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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1701
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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761.  キョンシー 《ネタバレ》 
いわゆるキョンシー映画を現代的に、かつリアリティも高めて描いちゃおう、とゆーのがコンセプトとのコト。しかし、正直あんましソレがウマくいってる様には見えない、つーかね。キョンシー映画だとやはり、キョンシーそのものやソレを創り出す or 制圧する存在としての「道士」とゆーのは、登場人物やそのコミュニティにおいては共通認識となっている必要がある、のだろうケド、その部分とリアルな現代社会との整合とゆーのが今作では非常に雑で、実際に起こり得るお話、とゆーのには残念ながら全くなってないのだよね(道士もキョンシーも、加えて双子の悪霊もなんとなく其処に居るよー!てなモンで)。中華系ホラーにはまたよくあるコトだけど、お話は(特に序盤)説明描写のつくり込みが浅いワリにはややっこしくて正直分かりにくい、だケドもそれより本当に手当てすべきは前述の設定面・世界観のつくり込みなのではないか(=話をややこしくする必要性が更に無用にも見える)、てのは確かに非常に大いなる疑問だと言って過言でないでしょう。。  とは言え今作、ホラーとしては相当に気合の入ってる作品なのも確かで、陰鬱で禍々しい画面の出来は総じてかなり高いし、雰囲気も決して悪くないと思う。そして紛うこと無き中華ホラーとしてその独特と言えるエキゾチックさも大いに感じられるので、偶にこーいう外国産ホラーを観るうえではごく物珍しく面白く観れるのもまた確かかと思う。随所に挿入される待ってました香港!的なアクションと、特に終盤にソレがもたらす派手さも加えて、あくまでホラー愛好者なら観て損をするというモノでもないか、とは思いますですね。死ぬホド暇なら是非。
[インターネット(字幕)] 5点(2021-10-27 17:19:31)
762.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
クリスマスにピッタリのチョコレートの詰合せ、かの様な。総じてポップでオシャレで軽い口当たりながら味は様々で、それこそ甘いのもあればちょっとホロ苦いのもある。なので、苦手な人でも多分どっかしらには引っ掛かるだろうし、終盤は畳みかけるハッピーエンドの連続が中々にゴージャスでもあったりして。  でも、やっぱりチャンとした食事にするならも少しガッツリ食べられる一品料理の方が好いかも知れないし、とても気に入った味のがあったとしても一口分しか食べられないのは口惜しいと思うコトもあるだろう。要は「食べ」方、確かにそれこそクリスマス・イヴにデートムービーとして使うなら、これ以上の映画も中々見当たらない気もしますね。特に今作、やや大人向けの「インビな」スパイスの効いたヤツも多いですからね。
[インターネット(字幕)] 8点(2021-10-25 22:21:14)(良:1票)
763.  キャンディマン(2021) 《ネタバレ》 
旧作は「1」だけ観ていたのですが、今作劇場鑑賞後に急いで観直しました。いや~チャンと旧作を再見してから観れば好かった…話もモロに繋がってますし、洒落たトコロでキャストも再出演してますし、何よりコンセプトの部分がかなり旧作に準拠したリスペクト溢れるつくりになってますのよね。こーいう続編はホラーファンとしては率直に非常に嬉しい・望ましいものかと思います。  旧作とゆーのは、一見はよくあるスラッシャー・ホラー風にして、色々と特徴的な要素を盛り込んだ(意外に)ポテンシャルの高いホラーだったと思います。今作ではソレを掬い上げて適切な今風の進化を加えている、とゆーか、例えば人種問題の部分をよりクローズアップしてみたり、ホラー的には「鏡」や「蜜蜂」といったモチーフをより効果的に使っていたり、そして全体の雰囲気も旧作準拠にややアーティスティックに仕上げていたり、そこら辺は重ねて比較的好い方の仕事だったかと思います。