801. ブレードランナー/ディレクターズカット<最終版>
大昔に見たはずなのに、暗くてジメジメゴミゴミした街+広告スクリーンに登場し続ける和服女性のイメージしか覚えていませんでした。で、久しぶりにこの別版で再見。しかしやっぱり、暗くてジメジメゴミゴミした街+和服女性の描写に目を奪われるばかりで、あまりストーリーについて行けず。Wikiなどで補完して、けっこういい話だったんだと気づいた次第。 出来過ぎ・凝り過ぎのセットが凡庸で退屈な脚本を補うどころか霞ませてしまうという、けっこう奇特な作品なんじゃないでしょうか。雰囲気を楽しめたので十分ですが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-07-21 01:54:23) |
802. 将軍家光の乱心 激突
緒形拳と千葉真一の殺陣はさすが。しかしストーリーとしては幼稚で荒唐無稽なSFという感じ。「必殺仕事人」と「影の軍団」をかき混ぜて大げさにしました的な印象です。こういう時代劇も悪くはありませんが、それなりに名の通った監督とメジャーな役者が真剣に演じているところに、一抹の違和感があります。思いっきり美化して言えば、高級食材を使ったファストフードという感じでしょうか。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2017-07-14 00:14:44) |
803. シティヒート(1984)
何より驚いたのは、豪雨の中、傘をさしながらオープンカー(というか屋根なし車)を運転するシーン。禁酒法時代は、あれが当たり前のスタイルだったんでしょうか。ズブ濡れのシートに腰を下ろすなんて、想像しただけで気持ち悪い。というかもっと知恵を使えよ、と。そういえば2大スターが夢の共演をしているそうです。 [CS・衛星(吹替)] 4点(2017-07-08 15:03:21) |
804. 最前線物語
《ネタバレ》 タイトルと同様、中身も戦争映画にしては地味でした。しかし、それがかえってリアルでいい。幸いにして本物の戦場は知りませんが、緊張あり弛緩あり、だいたいこんな感じだったのかなあという気がします。それに、ラストの皮肉も効いてます。戦闘中か停戦合意かによって、瀕死の敵兵を殺すか救うかが決まる。哀しいような笑えるような。 願わくば、ほぼ同時期に派手で〝スター〟な戦争も疑似体験したマーク・ハミルに、両者の違いを聞いてみたいところです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-04 02:10:57) |
805. 裸の銃を持つ男
アラファトにアミンにカダフィにホメイニにゴルバチョフ…。この冒頭の「反米会議」のシーンだけで大満足。全編を貫く悪ふざけを象徴しています。こういうバカバカしい笑いに徹した映画が作られるあたりに、逆にアメリカ映画界の奥深さを感じます。翻って日本映画の場合、「コメディ」と称される作品もありますが、気の毒なほど笑えないことが多々。文化的にまだ未熟なんですかね。 [インターネット(字幕)] 8点(2017-06-25 01:32:24) |
806. 超高層プロフェッショナル
事件モノでも恋愛モノでもない、ガテンモノという珍しいストーリーですね。アメリカ版「黒部の太陽」といったところでしょうか。中身は単なる予定調和の勧善懲悪モノでしたが。個人的には、ジョージ・ケネディをもう少し見たかった。 本筋とは直接関係ありませんが、登場するたびに変わるヒロインの奇抜な衣装と髪型が、ちょっと鼻につきます。本人が悪いわけではないでしょうが、何か勘違いしているんじゃないかと。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-06-24 14:17:13) |
807. シェフ 三ツ星フードトラック始めました
良かれ悪しかれ一点の曇りもない映画。ストーリーはどうでもよくて、とにかく2人の美人女優さんと、美味そうなファストフードと、友情出演風の大スターを鑑賞できたからokという感じ。いかにも危なっかしそうな顔立ちのレグイザモが、至って普通の善人に徹しているあたり、この作品を象徴していますね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-19 03:30:31)(良:1票) |
808. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
