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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 823
性別 男性

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761.  ハルク
正直言ってそれほど面白くはないと感じたが、画面分割を多用したり、演出についてはアンリー監督は相当頑張ったなあという感想。 ブルースの父親役の人も良かったと思われる。欠点は脚本かなあ、ハルク誕生までが長すぎる上に、二組の父子の関係や一度別れたはずの二人が愛を取り戻すようなことを描こうとしたため色々中途半端になってしまった。 アクションがメインではないが、爆弾を叩き落すハルクはカッコ良い。飛んでいるような連続ジャンプも中々良かった。
[映画館(字幕)] 4点(2004-06-25 16:05:14)
762.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
続編公開を機に再見。今回はあまり深く考えずに、頭を空にして楽しもうと思ってみたけど、やはり主観を排して客観的にみても「子どもダマし」の映画という印象しか受けなかった。確かに、ジョニーデップが演じるジャックスパロウには魅力はあるかもしれないが、ジャックスパロウ自身、魅力あるキャラクターとしてきちんと描き出されていただろうか。もし、ジョニーデップ以外の他の誰かがジャックを演じれば、どんな風に映画が仕上がったかを考えると恐ろしい。魅力あるキャラクターを魅力ある俳優が演じるのが本来の姿であるはずで、俳優の演技におんぶに抱っこする姿勢はあまり好ましくない。本作には、ジャックスパロウのキャラクターに「凄み」を与えるほど、彼の見せ場が少ないような気がする。例えば、無人島脱出のエピソードも、二回とも脱出できたのは単なる偶然でしかなく、別にジャックでなくても脱出できたのではと感じてしまう。やはり、ジャックならではの奇想天外なユーモアある脱出方法を見せてくれればそれだけでも彼の魅力が一つ増すだろう。それをラム酒を取りに来る船や、軍が救助に来るという展開にするから、「ご都合主義」と罵られる結果になってしまう。本作が冒険映画ということを考えてみても、ここはお粗末な展開と思わざるを得ない。また、一発しか入っていない銃もジャックの魅力を引き立たせるアイテムになったはずだ。自殺用として自分を裏切ったバルボッサから受け取った銃を、バルボッサを撃つために残しておくというのはよい展開だ。しかし、その良さがあまり活かされていない。映画の途中途中で銃を撃たざるを得ない局面をジャックに与えてやり、そういった場面でも銃を使わずに乗り切るという流れが必要ではないか。そうすれば、彼の芯の強さや、信念なども観客に伝わり、また彼の魅力の一つになるだろう。また、ラストの銃の使い方に至る流れもやや悪い。戦っている当人たちも認めていたが、不死人同士の決闘をだらだら見せられても観客は飽きるだけだ。決闘シーンに入り、二人の剣さばきを観客に十分見せた後、ジャックがピンチに陥り、まず観客をドキドキさせて、バルボッサに刺されて「やばい」と観客に感じさせる。しかし一転して、アステカの呪いを利用したトリックを観客に明らかにして、ヒートアップした勢い・流れを利用して、銃を撃った方がより引き締まる展開になると思う。
[DVD(字幕)] 4点(2004-06-25 15:55:19)
763.  マスター・アンド・コマンダー
冒頭の数十分の攻防を観て、これはスゲえ、ひょっとしたらとんでもない傑作の予感と期待を寄せて観てるも、一気にトーンが下がり、一向に上がることはありませんでした。 あまりにも人物の描写は甘いため、観ていても、訳の分からん奴が海に落ちて、訳の分からん奴が自殺して(部下からひどい扱いをされていたり、ラッセルが一応は「有能なんだから」と慰めているシーンはあったけど)、ピピンも何しに来ているのか分からんし、肝心の少年たちもほとんど出番がなくて、ラストで討ち死にしても何の悲しみも感じないという始末、おまけに死にそうになってた医師と片腕がない少年が相手船に乗り込んで戦闘に参加など突っ込みたい気持ちにもなりますし、ラストの医者のセリフもなんだか唐突だし、続編込みのラストも原作がシリーズもので有名だから予想してたとはいえちょっと脱力です。 原作が有名らしいから、原作読んでれば評価が変わるのかもしれないけど、主役のラッセルと医者ですら人物描写が甘いし魅力を感じない。 基本的に舞台が船の上という閉鎖的な世界なんだから、人間ドラマを描かないで何を描くんだろうか。 この監督の「いまを生きる」を期待して、少年たちがラッセル船長を通して人生を教わり大人になっていくなんてのを期待するとかなり痛い目にあいます。創りはなんとなく「ブラックホークダウン」にも似ている気がする、敵側については全く描かないし、登場人物の感情もできるだけ描かないというのは似ているけど、あっちは映像にチカラとスピードがあったから眼が離せなかったんだよなあ。 しかし、ハマる人や絶賛している人もいっぱいいますし、ミラ・ユニ・20世紀の合同出資の超大作だからかもしれないけど、アカデミー作品・監督賞にノミネートされているのも事実ですし、アメリカ内の批評家には受けが良かったという風に聞いているので、見る人によって評価が別れる映画なのかなと思います。
