721. 寝ても覚めても
《ネタバレ》 ほんわかした、大人しい女性。男としては守ってあげたいタイプ。でも結果として嫌な女になる。 昔からよくあるパターン。 結局、自分をしっかり持てないのに、自分の気持ちを大事にするタイプの女の子は、 都会に出してはいけません。 この映画、この女の子の親が出てこないんだよね。 悪い男じゃなくて良かったよ。東出君(丸子君の方)、エライ! [DVD(邦画)] 7点(2019-05-26 20:43:41) |
722. しあわせの雨傘
《ネタバレ》 いや、面白かった。 オゾンならではの切れ味ある場面もあり、ブルジョアコメディとして上質。 オゾンがこのような映画を?と驚かれる方もあるかもしれないが、 いやいや「8人の女たち」というミュージカルも撮っている監督なのだ。 僕が興味深かったのは、「シェルブールの雨傘」で清純な娘を演じた ドヌーブがそのあと「昼顔」という淫売な女性を演じてしまった映画史的事件。 実はオゾンの女性不信もここから始まったのではないか?だからこその、この映画ではないか? とニヤリとしてしまった。(違うかもしれんけどね(笑)) この映画でもそこがきちんと演出されてる・・と思う。 薄靄の光の中でまばゆいばかりのきれいな女性が車を降りてきて、 次の場面ははげしいHなシーンである。 こんなえげつない演出は、やはりオゾンならでは? 最後の夫のセリフが泣ける。 妻(ドヌーブ)は飾り壺ではあるが、中身が空じゃない、と言わせるのだから。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-25 18:04:56) |
723. ぼくを葬る(おくる)
《ネタバレ》 フランソワオゾンは、自分をさらけだす性を同性の男性にしたひとたちだ。 この世の2つしかない性別の1つで完結している。 だから生命の光が輝きにくいのだろう。 かくして、この映画のゲイの青年も余命少しの設定である。 彼は子どもが嫌いだった。 ところが不妊のカップルからセックスをして欲しいと頼まれる。 その営みのあと、彼は母乳を飲む赤ちゃんに慈愛の目を向ける。 そして彼が自分を葬る場所に選んだのは、健康的な海水浴場。 彼は世界と一つになり、往く。 フランソワオゾンのセンスには下をまく。 見事なラストだ。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-25 14:55:16) |
724. ファウスト(2011)
《ネタバレ》 自分も、原作は手塚治虫の漫画「ファウスト」「ネオファウスト」しか読んでない(笑) しかし、どうも第1部をソクーロフ監督の新解釈により、2時間近く描いてるようですね。 悪魔との契約のおかげ(?)で、ファウストはマルガレーテをものにする。 しかし彼は兵士になり、戦地へと赴き、最後は悪魔を叩きのめすと、荒野を延々と さまようような感じで終わる。 何といっても圧巻は、ファウストへのマルガレーテの一分ほどの表情の場面(長回し!)である。 軽蔑、赦し、友愛。それが無言の表情で語られる。 そこまでが退屈と言えば、退屈だし、それがソクーロフ節なんでしょうね。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-24 04:00:37) |
725. 2重螺旋の恋人
《ネタバレ》 非常に興味深い。 セックスバイブルみたいな映画。 フランソワオゾンがエロティックな映画監督でありながら、 女性に支持されるのもよく分かる。 [DVD(字幕)] 8点(2019-05-18 22:59:02) |
726. 検察側の罪人
《ネタバレ》 観応えあって、面白かった。 原田監督の洗練された社会派ドラマ。 「バウンス」や「金融腐蝕」で期待された監督だけど、ここんとこ大人しかった!? でも久々の原田監督らしさというか・・ やはり社会派をこの人くらいスタイリッシュに 面白く描ける人は中々いない。 期待してますよ~。 それにしてもキムタクは犯人役の方がいい味出すと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2019-05-18 20:34:40) |