特に鏡を活用して視覚的な工夫を施したショックシーンは(そこまでオリジナリティ溢れるとも言わないですが)まずまず以上に面白かったと思いました。  ただ、諸手を挙げて大絶賛!とまでは言えない程度に残念な箇所も含まれます。まず感じたのが、実は旧作「1」てモブキャラがキャンディマンに襲われるシーンって少なくって、あくまで主人公のヘレンがキャンディマンの幻影に捉われているという一種のサイコ・ホラーだった…というトコロ、今作は名前を唱えた人間が襲われるシーンが結構バンバン入るのです。それ自体はシナリオとしては(ホラー的に)適切だと思いますが、とにかく唱えるとほぼ秒で襲ってくる、というシーンばっかなのですよね。コレって、ちょっと気味悪いケド呪文唱えてみて一瞬緊迫感走るケド何ともない…ケドなんか気分好くない…みたいな「余韻」がスゴく大事なヤツだと思うのですよ(ナンならその日の晩とかに来る方が適切かと)。蕎麦屋の出前じゃねーんだからちょっとは泳がせて楽しんだらどう?とキャンディマンには小一時間問い詰めたいです。全体の尺自体を必要以上にコンパクトに纏め過ぎている、という感じでもありますかね(少しアート系・雰囲気系なホラーだからこそ尚更そー思うすね)。  もう一つは、キャンディマン自身がしっかりとビジュアル的にキャラ付けされないまま話が終盤まで進んでいく、という点で彼の(ホラーモンスターとしての)魅力が旧作より半減してしまっている、というコトですね。これはオチがあーいうモノであるが故、とも思いますが、旧作のその部分はトニー・トッドという逸材が素晴らしい仕事をしていた、ソコとの対比としてはやや物足りなく思うのも事実です(主役の彼自体の出来は決して悪くなかったですケドね)。  重ねての結論、全体として決して悪くないクオリティを擁していますが、特にトニー・トッド好きな私としては旧作より評価するのは難しいという感じかと思いました。全然観る価値が無い作品、とかでは毛頭ないですケド。
[映画館(字幕)] 5点(2021-10-24 17:40:25)
764.  キャンディマン(1992) 《ネタバレ》 
30年越しの続編公開に併せて観直しましたが、思ったよりよく出来てる・アイデアの豊富な作品でしたね。惜しむらくはそのアイデアのポテンシャルを活かしきれてはいない、というトコロなのですが、ソレは続編の方で結構しっかりトライしてくれてますので、本作に関しては純粋なキャラものホラーとして楽しむ方が(今や)より適切かと思います。  その意味では、やはりトニー・トッドは存在感抜群ですね。力強く男性的でありながら、どこか中性的で実に「妖艶」な妖しい雰囲気を纏っています。ある種この頃が彼の全盛期とゆーか、この時期にXファイルとかでも面白いキャラを演ってるのを観てソレも印象に残ってますね。そして彼のキャラクターの魅力のみならず、今作では主役のヴァージニア・マドセンも結構頑張ってますし、残虐描写の方もそこそこチャンと仕上げていて量も少なくないのでフィジカルな意味でもまずまず楽しめるかと。結論、シリーズ化されたのも納得な良作かと思います。この機会に是非。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-10-24 17:40:09)
765.  黒い司法 0%からの奇跡 《ネタバレ》 
裁判もの・ヒューマンドラマ・人権もの、どのジャンルの作品としても非常に「手堅い」という印象。ややオーソドックス・一本調子すぎて少し捻りが欲しい、という気もするが、別に悪いコトでもないかと。つくりとしての特徴はその重厚さ。間合いが非常にゆったり取られていて、これは特に本事件の困難さ(無罪を勝ち取るまでの道のりの遠さ)を体現しているモノなのだろうと感じる。そして、そのローテンポをこれも静かで真摯な演技で繋いでゆく俳優陣の理知的な仕事も素晴らしかったと思う(マイケル・B・ジョーダンには惚れ惚れとしてしまいました)。諸々、間違いの無い良作だと言えるでしょう(青少年の教育向けとか特に)。かなりオススメ。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-10-24 14:41:27)
766.  CUBE 一度入ったら、最後 《ネタバレ》 
