61. モンスター(2003)
《ネタバレ》 なぜ、アイリーン役がシャーリーズ・セロンなのか。実際のアイリーンが綺麗じゃないなら、特殊メイクをほどこしてまでシャーリーズを起用する理由がないじゃないか。宣伝のためにシャーリーズを起用したんじゃないか…など、色々意見はあるようですが、どうも(推測ですが)シャーリーズの生い立ちがアイリーンと重なるところがあることが関係しているのではないでしょうか。 ~(以下、Wikipediaより)1975年、南アフリカ郊外ベノニで道路建設会社を経営していたフランス系の父親チャールズと、ドイツ系の母親ゲルダの間に一人娘として生まれる。一家は幼い頃からアルコール依存症の父親による家庭内暴力に悩まされていた。シャーリーズが15歳の頃、晩に酔って帰ってきた父親に暴力を振るわれ、娘の命の危険を感じた母親が父親を射殺してしまうという事件が起きる(母親に対しては、正当防衛が認められた)。~ 似たような過去を持つ二人だが、シャーリーズはアイリーンが夢見ていたスターという光の道を手にする。対照的に、暗闇へと落ちていったアイリーン。一歩間違えたら、この二人は逆だったのかもしれない…。そう考えると、現実というのは本当に妄想とは違うと感じる。そんな過去を持つアイリーンだからこそ、シャーリーズはこの役を引き受けたのではないかと思うし、素晴らしい演技ができたのではないか。そして、ラストの電話越しでのセルビーとの会話、裁判所でのセルビーの表情があまりにも印象的。最後まで、セルビーを愛し続け擁護したアイリーンと、自らの幸せのため保身を考えたセルビー。セルビーはもともと、幸せになりたいと思っていただけだし、そういった意味でもやはり純粋だったのかもしれませんが…本当のモンスターはこの純粋さかもしれません。 [DVD(字幕)] 6点(2007-05-13 18:14:29)(良:1票) |
62. シャイニング(1980)
《ネタバレ》 名作とも誉れ高い映画にこんな点数は付けたくないのですが、期待しすぎたため辛目の評価に。つまらない訳ではないのだけれでも、ストーリーに入り込めないのが残念。ダニーはシャイニング(超能力)の持ち主というのだが、本編のどの辺りにその設定が生かされているのか?ストーリーは、終始ジャックとウェンディのやり取りがメインで、ダニーは逃げているだけ(もしくは未来や過去を見て怖がっているだけ)。「REDRUM」のくだりは面白くて、よくできているなとは思ったけれども、ただそれだけ。ジャックがどうしておかしくなってしまったのかも、本編を見ただけではどうもよくわからない。黒人の料理人も車届けただけで、一瞬で死亡。家族の危機を察知しただけで、シャイニングはほとんど役に立っていない…などなど、色々考えていたら終わってしまった感じ。あと、記録的な大雪ということらしいが、外の雪少なすぎ。雪山で生活したことがあるからわかるが、そんなに雪が降ったらあんな外をサクサク走れるわけがない。迷路の所も全部整備してたのか(そんなわけない)!?リアリティに欠けるし、怖さもあまりない。画面の構図や色彩、音響など、センスを感じさせるところはあれど、ブランドネームと世間の評判だけで高い点数は付けることは残念ながらできません。ジャック・ニコルソンの気持ち悪さに免じて、5点献上です(本当は4点にしようとしました)。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-30 18:20:10) |
63. ミニミニ大作戦(2003)
娯楽映画として観る分には及第点。導入部から引き込まれる展開で、見所も随所にちりばめられている。カーアクションもそれなりに楽しい。が、言ってしまえばそれだけ。ありがちな展開で、オチも弱い。この映画ならではの「コレ!!」といった見所がないのが残念。あえて言えば、ミニなのだろうが、それも何か商業的な匂いがしてしまうのは否めない。 [地上波(吹替)] 6点(2007-04-25 16:21:44) |