727. この空の花 長岡花火物語
《ネタバレ》 大林監督の戦争三部作は、映画好きなら必見です! 「長岡花火物語」「野のなななのか」「花筐」 たしかにストーリーが分かりづらく、観たときはそうでもないかもしれません。 でも心に残る映画です。 何年でも心のどこかに残る映画こそ、いい映画ではないでしょうか? この映画も好きな場面がいっぱいあったなぁ。 幽霊のような一輪車人間。空襲のシーンで奏でられるサックス。先生好きですといった女性徒とのハイタッチ。 花火のシーンにかぶさるエンドロール。 いやぁ、こりゃDVD欲しくなったぁ! 大林監督の戦争三部作は全部DVDが欲しい! [DVD(邦画)] 10点(2019-05-18 15:27:01) |
728. 王将一代
《ネタバレ》 板妻の「王将」の続編である。 伊藤大輔監督は、この後にも三国連太郎でまた「王将」を撮っているようだが、 坂田三吉への惚れ込みようはスゴイ。 さて、本編、東京一極集中に対するアンチテーゼになってる。 関西名人一派が東京に流れていき、後半、坂田三吉と東京名人の入江と勝負して、 コテンパテンに負けてしまう。 ところが失意の坂田は、そこで自分ならではの一手があると気づく。 これこそ近代将棋に対する、坂田将棋の光を見出す。 そして東京に流れた一番弟子が自分を相手に坂田将棋を磨いてくださいと言う。 もうクライマックス最高潮である。 ところが、その後、一番弟子や坂田の愛弟子が交通事故にあう。 これでジ・エンドである。 伊藤大輔の時代の流れには勝てぬという絶望感だろうか・・ それにしても「王将」シリーズは、日本のロッキーである。 いや、ロッキーより深くて面白い! [ビデオ(邦画)] 8点(2019-05-13 13:28:28) |
729. 1987、ある闘いの真実
《ネタバレ》 30年前、隣の国はこんな国政のもとにあったなんて・・ どうりで、韓流ブームで一気に見応えある文化が流れてきたんだね。 マグマのように溜まってたんだ・・ 社会派ドラマとして骨太ですが、実話と知ると、考えさせられます。 [DVD(字幕)] 7点(2019-05-11 22:44:19) |
730. 花筐/HANAGATAMI
《ネタバレ》 大林監督の戦争三部作の最後の作品。 「野のなななのか」よりも赤裸裸である。 自分の中に封印した「青春の悶え」みたいなものを、映像として表現されると、 何か口惜しい。 しかし、戦争とはこんな無垢の魂をいきなり晒すようなものであるのだ。 戦争の悲惨さを描くことなく、反戦映画になってる。 素晴らしい。 DVDが欲しい。 [DVD(邦画)] 10点(2019-05-11 15:37:00) |
731. チ・ン・ピ・ラ(1984)
《ネタバレ》 チンピラを題材にした、チンピラのような映画。 要するに中身がないってことだが、統一という点で語るならば、 結構な芸の技である。 この映画を語るには2つのポイントがある。 前の年、「竜二」という傑作を撮った川島監督が同じような映画を撮れなかったという点。 もう一つは、日本映画が面白くないと評判だったこの頃、どんでん返しというテクニックででも 面白く観せようとした映画界の苦しみがあった点。 この2点から、このような奇妙な後味の娯楽作品が出来てしまったのだ。 この後、アイドルものを撮ったりして、川島監督の煩悶が続くことになる。 かなり苦しまれたのではないだろうかと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2019-05-08 00:35:55) |
732. みかへりの塔
《ネタバレ》 清水宏は子どもを描くのがうまいなぁ。 自然体ではないけど、子どもらしさってさもあありなんって感じ。 漫画サザエさんの子ども描写とよく似ている。 案外、長谷川町子さんは清水宏からヒントもらってたのでは? 映画は問題児たちが水路工事と言う事業をなしとげてしまうという話。 ラストは涙なくしてはいられない。 素晴らしい作品だと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2019-05-07 08:34:06) |
