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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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801.  チチを撮りに 《ネタバレ》 
高評価が多いので書きにくいが、自分としては引っかかるところがかなりある。 そのうち“父親を恨むかどうか”に関して書くと、まずこの姉妹に恨む気持ちがないならその場でそう答えればいいだけのことで、また仮に恨んでいたとしても、正当な理由があって恨むのは倫理的に悪いこととは思えない。これが劇中の台詞ではいい子悪い子の教育的問題のように聞こえていたのは違和感がある。 また個人的感覚では、他人を恨むこと自体が自分を惨めにするとは思えない。惨めなのは悪いこと全部を他人のせいにして、死ぬまで恨み事を言い続けるタイプの人物だろう。この姉妹が母親から受け継ぐべきものは、要は“人としての矜持”であって、自分の決断の結果を自ら引き受けようとする覚悟なのだろうと思うが、これが劇中では恨むかどうかという現象的なところで止まっていたようでもどかしさを感じた。 以上のほかにも“逃げ道”とか“ユメよりコメ”の件などに関して苦情を言いたい点はある。また全般的に理屈で作った印象が強く、題名の付け方もそうだが、伏線を張りました→回収しました、という関係が線で結んだように見えたりするのも気に障る。 ただ、母子・姉妹の関係を密度濃く描いた映画というのは間違いないと思われる。その濃密さが部外者の立ち入りを拒むように感じたのが自分としては最大の問題点だったのかも知れないが、喧嘩しても甘ったれた感じとかは嫌いでない。バカっていうな、というのを互いに言い合っていたのは理屈っぽさがなくてよかった。  [2017-01-13「湯を沸かすほどの熱い愛」鑑賞記念で追記] “ユメよりコメ”の件に関して、米屋との間で金銭によらず物とサービスを直接交換していたことを匂わせるエピソードが前半にあった。それ自体の是非について自分がどうこう言う立場にはないが、そういうことを劇中の母親像とセットで観客に受け入れさせようとするのには反発を覚える。ただの一観客として、劇中人物の個別事情にどこまで付き合わされなければならないのかという気分である。それとも娘(人材豊富)を売らないで自分を売ったのがまだしも良心的ということなのか。自分としては東野圭吾「白夜行」を読んでからそういう方向に考えが行くようになってしまって仕方ないが、とにかく変に露悪的なものは見たくない。 またついでに書くと、ラストの魚は圧倒的に意味不明である。こういう支離滅裂かつ笑えない趣向を褒める気には全くならない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:26)
802.  琥珀色のキラキラ 《ネタバレ》 
まずは題名が意味不明だが、たまたま主人公にとってはこの色で、この時期の記憶が色づけされて残ったのだということか。また終わり方が唐突なのも困るが、これは映画の内容がハッピーエンドとかどうとかいう小さくまとまった物語ではなく、その後も続く人生の一部を切り出しただけのものと示してみせたのかも知れない。 そういう前提でいえば、いいことばかりでもない人生の中で、いわば珠玉のように輝いている記憶をそのまま映画にしたようなものと思えばいいのだろうか。その割に最後は一言で済ませてしまっており、これは本人としてはそれなりに寂しい結果だったろうと思うが、代わりに自分が少し大人になったということかも知れない。少女の後姿は甲斐甲斐しく健気で、意外に突き抜けたような清々しい終わり方だったのはよかった。 ただし排泄物をなめてみるのが家族愛の証、ということまで主張しているとすると、さすがに自分としてはそのまま受け入れることはできない(子どもならまだしも中年男のものなど想像するのも嫌だ)。どうも観客が嫌悪を催す領域に微妙に踏み込んだ感のある映画だった。狙ってやっていたのだろうが。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-22 23:44:22)
803.  ブタがいた教室 《ネタバレ》 
