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Oliasさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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761.  角砂糖 《ネタバレ》 
競馬の女性騎手が主人公です。全体としては、やっていることが「競馬一直線」なのが良い。人と馬との心温まる交流が、などというごまかしの方向には流れていません。その上で、競馬の撮り方自体も、いろんなレースをあらゆる角度からふんだんに切り取っています。またそれ以外でも、「大通りでタクシーを追いかける馬」というシュールな光景をぶち込んでくる豪快さもあります。●で、途中で馬の鼻血という伏線っぽいものが出てくるのですが・・・それに何か医学的な理由があって、それによって新たなドラマの展開が、と思っていたら、何のことはない。よくメロドラマとかである、「いきなり不自然な吐血」→「実はその人物には生命の危機が迫っていた」という、アレです。また、突然馬がフィールドに立って動かないのも、「俺は死んでもこのレースには出てやるぜ!」という、スポ根モノによくある、アレです。つまりこの作品は、終盤から、50年くらい前のメロドラマまたは青春ドラマに突入してしまうのです。よってラストも、もちろんアレです。もっともらしく出てきた登場人物の大半はほっぽり出されている、というようなことはまったく気にしていません。そして一番凄いのは、馬であってもそのフォーマットというか様式美の一員として平然と扱っている、という点です。この潔さには、何ともあっぱれと言わざるをえませんでした。
[DVD(字幕)] 6点(2023-08-15 01:21:17)
762.  もし、あなたなら ~6つの視線 《ネタバレ》 
韓国人権委員会製作(!)の6短編オムニバス。しかし、事前の予想に反して、それほど教条的なところはありませんし、何かを声高に叫んでいるわけでもありません。【1本目】高校が舞台なのですが、教室内のじわっとした不気味な空気の作り方が良い。ハーフアップ多用気味の画面の迫力もなかなか。オチも皮肉が効いています。【2本目】これもなかなか静かに研がれた迫力がありますが、母親側と男性側がそれぞれ浮いているというか、描写として上手くクロスしてないような・・・。【3本目】頻繁なサブタイトルの意味も含めて、これだけ意味がよく分かりませんでした。【4本目】口蓋障害の子の治療譚かと思っていたら、英語教育への批判がテーマだったのですね。ただそれなら、もう少し伏線が欲しいところでした。【5本目】短時間でオチを鮮やかに決めていますが、オチだけの話という気も・・・。【6本目】さすがはパク・チャヌク、この中でも一番の時間(約25分)をとった上で、一気に見せ切っています。終始カメラ一人称というのもあっと驚く仕掛けですし、挿入されるインタビュー形式も、この場合は上手く決まっています。以上、いろいろ不足はあるものの、全体としてはそれぞれパンチがあって、各作品に存在の意味がありました。
[DVD(字幕)] 6点(2023-07-27 00:11:11)
763.  きみはいい子 《ネタバレ》 
それぞれが重い素材のはずであるが、ただ重いだけにはなっていない。各シーンの描写は、遠すぎず近すぎず、ポイントを的確に絞った上でさっと次に行く。一つ一つの見せ方に関する高い技術と強いこだわりを感じる。あと、すべての子役に対する(未就学年齢まで!)演技のつけ方が驚異的。●なんだけど、筋書としては、結局は3本柱がほとんど交錯しないのが、どうも好みではありませんでした。別に最後にみんな集まれなどということはもちろん言いませんが、原作がどうあれ、必然性あってこの映像世界に登場した人物なのであれば、何らか、つながりがあってしかるべきと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-07-14 00:33:45)
764.  はじまりのうた 《ネタバレ》 
