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ゆうろうさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 972
性別 男性
ホームページ http://yuromovie.blog.shinobi.jp
年齢 39歳
自己紹介 名前をdonkeyから「ゆうろう」に改名しました。
好きな監督は北野武、クリント・イーストウッド、宮崎駿、石井聡互、黒澤明など。


よろしくお願いします。

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61.  小さいおうち 《ネタバレ》 
この「小さいおうち」に戦前戦中の日本の空気(当然私は知らないですけども)がギューと詰まってるような話ですね。日本自体が「小さいおうち」だったのかな。「女中を奴隷みたいに見られちゃかなわない」「戦前は今の人が思うような暗い時代じゃなかった」というような話は、戦後生まれの若い監督があまり描かなそうな話で新鮮でした。最後に家が破壊されるシーンを直接的に見せてるのも(ちょっとチープだったけど)「オワッ」となりました。とはいえ、妻夫木演じる健史がヒドい。監督にとって都合がいいだけの人物。歴史にある程度詳しかったり、「誤字なおしてあげるよ」なんて言うもんだから、てっきり出版関係の仕事をしてると思い込んでました。全然違うでやんの。恋人も現代とは思えない人物。チャチャラした奴らじゃこの映画には合わないかもしれないけど、まるで時空の歪みを見てるようでした。
[映画館(邦画)] 6点(2014-02-05 10:11:36)
62.  ウルフ・オブ・ウォールストリート 《ネタバレ》 
落語家の桂枝雀は創作落語「茶漬け閻魔」の中で、「無限地獄というのは、いつもドンチャン騒ぎをしていて一見楽しそうに見える。鬼は金で買収され、針山はゴルフ場に、血の池には屋形船、熱湯地獄には温泉旅館が立ち並んでいる。けれど、昨日より今日、今日より明日と、永遠に楽しいもの、面白いものを追い求めて片時も休むことができない場所だ」と表現していました(つまりこの世ってことですね)。この映画はまさにそんな無限地獄に放り込まれた気分になる作品です。最初はあまりに下品な酒池肉林ぶりに唖然としましたが、すぐに馴れて(?)映画館で何度も爆笑してしまいました。けど、さすがに上映時間3時間。「一体このバカ騒ぎはいつまで続くんだw」と思った瞬間寒気が。「これ、永遠に続くんだ・・・」と思うとゾゾゾとします。商業映画だから、しょうがなく3時間で終わらせて「あげた」映画であって、3時間「も」ある映画ではない。ほっといたらいつまでも続きます。短編映画ですよコレ(笑)。「タクシードライバー」や「キングオブコメディ」のように先に突き抜けて行くようなラスト展開も印象的。ネジが一回転するのと同じで、決して後戻りすること無く1周回って新たなステージに突入。もっと奥に、もっと大きな渦を作っていきます。そして多かれ少なかれ、皆その渦からは逃れられない。まさに無限地獄。寅さんの「鉛筆を売るための人情に訴える話術」も、ジョーダンは待ってくれなさそうです。
[映画館(字幕)] 9点(2014-02-03 00:43:21)(良:3票)
63.  ファミリー・ツリー 《ネタバレ》 