4点(2004-06-25 15:05:39)(良:1票)
764.  エド・ウッド
エドウッド監督もベラルゴシも何も知らないので、イマイチ、ピンと来ずに変な監督と薬漬けの往年のスタートの友情物語に映ってしまいました。 ただ、ウッドの細かいことは全く気にせず、楽観的すぎるけど、とにかく映画が撮りたいという強い想いを感じる。 プロデューサーに何を言われようと、悩みながらも自分の道を貫く生き方ってのは凄い惹かれます。 バートンの誰がなんと言おうと映画のために生きて、映画のために死んだ一人の男への強い愛情が込められていますね。   
4点(2004-05-13 23:14:25)
765.  ビッグ・リボウスキ
皆さんがいうように確かにどうも自分と笑いのセンスがずれているような気がする、なんだか中途半端だし、最後も何故か説明してるし。 もっとぶっ飛んでほしかった。主人公が見かけとは違い、ちょっとまともすぎているのかもしれない。笑ったのは車の中でタバコを落として、あわてて酒をぶちまけるようなところくらいだったし。グッドマン・ブシェミ・タトゥーロは面白かっただけに悔やまれる。
4点(2004-04-11 02:02:41)
766.  踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ! 《ネタバレ》 
鑑賞後に周囲から「面白かったね」「結構笑えた」「本広監督の遊び心が凄い」「30分ほど寝ちまった」など、口々に観客が語っている声を聞いてとても安心した。もし自分と同じような感想だったら、このシリーズが終わってしまうからだ。「なんじゃこれ?」という自分の心の声を抑えるために、「これは俺が知らない新しいタイプの映画なんだ。俺は今映画の歴史が生まれる瞬間に立ち会ってるんだ」と自分を洗脳させながら、最後まで乗り切ったが、小泉今日子のように洗脳させることはできなかったようだ。やはり「ふざけんな、ちゃんとやれ」という感想しか出てこない。 個別具体的なことを論じてもムダなので止めたいが、「この映画には“誇り”があるのか」と逆に問いたいところだ。青島が現場を守り、室井が出世して偉くなり、一緒に“警察”を変えるという情熱など微塵も感じれない。確かに「普通の刑事モノ映画を見たいのならば、どうぞ他所へ行って下さい」という製作者の声が聞こえてくるような個性的な仕上りにはなっているが、中身のないムダなものばかりで構築されている。「それこそが“踊る”だ」と言ってしまえば、その通りなのだが、果たしてそれだけで良いのだろうか。本広監督と君塚脚本家については「なんとなく好きではない」というイメージ以外によく知らないので批判はしにくいが、二人の方向性やベクトルがズレまくっているような気がする。君塚脚本家はリアリティを完全に無視した非現実・コメディ路線で進んでいるのに、監督は過去のシリーズと同様の流れを踏襲しようとしている。ムダに長回しや幻想的なシーンなどにこだわる辺りも火に油状態だ。この脚本をどのように演出すれば面白くなるかは、はっきり言って難題ではあるが、個人的には本広監督はややマジメに向き合いすぎたかなという気がする。もっととことんコメディタッチでもよかったかもしれない。 鑑賞の仕方としては、何も考えないで、“演出と脚本とのズレ”や“あり得なさ”を逆に楽しんだ方がよかったか。木の杭を抜いて鋼鉄製扉を叩き始めたときに「何やってんの?他にすることはないのか」と怒るよりも、「木の杭キタァ!」「あり得ないところに爆弾キタァ!」のように大人数で突っ込みながらみれば楽しめるかもしれない。それよりも、このシリーズのためには、君塚の代わりを早急に見つけた方がよいと思うが。病気を悪ふざけのネタにするのもタチが悪すぎる。
[映画館(邦画)] 3点(2010-07-07 00:14:41)
767.  恋するベーカリー 《ネタバレ》 