今なら、1・5倍速で見るとちょうどいい感じ。序盤も退屈な人物紹介の部分も駆け足で終わるし、パニックの迫力も増します。おかげで、夢中で見てしまいました。 生死の境を彷徨っている登場人物たちには申し訳ないが、RPGを傍から見ているような気分にさせてくれます。火や水が行く手を阻んだり、いろいろなキャラが適度に勝手な言動をして〝プレーヤー〟を苦しめたり等々、さすがにイベントは盛り沢山です。 それにしても、ジーン・ハックマンはいい役者ですね。ふつうのイケメン俳優がこの役を演じたら、単なるスーパーヒーローものになって面白さは半減していたかもしれません。どこにでもいそうなオッサンが無骨に強気にリーダーシップを発揮するから、つい応援したくなるんです。しかも前年には「フレンチコネクション」、翌年には「スケアクロウ」で主演とか、その役どころの広さにも惚れ惚れします。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2017-06-18 01:43:38) |
809. 天使と悪魔
《ネタバレ》 バラエティ番組の企画、もしくは地方都市の町おこしイベントとして催せばそれなりに人気を博しそうな話です。やたら権威づけたり格調高く見せたり、一方でおどろおどろしい粛清の場面を描いたりしていますが、いずれも滑稽に見えて仕方がありません。不幸にして現実のテロ事件の報道を目の当たりにしている昨今、こんな〝謎解きゲーム〟のようなテロ行為が非現実的であることは、誰の目にも明らかでしょう。 〝ゲーム〟のプレーヤーとして優秀すぎるトム・ハンクスにも、容姿も存在理由も微妙なヒロインにも、何ら魅力を感じられません。ユアン・マクレガーに対しては、久しぶりに仲間由紀恵に「どこまでも手間のかかることを」とツッコミを入れてもらいたいなと。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2017-06-13 01:35:58) |
810. フライト
《ネタバレ》 まったく予想外に、オッパイのアップのシーンから始まります。これは期待できるかなと思ったものの、結果的にはイマイチでした。原因ははっきりしています。実はオッパイの持ち主が物語の重要なカギなのに、冒頭を除いてほとんど描かれなかったから。どういう意図なんでしょうねぇ。 それに、アルコール依存と薬物依存の怖さはよくわかりましたが、かのアメリカにおいて、飛行前のメディカルチェックがないはずはなかろうという気もします。 ただし、インテリ役のドン・チードルはいいヤツでも悪いヤツでもカッコいいですね。これがささやかな救いでした。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-06-12 02:34:25)(良:1票) |
811. 眼下の敵
《ネタバレ》 両論併記的な戦争映画というのは、けっこう珍しいんじゃないでしょうか。しかしそういう構成上、どちらか一方を勝たせるのは難しいわけで、玉虫色の決着にせざるを得なかったのかなという気がします。結局、頭脳戦はなかなか見応えがありましたが、戦争映画というよりスポーツ映画を見ているような感じ。潜水艦モノといえば、個人的には過酷で無慈悲で最後に虚無が待っている「Uボート」のほうが好きです。 それと、他の方も指摘されていますが、やはりドイツ側が流暢な英語を話すのは違和感があります。日本人の役者がふつうに日本語で話しながら、中国人や韓国人を演じるようなものでしょう。リアリティを捨ててわかりやすさを優先したのかもしれませんが、ここに世界に冠たる英語文化圏の傲りを感じます。ときには字幕で映画を見たらどうだと、日本映画以外は字幕に頼らざるを得ない私は思います。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2017-06-10 03:03:49) |
812. ナイル殺人事件(1978)
最初のうちは、バタバタと登場する人物の名前と関係性を把握するだけで手一杯。見覚えのある役者はジョージ・ケネディとオリビア・ハッセーぐらいなので、けっこう焦りました。 で、気づいたら濃いキャラの客たちが絶妙な規模の客船に乗っていたわけですが、いかにも芝居がかっていていい感じ。しばし現実から逃避して、一緒にクルージングを楽しんでいるような気分に浸れます。一連の殺人事件は、濃いキャラ一座による余興といったところでしょうか。 というわけで、エンディングを見ながら久しぶりに一抹の寂しさを覚えました。もう下船させられるのかと。 [CS・衛星(吹替)] 8点(2017-06-07 02:18:24) |
813. ビバリーヒルズ・コップ3
《ネタバレ》 ありきたりのコメディですね。エディ・マーフィーが演じる必然性も、「ビバリーヒルズ」にこだわる理由も見出せません。ストーリーもヒネリのカケラすらありません。銃撃戦で人が片っ端から死んでいくだけ。あんな凄惨な事件現場になった遊園地は、間違いなく閉鎖でしょう。人気を博すとすれば「心霊スポット」として?。というのが日本人の私の感覚ですが、警官の発砲が当たり前な米国では、案外平気なんでしょうか。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2017-06-03 23:52:00) |
814. レッド・オクトーバーを追え!