ストーリー自体はよくあるダメ人間再生コメディなのですが、やはりマーク・ラファロは偉大です。導入部分では、ダメ人間なはずなのに不快感がないという絶妙な存在を発揮していますし、逆に話が軌道に乗ってからも、決して浮つきません。ちょっとだけですが、ベースを弾く姿すらサマになっています。この作品は大半を彼に負っています。●キーラ・ナイトレイはミスキャストかなあ、こういうあれこれチマチマ考える役には、あまり合っていません。歌っている姿も妙に頼りないし、慣れないことをやらされて悩んでしまったのでは?とさえ思ってしまいます。●で、ひたすら王道展開なのはいいのですが、落ちぶれた(クビにもなった)プロデューサーという割には、有能ミュージシャンが(それもほとんどノーギャラと思われる状況で)あっという間に集まってしまうくだりなんかは、さすがに都合よすぎるだろ、という気が・・・。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-07-13 00:22:04)
765.  家族を想うとき 《ネタバレ》 
目の付け所の鋭さ、そして誠実な進行ぶりは、やはりこの監督ならでは。ただ、描写自体は、ほとんど家族の方面に特化したような感じで(長男のステレオタイプな造形も気になる)、この問題の背後にある「社会」を捕捉するまでには至っていなかった。同僚関係なんかはもうちょっといろいろ出てくると思っていたのですが・・・。●ラストは「えっそこ?」という感じだったのですが、後から考えると、その後どうなるのか、自分ならどうするのかということをどこまでも見る側に考えさせる、そして食いついて離さない、実はこれ以外にはないラストだったのですね。
[DVD(字幕)] 6点(2023-07-12 00:04:23)(良:1票)
766.  女は二度生まれる 《ネタバレ》 
序盤から徐々に、いろんな男達が小えんの上に積み重なっていく。それを淡々と、深入りもせずに突き放しもせずにこなしていく小えん。その描写の品格と、そして、「あとは想像で十分」と判断したらばっさりシーンを切る編集の妙味。警察が動く気配が出て来たと思ったら、次の瞬間にはもう銀座のクラブで勤務しているという跳躍力、そして省略。●ただし、中盤以降は話が山村聰との関係に集中してしまって、せっかくのほかの男どもがもったいないことになってしまいました。あと、孝平君はやっぱり関係の発生自体が唐突な上に結局捌き切れてないし、桜田が迫ってくるくだりは、いらなかったんじゃないかなあ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-06-25 00:46:50)
767.  エターナル 奇蹟の出会い 《ネタバレ》 
まさかロシア映画にこんなハリウッド・テイストなハッピー・コメディがあるとはね~。中身としては「サッカーの大会を早く切り上げて(負けて)自分の結婚式に行きたい」の一点集中なのですが、その集中ぶりが良い。そしてその中に、「子供たちとの信頼関係」「新婦に近づく元彼」「悪のラスボスとの対決」という課題を自然と盛り込んでいます。笑わせ方は王道手段ばかりなのですが、こういうのはそれでいいのです。まあさすがに、無理矢理全部収束するラストは相当強引ですけどね。
[DVD(字幕)] 6点(2023-06-15 00:26:25)
768.  メットガラ ドレスをまとった美術館 《ネタバレ》 
メトロポリタン美術館(メット)で開催されるファッション・イベント「メットガラ」の制作過程を追ったドキュメンタリーです。最初に、「ファッションは美術たりうるか」という中核テーマがどかんと提示されるのが良い。この主催者はもちろん肯定しているのですが、逆にゴルチエなんかは「ファッションは客が満足するのが目的であり、美術などではない」という立場です。どちらもデザイナーとしてのプライドをかけた見解なのが興味深いです。中盤の制作過程では、展示ファッションをどうするというにとどまらず、いろんな現場設営や対外交渉の場面にもスポットを当てているのが良い。席次のところで、ちょっとずついじりながら何日も延々と悩んでいるくだりなど、思いっきり共感できて笑えます(泣けます)。いざ本番になれば、参加者のセレブどもが怒濤の如く登場するのですが、それまでの舞台裏の熱量からすると、むしろこちらの方がオマケですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-31 21:03:15)
