661. キック・アス ジャスティス・フォーエバー
《ネタバレ》 一体どこまで本気で作っているのだろう、とソレばっかり気になってました。いやいや、ヒーローに憧れるコスプレ団と金持ちのボンの組織する悪党団の抗争なんてもんは、最初から最後まで悪ふざけだったのだと思いますが。身代わりになった父親の死すら、不謹慎な悪ふざけだったのでしょう。今時は、そういうのもアリなんだと分かっています。好きではないですけどね。なお、本作でワタシもクロエ・グレース・モレッツの魅力がわかりましたよ。女の子グループにおずおずと参加するくだりでは、「BU・SU」に出てた頃の富田靖子と雰囲気がそっくり。 [DVD(字幕)] 6点(2014-07-05 01:19:26) |
662. 風立ちぬ(2013)
《ネタバレ》 ジャンニ・カプローニ伯爵との夢での邂逅を交えつつ、飛行機へのあこがれを膨らませていく前半が好き。中盤から再開される、菜穂子との物語。過剰なセンチメンタル。何故、堀越次郎と堀辰雄をいっしょにしようと思ったんだろう。何故か観てはいけないものを観てしまったような気がしていますが、このことが、つまり作品としてどうだったのかは、今後考えていきたい。ただ単に、物語をこじらせているだけじゃないような佇まいがあるんだ。 [DVD(邦画)] 6点(2014-06-29 12:02:23) |
663. 俺たちに明日はない
《ネタバレ》 再見。静かに始まり、一瞬の爆発のあとひっそりと終わる物語。銀行強盗に自己紹介されて、照れる共犯者。恋人の本当の年齢を拉致されながら知り、憮然とする被害者。監督はコメディとして作ったのではないか? だとしたら、こんな奇形なコメディは今後ありえないでしょう。 [DVD(字幕)] 9点(2014-06-21 20:19:22) |
664. 清須会議
《ネタバレ》 時系列に沿って進んでいく物語はわかりやすいのだけれど、スルスル流れてその分メリハリがない。秀吉が三法師の推挙を明らかにするのは、5日目の評定のときまでじらした方がよかったのでは。少なくとも、観客には。「会議」が舞台の物語にしては、煮詰まっていくような、息が詰まるような描写がない。エンドロールとかで登場人物のその後を紹介が欲しい。この会議の後、何が起こったのか(前田利家の変心など)分かると、だいぶ観客の納得感が増す。馬揃えのシーンは好き。 [DVD(邦画)] 5点(2014-06-14 09:28:57) |
665. アンタッチャブル
《ネタバレ》 年末年始(最近ありませんが)の大型時代劇ドラマをちゃんと観たという感じ。ネスの家族への攻撃をちらつかせるだけで、直接的にはやらないところは好印象。アレやられると、悪役がゲスっぽくなるんだ。カポネ側の動きに唸るような点がないのが物足りないが、そんな手管を逆手に取ったラスト。うまいことやる。 [DVD(字幕)] 7点(2014-06-13 13:27:00) |
666. ウルフ・オブ・ウォールストリート
《ネタバレ》 漫画ゴラク的な雑誌に掲載されているような金融マンガ的なモノを元ネタにしつつも、レオナルド・ディカプリオを主役に据えたという無茶苦茶な作品とワタシはみた。「ウォール街の狼」って、「ミ○ミの帝王」(読んでませんし、観てませんが)と同じようなセンスでつけられたタイトルだと思いませんか? さしずめレオ様は、アメリカ版の竹内力。しかし、それが面白いんだから大したもんだ。 [DVD(字幕)] 8点(2014-06-08 00:24:55)(良:1票) |
667. 42~世界を変えた男~
《ネタバレ》 ワタシが野球に求めているのは、死にものぐるいで白球に飛びついていく姿。つまり、守備なんです。黒人初のメジャーリーガーであるならなおさら。彼がいかに野球に必死だったかというシーンが欲しかった。「やり返さない勇気」をもってひたすら堪え忍ぶ彼はもちろんかっこいいのですが、それを爆発させるような好プレイによるカタルシスが欲しかった。ファーストファールフライを捕球するシーン、よかったです。 [DVD(字幕)] 6点(2014-06-02 16:37:27)(良:1票) |
668. ワールド・ウォー Z
《ネタバレ》 終幕近くになってから見始めたせがれに、この人は一体何をしているのかと聞かれ、「ゾンビから身を守るために、自ら○○○を打ち、○○になろうとしているのだ」。自分の口から出てきた言葉があまりに馬鹿馬鹿しいことに、はたと気づいて唖然としたワタシ。あらかじめB級映画として見ていれば、そこそこだったと思うのですが、ブラピの大物然とした二枚目っぷりがこの世界観に合わず。それでこの点数です。 [DVD(字幕)] 3点(2014-05-29 22:19:53)(笑:1票) |