64. シュレック2
俺も仕事探さないと… [DVD(吹替)] 6点(2007-04-24 17:57:36)(笑:1票) |
65. サイコ(1960)
《ネタバレ》 まず、今から半世紀近く前にこのストーリー・構成を考え、映画化したことに賞賛。近年の映画は、構成を練りすぎて見ていて最初「??」となることが多い。例えば、時間軸をずらしたり、登場人物が複雑に絡み合っていたり。それはそれで面白いし、嫌いではないのだが、今作を観るとシンプルな方がよりストーリーに引き込まれ、臨場感が増す感じもした。エンディングありきのストーリーではなく、ストーリーを追ったあげくのエンディングといった感じがして、好感度も高い。先にシンプルとは言ったものの、途中、2転3転する流れは素晴らしいものがあり、今見ても全く色褪せない。マリオンが失踪する車の中で、会社の社長や取引相手の映像はあえて見せず、会話だけ(まるでマリオンが想像しているかのように)はめ込んだのは見事。効果音もシンプルながら、上手く観る側の恐怖心を刺激する。複雑になりすぎた近年の映画に食傷気味の方には是非お薦めです。 [DVD(字幕)] 8点(2007-04-21 21:26:11)(良:1票) |
66. セルラー
《ネタバレ》 面白いんだけど、面白くない…というよりも感情移入できないから、入り込めない。そんな映画。ライアンは「自分勝手で無責任な男」という設定。本人はもうその性格は改善したからと言っているが、そんな性格そう簡単に直るものじゃない。そんなガキんちょが、誘拐事件の電話に命を懸けて必死になるだろうか。見ず知らずの人からの電話を信じるだろうか。自分の大切な用事をフイにしてまで、懸命になるだろうか。まず、そこが気になってしまったので見ていてどうもしらけてしまった。ライアンのそういった悪い性格が直ったということを、この事件を通して恋人(観客)に見せしめている…と考えれば、納得はいかないものの、まぁ…といった感じ(でも、相当責任感の強い人でも普通あそこまでできないだろ…ライアン変わりすぎ)。他のツッコミどころも満載で、サスペンス…というかちょっとコメディにも見えたのが痛い。子供だましの展開があまりにも多すぎ。ベテランの刑事(しかも複数)があんな素人のガキの思うがまま振り回されるのか?誘拐する前に部屋にある電話くらいチェックしとけば?誘拐したなら手足ぐらい縛れば?ライアンは他の警察署によるなり、いくらでも助けを呼べたのでは?人が大勢いる空港であんなに迷いなく見つけられる(しかも、本物もすぐ近くにいるし)?27年間何もなかった刑事にしては実践の銃のさばきなどスゴイな(金魚蜂倒したり、飛びながら打ったり)?ポルシェから金貰いすぎじゃね?…などと、天邪鬼な考えがなくシンプルに映画を観れる人の方が楽しめる映画ですww [DVD(字幕)] 6点(2007-04-15 18:12:15) |
67. ティム・バートンのコープスブライド
《ネタバレ》 うぅ~ん、皆さん高評価ですが…ちょっと期待しすぎたかな(汗)。もちろん映像は綺麗だったし、音楽もよかったのですがストーリーとして見入る部分があまりなかったのが残念。ヴィクターとヴィクトリアが何故、あそこまで惹かれあってるのかもよくわからなかったのが辛い。上映時間もそれほど長くないのだから、もう少しそのあたりを練りこんだ方がよかったのでは。 [DVD(字幕)] 5点(2007-04-08 18:09:46) |
68. バタフライ・エフェクト/劇場公開版
