋。凶暴化した狼。ゾンビ修道僧。アドベンチャー映画ならではの娯楽要素はきっちり満たしているようです。 ラスボスの悪魔は拍子抜け。 外見よりも中身がつまらない。結局は『ソロモンの書』目当てだったというのがまずしょぼい。『この書物に長い間どれだけ苦労させられたか!』っていうクソ雑魚い台詞が更にしょぼい。女性の姿のほうがよほど怖い。 しょぼい悪魔とクソださいタイトルはさておき、終始楽しめる優良ホラーアドベンチャーだと思います。 過剰な期待をしないのがポイントですね。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-04-24 00:24:37) |
626. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 これが1作目だったら8点~9点なんですが。これは続編。前作でヒットガールの無双モードを経験してしまうと、どうしても続編ではよりパワーアップしたパフォーマンスを期待してしまいます。 ヒットガールの有無を言わせぬ強さは序盤のチンピラ撃退と葬儀襲撃シーンの2箇所くらい。しかも葬儀襲撃ではヒットガールの格好じゃないので、これだけではファンは物足りないでしょう。マザーロシアとの戦いは防戦一方で、爽快感とは無縁です。 ただ、映画としてのストーリー構成は前作より良いんじゃないでしょうか。 そしてデイブに成長が見られるのが良い。ヒットガールとの秘密トレーニングのシーンは熱くなります。 で、『実地試験』のチンピラ4人組とのバトル。ここではキックアスに勝たせても良かったのではないかな。その後もキックアスが単独で勝利するシーンは皆無で、本当に強くなっているのかと疑ってしまいます。 前作で体に金属埋め込まれて痛みを感じなくなったという設定も活かされていません。めっちゃ痛そうにしている。なんか違う。キックアスの成長の結果ってのを、もっとわかりやすい形で見せてほしかった。 ミンディが離脱。大佐登場。結局は誰かに依存しないと頑張れないキックアス。2作目だし、もう少しその他大勢のヒーローとの差別化を図っても良かったじゃないだろうか。 それにケイティがビンタシーン以外出てこないのもちょっとヤダ。その後ナイトビッチとよろしくやっちゃって、デイブの節操の無さが嫌いです。ケイティとは別れちゃったの?そーゆーとこははっきりさせましょう。気になるから。 前作ではミンディとケイティという、まさに両手に花みたいな終わりかた。 今作では二人ともいなくなっちゃうような終わり方で寂しい限りです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-04-17 13:43:32) |
627. キック・アス
《ネタバレ》 スタートダッシュの雰囲気はスパイダーマンに似ていて、ちょっとワクワク。何者でもない日陰者だった人間が、正義の味方になろうと試行錯誤するプロセスは好き。頭の中で自分がヒーローになった姿を想像する時期ってのは誰しも経験があると思います。所謂厨二病ってやつですね。この辺りの思春期特有の感覚に国境はないみたいで、嬉しくなります。 で、それを実際にやってみようとする人間がいると、映画やマンガになっちゃうわけです。なぜなら夢があるから。等身大の夢です。そこで真剣に努力してくれようもんなら、共感できるし、応援できます。 ですから、序盤から中盤にかけては大変楽しい。主人公刺され、事故る。全身に金属を入れられる。痛みを感じない特別な肉体ゲット。チンピラをチンピラから守る。迷い猫だって探してあげる。 いいんです、最初はこれで。ここから少しずつ成長してくれれば。 ところがキック・アスの成長はここでストップ。なぜならここでヒット・ガール、ビッグ・ダディという本物のヒーローが参戦するから。なんかこれワンパンマンのC級ヒーローが地道な努力をしているところに、S級ヒーローがやってきて実力の違いを見せつける感覚に近いかもです。 そこからは私が期待していたのとはちょっと違う展開に。どーしてもヒット・ガール親子が目立ちすぎて、キック・アスは添えもの扱いになっていきます。だってC級ヒーローだもの。 アクションはスピード感があり、バラエティに富んでいて面白い。凄惨なアクションとポップな音楽のミスマッチ感がシュールでクセになる。 