奥さんが植物状態になったことを切っ掛けに、今までよりも家族や親戚に向き合わなければいけなくなったジョージ・クルーニー。次女に朝食を作っても、「卵嫌いなんだけど」と突っ返される。長女に「卵好きか?」と聞くと無言で拒絶される。このときの長女の表情。「このオッサンわかってねえなあ!」という絶妙な表情がいいですね。劇的な事件ではなく、こういうほんの些細なところで決別しそうになるのはリアルだなあと思いました。奥さんの不倫が発覚した後のクルーニーの疾走は地味ながらも見せ場です。サンダルをつっかてドタバタ走る姿はもはや立派なコメディ。「人生はヨリでみると悲劇だが、ヒキでみると喜劇だ」とはよく言ったものです。ただガムシャラに、理由もなく全力疾走させて感動させようとするア邦画よりも、よっぽど切実な走り。終盤、義理の両親が訪ねてくる場面も良かったなあ。辛く当たりながらも哀しみを見せる義父はもちろん、前半ちゃらんぽらんだったボーイフレンドも、なにげに成長してるのが感じられました。最近、シリアスになりそうな題材を、軽妙なコメディタッチで描く映画が増えましたね。遺産相続や家族の死など、形は違えど、多かれ少なかれ誰にでもやってくる問題だからでしょうか。中途半端にシリアスにすると「こんなのウソじゃん」とバレちゃうんでしょうね。
[映画館(字幕)] 8点(2014-01-31 10:25:52)(良:1票)
64.  プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命 《ネタバレ》 
確かに自分も第一幕が一番面白かったですかね。普通の映画は事件が終わるか主人公が死ぬか、などで終わるもの。けれど、現実だったら終わることなく「その後」が続いていくわけで、普通だったら描かれない「その後」のお話と思えば面白かったです。ジェイソンと養父が実父のことを思い出しながら、ダースベイダーのセリフを言っておどけるシーンが好きです(ある意味スターウォーズのような大河ドラマだしね)。そしてこのシーンで、ジェイソンが無意識にアイスクリームを食べていたのが、見てて凄く嬉しかったです。赤ちゃんのときに実父からアイスクリームを食べさせてもらったときのことがフラッシュバックします。本人は気づいてないけれど。こういう一風変わったスタイルの映画なければ味わえない瞬間だったと思います。
[映画館(字幕)] 7点(2014-01-31 10:16:20)(良:2票)
65.  黒執事 《ネタバレ》 
よくも悪くも、見てくれだけをこだわった映画だと感じました。ただ何となく「◯◯っぽい映画にしたい」という気分だけで作られてると思います。冒頭の未来都市の全景や齋藤智裕のアクションはオオッと思いましたが、それ以降の描写は中途半端なものばかり。「ダークナイトっぽい」「ミステリーっぽい」「潜入捜査モノっぽい」「アクションが凄いだけじゃなく中身も深いっぽい」というような、作り手のぼんやりした願望だけがスクリーンに映っていました。具体的なディティールを疎かにし過ぎです。「ガッチャマン」よりはマシですが、作り手のスピリッツは似たようなものだろうと邪推してます。「性差や出生の違いによる抑圧」、「自分を犠牲にしても見ず知らずの他人を助けることができるか?」という題材、「敵もまた自分と同じように復讐が目的だった」という真相など、テーマ的には面白いと思えたので、ディティールにこだわる演出家が作っていたらもっと面白かっただろうな、と思います。うーむ惜しい。もはや話の繋がりもグダグダになってしまったクライマックス。なんとなく工場に入り込んでバトルになる展開は笑っちゃいました。それ、シュワちゃんとかスタローンの映画で散々やってきたことじゃ~ん。プロデューサーはインタビューで「ダークナイトを目指した」と言ってたけど、そこを真似するならラストバトルは「主要登場人物たちにとっての因縁の場所」で良かったんじゃないでしょうか。少なくともどこにあるのかよくわからん工場よりは・・・。「ダークナイト」を目指したはずが、 結果的に「エクスペンダブルズ」に近づいてるのは「んも~お茶目~」とか思っちゃいました。