ナンシー・マイヤーズはそれなりに評価をしていたが、本作ははっきり言って全く合わず、冗長という印象。ユニークかつ個性豊かに演じられていたものの、いかなるキャラクターにも感情移入させられなかった。自分の年齢が本作のキャラクターほど高くはないので、仕方がないのかもしれないが、何をやりたいのか、何を描きたいのかが見えてこず、全体的にまとまりを失い、ぼんやりと手探り状態で進んでいるイメージ。過去の作品とは異なる新しいことを模索したが、やろうとしたことが難しすぎて上手くいかなかったのだろうか。笑えるシーン(少々反則気味)もあるが、コメディパートも全体的にノリ切れない。ラリったシーンも、娘の婚約者の存在も悪くはないものの、上手く活かし切れているとは思えない。 きちんと見なかったのかもしれないが、メリルとアレックがよく分からない理由で再び別れたような印象。デートを一度すっぽかされただけで、一気に関係が冷えてしまった。別れる理由に明確な理由は必要ないかもしれないが、もう少しきちんとまとめて欲しいところだ。メリルが「離婚の原因は自分にもある」というようなことを言っていたと思うが、結婚というものは“愛している愛していない”という単純なものではなくて、原題のタイトルどおりに複雑でデリケートなものであろうと思われる。 同じ道を歩んでいた二人が別の道を選んでしまった結果、もう同じ道は歩むことはできないということを描き、終わってしまったものはやはり元に戻らないということを少々切なめに仕上げて欲しかった。子どもが独立した妻は寂しさから、夫は自宅に居場所がないから、逃げ場所が欲しかっただけであり、過去にあった“愛情”とはやや別のカタチだったということでもよかったのではないか。子持ちの若い奥さんもアレックとの子どもを欲していたり、建築家と踊る元妻を悲しそうに見つめるアレックを寂しそうに見つめるシーンを見る限りでは、若い奥さんは夫に対して、愛情があるのだろう。アレックが若い妻からの愛情に気付いたり、ベタかもしれないが彼女が妊娠したりと状況をもっと“複雑化”させて、メリルとアレックの夫婦が上手くいかないように進めてもよかった。子ども達もほとんど“飾り”という存在でしかないのも寂しく、この辺りも上手くまとまっている感がない。 笑えて、泣けるというナンシー・マイヤーズという特徴が全体的に感じられなかった。
[映画館(字幕)] 3点(2010-03-13 10:39:57)
768.  死霊のはらわた(1981) 《ネタバレ》 
面白いと感じる気持ちはなくはないが、自分には合わないタイプの作品。 『(意味などはもともとないだろうが)意味が分からん』『いったい何と戦っているんだ』という感想しか出てこなかった。 作品の良し悪しというよりも、合うか合わないかという世界だろうか。 ホラー映画の傑作という評判だが、この手のホラーよりも猟奇的な殺人タイプのホラーの方がまだ自分の好みのようだ。 ただ、他では見られないタイプのホラー作品なので、ファンが多いのだろう。 怖い(個人的には怖さは感じないが)けれども、ちょっとおかしいというバランス感覚を理解できれば、ハマれたかもしれない。 怖さを感じるのは死霊が具象化されるまでで、いざモノが出てきてしまうと後はそれほど怖いとは思えなかった。 グロさなどにも自分には多少の耐性があるので、特に問題はなかった。 見る人によって異なるとは思うが、“追い込まれ感”や“本当の地獄”というレベルには達していないような気がする。 逆にもっとできるだろうという思いさえ感じたが、“時代”や“技術の水準”を考えると、この程度が最高レベルだったのだろう。 冒頭の池のようなところから、「どうやってカメラを動かしているのか」「どういう仕掛けをしているのか」という技術的なことが気になる作品でもある。 映画監督志望の者が見るには良い教材となりそうだ。 最近は全てCGで処理できるようになってしまったため、本作を見るとイマジネーション力を駆使してアイディアを捻りだすということが少なくなってしまったようにも感じられる。 技術の進歩は歓迎すべきだが、それによって製作サイドの知恵が足りなくなってしまっては困ってしまう。
[DVD(字幕)] 3点(2009-12-01 23:38:28)
769.  しんぼる 《ネタバレ》 
バラエティ番組はほとんど見ないが、ダウンタウンの番組だけは見ることが多い。 松本人志を信奉しているわけではないが、彼の笑いには多少の理解があるつもり。 あまりにも世間一般の評価が低いので、それほど期待していなかったものの、好意的には鑑賞してみた。 第一ステージだけを見させられれば、それほどつまらなくはない。 醤油や漫画などありがちでベタな笑いを交えつつ、脱出方法が思いついた際の描き方、狭い空間に閉じ込められた際の回想シーンなどユニークなアイディアも盛り込まれている。  しかし、第二ステージ以降の面白みに欠ける展開と、あまりにも不可解なオチへと繋がるため、全体的にはどうしても高い評価をしにくくなってしまう。 松本人志自身、納得できているとは思えないどうしようもないオチだ。 世の中の奇跡や事象は、天使や神のような存在の悪戯によるということでも伝えたかったのだろうか。 メッセージ自体はそれほど悪くはないものではあるが、あまりには話が漠然としすぎており、かつ話が大きく跳びすぎており、観客は付いていけず取り残されてしまうのは仕方がない。 あまりにも投げっぱなしなので、深読みする気も起きない。  こんな訳の分からないオチにせずに、マジメに作ろうとすれば、これほどつまらない作品にならないようにはできたはずだが、松本人志は普通の映画を作る気はないようだ。 普通の映画ではない映画を見られるということだけが本作の存在意義になるだろうか。 松本人志監督作品でなければ、世に出るレベルではないだろう。 普通の映画を撮る必要はないが、もう少し熱意のあるマシな映画を撮って欲しいところだ。 密室ネタのアイディアから話を膨らますことができず、最後はタイムアップになって、放り投げたとしか思えない映画になっている。