769.  アドレナリンドライブ 《ネタバレ》 
偶然ヤクザの事務所から大金を持ち逃げして逃亡する、という出だしだけで見てみたくなる魅力的な初期設定。しかしそこからは、それなりに安定して進行はするものの、いろんなネタを使いこなせなかったというか、もうちょっと上に飛翔しそうなところでそのまま高度維持で行ってしまったという感じです。主人公2人は、ありえない一歩を踏み出すのだから、もう少し前フリとか決断の瞬間とかが必要なんだけど、ただ何となく持ち逃げしてるし、途中で痴話喧嘩っぽくなるのは、逃亡から一段落ついて、今度はこの2人の間の関係の変化を・・・みたいにしたかったんでしょうけど、あまり機能していない。あと、あの6人組は、変にチンピラ演技がしっかりしていて妙にイラッとするので、兄貴分との区別という点でも、コメディ部分をもっと強めてほしいところでした(バーベキューのシーンみたいなのがもっと欲しかった)。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-05-28 00:30:53)
770.  アラキメンタリ
あの「アラーキー」のドキュメンタリーです。そのアグレッシブな撮影実績から、どんな怖いオッサンが登場するのかと思いきや、一番印象的なのは、常に「とてつもなく楽しそう」であるということです。撮影中はもちろんですが、カメラ(の横にいると思われるインタビューア)に喋るときもそうです。まるで砂場で無我夢中で遊んでいる子供のようです。そこを確実に切り取っただけでも、この作品は意義があるといえるかもしれません。全体の構想や体系、さらには経歴のディテールなんかはあまり細かく考えられてないような気もしますが、そういうパンキッシュな作り方で75分を駆け抜けるというのも、この対象には適合しているのかも。
[DVD(字幕なし「原語」)] 6点(2023-05-23 01:35:59)
771.  サンダウナーズ(1960) 《ネタバレ》 
ほのかにウエスタンっぽくもありながら、その実は直球ど真ん中のファミリー・ドラマです。しかもテーマは「流浪か定住か」に明確に絞られています。そこからぶれない中で、夫と妻と、そして時には子供が、地道で的確な会話を積み重ねています。この堅実さはジンネマン監督ならではです。とりわけその中で、設定上土と埃まみれメイクを余儀なくされながら、それでも凜とした美貌(と色気)を失わないデボラ・カーの存在の強さが素晴らしい。●進行としては、前半で羊の大行進や山火事スペクタクルで目を奪っておいて、中盤では羊の毛刈り作業なんかのディテールの描写も怠りません。そして毛刈り対決では、ハラハラ一大決戦かと思いきや、前半で行く末をたっぷり暗示しておいて、後半は一瞬で切り上げるこの手際の良さ。この辺は現代の制作者も見習ってほしい。●ただ、馬を入手したあたりから、何かテンションも落ちて進行もチグハグになった気が・・・草競馬などは、2回もある割にそれほど機能していませんし(子供頼りというのがよくない)、そもそも物語としては、みんなが地主宅から散り散りになったところで完結でしょ。あの辺でフィニッシュしてほしいところでした。
[DVD(字幕)] 6点(2023-05-22 00:38:34)(良:1票)
772.  トリコロール/赤の愛 《ネタバレ》 
何よりも、主演のイレーヌ・ジャコブを美しく撮ろうとする徹底ぶりに驚き。表情アップから全身ショットから背景の色彩感覚からカメラのアングルまで、すべてがそれに統一されている。一方で、滅茶苦茶な理屈を淡々と強引に語っていく元判事との、研ぎ澄まされて選ばれた言葉のやりとりは、「羊たちの沈黙」すら彷彿とさせる(!)。●マイナスは、周辺人物があまり機能していないこと。電話でしつこく浮気を疑ってくる彼氏は結局「それだけ」だし、法律家志望の若者とその彼女も「それだけ」。私はむしろ、あの若者については、同じ時間軸に並行存在していると見せかけて、実は元判事の若き日の姿がバーチャル展開されている、と思っており、なかなか凝った真似をするなあ、とも思っていたのですが。●最後の全員集合は、完全に蛇足ですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-21 19:59:14)
773.  パディントン2 《ネタバレ》 