自分が見た限り、生命の問題を考えるというより教育のあり方に関する問題提起のように感じられる。児童に自分の頭で考えさせるという目的は達していたようだが、一方で担任教員の指導方法に問題があることもしっかり描写されており、必ずしもこれが理想の教育というつもりはないらしい。また年少者にシビアな体験をさせて特定の観念をすり込もうとする洗脳まがいの手法ということでもなく、むしろ徹底的なディベートを経て何らかの結論を導こうとする、いわば民主主義の学習のように思われた。 児童の議論の中で、テーマを考えるための材料は一応出揃っていたようである。担任教員は無責任にウンウンうなずくだけで腹立たしく思われたが、それがこの場に求められる正しい態度だったらしい。後半になると、当面の課題解決に向けて児童の意見が2つに集約された形だったが、その2つに限ってみれば感情問題を優先するものと、あえて理性的対処を主張するものの2派を形成していたようである。説得材料として「卒業」などという観念(笑)を創作する児童もいたりして、子どももそれなりに考えていることを示していたようだった。  ただし民主主義の学習の場として明らかに不適切なのは、最初に飼育を決定したのが実質的に担任教員だったにも関わらず、これを児童が自分らで決めたことのようにすり替えていたことである。後半になるともう児童が自分らの責任と思い込まされて泣きながら議論していたのが痛々しい。 これはわが国にあるムラ社会の全体主義であり、自由意思に基づかない集団の構成員にまとめて責任を負わせるやり方である。こういうことを今でも学校教育の中で平然とやっているとすれば非常に危険であり、いつの日か自分らの決定と思い込まされたまま戦争に駆り出されて死んでいく国民を育成しているようなものである(…ちょっと左派風に表現してみた)。この点では全く納得できない映画だった。  以上、全体としてけっこう真面目に作り込んだ印象はあるが、こういう微妙な映画に正数の点を付けてしまって点数分だけ肯定的と取られるのが嫌なため、ここは採点放棄ということで0点にしておく。 なお余談として、理性派の筆頭である松原菜野花さんの母親役で出ていた大沢逸美という人は久しぶりに見た(むかし少し好きだった)。イメージがかなり違うが、ふとした表情の変化に昔の面影が感じられると言えなくもない。
[DVD(邦画)] 0点(2016-04-22 23:44:19)
804.  アウターマン 《ネタバレ》 
この監督のバカ特撮路線の延長上のように見えるが、今回は主人公が男のため「地球防衛少女」「…ガールズ」「…未亡人」のような華がないのは不満である(ヒロイン役と少年役はいる)。 題名は架空のTVシリーズ名だが、実質的にはいわゆるウルトラシリーズを扱った映画であり、主なターゲットは40~50代男子ということになるか。ヲタク度が高く小ネタが満載でいちいちコメントする気にもならないが、「モタモタすんな!」は正にその通りであって爆笑した。また故郷を失った宇宙人に対し、地球に住んではどうかと呼びかけた場面は正直感動的だった(「侵略者を撃て」のほかに「他人の星」を連想)。  ところで「日本バカ映画の巨匠」という割に、今回は変に真面目でどこがバカ映画かわからない。 とりあえず劇中の出来事を観察すると、まず子どもの頃に正義の味方に憧れた人々も、今は当然ながら世間の不正義には失望している。特に原発事故がらみ?のことで政府は不信感を持たれていたようだが、少なくとも防衛当局に対しては、事に当たってその責務を果たすことが強く求められていたようである。 劇中でも現実世界でも古典的な“正義”の観念は滅んでしまって久しいが、だからといって“正義の味方”的な行動様式が失われていいわけはない。人間誰しも守りたい人がいるはずで、その延長上にみんなを助けたいという意識も生じうるわけだが、この映画では特に、自分を信頼してくれる者に報いたいという思いが出発点になっていたようである。 一方で、劇中では「自分たちが住んでいる星への愛」はあって当然、という趣旨の発言もあったが、これを国家レベルで考えれば今でも一定の反発を食うだろう。しかし故郷への思いは震災復興の原動力にもなっていたはずで、一概に悪と決めつけられるものではない。みんなを助けたいという思いを互いに持ち合わなければと、少なくとも劇中の宇宙人は訴えていたように感じられた。 だいたい以上のような認識がストーリーの背景にあったように見えたが、特に新奇なところがあるわけでもなく、むしろ現代にふさわしいヒーローのスタンダードを示したものとも思われた。  なお最後に勝った宇宙人を無責任に称賛していた群衆は、その時々の雰囲気で態度を反転させる有権者一般の姿にも見える。これが皮肉だとすれば、政治家でも政府機関でもなくわれわれが受け止めなければならないものと考える。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-19 00:33:43)
805.  女子ーズ 《ネタバレ》 