特に前半1時間チョイはほぼ完ペキに、そして最後まで観てもそのCUBE自体の仕掛け・ギミックの側の展開運びは9割がたが元ネタの丸パクリなので、逆にその部分は全く詰まらないというモノでもないよーな気もしている(今更ソレでイイのか?とゆーのはまた置いとくとして)。しかし、残り3,40分くらいからおっ始まる人間ドラマ(人間同士の「対立」とか)の方については、このアレンジは個人的には完っ全に「違う」と思う。菅田将暉のトラウマにせよ、岡田将生の歪みに歪んだ人間性にせよ、何故「外の世界」から持ち込んだモノを梃子にCUBE内のドラマを描こうとするのだろう。それらとゆーのはCUBEの世界が描き出すべく物語とは本質的に全く関係が無いではないですか、と(何の為にこーいう「世界の全てから隔絶された」特殊な状況設定を持ち出しているのか=そーいうコトやりたいならソレ用に設定チャンとつくり込んだオリジナルの舞台上でやりなさいよ、と)。重ねて、今更こんなコトやっといてこのザマですか?とゆーのが私の結論です。こーいう作品をつくっちゃうから邦画をバカにする輩がまた蔓延るのだ、とすら思いますですね。
[映画館(邦画)] 3点(2021-10-23 21:18:29)(良:1票)
767.  宇宙からのツタンカーメン 《ネタバレ》 
うーん…まずは感じるコトとして、少なくとも80年代の作品なんだからもう少し人並みにゴアとか恐怖シーンに(あとまーエロとかについてもそーなんですが)キレ・迫力・凄みとゆーのは出せないモンなのかな、と。ミイラという地味で安上がりで古臭い主役も相まって率直になんつーか60年代物?みたいな質感にも思えましたわよ。どだい、実際には恐怖の対象なのは(実は)ミイラではなくてどちらかとゆーとカビの方なのですよね。カビがメインのホラー映画って、幾らナンでも地味すぎません?(否、コレはまあ完全にやり方次第だとは思いますケド)  あとは…B級ホラーとしてもワリと短尺にも関わらず展開運びが間延びしてて面白みも希薄、なのに突っ込みドコロだけは正に満載!という凶悪な完成度の低さ。一個だけ、やっぱ思うのはクリスタル集めたら復活してスグサマ帰還できるんだったら、も~3000年前にそーせいよ!という根本部分の疑問ですかね(まあ事情はあったのかも知れんケドさ)。うう~もう一個だけ、クリスタルが5個ってのも多いよ!(=多いのにやってるコトが全部ほぼ同じってのがまたチョイと酷すぎるよ!)  コレでオーラスがこの奇想天外でなかったら、確かにまるで存在価値の無い作品でしたね(だったら価値があるんだな?と訊かれてもソレはソレで困るんですケド)。まずは1シーンだけでも「度肝を抜く」様なモノを、はやっぱB級ホラー映画の鉄則ですかね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-10-21 01:19:39)
768.  最後の決闘裁判 《ネタバレ》 
同一の一連のエピソードを3人の異なる視点から語ってゆく…とゆーのは、確かに『羅生門』或いは(そのエピソードが本質的には男女の三角関係だという点では)『去年マリエンバートで』なんかにも構成としては酷似してると言えるでしょう。ただ、今作は上映時間の大半に渡って繰り広げられるその3つの「主張」に関して、映像的にはソコに決定的な矛盾があるワケでもなく(例えばル・グリがマルグリットに乱暴を働いたのが事実か否か、という部分とかが争点になるワケではなく)、あくまで各章で実際に観せるエピソードの取捨選択によるニュアンスの差異(と、映される映像自体の若干の物理的差異)に依って鑑賞者に与える3人の印象とゆーのが移り変わっていく、という意味での心理的サスペンスという感じではあったですかね(=ミステリー的なトリックが重厚・複雑、というよりはずっとシンプルなヤツ)。  だから同じ話を3回観せられるワケなのですが、映画自体の諸々のクオリティが非常に高度なのもあって、その部分は間延びしてるというコトもなくずっとハラハラと観入ってゆけましたね。そして、肝心なラストの決闘で誰が勝つのか(=誰が勝つ「べき」なお話なのか)という点にまたハラハラ感を残す為にか、結局3人ともに何らか「瑕」がある、とも言えなくもない様なお話で、最後まで中々にムズムズもしたのですよ。男2人はワリと単純なクズなのですケド、まあ微妙ですがマルグリットにも完全に「後ろめたさ」が無かったかとゆーと…(彼女も根本的には全く悪くないのですが、ゆーてル・グリの「主張」のある部分1割程度は真実に見えなくもない…というレベルかとは思いますが)  とは言えその意味では、やはり時代的なコトもあって非常に「抑圧された女性」という存在であるマルグリットに関して一番「丸く収まる」この結末は、納得感やホッとする感の観点からは非常に無難なハッピー・エンドだったとも思います。そして重ねて、映画自体の質は歴史ものとしてもサスペンスとしても、かつ部分的に挿入される壮絶なアクション面にしても極めて高レベルだったと言って好いでしょう。普通に傑作の部類だと思いますね(流石リドリー・スコット、また次回作が観たくなってしまいますね)。