[映画館(邦画)] 3点(2009-09-13 23:57:59)(良:2票)
770.  DRAGONBALL EVOLUTION 《ネタバレ》 
鑑賞前は「いじめられっ子だった少年がいじめっ子を見返すためにカンフーを修行して、修行の成果でいじめっ子を倒した後は、なんやかんやでピッコロ大魔王と戦い地球を救う」というもっとメチャクチャなストーリーだと思っていたので、逆の意味で裏切られた感が高かった。 20世紀フォックスらしいトンでもない映画なのは間違いなく、はっきりいってネタのつもりで見に行ったが、その観点からも期待を裏切るかもしれない。 冒頭の説明から「いったい何の話をしているんだ!」と期待を高めてくれて、映画を観ていても「キミ達はさっきからいったい何をしているんだ?」と突っ込むことはできるが、悪い意味でマジメに作られており、笑うに笑えない代物となっている。 「ナマステ」「ハイスクール青春ストーリー」「パーティー」「陳腐な修行」「ヤムチャ」「どこが大猿?」「人を生き返らせるためにカメハメ波を喰らわす」「布団で寝るピッコロ」などの突っ込みどころは当然満載で、「課題ができなくてズルしようとしていた奴が、エロのパワーによって一瞬で課題をクリアする」などのメチャクチャなところは多数見られるが、ネタ映画としてもそれほどのレベルではない。 我々の期待を裏切り、それなりにマジメに作られているので、つまらない作品というよりも、単に「やる気と情熱と才能と予算がない集団が作り出したデキの悪い中途半端な作品」ということになるだろうか。 高額な制作費といわれているが、実際にはそれほど掛かっていないチープな仕上がりとなっている。 しかし、中身はないが、ストーリーはポンポンと繋がりなく進むので、それほど飽きるということはなく、「何が伝えたいのか、何をやりたいのかが分からない」ような怒りに震える駄作というものとはヤヤ異なる気がした。 人々の記憶から消えることのない歴史に残るような駄作を期待したが、一瞬でストーリーが記憶からなくなる普通のどうでもいいカンフーアクション作品となっている。
[映画館(字幕)] 3点(2009-03-14 20:42:52)(良:4票)
771.  ソウ5 《ネタバレ》 
本シリーズのもともとの脚本家リー・ワネルが脚本を手掛けていないⅣから本シリーズの質がだいぶ落ちてきたという印象を持つ。 Ⅳもイマイチだったが、Ⅴも何をしたかったのかがさっぱり分からないものとなっている。 「ホフマン刑事VSストラムFBI捜査官の対決」「後継者誕生の瞬間」「5人の男女によるゲーム」がメインとなっているが、どれもこれも中途半端な仕上がりだ。 「ホフマン刑事VSストラムFBI捜査官の対決」に関しては、盛り上がりなど、何も描かれていない。 こういうものは、犯人が追いつめられてこそ、盛り上がるものではないか。 追いつめているようで、逆に追いつめられている。 追いつめられているようで、逆に追いつめている。 このようなハイレベルのバトルを期待するのは無理だった。 携帯一つと写真だけでFBIがワナに嵌まり、ミエミエの策略に引っかかるFBI捜査官には呆れ果てるだけだ。 驚きも何も感じられない決着であり、あれがオチといえるのだろうか。 「後継者誕生の瞬間」に関しても、杜撰な内容といえる。 犯人が釈放後に殺された際に、この映画の世界では家族が疑われないらしい。 あまり細かい部分に突っ込んでも仕方がないので、この部分は目をつぶれるとしても、後継者があまりにも知的ではなく、カリスマ性がないのは気になるところだ。 もっと華のある後継者が登場しないと、本シリーズが続かなくなってしまう。 「殺人」と「更生」の違いを強調しておきながら、ストラムを(ゲーム性はあるものの)殺そうとしているので、ジグソウの意志は引き継がれていないようだ。 後継者を何人も誕生させておきながら、その後継者には資格がないとの理由を付けて、どんどんと後継者を殺すことによって、本シリーズを続けさせるつもりだろうか。 「5人の男女によるゲーム」は、それぞれが分担することによって、それぞれが責任を持たない放火殺人を行ったことに対するゲームのようだ。 だからこそ、協力して生き残ることを試していると思われる。 最後のゲーム以外は協力しないでおきながら、全ゲームをクリアできる途があるというのは理解に苦しむ。 最後は少なくとも三人以上いないとクリアできないようなゲームにしないともはやゲームとはいえない。 単なるショッキングシーンを描きたいだけの映画となってしまい、テーマも哲学もメッセージも何もかも見失いつつあるような気がする。