[映画館(邦画)] 4点(2014-01-28 03:16:19)
66.  大脱出(2013) 《ネタバレ》 
二大アクションスター最強タッグが挑む脱獄アクション!・・・なのだけど、あまりに大味すぎて、ちょっぴり期待を外してしまいました・・・。「単純に楽しめばいいのであって、細かいディティールにツッコミを入れるのは野暮」という意見もあると思います。けど、かつて夢中で見た彼らの作品が大味なだけの映画だったかというと、そんなことないだろうと思うわけです。「ターミネーター」や「プレデター」が、銃をブぱなす爆破モリモリなだけの映画だったか!?「ロッキー」が単純なスポ根青春映画だったか!?否!断じて否!!と思っちゃうわけです。排水溝の渦巻きから刑務所の位置を推測したり(実際には無理らしいですが)、ありものの道具で六分儀を作ったり、そういうディティールは面白かったけれど、ああいう小ネタももっと楽しみたかったなあ。「96時間」シリーズの超絶推理力みたいな感じの(笑)。その積み重ねの末にド派手アクションがあればもっと楽しめたかも。けど、二人にはこれに懲りずに(?)、まだまだ映画作って欲しいですね。「この二人の映画なら、これくらいの出来でも別にいいだろ」とは思いたくないですよ~。
[映画館(字幕)] 5点(2014-01-23 10:21:43)(良:2票)
67.  ハンガー・ゲーム
これぞ正統派駄作。基本的に主人公は”ゲームに参加する”こと以外はすべて受け身で、ただ周囲で起こることをやり過ごしているだけ。すごくつまらなかったです。作り手は主人公に対して自分を投影しているからかもしれませんが、キャラに対して甘過ぎます。作り手こそ「冷酷な支配者」側に立ってストーリーを組み立てないと、こういう話はおもしろくならないですよ。こんなことを思っちゃう自分も、下世話な興奮を求める愚かな観衆側の人間なんですかね。「バトル・ロワイヤル」の盗作かどうかなんてどうでもいいです。作り手がどう弁解しようが、ただ単に1本の作品としてつまらないです。
[ブルーレイ(字幕)] 3点(2014-01-12 23:34:08)(良:1票)
68.  宇宙人ポール
2012年初鑑賞映画。面白かった。幸先のいいスタート。思い返せばありきたりな話運びの映画ですが、なんだろうとても新しいものを観た気分でした。パロディ元の映画を観てなくても楽しめると聞いて観に行きましたが、最低限「未知との遭遇」だけは観ておいたほうがいいでしょう(なんと僕は映画ファンなのに「未知との遭遇」は観ていなかったのだ!)。ところどころ声を出して笑ってしまう場面も多く、とても楽しい映画でした。個人的には、フロントガラスに鳥が衝突して「ワー!!」と驚く宇宙人ポールのリアクションに吹いちゃいました。至って普通のリアクションなんですけど、至って普通のリアクションをする宇宙人なんてあまり観た事がない。
[映画館(字幕)] 8点(2013-12-25 22:48:05)(笑:1票) (良:1票)
69.  劇場版 SPEC~結(クローズ)~ 爻(コウ)ノ篇
「起」で面白い! 「翔」でまあまあ 「天」で微妙~ 「結(前編)」でガッカリ・・・という流れでテンポよく熱は冷めてしまいましたが、ようやく完結まで来ました。CGなどは邦画の中ではすごく頑張ってるほうで見応えありました。合成のクオリティは低かったですが・・・。ただ、内容的にはあとかたづけ感が凄い完結編でした。見てる方もあとかたづけのつもりで見てますけどね。これでよく他の特撮作品を茶化せたものだと思います。もともとあった「SPEC」の面白さ、一体どこに行ってしまったのでせう。この完結編とは違った可能性を求めずにはおれません。残念! 