[映画館(字幕)] 8点(2021-10-17 17:44:23)
769.  DUNE デューン/砂の惑星(2021) 《ネタバレ》 
原作小説や先行映画は知らないのですが、元ネタ的にはSF大河作品とのコトで、今作もつくりとしては娯楽作 or SF作とゆーよりはまずは「史劇」のよーな雰囲気が全体に強く保たれていますね。そーなると、あまりテンポが好すぎると却って重厚さが損なわれてしまうので、今作もやはりかなりゆったりとしたスピードで話は進みます(+そして長尺)。そこら辺、史劇系の映画(或いはレオーネ的西部劇とか)を観慣れてない人だと、率直に少しかったるいとなってしまうコトも大いにあるかとゆーのは確かですね(今作はそれにプラスして「続編に続く!」で終わってしまうヤツですし)。  それでも個人的には、テンポの緩慢さはあまり気にならないとゆーかむしろ心地好くさえありました。雰囲気自体はかなり好かったと思いますよ。SF・宇宙ものではあるので当然ハイテクな要素も含まれるのですが、それ以上に中世封建社会の様な古風でアナログな世界観が強いのに加えて、とにかく舞台となる砂漠惑星の(明るく淡くは在りながらも)冷徹で空虚な感じとか、全部ひっくるめるとかなり独特なモノにも感じられましたね(少し文学的と言っても好いかも)。流石に年イチクラスの超大作だけあって映画自体のクオリティはまた細部まで行き届いてましたし、俳優陣の雰囲気や演技も手堅かったかと思います。   ※PARTⅡ鑑賞後追記: PARTⅡ鑑賞前に観直しまして、かつ分り難かった部分も情報を入れ直しました。すると、原作の深い世界観と、映画としての娯楽性・芸術性がかなり高度に並立されて居るな、という感覚がより強くなりましたね。強いて言うなら映像の力と、そして芸術性の方面により「寄っている」という感覚はありますが、PARTⅠの時点でも(=最初に観た時点でも)もっと評価しておくべき作品だったと素直に思いました。1点アップしておきます。
[映画館(字幕)] 8点(2021-10-16 17:57:35)(良:1票)
770.  燃えよ剣(2020) 《ネタバレ》 
映画観た後に原作小説も買っちゃいましたが、コレもそれなりにボリューミーなので、やはり映画は相当に駆け足+取捨選択を隅々まで工夫した、というコトに感じられます。その意味では駆け足は確かに駆け足でしたかね~結構満遍なく個々のシーンが急ぎ気味、という感じで、余韻を感じてマッタリできる様なシーンはほぼ皆無だったのではないでしょーか。オーラスとかは、流石に少しは間を取れば好いのに…なんて思ったりもしましたね(あんなに超速でエンドロール流し始めるとは思いませんでしたよ)。  ただ、まずはそれ故に展開運びの密度はかなり高くて、長尺ですがほぼダレずにワクワク観切ることが出来たのも確かです。そしてもう一つ、予算は相当に潤沢なよーで、個々のシーンの諸々のクオリティは総じて十分以上に高くつくり込めていたと思います。ロケーションは京都に拘ったのかと思いましたが、中々和の趣の在るセンスの好い場所を使えていて率直に素晴らしかったですね。アクション(殺陣)もまずまずでしたかね。  岡田准一と柴咲コウも好かったと思います。その他キャストも豪華なので、まあお値段以下というコトもないかと。
[映画館(邦画)] 7点(2021-10-16 17:31:25)
771.  ロニートとエスティ 彼女たちの選択 《ネタバレ》 