[映画館(字幕)] 3点(2008-11-30 02:14:36)(良:1票)
772.  ハプニング 《ネタバレ》 
「なぜ起きたのか」「なぜ収まったのか」という説明は必要ない、「自然ってよく分からないね」という説明で十分だ。特別なオチや、どんでん返しも必要ない。 しかしながら、「何を伝えたかったか」は必要である。 「環境破壊」「自然の驚異」「地球温暖化」「人口増加」「ミツバチの必要性(=生態系)」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 「夫婦の絆の強さ」「壊れかけの夫婦の再生」「子ども(世界の将来)を守り抜く責務」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 何もかも中途半端な描き方しかできていない。 ただ単に、「植物が放出する毒素によって、人々が自殺する姿をショッキングに描いた」というだけの映画でしかない。 脅威となる存在がモンスターやゾンビなどの可視的ではなく、“風”から逃げるという点はユニークであり、珍しいパニックムービーを作りたかったのかもしれないが、その観点からも演出が足りなさすぎる。 本作を見る限りでは、脅威となる存在はやはり目に見えないと面白くないという結論になってしまった。 また、本作のラストがあまりにも酷い。酷いという言い方は語弊があるかもしれない。 本作の設定を踏まえて「一番批判を浴びないラストを考えろ」と言われたら、このようなラストになるだろう。過度な批判は浴びないだろうが、あまりにも安直であり、捻りもなく、冒険のないラストである。シャマラン監督は良くも悪くも記憶に残る監督だったはずではないか。野球選手に例えれば、三振を恐れずにホームランを狙って大振りするような選手だ。その大振りが、時には我々に驚きを与えたり、期待の大きさから、逆に落胆させたりもする。しかし、本作は三振しないように短くバットをもって、ボールに当てただけのような気がする。 毒にも薬にもならないような作品を作ることは、自分自身を貶めるだけではないか。 今度三振したらもうプレイすることができないという状況に追いつめられているのは分かるが、長い目で考えれば自分のスタイルを捨てて平凡なプレイヤーになるべきではない。 ジョーイというキャラクターを自分自身で演じているが、過去の作品に比べて、存在感のあるキャラクターではないのも批判を恐れて自分のスタイルを捨てた証しではないか。 「シックスセンス」から「レディインザウォーター」まで、彼の作品をそれなりに評価してきたが、本作は評価できない。
[映画館(字幕)] 3点(2008-07-30 09:37:54)(良:4票)
773.  AVP2 エイリアンズVS. プレデター 《ネタバレ》 
映像のセンスもなく、バトルの迫力もなく、ストーリーとしての面白みもない。あるのはさらなる続編を作ろうとする商売根性だけだ。子どもや妊婦をもターゲットにするグロさはあるが、それもやや中途半端にしか感じられない。やるのならばもっと徹底的にやればよかった。 視覚的に見にくいのも問題だ。雨が降っている深夜の街はかなりレベルの高い設定である。高い技術と想像力が必要であるが、キャラクターがどちらも真っ黒なので、黒い物体同士がうごめいているようにしか見えない。 また、人間のどのキャラクターも魅力に欠けるのも難点だ。 女性がメインキャラクターであることが、エイリアンシリーズ特有の設定であるが、その良さがまったく活きていない。今回は子持ちという設定だったが、果たしてその設定が活きていただろうか。エイリアンによって娘を巣に連れ去られ、その娘を助けるために母親を奮闘させないのならば、子持ちの設定である必要はない。活躍を何もしていないので、彼女の苦しみも葛藤も当然描かれていない。リプリーのような強力なキャラクターを新たに生み出そうという気はさらさらないようだ。 人間のキャラクターが中途半端なのはある意味仕方ないと諦めるしかないかもしれない。今回の主役はプレデターのはずなのだから・・・。 しかし、そのプレデターも思いっきり中途半端である。 “超一流のエイリアンハンター”という設定なのだから、もっとカッコよく描いてもよかったのではないか。 1人で乗り込んできたわりには、プロフェッショナルらしさを感じられなかった。一番記憶に残っているが、青い液体で後始末することでは哀しくないか。肝心の主役のプレデターがあまりにも弱すぎるのは問題だ。 一方、エイリアンの描き方にも芸がない。 人間を殺すシーンを直接的に描かないところが多く、手を抜いているようなしか思えない。また、エイリアンシリーズを詳しく理解しているわけではないが、クィーンだけが卵を産めたはずではなかったか。 「プレデリアン」が卵を産むのはやや違和感を覚えた。エイリアンが無制限に増殖するよりもエイリアンの数を絞ったほうがよかったのではないか。 ストーリー的にも、観客的にも、製作者的にも分かりやすく作れたと思う。