《ネタバレ》 なかなか傑作。第三次世界大戦の勃発を、たった1人のCIA職員が知力と勇気と勘と体力と人脈力と戦闘力を駆使して阻止したわけで、そりゃないだろうとツッコミを入れつつも、つい雰囲気に飲まれて見入ってしまいました。米艦の艦長が易々と持ち場を離れてソ艦に乗り移り、なぜか航行を指揮してしまうあたり、やはり常に主要スタッフを引き連れて最前線に立ちたがる「スタートレック」のカーク船長を思い起こさせます。ソ艦の副長だけ気の毒でしたが、結局すべてまるっと収まるのも潔いですね。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-06-01 01:09:05) |
815. 大空港
パニックはのんびりまったり進行します。お世辞にも緊張感があるとは言えません。しかし、大活躍するヒーローが不在なところがいい。主役は空港長ということになっていますが、空港でも旅客機内でも職員それぞれが持ち分を全うし、事態に対処していく姿は感動的ですらあります。現実の世の中もこうして回っているんだなあと、トミー・リー・ジョーンズ扮する宇宙人のような気分に浸れました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-29 23:17:33) |
816. 誰が為に鐘は鳴る
《ネタバレ》 狭くて殺伐とした洞窟暮らしの中、美男美女の二人だけ別世界のようにイチャイチャされては、周囲の人間にはたまったものではないでしょう。そのデリカシーのなさから、私は早々にこの作戦の失敗を確信しました。イングリット・バーグマンは言わずと知れた超絶美人さんですが、後半に行くにつれて「ロベ~ルトォ~」と聞くだけで腹が立ってきます。 それにしても、リアル戦時中にこんな甘ったるい戦争映画を作るような国と戦争しちゃいけませんね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2017-05-27 22:50:29) |
817. 裏切りのサーカス
難解と評判の本作、覚悟して見た結果、たしかに難解でした。全シーンの意味を理解できたかどうか、いささか怪しいところ。しかし、一貫して流れる不気味な緊張感と、少しずつ核心に迫っていく静かな高揚感を堪能できれば十分なのかなと。〝敵将〟が最後まで姿を現さないのも、見終わった後から思えば「さすが」という感じです。それにしても、恐ろしい世界ですね。ただし一番理解できなかったのは、主人公が川を泳ぐシーン。何かの訓練なのか、ジョークなのか、例によって何の説明もないため、唖然とするばかりです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-05-23 01:01:16) |
818. 五福星
まったく期待していなかった分、けっこう楽しめました。ゲスト出演風のジャッキー・チェンには役名すら与えられず、出番はそこそこあるものの本筋にほとんど絡まないというのも痛快。振り切ったムダは美しいという感じです。カンフーは控え目、ストーリーも相変わらず大味ながら、笑えればそれでいいということでしょう。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-05-21 00:08:59) |
819. ソードフィッシュ
トラボルタ無双がいい感じ。ここまで徹底的な悪漢だと、むしろ応援したくなります。ご都合主義はこの手の作品に付きものですが、いろいろ楽しませてくれたので問題なし。しかし終盤の「愛国者」だの「対テロ」だのというのは、よくわかりません。カネアが大好きな犯罪者というだけで十分だと思うのですが。 驚いたのは空中のバスがビルに激突するシーン。ちょうど2001年公開とのことですが、テロの前だったのか後だったのか気になるところです。いずれにしても、リアルに見えて迫力がありました。 ただし、ドン・チードルが空回り気味で、捜査官として有能なのか無能なのかさえ判別できない点が残念。 [インターネット(字幕)] 7点(2017-05-16 00:01:01) |
820. スティーブ・ジョブズ(2015)
プレゼン前しか扱わないという切り口も、グチャグチャな時間軸も、早口でまくし立てるセリフ回しも、きわめて技巧的。「どう? 気が利いてるでしょ、アタマいいでしょ」というインテリ臭(またはインテリ・コンプレックス?)が漂います。このあたりは、好き嫌いが分かれるところでしょう。個人的には、少々ツンと来ました。いずれにしても、スティーブ・ジョブズについての予備知識がないと、かなりわかりにくいんじゃないでしょうか。2013年版のほうが、ずっと丁寧で親切でした。 それよりショックだったのは、ファンだったはずのケイト・ウィンスレットが、まったくウィンスレットに見えなかったこと。前半はメガネのせいかと思っていましたが、後半にメガネを外してからも「こんな顔だったっけ?」という感じ。太られたのか、老けられたのか、それとも私の錯覚か。 それはともかく、ジョブズ作品が相次いで2本も作られたわけですが、いずれも描いているのは前半生までです。壮絶な後半生をテーマにした作品も、きっとこれから何本も作られるのでしょう。 [インターネット(字幕)] 6点(2017-05-13 02:04:34) |