こんな映画を見てたまるかとずっと思っていたが、結局見てしまった。 見れば笑えるところは結構あるが、ドラマ的にはほとんど空虚である。大事な時に来ないのは女子だからというより仕事があれば来られないのは当然で、触れ込みと違って女子の3/5程度は普通に真面目だということである。ちなみに本筋と関係ないが、建築デザインを含めた美術館の存在が都市の文化的な創造性を喚起した事例というのが一応報告されているので、設計に関する劇中の結論が絶対正しいともいえない。 またキャストとしては各種の美形女優を揃えた形だが、自分的には誰にも愛着がないので当初の期待感はほとんどなかった。しかし見た後の感想として、この中では何といっても有村架純の可愛さが際立っている。個別エピソードとしても、グリーンが役者魂を見せたところが最もよかった。初めてこの女優に好意的になれて感動した。 そういうことで、こんな映画が好きだといってたまるかという気持ちはあるが、否定しきれないところもあるのでそれなりの点数をつけておく。 なおこの映画で新たに学んだのは「まつエク」という言葉だった。エクステというもの自体に縁がないので、さらにその応用編というのは難しい。
[DVD(邦画)] 6点(2016-04-19 00:33:39)(良:1票)
806.  かぐらめ 《ネタバレ》 
冒頭で「都留市制60周年 協賛映画」と表示されるからにはご当地映画だろうが、そのわりに地元PRの意図はほとんど感じられない。それ自体はいいことだと思うが、あまりに欲がなさすぎのようで、さすがにもう少し都留市というのがどういうところか見えるようにした方がよかったのではと言いたくなる。 ストーリーとしては納得できない部分が非常に多く、また素人ながら神事というものの扱いが本当にこれでいいのかという疑問もあって、素直にいい映画だったとは全くいえないのが残念である。しかし生真面目な印象があることも間違いなく、見る人によって共感できる部分も多いだろうとは想像する。エンディングの雰囲気(テーマ曲)はかなりよかった。 キャスティングとしてもいい役者を揃えたようで、決して見どころのない映画ではないだろう。主演の武田梨奈という人はこれまで知らなかったが(「ワカコ酒」という言葉だけ知っていた)感じのいい女優で、この映画では笑顔があまり見えなかったのは惜しいかも知れない。ちなみにご当地映画としても、もう少し楽しい場面があってよかった気がする(うちの地元の映画で、あまりにシリアスな内容だけのため怒ったことがある)。 なお疑問点として、陽子という人が神楽の後に一人で去ったのはどういう意味だったのか。これで本当に父娘のもとから消えてしまったのならこの人が哀れであり、またこの先にあるべき家族の再生というようなことを見通す上でも不足が生じる気がする。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-12 20:02:10)
807.  ひとまずすすめ 《ネタバレ》 
群馬県藤岡市が舞台になっているが、積極的に地元PRをしようという意思は見えない。たまたま主演女優(斉藤夏美)がここの出身だったので地元としても協力した、という程度のことらしい。 本編は30分の短い映画だが、ほかに17分のスピンオフ「ひとまずすすんだ、そのあとに」も制作されており、これは3話オムニバスで後日談と続編を含んでいる。さらにマンガ版というのがあるが内容は前日談である。このマンガ版を本編・続編のリアルな実写版と比べると、身も蓋もない現実をこのように美化するのが少女マンガだ、ということを示したようで面白い。以上がDVDには全て入っており、全部見るとかろうじて通常の映画1本を見た気分になる。  ストーリーとしては人生の特定時期に、特定タイプの人物に起こりそうなことを淡々と描いた感じで、そのタイプに該当すればかなりの共感をもって見られるかも知れない。これが実際どの程度広く受け入れられるものかわからないが、宣伝文にある「現代の空気」というよりは、もう少し普遍的な内容になっているように思われる。 ただし当然ながら女子の都合に合わせた話になっており、かつファンタジーでもなく現実感のある内容のため、自分(男)としては素直に受け取れないところも少しある。まあそれはいいとしても最大の問題は、あまりにも話が普通すぎる、ということではないか(少し呆れた)。映画に刺激を求める人々には全く受けないだろうが、しかし、そういうものをあえて平然と作ろうとする態度は悪くない。これで普通の人々が元気をもらえるというなら他人事ながら喜ばしい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-12 20:02:07)
808.  コープスパーティー 《ネタバレ》 