メインどころはLGBT系恋愛映画、とゆーのは見た目的にもそのまんまだと言えるでしょう。ただ、そっちの方面はオーラスまでごく在りがちな「駆け落ち」ものに見えているのでして、オチも「駆け落ち」て終わりでこそないのですが「そー来たか~」程度に想像はつくものであるので、豪華Wレイチェルのセックスシーンを含め(コレもまあまあ大胆は大胆なのですケド)単純に恋愛映画として観た場合にはさほど目新しいものでもないと言って好いかも知れません(LGBT映画も最近はとみに多いですし)。  なので正直私が面白かった(興味を持って観てた)のは、登場人物のバックボーンであるユダヤ教コミュニティの描かれ方なのですね。率直に相当に「悪役」な描かれ方とゆーか、中々頭の固そうな感じ(=宗教よろしく「理屈」の通じなさそうな)に仕上がってまして、逆に観てるコッチがなんかちょっと心配になってしまいました。調べると確かに、超正統派ユダヤ教とゆーのはこーいう感じでもあるらしいとのコトで、ソコは少し勉強になりましたね(その辺、日本人ならある程度は前提知識を入れて観た方が好いかも知れません)。  ただそーは言っても個人的な感覚として、たとえ敬虔な信者であっても理性的な人間ではあるのでしょうから、今作の信者個人個人の描かれ方には少~し一面的な感じも覚えました(まあドヴィッドのキャラでバランスを取っているというコトなのかも知れませんが、重ねて、ユダヤ教コミュニティの内部にもソコに関する濃淡があるハズだ、と言いたいのです)。また、その方面を比較的ラディカルに描いて問題提起をしようとゆーのであれば、むしろオーラスはやや八方美人な感じに終わらせている、という様にも見えて、なので個人的にはこのラストは少しトーンダウンしたな、という方の見え方にも感じられましたかね。「見た目」は前述どおり恋愛ものなのですが(特に日本での感じだと)、実際のトコロは恋愛ものと社会派ドラマが(好く言って)半々くらいかなあとも思われまして、その意味ではもう少し思い切ってどっちかに寄せた方が好かったのかも知れませんですね(今作の感じならセックスシーンとか正直要らないカモ、とも)。
[DVD(字幕)] 5点(2021-10-13 21:00:58)
772.  恋恋豆花 《ネタバレ》 
映画というよりは旅レポ・食レポ方面にだいぶん寄った質感で、とは言えその意味の範囲内では全然悪い作品でもないかなあ、と(キョウビの状況において台湾旅行したつもりで観る分には全然使えるとも思います)。しかし、映画としての体裁的な意味合いでいちおう人間ドラマ要素が無いワケではない、そしてその部分がむしろ少し中途半端で若干興を削ぐ様な、という悩ましい感じでもあるのですね。もう一つ、その旅レポ・食レポを実際に担うのはモトーラ世理奈ちゃんなのであり、このコに対する好みとゆーのも直に作品の評価に繋がってくるのは確かだろう、とは思います(私は正直、楽しそうな彼女の様子が観たくて本作鑑賞しましたのですね=なので特に問題は無かったですが)。  ただし、旅レポ・食レポにしてもその中で相当に食レポの方にまた寄ってはいるのであって(体感80%は「食」のシーンの様な)、じゃあモトーラちゃんがその食レポ(風)が達者かとゆーと決してそーでもない、とゆーのはやや頭の痛い点だと言えるかも知れませんですね。感じたのは単純に「そもそもこのコこんなに食わねーだろ」とゆーコトなのですよ。演技?の中でも「食」とゆーのは意外と誤魔化しの効かないトコロかな、とも思います(常人でも日に2・3回は必ずやってるチョー普遍的な行為ですからね)。その意味でゆーと前述どおりやや「無理」とゆーのも垣間見えたとゆーか、少なくともいっぱい食べて(完食して)満足満足…という様なシーンも無かった…かと。結論、本作のこのコンセプト(台湾の「食」におんぶにだっこ)なら、ソレを「食べる」主役はモトーラちゃんじゃなくても好かったカモ…とも思いますかね(残念ながら)。
[DVD(邦画)] 5点(2021-10-10 01:09:49)
773.  女性上位時代 《ネタバレ》 
まろやかですね~典型的なセックス・コメディ(イタリア式コメディ)ですが、冒頭に提示されるテーマからすれば思いの他とてもマイルドに仕上がっているとも思います(最近ワタシがこっそりロマンポルノばっか観てる、とゆーのが大いに影響してるという気もしますケド)。スパーク嬢はデビュー当時からすれば少し年齢を重ね(当り前)、またややふっくらしたかとも思いますが、それでも後半のシーンで晒される全身のプロポーションは中々見事なモノをキープしてましたかね。ぶっちゃけ今作、前述どおりエロもコメディもごく微笑ましいというレベルの作品だとも感じますが、スパーク嬢の平場のルックス面のつくり込みの凝り様と(出てくる度に違う衣装着て髪型も変わってる)、後はヌードシーンでもワリと躰を張りまくってる(時代を考えれば)とゆーのは今もってなお実に素晴らしい映画的アドヴァンテージになっていると思いますね(ヌードシーンは最初は手控えてると思いましたが、トランティニャンが出てきてからはなんか加速しましたね)。個人的には全然観る価値十分だったかと。オススメ。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-09 02:28:10)