[映画館(邦画)] 3点(2013-12-24 18:22:34)(良:1票)
70.  クロユリ団地
前半は結講ハラハラドキドキして楽しめたけれど、後半にいくにつれて失笑ポイントが増えて行きビミョーな感じになってしまいました。「いま団地が流行ってるしこれでホラーやればいけるんじゃね?」的な安直さも同時に感じてイヤーな気分になってしまいました。秋元康企画のホラーってそういうの多いような気がする。後半は2ちゃんの「死ぬ程洒落にならない怖い話」でよくあるパターンで、ガッカリは頂点に。やはり寺生まれのTさんがいないとダメだな。改めてそう思った。
[映画館(字幕)] 3点(2013-12-24 09:43:22)
71.  麦子さんと 《ネタバレ》 
ザ・親子モノ映画。ビックリするくらいベタなお話ですが、丁寧に作られているからか見応えはありました。三丁目のイメージしかなかった堀北真希の新たな一面も見ることができました。自分も思春期の頃、大げんかして親を突き飛ばしたことがあるので、かなり身に染みます。スミマセン。母と「面会」するために病院を訪れる場面も切なくなります。「病気の宣告を受けるのかな?」と思っていたら、あれよあれよと1カットの内に雰囲気が変わって行って・・・。結末は知ってるはずなのに意外な急展開でした。けど、監督過去作の「さんかく」や「馬車馬さんとビックマウス」がとても面白かったので、それらと比べるとちょっと物足りなかったかな・・・。画面の端々に悪ふざけ演出をちょくちょく入れてくるけれど、本作では無くても良かったと思います(ファミレスで同じメニューを2つ食べてる男とか・・・)
[映画館(邦画)] 6点(2013-12-23 21:26:30)
72.  プレーンズ
「カーズ」の飛行機版姉妹編。ピクサーは王道でありながら変化球も出すのが得意なスタジオだと思いますが、本作は製作体制が変わりディズニートゥーン・スタジオズになりました。そのためか、王道ド直球の子供向け作品になっています。CGの作り込みも「カーズ」ほどではありません。だからと言って悪いとは思わないんですけどね。今までのピクサー作品の完成度を期待して大人が見ると物足りないかもしれません。元はビデオ限定作品だったようだし。映画を見る前は「また落ちこぼれが主人公かよ。落ちこぼれなら客が感情移入すると思ってんのかね。なめられたものよ!」と斜に構えていました。いやー大人げなかったですね(汗)。個人的には、カーズの世界とのクロスオーバーがもっとあれば良かったのになあ、と思います。この世界での飛行機と車の立ち居位置の違いが描けていたらなあ、と。そうするとまた話が複雑になっちゃいますかね。
[映画館(吹替)] 6点(2013-12-22 22:55:34)
73.  スティーブ・ジョブズ(2013)
良くも悪くも(?)世界を変えたスティーブ・ジョブズの伝記映画。「サラッとひと通り押さえておきました」といった感じの映画で、個人的には物足りなかったです。ミーティングで妥協案を出したスタッフに対して「全部最優先事項だバカヤロー!てめえクビだ!」と怒鳴る場面は見せ場の一つ。けれど、物作りの現場でこれくらいのことを言う人はザラにいるので、他の人とは違うジョブスの凄さみたいなものは分かりづらかった・・・。会社の規模が大きくなってもそのスピリッツをなくさなかったところ?自分がコンピューターにそれほど詳しくないからかな。  振り切って作られていた「ソーシャルネットワーク」とか、エキセントリックな人物をきっちり描くデビッド・O・ラッセルの作品の方が個人的には好きです(単純なやつだなあ)。  とはいえ、驚いたのは映画本編よりも映画が終ったあと。時間を見るためにポケットから携帯を出したらそれがiPhoneだったことの衝撃(笑)。うおっ、こんなところにあるじゃないですかジョブズさん。ガレージで手作りから始めた人の作った製品が、地球の裏側にいる自分のポケットに入っているのは素直に凄いと思いました。 
[映画館(字幕)] 5点(2013-12-21 10:50:21)
74.  しあわせのパン