キック・アスは強くはなりませんが、ずっと良心的な人物で良い。彼女ともどんどん仲良くなっちゃうリア充展開なので更に良い。一緒に幸せな気分になれます。 そしてなんといってもヒット・ガールのかっこかわいさ。ヒット・ガールにクロエ・グレース・モレッツをキャスティングした時点でこの映画の成功は決まったようなものかもしれません。それぐらい魅力的なキャラクター。 ですので、主人公にもう少し頑張ってほしかった、ということを除けば、エンターテイメントとして良く出来た作品だと思います。 『すごく良い武器があるの。でもちょっと高くて、30万ドル・・・』『無駄遣いは良くな・・・おお、これは・・カゴに入れといて。』と、父が言い、嬉しそうにカゴに入れる娘。一番好きなシーンです。時代だなー。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-14 13:31:03)(良:1票) |
628. 共喰山
《ネタバレ》 邦題が究極ダサいので期待はしていなかったのですが、思っていた以上に力の入った力作。 特に中盤。メルがヒルに襲われ、その後謎の病気に感染し変異を始めてからが俄然面白い。 同じタイプの映画はたくさん作られていますのであるあるなんですが、仲の良い友人同士なので安易に殺したり置き去りにしたりはできないんですね。 で、みんな『どうしよう。どうしよう。』とオロオロしている間に、どんどん状況が悪くなっていく。この焦燥感こそこのタイプの映画で味わうべきポイント。だんだん追い込まれ劣勢になっていく様子が無理なく自然に堪能できます。 ただし、登場する若者達が自己中すぎてイライラさせられるっていうのも、こーゆー映画ならでは。 無駄にわめく。無駄に争う。見苦しいうえにうるさくて辟易します。ここはマイナスです。 そして終盤。得体の知れないモンスター登場。ちょっと欲張りすぎてテイストがぶれぶれになっちゃいました。感染した人間同士の殺し合いだけのほうが傑作になった気がします。 どうやら感染源は『水』らしいのですが、噛まれて感染しないってのもちょっと物足りないですね。 まあでも見ている間は結構ハラハラできて楽しかったです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-12 01:09:27) |
629. アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2
《ネタバレ》 前作よりグロと過激さが増した復讐サスペンス第2弾。 主演の女優が前作よりかはかわいい。これ大事。 被害者から加害者へ。その変貌を遂げるプロセスが見所のひとつ。前作に比べると丁寧にその過程が描かれています。ただしそのぶん尺が長くなってしまい、途中でだれる部分がないわけでもないですが、許容範囲。 助かったと思いきや、だまされて再び監禁場所へ。そのときの絶望が凄い。 そして大男出現。ヒロインを更に拷問。それだけでは終わらず、イヴァンから殴打の嵐。 挙句、箱につめられ、埋められ、こんなん引田天功でもない限り絶対脱出不可能じゃん、と思っていたらまさかの生還。 そして地下サバイバル。復活。逆襲。完璧な流れです。 序盤で、ヒロインに密かな恋心を抱いていそうな男性が助けに来たのに、その直後に刺殺されちゃう。 主人公を疑う刑事から救い出してくれた親切な女性が、まさかのレイプファミリーの一員。 この上げて落とすっていうのが単純ながらも効果てきめんで、緩急のついたストーリー展開が巧みです。 前作同様、復讐の際のヒロインの台詞がスカッとします。 大変陰惨な映画であることは間違いありません。ですが『ファ○ーゲーム』や『○イオレンス・○イク』みたいな終始救いようの無い映画よりかは余程健全だと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-09 02:13:45) |
630. 書道ガールズ!! -わたしたちの甲子園-