前田希美さんが出ているのでとりあえず見た。 しかし「リアル鬼ごっこ4」(2012)の頃ならまだしも、今になって女子高生役はさすがに似合わない(同じ時期の別のホラー映画では女子大生役だった)。もう少し大人の女性役で出てもらいたいものだが、ただしラストの悲劇が強く印象づけられたのはこの人あってのことかも知れないとは思う。 なお続編があるようだが次は見ない。   [2020/1/4追記] 「もてなしのまち熱海」で撮影された映画らしい。今なら「おもてなし」の方が普通だろうが。 もとのゲームの再現度としてどうなのかはわからないが、ストーリー的には特に面白味もなく単調に見える。実際の見どころはグロ場面の方ということだろうが、それも安手の作り物でしかなく、どこがアンリミテッドというほどのものかわからない。何かこの程度で喜んでみせるお約束でもあるのか。 この映画だけではないが、人が残酷に殺されるのを見せるための映画のようでいて、実際は本当の残酷さのはるか手前で止めているようなのは意味不明というしかない。しかしまともに考えると、とにかく人が残酷に殺されるのが見たくて仕方ないが、本当にやってしまったらどうなるか想像できていない低年齢層(中学生程度?)を対象に、本人が精神的な悪影響を被らないようセーブしながら適度な残酷場面を提供するのが本来の意図なのかも知れない。そんなことは常識かも知れないが今回一応考えたので書いておく。 なお、最後に帰れなかった者がいたことを一瞬でわからせた映像はよかった。また前田希美さんに女子高生役は似合わないが、なかなか曲者の役を務めているとは思った。それでも今回せっかくの機会なので1点減にしておく。
[DVD(邦画)] 2点(2016-04-07 19:55:11)
809.  死臭 つぐのひ異譚 《ネタバレ》 
前田希美さんが出ているのでとりあえず見た。 最初の方で映画の趣旨説明が出ていたが、読むと人間世界の因果というより場所の問題だと解されるので、以後はずっとそういうつもりで見ていた。 撮影場所は静岡県熱海市(廃校?)と群馬県桐生市(マンション周辺)、及び東京都内だったようだが、このうち都内の撮影場所で、女子中学生が電話を取った場所や女子高生が襲われた場所から4km前後の位置に、現実世界で心霊スポットとして有名なマンションがある。そこは建物の構造が特異なほか、地名に「宮」の字がつくのに意味があるとかいう指摘があったりして、その方面に関心がある人々にはよく知られている。 別に制作側がそんなことを意識していたと思うわけでもないが、しかし個人的にはそういう先入観があるために、女子高生が襲われた場所が神社の前だったというのが何やら意味ありげに見えた。あわせて映像面などから来る劇中世界の雰囲気もあって、悪しき因縁のある街というイメージを十分に受け取ることができた。 一方で、人より場所の問題だとすれば、殺された恨みがあるとか犯人を殺せば恨みが消えるとか考えても仕方がないということになる。要は、その土地にたまたま住んだ人間に致命的なトラブルが生じる恐れがある(生じない場合もある)のであって、劇中では“ゆきえ”さんを含めて全員が被害者だったのかと思えなくもない。 さすがに終盤の展開などはまともに見ると意味不明だが、それでも全体としては意外にいい印象を残す映画だった。  なお登場人物としては、やはり前田希美さん(女子大生役)の色香に気を引かれてしまう。が、ほかに女子高生と女子中学生も見どころ扱いになっていたようで、主役としての存在感が若干削がれてしまった感じもするのが残念だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-07 19:55:07)
810.  津軽百年食堂 《ネタバレ》 
収益の一部を震災の義援金に充てたとのことで公益性は認められるが、それは後付けの事情であって、この映画自体に被災地支援の目的はない。 基本的には真面目な映画のようだったので、共感できない登場人物や都合のいい展開に耐えながらもじっと見ていたが、県の観光施策とか東北新幹線の延伸はしっかりアピールする割に、ドラマ的には投げやりな印象で感動も何もない。主役の男女二人の関係は当初から曖昧だが、弘前へ帰ってもさほど深化しないままで時間が経過し、ラストに至って強引にルームシェアという言葉で二人を結び付けて終わってしまう。 この男女二人は弘前でそれぞれ別個にソバと桜のストーリーを担っていたが、この2系列は相互の関係がなく、またそもそも桜は題名とも無関係であって、要は「弘前さくらまつり」への誘客目的で話を作ったように見える。さらにエンドロールを見ていると、「発起人」と称する人名が延々と流れてかなり気分が萎えるが、こういうことをすると観客が悪感情を催すのではと危惧する関係者はいなかったのか。 自分が地方人であるからご当地映画は応援したくなる方だが、あまりに恥ずかしげもなく製作上の目論見を前面に出されるとかえって反感を覚える。高尚な文化など縁のない者が偉そうにいうことでもないが、映画製作というのは一応文化的な活動であって観光PRそのものではないだろう。文化的価値を皆が認めてこそ結果的に観光誘客にも結びつく、という順番で考えなければ本当にいいものなどできるはずもない。この点では「みんな!エスパーだよ!」の方がまだましに思われた。 なおこれを見た後で原作も読んだが、特に不快さも不自然さもなく素直に泣ける箇所もあり、登場人物みんなが好きになれるお話だった。  上記以外の点について、まず「津軽そば」が東京のソバと明らかに違うことまではわかったが、実際どういうものか映像だけではわからない。話を聞けば食ってみたい気もするが、そのためにわざわざ行くかというと自分は行かない。 またトヨさん役の早織という人はこの時点で20代前半で、普通にしていれば色気があって魅力的な女優さんだが、この映画では見事にくたびれた未亡人になっていて感心した。原作では独身だったので個人的にはそっちの方がよかったが。