むむむ・・・。全編「ステキ」なものがいっぱい詰まった映画。ビニール袋に入ったコンビニパンとは違う、手作りのパン。お店に置いてある小物も大量生産品とは違います。・・・けれど、映画自体は全く「ステキ」とは感じられませんでした。画面に映っている物は手作りかもしれないけれど、映画そのものは過去作品のフォーマットにのっとった「規格品」です。問題を抱えた人たちに料理を振るまい、まるでベルトコンベアーみたく順番に悩みを片付けていきます。映像もまるでカタログを見ているようでした。「ステキ」なものにケチをつけるのは心苦しく、「あれ、オレの心も荒れているのカナ?」とも感じます。とはいえ、コンビニやココイチや松屋のローテーションで生きている私の心は「規格品の映画」では癒やせそうにないです。
[DVD(字幕)] 4点(2013-12-20 01:39:03)
75.  哀しき獣 《ネタバレ》 
他の方も書かれてますが、この映画の見所はなんといっても悪役・ミョン社長!社長と名のつくボスのくせに、主人公を仕留めるためなら海には飛び込むわトラックには飛び乗るわ、やりたい放題の実力派です。斧や骨で敵をボコボコにする姿はもはや原始人。彼だけでも見る価値ありです。ただ、映画全体は内容の割に長過ぎて、終盤はダレてしまいました。トラック横転シーンなどは「ダークナイト」ばりの迫力があるんですけど、その後のカーチェイスは悪い意味でやり過ぎ。逆に陳腐になってしまったと思います(TAXi2みたいなんだモン)。雑居ビルの監視→他の殺し屋と遭遇→逃亡!という流れの場面はとても丁寧で見応えがあったので、ああいう雰囲気で発展していくお話のほうが個人的には好みでした。不満なところもあるものの、それでも韓国映画の絵作りは充実してますねえ。
[DVD(字幕)] 6点(2013-12-19 01:13:56)
76.  ゼロ・グラビティ 《ネタバレ》 
衝撃的なまでに面白い映画です。見ている最中、本当に手に汗握り「頑張れ!負けるな!そこ!そこそこそこ!よーし、よーし、よしっ!しゃーッいけー!!!!」とアホみたいに興奮しっぱなしでした。主人公たちの役者もそれぞれ素晴らしく、彼ら以外では考えられないはまりっぷりです。本物の宇宙飛行士ならもっと冷静さを保てるのかもしれませんが、サンドラ・ブロックは弱さを抱えながらも奮闘する姿を好演していました。ジョージ・クルーニーも、「生き残る可能性はまだあるはずだ!」と信じさせてくれる存在感を、説得力を持って放っています。たとえそれがほんの一瞬でもです。なにか具体的に状況が改善されたわけでもないけれど、その「ほんの一瞬の希望」があるのとないのとで運命は大きく変わってしまうのでしょう。徹底的に「無」の世界を描くことで、クライマックスで描かれる生命讃歌に震えました。個人的には、同時期に公開された「かぐや姫の物語」と対をなす作品です。 上映時間もたったの91分。ええッ!?2時間半以上はあると思ってました(もちろん良い意味で)。近年なかなか味わえない映画体験でした。
[映画館(字幕)] 9点(2013-12-16 17:57:56)(良:2票)
77.  旅する映写機
デジタル上映の普及で失われつつある「フィルム映写機」を追ったドキュメンタリー。以前ミニシアターで働く映写技師さんから話を聞いたことがあるけれど、「ちゃんとやって当たり前で、誰からも褒められることのない仕事」と、ハニカミながらも笑顔で教えてくれたのが印象に残っています。たまにはこういう裏側にスポットあててみるのもいいですね。映写機が色んな事情で人から人へ渡っていく中で、ソーシャルネットワークならぬ映写機ネットワークが広がっていきます。映画の中で、「お客さんは減ったけど、ホームシアターを家に作るのはみんな映画館が特別な場所だと感じているからだ」というタッフさんの言葉にも目からウロコ。コスパだの原価だのが云々かんぬんされがちな今、効率だけでは得られない映画館の魅力を再発見できる作品です。中盤と最後に登場する大心劇場はもはや驚愕の域。北野武の短編「素晴らしき休日」で登場した映画館を地でいくような場所。シネコンの設備であーだこーだ言ってる人がセレブに見えます。もはや映写機がメインの話じゃなくなっていきましたが(笑)、映写機だけあってもしょうがない、映画を作る人、見る人、見る場所、そして見せる人を繋ぐ存在だと思います。この先フィルム映写機がいつまで使われるか分からないけれど、そこで働く人々からは悲壮感など微塵も感じず、「映画を楽しみつくしてやろう」という気分になる作品でした。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-16 11:24:55)