[映画館(字幕)] 3点(2008-01-02 01:42:30)
774.  グレムリン
母親の瞬殺が見所。一瞬のうちに3体を始末するとは只者ではないだろう。
[DVD(字幕)] 3点(2006-12-31 00:05:06)(良:1票)
775.  オーメン(2006) 《ネタバレ》 
オリジナルもそれほど好きではなかったが、リメイク作品は、オリジナルに比べて、数段劣るという印象を受けた。 たとえストーリーが同じであっても、演出にさらなる工夫を施せば、映画は面白くなっただろうと思うが、かえって陳腐なものになってしまっている。 例えば、病院の火事で火傷を負った修道士に会うシーンがあったと思うが、あそこまでの特殊メイクを施せば、恐怖というよりも逆に滑稽だ。まるでスターウォーズに登場する異星人のようでもある。 また、主人公がダミアンを連れ出すところをミアファローに邪魔されるシーンも「ひつこさ」が全く感じられない。執拗なほどの「ひつこさ」というのは、結構な恐怖を感じさせるものではないか。 そういう意味においてファローの退場のさせ方はもったいない。ワイヤーでも使ってファローの人形を上空に5m位飛ばせば、確かに爽快さは得られるが、このシーンにあれが果たして適していたかと問われれば、「ちょっと違うのではないか」と言わざるを得ない。 せっかくミアファローに出演してもらっているのに、彼女を使いこなせてないという気がした(本人が必要以上のアクションを嫌がったかもしれないが)。車に死ぬまでしがみつくくらいのしつこさが必要だっただろう。 さらに、ジュリアスタイルズが抱える我が子への恐怖というものがオリジナルほど描かれていないような気がする。愛する我が子と思っていたかわいい子供が、だんだんと得体の知れない何かではないかと疑うような精神的なプレッシャーが弱いのではないか。彼女を精神的に追い込む方法が、「悪夢」では「多少逃げているな」という印象も受ける。 また、時代的なものか、山犬とのバトルは、かなり動物に遠慮しているようにもみえた。オリジナルにあった「恐怖」はなくなり、犬の訓練師の下で安全に撮影していますという感じがよく出ている。当然、自宅における黒犬の地下室誘導もあっさりとしたものだ。
[DVD(字幕)] 3点(2006-12-31 00:00:55)
776.  007/オクトパシー 《ネタバレ》 
前作「ユアアイズオンリー」が意外と良い出来だっただけに、今回もジョングレンに期待したが、なぜここまで落差がある作品を作ってしまうのだろうか。 前作で本格的アクションを製作したので、今度はコメディと色気で攻めようと考えたのか。それとも、前作があまりにコメディと色気が足りなかったので批判を浴びたのかどうか分からないが、あまりにもコメディと色気に寄りすぎている。あるいは、同年に製作された「ネバーセイネバーアゲイン」との差別化を図ったのかもしれない。理由はよく分からないが、アクションというよりもほぼ全編コントに近い(飛行機上の空上バトルは除く)。 いくらビジェイを演じた人が世界的なテニスプレーヤーだとしても、ラケットで戦うというのはあり得ない話だ。「ムーンレイカー」でも剣道が登場したが、あれには緊張感があった。こっちはふざけているようにしか見えない。 ロジャームーアもアクションを行うのには既に限界は過ぎている。本当の世界ならば、十回以上死んでいてもおかしくないような状態が延々と続く。勝手に銃弾やナイフの方がボンドを避けてくれるという状況下で緊迫感が生じるわけがない。 あともう少しで核爆弾が爆発するという事態で、わざわざピエロに変装するというのも痛々しくみえる。ショーンコネリーならば、こんな下品な方法で難を逃れただろうか。 また、あれほどボンドの女好きを批判していたQも女性に囲まれるとただのスケベ親父になってしまうのもいただけない。あのような場合でも、頑なまでの「堅さ」を維持して、シチュエーションのギャップやボンドとの違いで笑いを取るのが普通だろう。 しかし、ストーリーは結構しっかりしている。009が手にしていた卵の謎を追うと、宝石密輸団にたどり着き、そのまた奥には暴走したKGB(オルロフ将軍)による核爆弾による偽装事故という陰謀(宝石と引き換えにカマルに依頼)が隠されている。核事故と軍縮の時勢を利用して敵の防御ラインを一気に下げるという地味でリアリティが若干あるストーリーとなっている。しかし、全く作風とストーリーが噛み合っていないのが残念だ。 さらに、本作は旧作のオマージュが散りばめられているのも特徴だ。ワニの被り物は、「ゴールドフィンガー」のカモのアイディアだろうし、ユニオンジャックの気球も「女王陛下」のパラシュートのアイディアを拝借したものだろう。
[DVD(字幕)] 3点(2006-11-25 23:02:58)