669. ブラッド・ダイヤモンド
《ネタバレ》 撮影はアフリカで行われており、アフリカ人の役者さんや少年を含めたエキストラのみなさんが内線を演じているんだと想像すると、生乾きの事柄を扱うにしては、これは何かものすごく大事なモノが欠けた映画なのではないかと思ってしまう。それ言い出したら、アレもソレもみんなそうじゃんって話なんですけど。作中、金網越しの夫婦の泣き別れにためらいなくシャッターを切る、「優雅にお茶を飲んで株をやってもつまらない」「危険を好む」女性ジャーナリストが出てくるもんだからなおさらそう思う。彼女には屈託や躊躇が欲しかった。歴史上の事実をこのような形で、世界に知らしめた功績は大きいと思っていますので、我ながらお前何言ってんのって話なんですけど。なお、「我らは高く称賛す 汝 自由の国よ」とエアポケットのように平和な村で子供達が唄うシーン。なんちゅうブラックな歌を歌わせるんだと思ったら、シエラレオネの国歌とのこと。うーむ。 [DVD(字幕)] 3点(2014-05-18 18:10:44) |
670. のぼうの城
《ネタバレ》 うーん。最後まで石田三成の人物造形がどうなっているのかわかりませんでした。画面映りは二枚目然としているのですが、出してはならない軍師を出し、誰も賛成しない水攻めをし、撃ってはいけない成田長親を撃つ。大谷吉継に諫められつつも、ダメな矢を何度もつがえる石田三成にガルマ・ザビ(@機動戦士ガンダム)を思い出しました。ラスト近く「あっはっは、負けだ、負けだ。」などと、何かを学んだかのごとくさわやかに言われた日には、部下だったらどう身もだえしたらいいのか分かりません。あんたは陰性の「のぼう」だ。 [DVD(邦画)] 4点(2014-05-15 18:10:05) |
671. アップサイドダウン 重力の恋人
《ネタバレ》 ここまで全員が7点。なんかそういう感じ。エラい世界をみせてもらえたという満足と、雑な脚本がもったいないという残念。みなさんと同じ気持ちです。まさに7点の映画。なお、ワタシは海からもう一つの海へとダイブするシーンが良かったです。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-11 18:13:28) |
672. 舟を編む
《ネタバレ》 真面目でトンチンカンなヤツといえば、現実ではともかく物語世界ではかなり勝率の高いキャラクターだと思います。数々のほほえましい失敗をやらかしつつも、必ず最後にはうまくいくタイプ。三浦しをんの原作においても、そのフォーマットが活かされていたし、もっとコメディ色も強かったと思います。しかし、松田龍平の(石井監督の)馬締はそうではなかった。オダギリジョーや宮崎あおいの光を浴びて月のように光る馬締。ごく当たり前に真面目な馬締。抑えた演出。そこが妙に気持ちのいい映画です。加藤剛、ベストキャスト。 [DVD(邦画)] 8点(2014-05-04 23:09:24) |
673. TOKKO―特攻―
《ネタバレ》 空襲後の東京を視察する昭和天皇の画なんてモノ初めて見ました。アタックに成功する特攻機を観たのも正直はじめて。ワタシ、不勉強です。違和感を感じたのは、特攻・戦争についての親族のみなさんのコメントが極当たり前であること。ワタシが話す内容と大差がないんだ。つまり本当に監督の叔父さんは何も語らず死んでいったのだと思う。特攻隊の生き残りといえば、飲み屋で「オレは死に損ないだ」とくだを巻くヒトと思っていた田舎のオッサンのワタシ。本作でインタビューに答えてくれたみなさんは勇気のある方々だと思う。しかしまだ話せないでいることが絶対にある。だから、こういうものがもっとたくさん出てくるといい。残り時間は本当に少ない。 [DVD(字幕)] 7点(2014-05-02 20:19:26) |
674. アメイジング・スパイダーマン2
《ネタバレ》 スパイダーマンを3Dにしてどうしてこんなに面白くないんだろう。アメリカのヒーローモノは、バットマンにしろスーパーマンにしろ、もちろんスパイダーマンにしろ趣のある方に進化していると思ってましたが、本作については、もう完全に先祖返り。昔のアメコミ。大味で他愛ない。ドラマパートがビバリーヒルズ青春白書のものまねをするなだぎ武と友近のようだったのは、吹き替えで見たからだけではなかったと思う。つまりバカっぽいんだ。冒頭の飛翔シーンだけに2点です。【追記】エンドロールに新作映画の一部をザッピングした悪ふざけもたまらなくイヤだった。 [映画館(吹替)] 2点(2014-05-01 22:26:13) |