78.  四十九日のレシピ 《ネタバレ》 
料理を題材にした映画があまり好きではないので(その割に見るけど)最初はどうかなと思ってたんですが、凄く良かったです。料理はあくまで小道具の要素の一つだったので、邪念を捨てて見る事ができました。登場人物がそれぞれ魅力もあれば欠点もあって、一喜一憂しながら堪能できます。劇中で出てくる川や橋の存在感も絶妙。登場人物たちを見守っているようにも見えるし、狭く閉じこもった場所として蓋をしているようにも見える。不思議な空間が出来上がっていました。脇役たちもみんな魅力的。料理だけでなく生活の知恵、そいて生きていくために大切なことを、子供だろうが身内だろうが赤の他人だろうが関係なく”伝えていく”ことの素晴らしさ(そして厳しさ)。それが些細なことでも、いずれは大きなうねりになって、いつかは地球の裏側にだって届くのだ!と本気で信じさせてくれる映画でした。単純なハッピーエンドではない結末ですが、彼らが過ごした四十九日がその後の人生の力になるはずだと思うと希望が沸いてきます。
[映画館(邦画)] 8点(2013-12-14 21:42:25)
79.  マッキー 《ネタバレ》 
恋敵に殺された青年が、ハエに転生しての復讐劇。「マッキ マッキ マッキー♪」のテーマソングは一度聴いたら忘れられません。映画館を出た後もしばらく脳内で鳴り響いてました。「お前を殺す♪」と、歌詞の物騒さもギャップがあります。日本でも「お盆になるとご先祖様が虫に乗って帰ってくるから殺しちゃダメ」という話がありますね(地域による)。仏教誕生の地とはいえ、輪廻転生をここまでのギャグ映画にしてしまうとは恐れ入ります。小学生みたいな発想が楽しい。けど、恋敵も相当悪いんですが、後半にいくつれて復讐のやり方があまりにエスカレートして若干引いてしまいました(笑)。ラストも、転生を続けて恋人を守り続ける主人公。やっぱり最後はちゃんと成仏して欲しい。彼女が納得してるならいいんだけど、これだと一生人間の男と付き合わず、ハエにたかられる人生ですよ(汗)。
[映画館(字幕)] 6点(2013-12-12 10:03:27)(良:2票)
80.  クロニクル
最初は「またこの手のPOV映画かあ」などとナメていましたが、実際に見てみたらとてもフレッシュな作品でした。最初は超能力で無邪気に遊ぶ姿が続いて、「羨ましい!自分もあんな風に遊んでみたい」と呑気に思っていたのに、次第にエスカレートしていく様は凄くゾワゾワさせられました。銃乱射事件や通り魔殺人事件などを起こしてしまう青年たちの感情を追体験する感じかもしれません。役者の演技も見事で、1カット内で喜怒哀楽の感情変化を見事に演じきっていました。CGを使いまくった作品だけど、役者にとってもやりがいのある作品だったでしょうね。演出による感情表現も面白いです。よくある演出だと「悲しいシーンは雨を降らせる」のが定番です。対して本作では、不良にブッカケられたビールがレンズにビチャ~と付いたりします。このシーンは主人公の惨めさ倍増。足下の水たまりがズズズと移動していくシーンも良かったです。「よくある演出」をこの作品に合った形で駆使しているのがフレッシュさの由縁でしょうか。展開に合わせてカメラワークの視線が変化していくのも印象的。とくに、ベッドに寝ている主人公が、超能力でカメラをフワ~ッと持ち上げていくシーン。技術的には凄くもなんともないんですが、今までに観たことも感じたこともない感覚がするシーンです。こんな映像は初めて観ました。まだまだ発見されていない映像や演出があるんですね~。
[映画館(字幕)] 7点(2013-12-12 00:40:07)(良:1票)
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