774.  太陽の下の18才 《ネタバレ》 
まあ言うて、中々おバカでごく中身の薄い映画なのは確かですよね。おバカを演じるキャラクターも次第に収束してはゆくものの、序盤は誰が誰だか分からない男どもが入れ替り立ち替り騒いでるだけ、という風で結構高度に訳ワカメです。女優も、意外にカトリーヌ・スパークが絶対的メインというコトでもなくて、代わりばんこに結構大勢(無秩序に)出てきます。その意味ではワリと期待したんですケド私、少なくとも今作のスパークちゃんには正直あまりハマりませんでしたね(やはり非常に華のある女優さんだとは思うのですが、そんなに登場シーンが多くもなくって…ですね)。  まあでも、南欧のバカンスのイイ~雰囲気とゆーのは大いに感じられてソレだけでもだいぶ心地好くはありました。日本人なんて夏休みとて長くて10日くらいで、移動も含めれば観光地に出向いて遊べるのは4,5日程度、となるとやっぱり精力的に予定を詰め込んでむしろ疲れちゃう…てな感じが多いのかなとも思うのですよ(私も確実にその部類ですし)。本来のバカンスってそーじゃなくて1日遊んだら2日ゴロゴロする、みたいな感じかと思っていて、そーいう手持ち無沙汰なノンビリ感(からの、ならナンパでもしてみっか!感)が濃厚に感じられたのがまた心地好かったかな、なんて。なんとも羨ましい社会的習俗ですよね。
[DVD(字幕)] 4点(2021-10-09 02:26:37)
775.  狂ったバカンス 《ネタバレ》 
カトリーヌ・スパークちゃんの出世作、というコトで、見た目的にも今作はサービス精神がごく旺盛とゆーか「挑発的」そのものですね。ド初っ端からダボダボセーター上一枚だけ(下は水着)に始まり、その次もタオル一枚巻いただけ風(下は水着)→ヘソ全開のノースリーブにギリギリローライズ→そして背中全開の着替えシーン→からの白水着全開、と正に小悪魔・罪つくりと言った風情極まりないですね(トニーノくんがコロッと参っちゃうのも分からんでもねーなと)。  しかし、その小悪魔ぶりが高じてくる後半は、トニーノくんも流石にだんだんイライラし始めて→からかい方もちょっとタチが悪くなってゆき→最終的には暴力沙汰にまでなる、そこら辺は少し(いくら自業自得とは言え)オッサン可哀そうだな、と思われる様な話ではあります(私も完全にトニーノくん側に感情移入する歳になったとゆーコトですね)。ただ、そんな中でもスパークちゃんの眼差しは(多分に小悪魔的で在りながら)どこか実に無垢で美しいモノで在り続けた、様にも見えるのですね(何故だか)。まあ、そーいう目付きを必要なだけつくり込める、とゆーコトまでを含めての「真の」小悪魔なのかも知れませんケドも。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-09 02:25:13)
776.  ミルドレッド・ピアース 《ネタバレ》 
なかなかジョーン・クロフォードの(見た目の)全盛期の映画とゆーと、正直観る機会が無かったのですが、その意味では今作は比較的良いタイミングの作品で、彼女の類稀な美人ぶりが(まだ)冴え渡っている、と言っても好いのではないでしょーかね。彼女はまた今作でオスカーも獲得していますが、その凄みの有る(どちらかと言えば冷たい)美貌に違わぬ鉄の様に「強い」女を率直に言って好演しています。時代も考えればかなり特徴的なキャラだと言って好いかと思いますね。周りの男たちとゆーのが総じてだらしなさ過ぎる、とゆーのは確かなのですケド、彼女はその誰もと対等以上に立ち回り、才覚を発揮して経済的には特に男どもも顔負けに見事な振舞いを見せて…ただ、少し彼女のキャラのつくり込みに物足りなさがあったのが、その強い部分とゆーよりは弱点の方、つまり、娘を含めて何故彼女はこーまで人間関係にトラブルを抱え続けるのか、というその理由の部分ですね。なんとなく分かる様な気もしなくもないのですが、特にヴィーダが何故あーまで人格破綻者の様な有様に育ってしまったのかとゆー部分には、少なからず観ているコッチも引っかかるモノがあるとも思うので、その「ワケ」はもう少し分かり易く描かれた方が好かったと思います。そこそこビックリかつ悲劇的な結末も含めて、重厚なネガティブ人間ドラマとしては見応えは完全に十分です。良作。