《ネタバレ》 なんの苦労もない高校生達のゆるいコメディかと思いきや、不況に倒産、親の病気に貧困世帯と、その背景がなかなかシビア。今の日本を象徴するかのような状況設定。 とはいえ、ストーリーが少々お粗末なので、中盤くらいまではわりと一歩引いた感じで見ていました。 それに高畑充希ちゃんを中途退場させちゃったのはもったいなかったですね。どー考えても彼女は必要。どーせなら最後全員揃ったカタチでのパフォーマンスがよろしかったのではないでしょうか。 また、1人1人に焦点を当てる丁寧なストーリー構成は、本来は好きです。 ですがこの作品は里子、小春、清美、リオの4人のエピソードがあまりに均等すぎて、どれも印象に残らないという皮肉な結果になっちゃいました。それぞれのエピソードが良かったものの、4分割したことでどれもとってつけたような印象に収まってしまいました。 感動系の演出も青臭いものが多く、この年齢になるとちょっと気持ちが入りきれません。 ところが、最後のパフォーマンス。ここだけはこの映画の中でも別物。否が応にも盛り上がります。感動もします。 最後の4校のパフォーマンス、どれも良かった。難を言うなら、ラストパフォーマンスでも転んでしまうのがちょっと演出しすぎ。そして歌いだす清美。いやー、欲しがりすぎて逆に気持ちが醒めちゃいました。ラストのアクシデントはないほうが良かったです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-04-05 01:56:36) |
631. BRAVE HEARTS 海猿
《ネタバレ》 今までと少しパターンを変えてみた最終作。飛行機の東京湾着水が今回のメインイベント。なかなか壮大でサスペンスフルなパニック映画に仕上がっていると思います。 前作よりは面白いです。2作目には及ばない印象です。 今作では今まで脇に徹していた吉岡(佐藤隆太)にスポットを当てたことで、ドラマ部分の仕上がりがいつもより面白いです。単に私が佐藤隆太を好きなだけかもしれませんが。 相手役の美香(仲里依紗)が結婚を拒んでいた理由が、たいしたことなくて拍子抜け。ただそのときの吉岡のリアクションが面白いので、コメディとして成立しています。いつもクサイ演出一辺倒だったラストにこーゆーテイストをほーりこんでくれたのは良かったです。 つっこみ所は満載。すっかり忘れていましたが、確かに日が沈んでいない。 更には、海に沈んでから、びくともしなかったものが簡単に動いちゃうのは浮力の関係?海に沈むまでは全然脱出できなかったのに、沈んでからはあっさり脱出。 また、水深60m以上の潜水は危険という話でしたが、すんなり潜水して、すんなり作業して、すんなり浮上して、全然危機感が伝わってきません。どうにも肝心なところで演出のつめが甘いんじゃないでしょうか。 時間との勝負のときは手をとめない。そーゆーシーンが出るだけでとてもプロとは思えないので醒めてしまいます。 すべての救助活動が終わったあと、下川さんにやたらクサイ台詞をしゃべらせたのは完全に蛇足。感動を演出しすぎ。欲しがりすぎ。逆になえます。 とまあ気に入らない点をつらつらと述べましたが、人間ドラマとしてもパニックムービーとしても及第点で面白かったのは間違いないです。 [DVD(邦画)] 7点(2021-04-03 15:00:00) |
632. アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ
《ネタバレ》 ホラーというよりサスペンス。 そして甘美なカタルシスを得られる復讐もの。 まあつっこみどころはいろいろあります。 山奥、すっぱだかで川に転落。1ヶ月もどーやって生き延びたのか。衣類はどーやって調達したのか。細かい説明は一切無し。ある意味気持ちが良いほど開き直っています。そもそもこんな山奥女一人で宿泊先に鍵もかけないってどーゆー防犯意識なんでしょう。 で、見所はやはり後半。 過激な映像ばかりに目がいきがちですが、台詞の応酬が結構面白い。 主人公が男達から言われた暴言の数々をそっくりそのまま引用するのが爽快。 『もうやめてくれ』と懇願されたら『私もそう言ったわ』と冷たく言い放つ。 『娘に罪はないだろう』と言われたら『私もよ』と言い返す。 主人公の言い分はすべて正論。男達に言い逃れる術はなし。そして振り下ろされる正義の鉄槌。 ちょっともったいなかったのは、男達が互いの末路を見届けられなかったこと。 拷問を受け、苦しみながら死んでいく仲間を見て、次は自分の番かと恐れおののく。自分がやってしまったことを心の底から後悔する男たちが涙を流しながら命乞いをするシーンでもあれば、より良かったかもしれないです。 結構厳しめの評価がつけられているようですが、これはリメイクものの運命。 私はオリジナル版が未見なので、純粋にこの映画単体で楽しむことができました。 [DVD(字幕)] 7点(2021-04-02 12:14:34) |