《ネタバレ》 鑑賞中は、さらにもっとバッドなエンディングを想像してました。過去に戻れば戻るほど現実は悪い方向に進み、最終的にエヴァンが過去に戻りすぎて死んでしまう…みたいな(過去に戻ることは命を削っている感じがしたので=鼻血がいっぱい出ていたのでw)。その想像したエンディングと比べれば幾分かハッピーなエンディングなのですが、ちょっと弱い…というか中途半端な終わり方に感じました。エンディングの手前までは、もうドロドロで怖くなるくらい不幸な話でしたが、最後だけラブコメっぽく終わってちょっと違和感がありました。どうせなら、ホントに僕が想像したような最後まで胸糞悪い(失礼w)終わり方で、人間の人生は変えられないし、過去は変えてはいけないものなんだぞ!って方がしっくりくるような気がしますが…どうでしょう(その考えだとこの映画の根幹にある「蝶の羽ばたきのような些細な事象でも台風を引き起こす…云々」っていう部分とちょっと矛盾はしちゃう気もしますが)。…まぁ、などなど難癖を付けてみましたが、ストーリーはテンポ良く引き込まれましたので8点献上します! [DVD(字幕)] 8点(2007-04-05 02:32:58) |
69. ソウ3
《ネタバレ》 前作までの「痛い・怖い」グロさに、「気持ち悪い」グロさが加わった今作。まず映像的にちょっとやりすぎでは…。たぶん、大多数の方が直視できなかったであろうシーンが手術のシーン。あそこまで、細かくリアルにさらに長々とアップで撮る必要があったであろうか。もっと間接的に撮ろうと思えばいくらでもできるはず。リアリティを強調したい気持ちはわかるが、さすがにキツイ。あと、(相変わらずだが)殺人の動機があまりにも身勝手すぎる(殺人はしていないとジグソウは言うが)。一番思ったのが、事故現場の証言をしなかった女性が死ぬシーン。確かに、証言をしなかったことは悪いが、そこまで悪いのか。そんなんで殺されたたら、極端に言えば万引きしたら死刑みたいなものだぞ。まさにジグソウのゲームの被害者だ。ストーリーとしては、アマンダが試されている感じが中盤以降、なんとなくわかったがそれを差し引いても、とても良く出来ている。今作のスゴイところは、続編にもかかわらずストーリーに付け足し感は全くなく、1から3まで一貫して物語が出来上がっていることだ。失敗する続編物が多い映画界で、スゴイことだと思う。あと、1のゲームの仕込みのシーンがあったが、ああいった映像は面白いとは思うのだが、実際は余計。あんな、ジグソウ達があんな感じで普通に仕込みをしているのを見たら若干興ざめしてしまう。…とは言っても、ちょっと嬉しかったけどねww [DVD(字幕)] 7点(2006-12-27 02:42:13)(良:1票) |
70. DEATH NOTE デスノート(2006)
《ネタバレ》 これは原作を知らない方が楽しめる気がします…。原作に思い入れがあればあるほど、ガックリ度は高いと思う。この映画の一番ダメダメなところは、残念ながらキャストかと。はっきり言ってしまえばミスキャスト。藤原竜也(夜神月)→正直言って、あまり頭が良さそうに見えない。あと失礼かもしれないが、字が乱雑すぎ。(原作の)ライトはもっと几帳面にノートに記しているはず。松山ケンイチ(L)→なんか、演技をしてます!!って感じで、自然なLの雰囲気がない。戸田恵梨香(弥海砂)→しっかり者の優等生って印象。ミサミサはもっとバカちんなキャラのはず。鹿賀丈史(夜神総一郎)→とりあえず、メガネは頼むよ(伊達でもいいから)。映画は忠実に原作どおりでなくてはいけないということは全くないが、例えばライトのノートへの書き方にしても、ライトの潔癖と思えるくらいの完璧主義、几帳面さ、そして清潔感を表していると思うが、それが映画では全く感じられない。こんな乱雑にノートに書く男が、全国模試で1位、そして世界の名探偵と先の先のさらに先を読みあうような頭脳戦を繰り広げられるのか?などと思ってしまう。これは結構致命的な気がする。そして、ライトの「新世界の神になる」という信念に関しても映画ではあまりにも弱い。原作ではそれこそ、その目標を達成するためには、恋人、知り合い、間接的には親ですらその手にかける。一寸の迷いもなく、それは人間とは思えぬ冷酷さを伴う。しかし、映画版では恋人をその手にかけながらも、迷い、そして弱さを感じる。それはそのバックグラウンドが映画で描ききれていないことも少なからず関連している気がする。ただ、本当に“あえて”映画でのライトをそうしている(人間味のあるキャラづけ)のであれば映画版のラストは、原作よりももう一歩、ライトよりの終わり方になる気がする。 [地上波(邦画)] 2点(2006-10-28 00:22:55)(良:1票) |