[DVD(邦画)] 2点(2016-04-03 11:47:37)
811.  大失恋。 《ネタバレ》 
8つの物語が同時進行ということで、一つひとつは軽い話だが、多数詰め込んだことでの充実感は出ている。 結構な豪華キャストのため、個々の役者に注目して見ればそれなりに面白い。序盤でこれが西島秀俊だろうかと思った人物が、その後もほとんど目立たずそのまま終わるのかと思っていたら、最後になってやっと出番が用意されていたのはよかった。また鈴木京香ほどの人が簡単に騙されるはずがないと思っていたら、実はちゃんとそれなりの人物だったのはいかにもという感じである。「嘘でしょう!」のところではまだはっきりしなかったが、「行きましょう」と同行を求めたあたりからはそれらしい雰囲気が出ていたようである。 自分としてはかつて山口智子という人が大好きだったので、久しぶりに顔を見ていて切なくなった。この人のエピソードが最もスタンダードな失恋話になっていたのも切ない。また中谷美紀が当時18歳くらいで、この人にしては変に可愛らしいのも見どころだったかも知れない。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-03 11:47:33)
812.  ゴジラVSビオランテ 《ネタバレ》 
これは以前にTV放送で見たが(成人後)、湖・植物・沢口靖子しか憶えていなかったので、当時としても印象の薄い映画だったようである。最近になって若い連中(といっても30前後)が名作だと言うので改めて見たが、これは一体どこに感動すればいいのかわからない、と感想を述べたところ、思い出補正があると本人も認めていた。  今回見たところでは、変に各種要素を詰め込んだようで騒々しく落ち着きのない映画になっている。エンターテインメントとしてはこれでいいのだろうが、ビオランテの最後がファンタジー調(沢口靖子再登場!)なのは好みでなく、エンディングのバラも悪趣味に思われる。 真面目な社会批評の部分でも特に心に訴えるものがなく、単なる形式論を述べただけで終わった印象がある。ただ劇中で前提にしていた相互確証破壊による核抑止とか、国際資本の市場支配といったものはこの頃らしい話題で懐かしい気がした。遺伝子資源の争奪というのも今日的な問題として捉えられていたものか。また昭和29年の第一作の時点ではまだ日本の原子力開発が始まっていなかったわけだが、この映画では原発とゴジラの関係付けができていた(前作から?)のも時代の差を感じる。若狭の原発銀座をゴジラが襲うという展開は「天空の蜂」(2015)どころの話でないだろうが、この映画ではそれほどの緊迫感もないままで終わった。放射能(放射線)への恐怖心に関する実感のない、呑気な時代の映画だったようである。  ところで登場人物のうちでは高橋幸治氏がいかにもという感じのはまり役で、劇中では○チガイ科学者のような扱いだったが、この役者との関係で見れば全く違和感がない。この人に「もう私たちの時代じゃないのかも知れない」と言われると少し寂しいものがあった。 ほかに無関係な芸能人を出すのはふざけた感じで歓迎できないが、デーモン閣下の登場には不覚にも笑ってしまった。また斉藤由貴が大阪城ホールで声だけ出演した場面では、そういえばこの人はこういう歌を歌っていたな、と思い出したので肯定的に捉えたい。「避難してくださーい!」というのがほのぼのしていい感じだった。 [2018-02-14追記] 上記の「遺伝子資源の争奪」に関して、その後に別用で生物多様性のことを見ていたところ、この映画は生物多様性条約(1992年5月採択、1993年12月発効)の「遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分」を少し先取りした形で制作されていたことがわかった。だから何だということもないが少し不勉強だった気もして反省した。
[DVD(邦画)] 5点(2016-04-03 11:47:28)
813.  通学シリーズ 通学途中 《ネタバレ》 