前作で登場人物の整理は終わっているので、今回は最初から飛ばしていきます。が、途中から冤罪だの脱獄だのとやたらと背景が重くなってきて、それもコメディっぽくまとめるのかと思ったら、何とストレートにそのまんま。刑務所の中をいろいろ変化させるというこの主人公ならではの展開はあるものの、やっぱり全体としては薄暗くなっています。一方で、家族4人+1人の個性も見えにくくなっています。●この作品の最大の功績は、ヒュー・グラントを使い倒していることです。少し前から映画自体にも興味を失ってきたっぽくて、まして(みんなが期待するはずの)コメディ演技はもうやらないんじゃないかと思われていたところに、これです。しかも、前作のニコール・キッドマン同様、絵に描いたようなザ・悪役を、嬉々として演じています。まだこういうヒューの芝居が見られたというだけで感涙ものですし、クマよりもむしろそっちに見入ってしまいます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-20 00:17:26)
774.  イエスタデイ(2019) 《ネタバレ》 
入口の時点で、もう面白くなることが約束されるかのようなフックのある設定。そしてその後は、予想できるコメディの王道を進んでいくわけですが、その中でも、「謎の老人2人」とか「生きていたあのお方」とか、話を一次元上に持っていくセンスが光っています。●ダニー・ボイルとリチャード・カーティスという取り合わせには、一体どうなるのかと思っていましたが、カーティスの脚本は、いつもどおりの安定度ですね。他方、ダニー・ボイル色はほとんどありません。何でこの仕事を受けたのかが不思議になるくらいです。●で、一番まずいのは、肝心の主演の彼が、演技もできてないし、歌も上手くないし、ステージでも別に格好良くないという点です。分かりやすく作品の足を引っ張りまくっています。一体誰がどうやってキャスティングしたのかと疑うレベルです。制作側は途中でまずいと思わなかったのか?●あと、小ネタで一番ウケたのは、主人公のタイトル提案場面で「ホワイト・アルバム」に対し「それは多様性の観点で問題がある」と切り捨てられるくだりです。さらっと毒が利いてるねえ、カーティス先生。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-18 00:15:01)
775.  パディントン 《ネタバレ》 
所詮子供向けの動物コメディかな、と思っていたのですが、予想外にしっかりした内容でした。まず、キーパーソンのブラウン夫人が、サリー・ホーキンスですよ。この時点で制作者の本気度が分かります。そして彼女はやはり、こういった軽い路線でも仕事がしっかりできることを示しています。悪役のニコール・キッドマンも、ものすごく楽しそうに芝居をしていて、作品に一本の柱を埋め込んでいます。一方で、パディントンの声はちょっと老けすぎかなあ、もうちょっと若い人はいなかったのでしょうか。内容的にも、定番ばかりとはいえいろんなネタや伏線を散りばめていますが、美味しいところでもかなり切り詰めている感じで、もっと全体の尺を長くとってもよかったのではないかと思いました。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-15 01:16:11)
776.  湯を沸かすほどの熱い愛 《ネタバレ》 
設定だけならば凡作に陥っていてもおかしくないのですが、作中の家族同様、やはりりえちゃんが偉大でした。周りの全員の芝居を全部受け止めて、一本の柱として画面内に存在しています。しかしそれに加えて、杉咲花ちゃんの、各シーンの意味を的確に理解した演技力にもびっくりしました。りえちゃんも大いに刺激されていたんじゃないでしょうか。●脚本は、全体的に台詞抑えめなのには好感が持てますが(子供たちが「ママ」とか言わないのも良い)、作為的なところもかなり目につきます。特に、拓海君の登場とその後の処理とかね。探偵が娘を連れて仕事をしているというのもかなり強引ですが、これは、ピラミッドのシーンの「横にちょこんといる娘」の構図を撮りたかったのでしょう。そういう発想は嫌いではありません。●あと、性的な描写が多めなのは意図的と思われますが(娘達に番台業務をさせるとか、直接的でないものも含め)、それ自体は悪いことではないものの、やはり、「妹のパンツを回収せずにドアノブ引っかけ放置」と、「子供2人に対していきなりラブホ話」だけはいかがなものかと思いました。そもそも脚本上も必要ないし。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2023-05-07 01:21:58)