675. ばしゃ馬さんとビッグマウス
《ネタバレ》 うーん。これはつまり、ビッグマウスこと吉田監督が、映画の世界を目指していた若い頃に「自分のすべてをさらけ出して」書いた脚本の暖め直しとみた。そうだとすると、「夢」なんてフワフワした言葉がポロポロ出てくるのも合点がいく。しかし、ワタシはそんな小便くさいセンチメンタルはごめんなのですね。一番共感したのは、めちゃくちゃ未練があるけど、それは押し隠しつつ、今の仕事に専心していた彼でした。 [DVD(邦画)] 2点(2014-04-29 20:42:27) |
676. フライド・グリーン・トマト
《ネタバレ》 第一感は、古い少女漫画。いや、褒めているんだ。変わり者で勝ち気なイジーとほわんとしたルースの成長譚。大島弓子あたりでしょうか(あまりものを知らずにいってます)。朝の連続テレビ小説然ともしていたな。また、美しく強いイジーは宮崎アニメの主人公のようでもありました。つまり、黄金のフォーマットを幾重にも重ねて作られた本作が、面白くないわけがなく、ただパッとしないエドではあるが、エヴリンのことを静かに愛しているのだと援護したい一作でもあった(ダメ?)。【追記】これは「同性愛もの」ではないだろう。新しく観る人に言ってあげたいけど、ネタバレなのでいかんともしがたい。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-04-12 07:13:09) |
677. 縞模様のパジャマの少年
《ネタバレ》 無垢を装った無神経、というズルいヤツを子供はしばしばやらかします。これはそれじゃないでしょうか。縞模様のパジャマの少年の顔の形がどんどんゆがんでいくのにつれて、そう思います。親の気を引きたくてとんでもないことをやらかす、というのも子供です。これはその、戦場での大がかり版だったのだと解釈します。彼我の違いは8歳の子供なら、生きていくための本能としてむしろ身にしみるように察知していたはず。電気柵の向こうに行くのは、この地でしかできない最後の冒険。まるで友だちが海でふざけすぎて帰ってこれなくなったときのごとく、いたたまれなさばかりを感じつつ、しかし(だから?)厭戦的な気分になっている暇(いとま)がありませんでした。 [DVD(字幕)] 5点(2014-04-06 07:31:28) |
678. 映画「立候補」
《ネタバレ》 【ネタバレ大ありです】2011年の大阪府知事選を舞台に話は進みます。ドキュメンタリーなので泡沫候補を笑いモノにするものではないのだろう、という予想は外れました。全体に良質のコントのようです。立候補届出の場で「○○はこないのか」というマック赤坂。政見放送の出来に大満足するマック赤坂。ネットの評判を気にするマック赤坂。大阪維新の会との最終決戦の場で、よりによって「○○を呼べ」と叫んでしまうマック赤坂。笑った。でも、イヤな感じがしないのは監督の腕なのでしょう。しかし本作において、おもしろうてやがて悲しき的な流れのは必然なわけでして。せがれが何を言おうと、マック赤坂のそれはある種の道楽としかワタシには思えない。例えば、司法試験を受け続けている人のそれだ。だから、せがれが父親に真剣になるのがつらい。今をときめくあの方の演説の中、大ブーイングの波に立つマック赤坂が本作の落としどころ。あざといとは思いつつも、切ない気持ちになるのを抑えられない。 [映画館(邦画)] 7点(2014-04-05 12:17:00) |
679. クソすばらしいこの世界
《ネタバレ》 タイトルに惹かれてみたモノです。そうと知っていたなら、まず観ないスラッシャー映画なワケです(スプラッターは観るのですが)。いい年こいて、覆った手の指の隙間から画面を見るような始末。終幕後しくじったなと思いましたが、監督は単に「経歴に書くためだけに留学するような人たち」をどうにかしてしまいたいだけだったのかも知れん、とも思いました。 [DVD(邦画)] 3点(2014-03-31 16:36:38) |
680. 地獄でなぜ悪い
《ネタバレ》 監督に洗脳されたがごとく、オーバーアクトする若手俳優。青臭い直裁的なメッセージ。良かれ悪しかれ園子温監督の持ち味だったと思います。しかし、本作についてはそのような気配が皆無。薄い物語の上を血しぶきと鉄砲玉が降り注ぐ。おバカ映画を作りたかったのかとも思いましたが、園子温的生真面目さが邪魔してか、ほとんど(いや全く)笑えませんでした。 [DVD(邦画)] 2点(2014-03-30 01:05:04)(良:2票) |