777.  007/ダイヤモンドは永遠に 《ネタバレ》 
前六作に比べて、本作はダントツにレベルが低いと感じられた。 レーゼンビーの降板やコネリーの復活といった迷走振りがそのまま作品に投影され、あらゆる点において中途半端になってしまっている。 我々は、ボンドが様々な困難から奇想天外な方法で乗り切ったり、危機一髪のところで脱したり、ときにはユーモラスにかわしていく姿を見たいのである。 敵も同様に我々の想像を超える奇想天外な方法や派手な方法でボンドを殺そうとするのを我々は楽しみにしているはずである。しかし、本作では、葬儀場で棺に閉じ込められるものの、自力では脱出できず、敵に助けられる始末(ダイヤをすり替えたので殺されないという読みがあったのだろうが、漫談のおっさんは殺されている)。 中盤でのブロフェルドの替え玉を交えたやり取りには多少面白みはあったが(猫までも替え玉を用意している)、その後が正直いただけない内容となっている。エレベーター内でクスリで眠らされた後に地下に埋める予定のパイプの中に放置されるという効果が薄い意味不明な殺し方を企てるのは正直、理解に苦しむ。 ラストにおいても、あのような洋上要塞に潜入するのは困難(普通ならば海から潜るが…)と考えたのか、堂々と乗り込む姿はなかなか頼もしい。しかし、カセットテープのトリックもイマイチ腑に落ちず、その後もある部屋に閉じ込められるが、なんと偶然みつけた出口からそのまま何の工夫もなく出て行ってしまうという流れには呆れるほかない。ガイハミルトン監督の前作「ゴールドフィンガー」でのボンドは何もできなかったことが面白い効果を生んだと感じたが、本作では悪い効果しか生まなかった。 また、最大の問題は、ラストのブロフェルドの扱いだろう。ブロフェルドと本格的に争うのは本作で最後(ユアアイズオンリーの冒頭にも登場するようだが)となるはずだが、この決着では納得がいくはずがない。はっきりとブロフェルドの死を描くことは避け、またどこかで利用しようと考えたのかもしれないが、ボンドの最大のライバルのラストとしては物足りなさすぎる。冒頭では執拗にブロフェルドを追い求めるボンドのテンションの高い姿が描き出されるが、ラストに至っては信じられない急降下をみせている。ゲイ二人やレズ?二人といった悪役は出ていたり、ハワードヒューズのモデルも登場するものの、尖った感じや挑戦的な部分が少なすぎると感じた。
[DVD(字幕)] 3点(2006-11-19 23:41:12)
778.  ザ・センチネル/陰謀の星条旗 《ネタバレ》 
脚本家の人への不満はこの際無視して、なぜこの程度の脚本でフォックスは製作にGOサインを出せるのかという方が疑問に感じた。アメリカではここまで脚本が不足しているのか、それとも単にキャスティングだけで客を呼べると踏んだフォックスという会社だけの問題なのか。 ジャックバウワー捜査官も出演料以外に一銭の徳にもならない作品になぜ出てしまうのか。せっかく築き上げたキャリアを無駄にしてしまっている。こんな裏も何もない内容ならば、マイケルダグラスとジャックが共闘して、大統領暗殺を企むKGBと最初から最後まで壮絶に死闘を繰り広げる方がまだましだ。 【以下、なんとなく気になったところ】 ①ダグラス「分かった。内通者は○○だ!」観客「内通者は○○か…。で…誰??」という映画で面白くなるはずがない。 「内通者は誰か?」を推理するという観客の知的好奇心をくすぐる気はほぼゼロに近い気がした。内通者は不倫を清算したいベイシンガーとかベタベタでもまだよかったし、不倫に気付いた大統領が企てた陰謀とか、いろいろ手があるだろう。 ②ダグラス「防弾チョッキではなく、俺の頭を撃て!」ジャック「とどめをさすことはできない(銃を構えたままフリーズする)」。泣いていないで、肩とか脚を撃て!話はそれからだろう。数十メートル近くの容疑者をみすみす逃すのは正気の沙汰とは思えない。ダグラスとジャックの直接対決というのは中盤の山場なのに、まったく盛り上がりに欠ける。 ③大統領の奥さんとヤッちゃうような男が、親友の奥さんを寝取らないわけないだろう。常識的に考えて。主役の二人がクダラナイ私怨でわだかまりをもたれたら観客はちょっとヒクよ。てゆうか、妻の話がウソか真実か見極められないような男がシークレットサービス務まるのか。 ④「嘘発見器テストを受けていないのは誰だ?」「よし分かった。○○が犯人だ。」ってジャックオマエ真面目に捜査してなかっただろう。内通者も仮にも捜査のプロだったら、嘘発見器くらいなんとかできるだろう。先入観によるミスリーディングでも描きたかったのか。 ⑤シークレットサービスは140年間裏切り者を出していない組織らしいが、結局、ヤツは何が目的だったんだ。140年間裏切り者を出していない組織からなぜ裏切り者が出たのかという答えを全く出していない。家族を人質とられたのは最後の方だし。
[映画館(字幕)] 3点(2006-10-16 22:02:53)(良:1票)