前作「通学電車」と同じ作者の携帯小説である。前作は「通学シリーズ」の1作目、これは4作目に当たるが、「通学」という言葉ばかりが目立って区別しづらい。劇中世界は前作と同じで時間経過もほぼ同じ、登場人物もかなり共通している。ストーリー中で「西高」「北高」「東高」が出るが、学力としてはこの順で高・中・低だったらしく、今回の主人公は西高であって進学校の生徒というのが人物像にも表れている。この辺は原作段階でいろいろバリエーションを出していたということらしい。  前作からの登場人物のうちナナちゃんは当然悪役だが、今回は意外にもユカちゃんがヒロインを迫害する人物になっている。学力面の劣等感丸出しで中傷するとか自分はバカだからといえば免責されると思っているとか何をやっても一目ぼれなら仕方ないと言い訳するなど目に余る勘違いぶりで、ヒロインとは人格レベルにかなり差のある設定になっている。 今回ユカちゃんのやったことは社会的な許容限度を超えていた(犯罪だ)が、それでも周囲の男連中や心優しいヒロインのおかげで全部許されて、最後はしあわせな世界へ導かれるのは著しく都合のいい展開であり、まるで悪の淵から救済されるユカちゃんが真の主役のように思われた。こういう人物を見ると自分などは同情する気も失せるわけだが、もしかすると本来の読者/観客からはこれで一定の共感を得られる人物像なのかも知れない。男は正邪を峻別したがるというだけのことで、女子ならこの悪役とヒロインの間で心が揺れ動くのだろうと想像する。立場や性格が違っても、女の子同士でわかりあえるはずというのが落としどころだったのかも知れない。  ところでヒロインに関しては、外見としては地味でも目の印象が非常に強く、部屋で彼氏と語り合う時の穏やかな表情は心の深みを感じさせる。彼氏の立場になってみれば、この人と心を通じあわせたい、人生を共有していきたい、と思える人物像がちゃんとできているのが感動的で、一緒にいると楽しくて悲しい、という言葉にも非常に共感できるものがあった。 そのような理由で、この種の映画としては異例だが、ヒロインと主演女優のためにここは少し高い点を付けておく。ちなみに個別の場面としては、黙って部屋に入って来て“わっ”と驚かそうとした場面が好きだ。また北極星からアイスにいきなり発想が飛躍するのもよかった。
[DVD(邦画)] 7点(2016-03-27 00:25:25)
814.  通学シリーズ 通学電車 《ネタバレ》 
原作は女子中高生に好まれるタイプの携帯小説で、投稿サイトで無料で読めるほかコミック版もある。わりと原作に忠実な映画らしく、身内の誰々が死んだというようなありがちな悲劇設定もあるが、それほど深刻でない(深刻に感じない)ので全体としてほのぼの感のある話になっている。同じ人物が同時に別の場所にいたことの理由付けは少し独創的だったかも知れない。 自分は本来のターゲットから思い切り外れているので本気で感動するところは全くないが、嫌悪を催すような話にもなっておらず、悪役1人以外は男女ともみなヒロインに好意的なので安心できる。個別の場面としては、修羅場でのナナちゃんがあまりに悪辣で横暴だったので笑ってしまった。またクラスの不思議ちゃんが「…愛を知ったのね…」と言ってにんまりしていたのも可笑しい。少々のことは笑い飛ばして楽しく見ようとすれば見られなくはない映画だった。 なおヒロイン役の松井愛莉という人は、顔は可愛いのだが長身のため同級生役の中では非常に目立ち、男連中との身長差もほとんどない(男より高い?)が、細身で重量感がないのが幸いである。撮影時点では高校生だったそうで本当に可愛い人だった。
[DVD(邦画)] 4点(2016-03-27 00:25:16)
815.  ガールズ・ステップ 《ネタバレ》 
原作をそのまま映画化すると「幕が上がる」(2015)との違いが出なかったかも知れないが、映画ではより一般向けにアレンジして、多くの若年者が共感できる青春物語にしたように見える。少なくとも序盤は普通にほのぼのして可笑しく、フェスティバル出演のあたりまでは素直に楽しめる。「××JK」のJKはいわば職名のようなものだろうが一定の敬意も感じられて面白い。 しかし屈託ないのは前半のうちだけで、あとは意外にも重い話が続く。何で女子高生の話となると妊娠事件など出さなければ気が済まないかと思うが、主人公もまたすぐそこに答えが見えているのに気づかないのが非常にもどかしく、八方美人という設定らしいが強者に媚びているだけのようで説得力がない。また片思いの問題がどのように処理されたのかも不明瞭だった。 しかし全編の何か所かに感動ポイントが設けてあって泣かされるのも間違いない。「…自分のダンスを踊れ…」というのは万人向けの処方箋ではないだろうが、劇中人物のようにつぶれそうになっている連中がいるなら自分としてもそのように言ってやりたくなる。その上でみんなのためにということも考えればいいだろう。  ところで登場人物のうちメインのJKは原作でも5人だが、映画では劇中人物というより女優5人がそれぞれ存在感を出せる形で補正したようにも見える。 まず秋月三佳さんは予想を裏切らない感じだが、小芝風花さんはついこの前は可愛らしい魔女役だったのに今回はかなりシビアな役柄で、見せ場での渾身の(多分)演技には泣かされた。小野花梨さんは南極料理人のわがまま娘よりも大人になって個性がより前面に出ており、この人の見せ場にも泣かされる。