777.  ホロコースト -アドルフ・ヒトラーの洗礼- 《ネタバレ》 
すでにいくつも先行作品があるこの対象に、社会派監督の元祖(?)ともいうべきコスタ=ガヴラスが!と興味津々だったのですが、そのアプローチは、SSの一員でありながら虐殺を止めるべく各方面に働きかけたクルト・ゲルシュタインの行動というものでした。そして、サポート役ともいうべきリカルド神父が加わってから、徐々にドラマが変容していきます。しかし、見終わって分かるのは、実は監督の意図は、ナチス批判というよりも、ナチスを止めるべく何もしなかった宗教関係者批判であるということです。ローマ教皇も枢機卿も関係者も、徹頭徹尾「何もしない人」として描かれます。ラストシーンではむしろ殺戮者を隠匿してしまいます。一方で、黄色バッジをつけた(すなわち棄教した)リカルド神父が、その身を投げ出して収容所に赴く光景こそが、聖なる自己犠牲であるかのように描かれています。そんなわけで意識の純度は非常に高い作品なのですが、構成としては、「誰かに広報を頼みに行く」→「それがうまくいかない」の繰り返しにも見えてしまうので、単調さを感じさせないではないです。
[DVD(字幕)] 6点(2023-05-06 00:24:51)
778.  ナイト&デイ 《ネタバレ》 
トム・クルーズは正義の味方であって、人間とは思えないほどの超人的活躍をし、わざとらしい危機にも陥らない。こういうのはそれでいいんです。いやほんと。ところどころでためらわずにコメディな演出をぶち込んでくるのもよい(導入部の飛行機内のシークエンスとか、無意味にビキニにさせられているヒロインとか)。一方で、キャメロン・ディアスはもう少し若くてあまり物事を分かってなさそうな人にすべきだったかなあ。事態の展開についていけずあたふたしているところなんかも、キャメロンには無理があります。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-05-04 00:44:54)
779.  県警対組織暴力 《ネタバレ》 
冒頭、ヤクザ以上にヤクザな菅原文太の刑事(取り締まるどころか、「さっさと殴り込みに行け!!」などと言って通用するのはこの人だけです)。さらには、ヤクザと交渉して(というか「相談を受けて」)誰を身代わり出頭させるかまで指南してしまう。一方で、川谷さんを一躍有名にした、取調室暴行シーン。と、前半ですでにお腹いっぱいでした。どちらかといえば、自然発生的に謎の熱量が炸裂していた「仁義なき~」よりも、むしろ制作者も出演者も半ば意識してその世界を再現しているっぽい雰囲気はあるのですが、それでもこれはすでに一つの芸術です。●ただ、後半はテンションが下がってしまうのですね。満を持して登場した梅宮さんのエリート警察官(という設定)が、まあ似合わないこと。私は、真面目一辺倒と見せかけておいて、実は中身は文太の役以上にヤクザだった、という展開を期待していたのですが。それ以外にも、終盤はみんなに見せ場を作ろうとして、逆に無理に詰め込みすぎた感じ。
[DVD(邦画)] 6点(2023-05-02 00:34:26)
780.  嘆きのピエタ 《ネタバレ》 
本筋から脇に反れない、余計なサブの人物も出してこない、清冽ささえ感じさせるシンプルな作り方が、常に緊張感を確保している。そして、主人公についてもその母についても、役者がその緊張に耐えうるほどの芝居を確保している。よって、無謀ともいえる展開にも、「そういうこともあるかも」と思わせるほどの説得力があります。ただその反面、突然、何でそこでそんな演出を?という場面もあるんですけどね。貸金の相手がなぜかみんな似たような町工場だったりとか、なぜか最後に登場する婆ちゃんとか。あと、ネタばらしが早すぎなのももったいないです。
[DVD(字幕)] 6点(2023-04-29 00:09:09)
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