71. キンキーブーツ
《ネタバレ》 どうしても見たくて横浜まで行っちゃいました(千葉在住)!行くだけの価値がある、佳作でした。最初の二人の出会いのシーンが、ラストに引用されるところなんて鳥肌もの!もっとおバカな感じの映画かと思ったら、結構マジメでいい意味で裏切られました!映像や音楽も秀逸!唯一、話の展開があまりにも急過ぎて、「ん?」と思うところもありましたが(父親が亡くなるところや、最後のキスシーンなど…)、2時間という枠の中に収めるには仕方なかったのかなと思います。笑いあり、涙ありの良質な映画なので、近くで上映してたら是非見てみてください☆ [映画館(字幕)] 8点(2006-10-19 17:26:43)(良:1票) |
72. ヒストリー・オブ・バイオレンス
《ネタバレ》 良くも悪くも淡々とした映画に感じた。15禁ということもあって、もっと激しい展開なのかと思いきや、ストーリー自体はあまりバイオレンスでなかった気がする(※映像としてバイオレンスではあったが)。トムは記憶を失くしてしまっているんだろう、と思いきや、実際はもう一人の自分を隠していたというのには驚いた。息子に「暴力で物事を解決しようとするな」と諭していたのも、今思うと真実への伏線だったのだと思われる。惜しむべくは、その真実をあまりにもあっさり妻に自白してしまうこと。もっと掘り下げてトムのヒストリーを描写して欲しかった。なぜジョーイという人格を殺したのか、とても残忍であった過去からどうやって現在のような温和な性格になれたのか…など、いまいち納得のいかない部分がある。話変わって、ラストのシーンはとても印象的。娘が皿を出し、息子は食事を差し出し、妻は指輪をつけて最後にトムと向き合う。トムはもちろん、私たちにも何も語らずとも、伝えたいことがわかる。この映画のキーワードの一つであろう「真実」は、間違いなくそこにある、と感じられる終わり方でした。 [映画館(字幕)] 6点(2006-04-09 12:36:07)(良:1票) |
73. ソウ2
《ネタバレ》 前作は0点(点数が付けられなくて0点。中身は8点。なんでソウが0点なんだー!?と思われた方はレビューを参照下さい)、今作も同じ観点から見れば0点なのだが、それでは面白くないので客観的な評価として7点です。導入部から激エグイシーン!途中も生きたまま焼かれたり、注射器の穴に落とされたり…と男性でも目を覆いたくなるような映画です。DVDでは、出演者も一緒になりアイディアを出し合って、みんなで創りあげた映画と言っておりました。うん、楽しかったよ、確かに。二転三転する巧みなストーリー、ジグソウの圧倒的な存在感、息もつかせぬ恐怖の連続、そして驚くべきラスト。面白くない訳がない。しかし、所詮はただの復讐劇。ただでさえ、悪いニュースが飛び交うべき今日、この映画を通して社会に悪影響がないのか…。共感できる部分がたしかに存在する。だからこそ心配です。冤罪で刑務所にぶち込まれた。だから、その刑事を絶望のどん底に…気持ちはわかりますが、それで復讐者が勝ってしまうのだからタチが悪い。やはり、前作同様、後味は最低レベル。唯一、心に残ったのは、「人間は生きている間、ほとんど時間を気にしない。しかし、死を宣告されるとすべてが変わる」というセリフ。死を意識することは難しいが、いつか終わるであろう自分の人生、無駄にしないようにと感じました。 (おまけ) ちょっと重い内容のレビューになったので、最後に一言。ソウ3はやめとけ!マジで!前作・今作とも、出来も評判もいいんだから、これでやめとけ。アマンダじゃ厳しいって、正味な話。ドラゴンボールだってそうだろ。天下一武道会でマジュニアに勝って、亀仙人が「もうちょっとだけ続くぞ」って言って、サイヤ人編。ここまでは面白かったんだって。でも、引っ張ってセル編までいったら、コケただろ。その先、ブウ編なんて大コケじゃないか。評判いいとこでやめとけな、マジで。 [DVD(字幕)] 7点(2006-03-26 16:11:15)(笑:1票) |