733. 陸軍
《ネタバレ》 戦争中の戦意高揚映画であるが、ラストの田中絹代のシーンで 作家「木下恵介」の顔がチラリと伺える。 詳しいことはクレヨンしんちゃんの監督原恵一の「はじまりのみち」をご覧あれ。 福岡の小倉と福岡市が舞台である。 田中絹代も隣の下関出身なので、福岡の人間には必見の一本である。 特に空襲で焼ける前の博多の町が記録されてる貴重な映画でもある。 [DVD(邦画)] 7点(2019-05-06 14:46:34) |
734. 王将(1948)
《ネタバレ》 むぅ、さすが名画たる風格がある。 これが有名な坂田三吉か! 自分は初めて見る坂田三吉が板妻で幸せだった。 レンタル屋に感謝せねば・・ 自分が初めて知ったのは漫画「ドカベン」の坂田だった。 貧しい暮らしの長屋の向こうに通天閣を思わせる建物があるのがニクイ。 板妻はキャラが立っている。 この頃の漫画家は映画を観て、作品のキャラを創っていけるほど、 芳醇な世界がスクリーンの向こうにあった。 [DVD(邦画)] 7点(2019-05-06 02:24:03) |
735. 内海の輪
《ネタバレ》 清張映画。 岩下志麻の体当たりの全力演技が光る。 絶叫、嗚咽、放心。 特に不倫道中ラストの方の蓬莱狭の場面。 ヒッチコックぽくてイイ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2019-04-29 20:38:28) |
736. 万引き家族
《ネタバレ》 これは「誰も知らない」の続編ですね。 是枝監督は、「誰も知らない」の子どもたちが どうなるか、きちんとしておきたかったんだと思います。 ラストは痛切ですね。 あの家族の絆は、本物だったのか?そこまではあまり描かれてなかったように思います。 多分、是枝監督のことだから、この作品のような家族の「絆」について、また別の設定で作品を創るんだと思います。 [DVD(邦画)] 7点(2019-04-29 09:26:19) |
737. トイ・ソルジャー
《ネタバレ》 いや~結構面白かった。 某レンタル屋の発掘良品は、結構面白いのがあるね。 学園内で発砲するなんていうのは、令和になる今は、 あまり映画では見受けられないね。 ドゥニ・ヴィルヌーブの「静かなる叫び」くらい? ガスヴァンの「エレファント」(未見)もそうなのかなぁ。 悪ガキVSテロリストという構図が面白い。 勧善懲悪だから、わかりやすく、鑑賞後すっきりする。 昔の映画って感じだなぁ。 この頃の洋画は楽しかった。 [DVD(字幕)] 7点(2019-04-27 23:36:40) |
738. レディ・バード
《ネタバレ》 なんと地味な映画。 でもいつの時代にも必要な映画。 乱れた性関係もドラッグもなく、かといって夢にまい進する映画でもなく、 金持ちの子でもなく、スラムの子でもなく、ただありふれた地方の、ありふれた女の子の話。 レディバードとは、親のつけた名前にちょっと逆らって自分につけた名前。 母親と娘のかわいい葛藤の話でもあります。 中々観ようと手にとらない映画ではあります。 でも観終わると、じわ~と素敵な気持ちになれる、そんな映画。 [DVD(字幕)] 7点(2019-04-27 17:04:28)(良:1票) |
739. 刑事コロンボ/意識の下の映像<TVM>
《ネタバレ》 サブリミナルテクニックを用いた、ユニークな話。 平成始まった頃、広告代理店がやってるとか話題になったテクニック。 犯人は知的で論理的だけど、 自分の論理に酔ってる幼稚なとこもあるのが、最後ボロが出たときの表情。 面白かった。 [ビデオ(吹替)] 7点(2019-04-26 08:42:00) |
740. 刑事コロンボ/策謀の結末<TVM>
《ネタバレ》 この話が、子どもの頃、はじめて見たコロンボドラマ。 あ~覚えてる、覚えてる、あの場面、この場面。 コロンボが被害者を演じて、倒れ込むシーン。 瓶に傷をつけるシーン。 車で、密輸船を追いかけていくシーン。 旧シリーズの最終話だったんですね。 思い入れもあって、コロンボシリーズでは一番好きな話。 [ビデオ(吹替)] 7点(2019-04-23 09:47:34) |