633. アジョシ
《ネタバレ》 韓国版レオンのような映画。 こーゆーシチュエーションぐっときます。 ありきたりだけど、世捨て人のような主人公が実は昔特殊部隊のトップだったみたいな設定大好きです。子供心をくすぐられます。私にとってこーゆー映画はヒーロー映画と同じです。 とは言え、内容は麻薬密売に臓器売買、それに少年少女を巻き込んでいるわけですから、暗く陰惨。人間の負の部分をこれでもかってくらい描ききっています。 主人公が愛する妻と、そのお腹に宿したまだ見ぬわが子を殺されるという過去を背負っているのがまた辛い。 少女も結局は母親を殺され、おそらくテシクはしばらく刑務所から帰ってこられないだろうから天涯孤独。 決してハッピーエンドとは言い難い結末ですが、少女が無事だったのは不幸中の幸い。 韓国映画はストーリーやディテールが雑なイメージがあったのですが、とても丁寧に作られていて大変見応えのある映画でした。 特にアクションはスピード感に加え韓国映画特有の痛さも表現されていて、一見の価値アリです。 [DVD(吹替)] 7点(2021-03-28 15:48:03)(良:1票) |
634. 彼岸島 デラックス
《ネタバレ》 これはもう完全に原作ファンのための映画。 登場人物たちの紹介など一切なし。導入部なんて存在しない。コミックスでいうなら中盤くらいをピックアップした作品。 なにしろケンも篤もすでに感染して吸血鬼化しちゃっているわけですから。ここまで『一見さんお断り』を貫くともう逆に清々しいくらいで 登場人物の中でひどかったのは明と雅。明は原作のイメージとかけ離れすぎ。雅はクラスに一人はいる厨二病の男の子にしか見えない。 とりあえず明の赤いマフラーみたいなのやめてほしい。オープニングバトルは顔色の悪いショッカーと戦う仮面ライダーかと思いましたよ。 でも私はこの作品好き。なぜならオニがたくさん出てくるから。 私が原作で一番好きだった『姫』が出てきたときにはテンション上がりまくりです。 この映画のベストシークエンスはずばり『姫』と遭遇してから逃げ切るまでの一連のシーンでしょう。 他にもオニがたくさん出てくるので退屈しません。 こーゆーネタ映画はこれで良いんだと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2021-03-23 04:41:41) |
635. 怪盗グルーのミニオン大脱走
《ネタバレ》 いつもに増してドタバタ感が強いシリーズ第4弾。『ミニオンズ』をスピンオフ作品として除くと、正確には第3弾? グルーとドルー、生き別れになっていた兄弟の再会。アグネスのユニコーン探し。ルーシーとマーゴの絆。ミニオンたちの造反。だいぶつめこみましたね。そのせいか、ちょっと散漫になっちゃった感じです。おかげで今回の敵ブラットの存在感が薄い薄い。 複数のエピソードを同時進行させたせいで、スピード感の割りにそれぞれの物語があまり進まず、テンポがよろしくない。やはりもう少しエピソードの数を絞ったほうが良いんじゃないでしょうか。1つ1つのエピソードを丁寧に作る。その中で小ネタを散りばめ笑いをとる。そんなスタンスのほうがこのシリーズには合っていると思います。そもそもががちゃがちゃしているシリーズなんだから、これ以上散らかす必要はないでしょう。 あと個人的にはまっとうな仕事をするグルーは魅力半減。グルーはいつも悪巧みをしているのが似合います。ミニオンたちのブーイングは気持ちがよくわかります。悪党なのに、アグネスたちやミニオンたちに優しい。このギャップが素敵だし笑えるのです。 そして今作ではミニオンたちが早々に離反しちゃうので、グルーファミリーとミニオンズたちの協力プレイがほとんど見られません。これはもったいない。一番楽しみにしている見所なのに。これはちょっと不満でしたね。 まあ、不満ばかり並べ立ててしまいましたが、エンターテイメント性は抜群で、1つの映画としては文句なしに面白い。 あくまでシリーズのファンとして、もう少しミニオンズとグルーの掛け合いを見たかったというだけです。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-21 09:20:23) |
636. スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム
《ネタバレ》 アベンジャーズの中でのスパイダーマンは良い味出していたのですが、今作では今一歩という感じが否めません。 ラストこそ大活躍でそれなりにカタルシスを味わえましたが、全体を通してみるとちょっと精彩を欠いているような気がします。 序盤はベックばかりが目だって、スパイダーマンは完全なる脇役。『親愛なる隣人』も良いけど、ちょっと隣人すぎるな。 中盤から後半にかけてはひたすらボコボコ。アクションも恋愛も、何をやってもうまくいかない。 エンドロール後のオチは、アン・ハッピーエンドな終わり方で不愉快。ピーターあんなに頑張ったのにそりゃないぜって感じ。 ただ、アクションは流石のスピード感だし、映像の迫力と臨場感は文句のつけようがありません。 中盤から後半にかけては多少イライラしてしまったものの、やはり終始楽しんで見てしまったので、エンターテイメント作品としては合格ラインなんだと思います。 ヒーローものとしてはいまひとつといったところ。 ヒロインもいまひとつといったところ。 MJとメイおばさんだけは、サム・ライミ版のイメージとかけ離れすぎていていまだに慣れません。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-15 03:42:03) |
637. メン・イン・ブラック:インターナショナル
《ネタバレ》 このシリーズはどうしてもトミー・リー・ジョーンズとウィル・スミスのコンビが刷り込まれているので、2人がいないのがちょっと残念ですが、これはこれで個人的には超アリな作品です。 そもそもこのシリーズの『宇宙人たちが地球のあっちこっちにしれっと溶け込んでいる』っていう設定がかなりツボなんです。 個性あふれる宇宙人たち。バリエーション豊かな武器やアイテムの数々。そういった見たいものを見せてくれている時点でこの映画は成功と言っていいんじゃないでしょーか。 ストーリーはみんなで超破壊兵器を奪い合うだけ。わかりやすい。つっこみどころ満載だって良いじゃない。そんな大味なところもこの映画の魅力の1つなのかもしれない。 クリス・ヘムズワースはアベンジャーズシリーズで結構好きになった俳優さん。ですがエージェントHは、あまり良いところがなかったですね。『お調子者。だけど切れ者。』だったらそのギャップにある種のカタルシスを感じるのですが、最初から最後までお調子者で終わっちゃった印象です。 テッサ・トンプソンはお世辞にも美人とは言えませんが、なんか人を惹きつける魅力があります。好奇心旺盛な新人エージェントMは、はまり役だったと思います。 大ボスの存在感の薄さと出番の少なさ。圧倒的存在感だった2人組の中ボスの最期のあっけなさ。ハイTの意外な正体がいまいちサプライズとして効いていない。なんとも盛り上がりそうで盛り上がりきれない部分がありますが、その一方でスピード感溢れる追いかけっこアクションなど見所も多い。CGを駆使したエンターテイメントSFとしては、十分合格ラインを超える出来栄えだと思います。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2021-03-14 16:17:46)(良:1票) |
638. キス&キル