74. キル・ビル Vol.2
《ネタバレ》 前作よりかなりまとまった展開で、ツッコミどころも少なめでした。前作でナゾだった部分も紐解かれ、安心して見れました。カメラワークや色彩などの秀逸さは、他に類を見ないほどのクオリティです。ユマ・サーマンの演技力もたいしたもの。しかし、「トラ鶴拳法」(?)の間抜けさには、ちょっと笑ってしまいましたw僕にとって、「北斗の拳」と「ベストキッド」を思い出させてくれる映画だったということは付け加えておきます。 [DVD(字幕)] 6点(2006-02-28 18:06:48) |
75. フル・モンティ
《ネタバレ》 笑いと涙を斬新な設定で、暗くなることなく描いている佳作。現在の日本の不況とハードゲイブーム(w?)もあり、とてもタイムリーな作品でもあったと思う。映像や音楽もGOOD!「芸を極めるのも大変だな」「あいつらはゲイを極めちまったけどな」のセリフに大爆笑!「僕はパパを信じているよ」と100ポンドを投資する子供に大号泣!そして、ラストは面白おかしくハッピーエンド!人生何事も「やる」って気持ちが大事なんだ、と思わせる元気の出る作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2006-01-22 12:17:29) |
76. Mr.&Mrs. スミス
《ネタバレ》 どんな映画?と聞かれたら、「コメディ映画」と答えます。アクション・ストーリー等は突っ込みどころが満載の大味展開なので期待しない方がいいかもしれません。しかし、娯楽映画としては、キャストも華があり展開もわかりやすいため、飽きないで楽しめると思います!ここのレビューを見て「何にも残らない映画」という方が結構いましたが、僕はちょっと思うところがありました。ダンスをしているときや車の中で電話しているとき、ピットは「ハッピーエンドはあるかな?」「クリスマスの朝のような女性だった」と未練たらたらやり直したい的な発言をしますが、逆にアンジーは「そんな終わり方はない」「隠れ蓑には最適な人だった」と任務を遂行するために、自分そして相手のために、唇を噛みしめながら本音とは裏腹なコトバを言い放つ。現代の男女、弱くナヨナヨした男(さすがに、ピットの場合は強い部分も節々で出ていますが)と強く芯の通った女性。さらに、この映画ではあきらかにアンジーの方が殺し屋としても上。実はこの映画、弱くなった世界の男性人への戒め的な映画なのかも知れせん・・・もしかしたらw [映画館(字幕)] 6点(2006-01-15 13:22:37) |
77. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 イーストウッドは悲観論者なのでしょうか。人の死というものを、逆説的に説いている映画が多い気がするのですが、あまりにもツライ話が多い。尊厳死という難しい問題を題材にしているので、賛否両論あるのは当たり前の話であろう。それでも、評価が高いというのは、同意している人が多いからか?それとも、アカデミー賞を受賞したからか?なんにしても、胸が痛くなり考えさせられる映画であるのは間違いない。尊厳死について、話しているレビューが多いですが、僕はそれと同じくらい「人の栄光と挫折」というテーマが重くのしかかってきました。年をとってから夢を追いかけるマギー、わずか数年で頂点まで駆け上がるも、ほんの一回の間違いでずっと床に伏せる体に。