上原実矩さんはヤンキー女子ぶりがベタだが「暗殺教室」とのギャップはかなり大きかったりする。また主演の石井杏奈という人は、ダンスはこの中で第一人者だろうが容貌としてはけっこう普通の(普通に可愛らしい)女子に見え、こういうと失礼だろうが他のキャストから突出して見えないのが全体の調和に貢献している。ちゃんと一人ひとりが主役になれそうな感じの映画なのは嬉しいことだった。 なお終盤でコーチを見送りに来ておいて、一度そのまま帰ろうとした場面は笑った。若いので対人関係の取り方がいい加減とも取れるが、若いからこそドライに心機一転して次のステージを目指すラストへも素直につながるように見えた。
[DVD(邦画)] 6点(2016-03-27 00:25:14)
816.  映画 みんな!エスパーだよ! 《ネタバレ》 
TVシリーズは見ていない。夏帆が出ていないのは残念だが、代わった人がかなりいい感じなのでその点にはこだわらない。 内容的には確かにエロいがエロければ誰でもいいということにはならず(主人公と違って好みの問題がある)、またコメディといいながらそれほど笑えるわけでもないが、クライマックスの「あたしはオカズじゃない…」のところだけは爆笑した。ここで主人公は敵の実力行使を完全に無力化した上で相手に打撃まで与えていたが、しかしこれは単に男子の妄想力の問題であって超能力も何も関係ないではないか(笑)。オチを見る限りは普通に健全な若年男子のお話だったらしく、これは自分としても否定する気にはなれない。また無理に一般化していえば、物的なものを至上とせず、かつそれとは切り離した形で精神面・感性面に価値を見出そうとする点で、文化というものの本質に迫る映画だったといえなくもない。 なおエンドロールを見ると、現地のフィルムコミッションはまあいいとして、豊橋市なり豊川市といった公的機関がこんな映画にあからさまに撮影協力しているのはかなり呆れる。そうまでして地元PRをしたいのなら、自分としても「東三河」「豊橋」「豊川」といった地名を見るたびにこの映画を思い出すようにして協力していきたい。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-27 00:25:09)
817.  暗殺教室~卒業編~ 《ネタバレ》 
公開初日の夜に見たが、それほど心待ちにしていたわけでもなく、どうせいつか見るなら早いうちに見ておくという程度のことである。 今回には今回なりの全体構成があるのだろうが、それよりも本来は映画一本に収めるべき内容を前後編に分けて、起・承を前編、転・結を後編にしたような印象が強いため、少なくとも前回のを見ていないと楽しめないと思われる(先日TV放映したらしいが)。今回は殺せんせーと生徒(特に主人公)をめぐるドラマが中心になるので、見て単純に面白いのは前回の方だったということらしい。二宮和也と桐谷美玲の顔出し箇所は一応の見所かも知れない。 ただ今回はドラマの本筋に集中したため、前回は一応名前の出ていた生徒がどこにいるかわからなくなり、人的な広がりがなくなった印象がある。メインの人物以外では理系女子(演・上原実矩)が少し目立つ程度で、後日談に至るともう主人公以外は完全に捨象されてしまう。途中で将来の志望を述べる場面も一応あったのでそれぞれの未来があるということだろうが、特に“律”さんなどはその後どうなったのか気になるところである(最後に出た場面では見る影もない有様だった)。 今回だけでいえば以上のような感じだが、あえて前後編全体として見れば殺せんせーのキャラに一定の愛着がわくので悪い話ではない。また今回は死神の人物像も悪くなかった。そういうことで、前回少し低すぎる点だったのを補正する意味を含めて、今回は若干いい点を付けておく。 ※今回だけでこの点数にはならない。
[映画館(邦画)] 6点(2016-03-26 10:14:22)
818.  心霊病棟 ささやく死体 《ネタバレ》 
昔のTV番組にあった「死者がささやく」と副題が似ているが、話の内容は似ていない。また終盤で精神科医が披露した唐突な主張は、同じ番組の「狂鬼人間」のようだが真似だという証拠はない。 この映画のほかに原作があるが内容はほとんど同じで、低予算C級ホラー映画にしてはユニークな筋立てといえるが、小説としては普通程度と思われる。ほとんど同じものを映像化すれば同じに見えるかというとそうでもなく、小説を読めばわかることが映像的に表現されていないと思われるところがある。一方で謎解きに関しては、重要なヒントを早い時期に映像上で明示してしまい、その段階でかなりの部分が想像できてしまうのはまずいのではないか。また深夜に徘徊していた少女はストーリー上の役割がよくわからず(原作も同様)、これは“同じ場所でも世界が違う”ことを表現するために登場させたのかも知れないが、その目的とすればあまり効果的とは思えない。 