《ネタバレ》 この一昔前のよくあるB級アクション大好き。 『実はスパイだったんです。』『凄腕の殺し屋だったんです。』とゆー何万回も作られてきたであろう設定が、いつまでも変わらず好き。そして何よりアシュトン・カッチャーがかっこいい。イケメンなのに、どこかずれている部分があって、そこがまた良い。 隣人や同僚や友人が突然襲ってくるっていうシチュエーションはあんまりないかもしれない。 みんな父親に雇われた潜伏スパイ。女友達いわく『この日のためにあんたの自慢話を3年間も我慢して聞いてたのよ』ってことは、3年前からみんな父親の雇われヒットマンだったってことかい?同時期にそれだけの人が移住してきたらさすがに変な気はしますが、細かいことは抜き。このノリと雰囲気を楽しみましょうという作品。 私はこの監督の作品とはことごとく相性が良いみたいです。ちょっと古風で野暮ったい作風がどーにも好き。 難を言うならば、アシュトン・カッチャー演じるスペンサーが、登場シーン以外あんまりぱっとしなかったのがもったいなかったかもしれませんね。 凄腕のエージェントならではの見せ場みたいなもんが随所にあって、ジェーンが夫のそんな隠れた一面に少しずつ新たな魅力を見出していくっていう展開ならより一層のめりこめたかも。 ラストはジェーンが主導権を握って、父親とスペンサーをしかりつけるようなオチが凄く好きです。 [DVD(字幕)] 7点(2021-02-27 03:50:29)(良:1票) |
639. ヒックとドラゴン
《ネタバレ》 何者でもなかった自分が、何かをきっかけに特別な存在へと進化していく。こーゆー話大好きです。 アニメとしての映像美はもう素晴らしいの一言。特にトゥース(ナイト・フューリー)に乗って大空を翔ける疾走感、浮遊感は最高の映像体験。 また、ストーリーはわかりやすく面白く、テンポは速く、キャラクターも個性的。人間だけでなくドラゴンにも個性をしっかり持たせたのが良かったのかもしれません。 敵対関係にある者同士が、少しずつ歩み寄り友情を育んでいくってのは、いつの時代でも良いもんです。映画、物語には不変の良さが確かに存在するようです。 その姿を見たものは誰もいない。出会ったら逃げるしかない。伝説のドラゴン、ナイト・フューリー。それを最初に仕留めたのは、まさかの村の最弱キャラ。最強と最弱が心を通わせ、唯一無二のパートナーになっていく。そして最弱キャラは敵も味方もすべてを救う伝説の人物へと成長していく。なんとワクワクするストーリーなんでしょう。そう、王道です。ストーリーはまさに王道なのです。ですがこの作品が大ヒットしたってことは、今も昔も王道に勝るものは無いってことでしょう。 『仲間達が手の平を返したようにあっという間にヒックを慕う』『ヒック以外の人間が簡単にドラゴンに乗れてしまう。』『父親の二転三転する態度の無理矢理感』細かい点を挙げれば気になる点は多々あるのですが、細かいところを気にさせない爽快なエンターテイメントストーリー。 [ブルーレイ(吹替)] 7点(2021-01-31 22:26:21)(良:1票) |
640. かぞくいろ RAILWAYS わたしたちの出発
《ネタバレ》 これは粗筋を全くチェックせずに鑑賞。ジャケットの印象から、一番ほのぼの系かと思っていたら、一番シビアなスタートにびっくり。そして有村架純の主演作をはじめて拝見したわけですが、とても演技が上手なのにびっくり。そして駿也役の子の演技も良くて、日本の子役もうまくなったもんだとしみじみ。 ただ、ストーリーは面白いのですが、なんとなく晶と駿也のキャラクターにはあまり惹かれるものがなかったですね。特に駿也かな。前半はしっかりもの。後半は急に情緒不安定。なんか一貫性のない人物設定です。研修に行こうとする晶に、『戻ってくるよね。』と急に心配になる駿也。そこには晶を心の底から頼りにしている、一人のか弱い子供の姿が。そんな駿也が『晶ちゃんがいなくなれば良かったのに』って。いくら気持ちが高ぶっていても、そんなこと言うかな? 前2作に比べると、感動させよう、泣かせようというあざとさが垣間見えてしまう。それを感じながらも、駿也の作文朗読では泣かせられます。とは言え、その作文で結局晶のことには一切触れないというのはいかがなものか。そして晶と仲直りした駿也が、『晶ちゃんは晶ちゃんのままでいいよ。』って上から目線で言っちゃうのもなんか違う気がします。 駿也の晶に対する対応だけは気になる点が多々ありますが、それ以外は及第点。 家族の再生ムービーだけなら白けてしまいますが、しっかりお仕事ドラマとして完成されているため、作品全体が引き締まったものになっています。その辺りは高評価。 このシリーズは最後が必ずハッピーエンドになので、私とは相性が良い作品でした。 [ブルーレイ(邦画)] 7点(2021-01-28 14:47:11)(良:1票) |