人生一寸先は闇とはよく言ったもので、今・現在・一瞬を精一杯生きていかなくてはいけないと感じました。そのマギーとは逆に“唯一心あるボクサー”デンジャー。まさにマギーとは正反対、若く、実力はなく、チャンスもない。しかし、彼は精一杯生き、未来がある。この二人の対比がこの映画のキモなのかもしれません。ヒラリー・スワンクは、よく知らない女優でしたが、素晴らしい演技だったと思います。モーガン・フリーマンは好きな男優だったため、もうちょっとアツイ役柄だったらよかったなぁ、と個人的には思いました。 [DVD(字幕)] 6点(2005-12-20 19:06:47)(良:1票) |
78. 私の頭の中の消しゴム
《ネタバレ》 「どこで泣いてた?」と、一緒に観にいったカノジョに聞かれ「いや、泣いてないよ」をバレバレながらも押し通しましたw。チョルスだって、変わり果てた彼女を見て泣いてた時、サングラスで顔を隠してただろ。男とはそういうものなんです。「ごめんなさい。あなたを傷つける気はないのに、傷つけてしまっている。ごめんなさい・・・本当に愛してるのはチェ・チョルスです。」うぅ、痛いほど悲しい現実に胸が苦しくなりました(泣)。矛盾しているとか、内容が急だとか、お涙頂戴バレバレだとか・・・そんな風に小手先だけで映画は見たくないものです(サスペンスとかだったら話は変わってくると思いますが)。特にこういう恋愛ものは、素直に見るのが映画を楽しむコツなのではないでしょうか。是非、大好きな人と観に行ってほしい映画です。一緒に見る相手によって、感情移入できる部分が全然違うと思います。 [映画館(字幕)] 8点(2005-11-13 16:14:01) |
79. フェイス/オフ
《ネタバレ》 そんじょそこらのホラー映画なんかより、よっぽど怖いと思いました。面会人としてトロイが来た時は、マジ鳥肌ものでしたよ。医学的な突っ込みや、脱走の場面など、ちょっと強引な部分もありましたが、それを差し引いても楽しめるストーリー展開です。主演二人の演技も、おみごとです(アーチャーはニコラスになってから、弱々しくなってちょっと気持ち悪かったけど)!ただ、自分の憎んでいた男の子供を育てるのって、どうなんだろ?確かに、本当の息子に似てカワイイ子だったし、独り身になっちゃったわけだけど・・・ん~。あと、アクションシーン、さすがにちょっと長すぎ。あんだけ銃撃って当たらないのかよ!しかも、やっぱり二人だけ生き残るしw!そこがマイナスでした。 [DVD(字幕)] 8点(2005-11-08 18:16:52) |
80. ミスティック・リバー
《ネタバレ》 久しぶりにとても重厚感のある見ごたえのある映画を見た気がします。2時間強の本編も全く苦にならないほどの緊迫感。役者の演技も真に迫るものがあり素晴らしかったと思います。デイブは100%犯人ではないと序盤からバレバレだったのが少しザンネン、彼を疑いすぎたことが逆に不自然になってしまった気がします。それにしても、ラストのパレードの場面は、最初、とても違和感がありました。普通の映画だったらおそらく最後はジミーが去っていくシーンで終わりだと思うし、僕もそこで映画が終わると思いました。そう思った矢先の、あのシーン。あまりの恐怖に鳥肌がたちました。冤罪のデイブを殺したジミー、子供とともに幸せな夫婦生活を取り戻したショーン、対照的に打ちひしがれたようなセレステ。そんなセレステも子供を見つけると笑顔がこぼれる。とても悲しくもリアルな現実をクリントイーストウッドは伝えようとしたのでしょうか。更に推し進めて、強い人間、長いものにまかれる人間が幸せになる・・・「強者=正義」に限りなく近い理不尽な現実に対しての警鐘としての映画であり、ラストなのであれば、単なるサスペンスではとどまらない、とても意義深い素晴らしい映画だと思います。 [DVD(字幕)] 8点(2005-10-17 23:06:59) |