全体的にはあまり感心できない映画になっているが、しかし結末が「成仏」だったらしいことだけは悪くない。どうも最近のホラーは救いがないのが喜ばれるようで、登場人物を「成仏」などさせてたまるかという感じのものが多い気がするが、この映画は根本のところで良心的だったのかも知れない。それにしても「成仏」などという言葉を使わずに済ませられなかったのかとは思う。  ところで主演女優は女優であってアイドルではないと思われるので、よくあるアイドルホラーではないらしい。劇中でこの人の脚がきれいなところを強調する場面があったのは、それ自体が悪いこととは全くいえないが、わざわざ服装を変えてまでやるのはストーリー上の違和感があった。また車椅子の少女役は、何ともいえない微妙な表情をこなしていたようで悪くない(言われてみれば父親に似ている気もする)。そのほか深夜の少女役は当時アイドルであって、以上の3人が少し年齢差のついた看板娘ということらしかった。結局はアイドルホラー的な売り方になっていたようだが、それはそれで結構なことである。
[DVD(邦画)] 4点(2016-03-20 18:49:56)
819.  最後の晩餐(2004) 《ネタバレ》 
わざわざ好んで見るものでもないが監督の名前で見た。2006年にスコットランドのホラー映画祭("Dead By Dawn” Scotland's international horror film festival)に出品したとのことで結構評判がよかったらしい。 内容としては造形物やグロ描写にリアリティがなく、その一方で料理は普通に食えそうに見える。また同情したい登場人物が誰もいないこともあって、結果的に人肉嗜食自体にはそれほど嫌悪を覚えず、かえって人を食うに至る過程に一定の説得力を持たせた映画になっている。妙な理屈をつけて正当化しながら実は残虐描写の方で客を呼ぼうとする映画などよりよほどましである。 また登場人物としては、食われ役の三輪ひとみと香港の女優はさすがの美貌だが、一方で後半に登場する初老の刑事がまた強烈な印象で、これはいわゆる怪演の部類と思われる。主人公がこの汚い男まで食ったりしなかったのは当然だが、そのことからすると逆に、食うならやはり美女だという発想そのものは間違っていない気がした。 なおストーリー的には、主人公の同僚2人に対する感情が不明瞭なため、最後に式場でしでかしたことの意味がわからない(「光る通り魔」の真似?)。せっかくなので、もう少し人の心を打つような要素があってもよかったのではと思う。 ただ映像面と音楽はそれなりの印象だったので点数は少し高目につけておく。
[DVD(邦画)] 5点(2016-03-20 18:49:50)
820.  隙間女 劇場版 《ネタバレ》 
アイドル主演のホラー映画など最初から全く期待していないわけだが、この映画では少し珍しい題材を選んだのが悪くない。ただし劇中での取扱いにはかなり無理があった気がする。 まずは物理的に人がいられないような場所に何かいれば不気味だろうが、押入れなども居場所にするのでは、普通にバケモノが隠れているのとどこが違うかわからない。終盤で姉妹が2LDKの話をしていた時に、怖いのは隙間でなく押入れだったかのように言っていたのは開き直ってごまかした印象があった。あるいは、たまたま開いていた戸の隙間から覗いていたなら怖いだろうが、閉まった戸を自分で開けたりするのは反則ではないか。あらかじめできている隙間を狙うのが最低限のルールだろうという気がする。その上に、障子から半身を乗り出したり這ったりするのでは自由度が高すぎて、この題材を選んだそもそもの意味が薄れてしまう。 さらに全体構成の面でも、終盤で主人公が現場に突撃してバケモノと対決し、最後は救いのない終わり方をするというのはC級邦画ホラーの定番のようで、こういうのはもう少し何とかならないものかと思う。かろうじて全体的に、映像や音響面でホラーにふさわしい雰囲気を出していたことに救われている。 ところでこの映画では、20歳過ぎた出演者に無理に女子高生の制服を着せないところがアイドルホラーにしては新鮮といえる。日頃アイドルに関心がないため、主演の菊地あやか(当時AKB48チームA)がどういう人か知らないのだが(現在は既婚で1児の母?)、別のホラー映画で見たときは大して印象に残らなかったのに対し、今回は相応の色気も見せていて好印象だった。隙間から顔が半分見えている宣伝写真が非常にいい(注:暗がりからバケモノが覗くものとは反対に、明るいところから主人公が覗いている写真もある)。 なお似た感じの映画として、「のぞきめ」というのが4月から全国公開されるようなので期待したい(が当分見られない)。
[DVD(邦画)] 4点(2016-03-04 19:51:15)
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