779.  虚栄のかがり火 《ネタバレ》 
途中から「つまらないな…」と感じ、恐らくラストまで面白くなるとも思えなかったが、最後まで観てもやはり面白くなかった。キャストは豪華、キャラクターもそれぞれ一癖ありユニークで、それぞれの思惑がぶつかりあう展開。そして、テーマもかなり奥深いというのに、2時間かけて、この映画はいったい何を伝えたかったのかが、まるで見えてこなかった。虚栄、エゴ、節度、正義、人種問題等、これらの重要なことが盛り込まれているにも関わらず、本作からは何一つ伝わってこなかった。 戦犯は、まずはなんといってもトムハンクスだろう。トムハンクスというよりも脚本におけるマッコイの人物像に相当問題があるのではないか。 あんな小心者の男が、なぜウォール街のトップに君臨できたのかと疑わざるを得ない。はったりも効かず、度胸もなく、ただ事故に怯え、妻に怯え、愛人に怯え、父親に怯え、警察に怯え、社会に怯える。とても一日で数億ドルを扱う大物には見えない。ただの小物の小さな転落劇では、「虚栄」というテーマが活きてこない。彼からは「栄光」も「虚栄」も何もかも感じられなかった。「地球は俺中心に回っている」くらいの堂々として自信満々で、威厳を備えていないと、本作の主人公としては失格だろう。本作の主人公に相応しいのは、周りから媚びへつらわれ、裸の王様ということに気付いていない憐れな男ではないか。 そして、自らが築きあげた「栄光」が一瞬でもろくも崩れ去る姿を見せる必要があり、築き上げていたものは、単なる砂上の楼閣に過ぎないということをしっかりと見せるべきであった。マッコイの人物像は、トムハンクスというよりも、むしろ冒頭のブルースウィリスに近いキャラクターではないかと思う。そのウィリスも中途半端な印象を受けた。 彼ら二人の出会いによる「化学反応」がまったく生じていない。二人の出会いによって、お互いに何も変わらないのは問題ではないか。 ファロー(ウィリス)は、マッコイの虚栄の人生を見つめ、ピューリツアー賞を得て、一躍「虚栄」を手に入れた。自己の「虚栄」に何を感じるのだろうか…という余韻にはまるで浸れない。当然、モーガンフリーマンの演説も、劇中において「正義とは何か」「法とは何か」「欲にまみれた人々に必要なものとは何か」ということがきちんと描きこまれていないので、深みのある生きた「言葉」には聞こえてこない。
[DVD(字幕)] 3点(2006-09-20 23:39:37)
780.  グエムル/漢江の怪物 《ネタバレ》 
韓国で大ヒットしていることや、予告編がそこそこ面白そうだったので、鑑賞してみたが『この映画のどこに面白みを見出せばよいのか全く分からない…』と困惑するしかなかった。つまらない映画や駄作ではないと思うが、オチのないコントを延々と見させられる感覚に近いと思う。 「①モンスターパニックムービー」として観た場合、黄色の二人組の制服を襲撃した際はなかなか良いと思ったが、それ以外ではグエムルに対して、恐怖や畏敬といった感覚は抱かない。ジョーズやキングコングといった映画では感じた感覚はこの映画では感じられない。本作ではグエムルに対して「生命」を吹き込むことには失敗していると思う。 「②親子愛・家族愛」ヒョンソからは父親を信頼して助けを待っているようには感じられない。「ウィルス」という変なストーリーを織り込んだため、娘を助けたいというよりも、政府から逃げることが主題に変わったため、父親カンドゥの成長や家族の絆も上手く伝わらない。「殺人の追憶」同様に、娘がさらわれたり、父親ヒボンを死なせているのは自らの責任であるため、不条理感を感じにくい。 「③アメリカ・政府批判」モンスターより怖いのは、政府やアメリカなんだということを言いたいのかどうかは映画からは伝わりにくい。「ウィルス」の存在は決して悪くはないネタだと思い「これから面白くなるか」と期待したが、やはり効果的に利用することもできなかった。②で述べたように悪い効果も生じている。 「④現代の韓国に対する批判」賄賂、怠慢、浮浪者、両親のいない子ども達、無神経なマスコミ、デモ、環境問題等々、ボールは大量に投げてくるが、受け取り側のことはあまり考えてないようだ。これらは日本人にとってみればよく分からないことだ。 「⑤ラスト」ヒョンソが命を賭けてガキを守ったというのも観客への感情の揺さぶり方としては上手く演出されておらず、なぜ製作者がガキを助けて、ヒョンソを殺したのかはよく分からない。自分が製作者だったら、戦いの末に、グエムルはどこかへ消えて、行方不明にし、ヒョンソの生死も明らかにしないだろう。そして、新しい携帯電話を握り締めて、ただひたすらヒョンソのことを待ちつづける。カンドゥの姿を描いて、エンディングを迎えさせると思う。
[映画館(字幕)] 3点(2006-09-10 13:45:45)(良:4票)
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