[DVD(字幕)] 7点(2021-10-06 18:05:49)
777.  アパートの鍵貸します 《ネタバレ》 
今作を改めて観ても思うのはその影響力、と言いますか。この作品におけるジャック・レモンの仕事とゆーのは(まあ別に「今作の」彼に限ったコトでもないのかとも思いますが)、実にそこら中でソレを彷彿とさせるモノに出会うなあ、というコトですね。よりフィジカルな喜劇であるチャップリンを別にすれば、「笑い」を志す者がシチュエーション・コメディとして今作以上に観ておくべき作品とゆーのも他にあんまし無いのではないでしょーか(まあこれはもはや、別にお笑いの分野のクリエーターに限るべきコトでもないのかも知れませんケド)。  限り無く「普遍的」な(=時代を超える)クオリティを備える作品だと感じますが、強いて言うなら登場する男どものクズさ加減とゆーのには少しばかり時代を感じる、というトコロですかね。シェルドレイクなんて、今どき例え民間企業でもちょっともう許されないレベルのモラルの無さに思われます。まあコレとて(特に日本では)ここ最近ようやく少し向上しつつある、という部分かとも、つまりごく最近はそう思われるよーになったということなのカモ、とは思いますケドね。
[DVD(字幕)] 9点(2021-10-06 18:05:47)
778.  情婦 《ネタバレ》 
史上最高レベルに「いったい何考えてんだよ」な邦題ですが要は私と同じ様に、もォ~マレーネ・ディートリッヒしか見えてなかった、というコトだとは思うのですね。今作の彼女は正に圧倒的!で、最初の登場シーンのオーラ全開なサマにせよ、件の"Damn you!"なんてワタシ最初観たときは10万ボルトか!てぐらいにシビレまくりましたし、その後証人台で涙を流すシーンの神々しい程の美しさもまた!(美しいでゆーともう一つ、変装をロートンにネタばらしして再び髪を掻き上げるシーン、カット切り替わった後の裏から見た横顔が、実はワタシ大好きなんですよね)。今作時点で56歳とは、ちょっと信じられませんです。  このとおり、彼女の演技その他のレベルはもう凄まじいのですが、本作がスゴいのは彼女と相対すべきチャールズ・ロートンとタイロン・パワーもまた負けず劣らずな高品質の演技を披露しているという極め付きの豪華さでしょう。そしてもう一つ、彼らの法廷での様子というのは全て「『演技をしている』という演技」だとゆーのも中々面白いですね(ディートリッヒとパワーは劇中の実際として、またロートンは弁護士として法廷では感情を表に出さない、という意味で)。二重構造とゆーかある意味で少しメタな、とも言えるかと思うのですが、ソコに関しても3人の演技には違和感が無いのがまず素晴らしいですし、そしてそのコトがラスト5分における「本音」の暴露大会というドンデン返しのスーパーな衝撃にまた繋がっている、とも思うのです。サスペンスとして一段上、とゆーか、実に精密に好く出来た作品だと思います。その部分のシークエンスの「あれよあれよ」なハイテンポぶりも、また他に類を見ないというレベルで最高ですし。  そのドンデン返しを爽やかに締めくくるのがこれまたエルザ・ランチェスター。彼女にしたって助演としての出来は出色で、こんなのもう完成度が高い!(参りました!)と言う他ないですよね。傑作かと。
[DVD(字幕)] 9点(2021-10-06 18:05:45)
779.  ガラスの城の約束 《ネタバレ》 
弱者に決して優しくない現代社会では、余程の「物理的」要因でもなければ「善人」或いは「自分の食い扶持を稼げる程度に勤勉な人間」である義務から解放されるコトはない。増してや「人の親」ともなれば尚更である。しかし、世の中にはそーいった要因までは備えずとも、その義務をギリギリ果たせない程度に「性格」に難が有り、そして端的には「愚かな」人々というのも確かに存在するのであって、そして更に厄介なのが、そーいう人々は善か悪かの二元論でスパッと切り分けられる様な単純な人間性を擁しているワケではコレも決してなくて、確実にそーいった種々の側面を入り混じって併せ持ち、そして善か悪かを(法的にはともかく道義的には)簡単に断じるコトなど出来ない存在であるのも確かだろうと思う。ガラスの城など机上の空論ではあるのだろうケド、その「美しい」モノをただ志向する人間とゆーのは、確かに愚かではあれど決して悪人でもない様には思える、つーか。  まずは今作、そーいう人間が親になった場合(そして「不運」にもそーいう人間を親に持ってしまった場合)に発生するネガティブな事象とゆーのがそれこそイヤ!ってホドにド初っ端から見せつけ続けられる。ので、決して居心地の好い作品というワケではないのだし、結局最終的にそーいう「親」の側に感情移入の切り口を持ってこようとしている、という意味ではかなり「危ない橋を渡ってる」作品だとも思う(とゆーか普通に、序盤~中盤の描写は現実的には虐待・ネグレクトに該当する行為だと言って間違い無いと思うのだし)。今作の論点は端的には、そーいう人間が親になることの是非、というトコロだとも思えるが、率直に言って実に微妙な間隙を突いて来ている作品だ、とは感じるのだね(個人的にはやや、この両親に対する嫌悪感が勝る人の方が多いっちゅう気もするケド)。  ただ、その善悪併せ持った親の二面性・複雑性を表現するウディ・ハレルソンの演技は、正直ここ一年位に観たモノの中でも最高レベルに素晴らしいモノでした。そしてまたブリー・ラーソンの葛藤する様子にも、私は大いに共感できたのですね(確かに自分の親は社会からは相手にされない様な人物だけれども、だからと言って子である自分が親を否定することが(法的・社会的にはともかくコレも「道義的に」)正しいのか、と)。何よりそんな中でラーソンが出した結論とゆーのは、人間関係においてはなるべく「善き」部分をより目を開いて見るようにしたいと考える私のポリシーからもやはり深く共感できるモノ・とても暖かいモノだったと思います。全編に渡って中々辛い映画でしたが、最後まで観て好かったすね。
[DVD(字幕)] 8点(2021-10-04 18:53:08)
780.  ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディー 《ネタバレ》 
戦意高揚映画とのコトで、描かれるのは古き良き「アメリカの価値観」と、正にソレを体現する様なジョージ・M・コーハンの波瀾万丈一代記なのです(一点の曇りも無いアメリカ万歳!映画すね)。ただ、彼の物語として本作を観る限り、常に家族や仲間と志を共にして歩んだ彼の人生とゆーのは確かにそういった価値観を大いに体現するものであった、とは十分に感じられるのですね(=上っ面だけのプロパガンダ映画では全くないかな、と)。才気煥発な男ではありますが、相当に頑固で我の強烈なトコロも含めて決して弱点・欠点の無い人物だというワケではないと思うのです。ソコを、家族や仲間と支え・支えられするコトでむしろ短所を長所にも変えてゆけたとゆーか、その部分は彼の奥さんが言う様に「あなたには誰かがついていないといけない」というコトだったのかな、と思いました。なんとゆーか実に微笑ましく、そして羨ましい人生だと感じますね。  特にイイな!と思ったのはその奥さんとのワンシーン。大女優フェイに自作の劇に出演してもらうためアピールしに行くのですが、奥さんに歌わせたい曲"メアリー"は彼女には渡したくない、その彼の葛藤の様子に垣間見える確かな家族想いの側面(そしてやはり芯の通った側面)と、結局そのコトをごく明るく快く受け入れる妻の「彼女は歌を取って、私は貴方を取った」という洒落た返しも含めて、私も実に心地好く爽快に観ていましたですね。加えてその後、フェイが件の歌を舞台で披露するシーンも好かったですね。奥さんを演じるジョーン・レスリーもそこそこ歌は巧いのですケド、フェイ役のアイリーン・マニングは更に一枚上手とゆーか(彼女は確実に声楽的なトレーニングを積んだプロですね)、そのコトが妻の決断の正しさ・聡明さを顕かにしているし、歌唱シーンとしてもより感動的なモノに仕上がっていると思いました。ここの流れ、スゴく好きですね。
[DVD(字幕)] 8点(2021-10-03 03:51:34)
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