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かっぱ堰さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1244
性別 男性
自己紹介 【名前】「くるきまき」(Kurkimäki)を10年近く使いましたが変な名前だったので捨てました。
【文章】感想文を書いています。できる限り作り手の意図をくみ取ろうとしています。また、わざわざ見るからにはなるべく面白がろうとしています。
【点数】基本的に個人的な好き嫌いで付けています。
5点が標準点で、悪くないが特にいいとも思わない、または可も不可もあって相殺しているもの、素人目にも出来がよくないがいいところのある映画の最高点、嫌悪する映画の最高点と、感情問題としては0だが外見的に角が立たないよう標準点にしたものです。6点以上は好意的、4点以下は否定的です。
また0点は、特に事情があって採点放棄したもの、あるいは憎しみや怒りなどで効用が0以下になっているものです。

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821.  TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ 《ネタバレ》 
公開初日の夜に見たが、特に待ちかねていたというわけでもなく、どうせそのうち見るなら余裕がある時に見ておくという程度のことである。 見た結果としては、やっていること自体は否定しないが全面的には乗れないという微妙な状態だった。展開が早いため咀嚼している暇がなく、直前に何があったかも忘れてしまう。ギャグ連発のため笑える観客は笑えるだろうが、自分として笑ったのは3箇所だけだった(チョーキング、フレームアウト、寒いので○○○と叫ぶ)。他の観客が声を出して笑ったのは犬の発情場面だったようで、ほかにも下劣なネタが多かったが、最近見た映画との比較では「みんな!エスパーだよ!」よりは穏健である。 ウラシマ効果のようなものが短時間で拡大していくのは本来切ない展開のはずだが、主人公がバカのため話が全く重くならない。ストーリー全体として何かを語るというよりも、個々の場面でちょっとした人生訓を軽く織り交ぜながら進める形になっている。正直少し長いと思ったが、終盤のキス(鳥と老婆)のしみじみ感からエンディングのライブに続く盛り上げなどはそれなりの感じだった。  登場人物としては、主人公はバカだがヒロインの人物像は好印象である。森川葵段階ではまだ人間性を量りかねる状態だったが、宮沢りえ段階に至ってこういう人だったのかと落ち着くところがある。赤鬼娘も強面ながらかわいいところがあって結構だった。 また出演者が豪華にもかかわらず誰がどこに出ているかわからないのは、神木隆之介も出ていた「妖怪大戦争」のようでもある。個人的にはほとんど誰にも気づかないで終わったが、「大木家のたのしい旅行」で地獄の執事だった荒川良々が天国にいたのは微妙なジョークにも見えた。 なおこの映画で改めて気づかされたのは、畜生道に落ちると次の生存期間が極めて短く終わる恐れがあるということだった(劇中ではほとんど瞬殺)。とりあえず人生を大事にしましょうということになるはずだが、地獄の方が居心地がいいというのでは教訓にも何もなっていない。
[映画館(邦画)] 5点(2016-06-26 14:00:51)(良:1票)
822.  カルト 《ネタバレ》 
この監督のフェイクドキュメンタリー路線の一作かも知れないが、今回は本人役の芸能人を主要人物として出したことで、初めから作り物と割り切って見られるものになっている。途中からフィクションの印象がさらに強くなり、後半になって登場する霊能者は明らかに役者が演じていた感じだが、今度は逆に最初からいた芸能人が現実との接点を残す形になってフェイクドキュメンタリー風味が持続する。序盤では見知った芸能人のユーモラスな会話が面白いが、後半はあからさまにマンガっぽい人格を役者が白々しく演じるのが可笑しいなど、笑いの種類でも前後半に違いがあったように見える。 またストーリーとしては、最初から最後まで一応筋が通っているようでいて、途中で微妙な齟齬が生じていた気がしなくもない。最後が唐突に打ち切りになるだけでなく、途中段階で基本設定を変えながら延長していく(話も次第に大きくなっていく)といった点でも他ジャンルのパロディになっていたかも知れない。 他の同種映画と比較すると、例えば「オカルト」が純正フェイクドキュメンタリーホラー、「シロメ」がフェイクドキュメンタリーホラー風アイドル映画だったとすれば、これはフェイクドキュメンタリー風のホラーコメディ(マンガの実写化風)というところか。複合的でなかなか整理が難しいが、さまざまなエンタメ趣向を盛り込んだサービス満載の映画と思えばいいかも知れない。 ただし最後はちょっと何とかしてくれという感じで、ここまでに一応ホラー映画の体裁ができているのだから、これはさすがに少しおふざけが過ぎる印象があった。そういうものにどこまで乗れるかという問題もあって、個人的充足感としては「シロメ」に負けているという結果だった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-23 19:44:59)
823.  シロメ 《ネタバレ》 
別にこのグループのファンではないが率直な感想として、今から6年前ともなるとさすがに皆さん若くて可愛らしいのが新鮮である。自分としては昔から連続的に見てきたわけではないので、今の目で見ると可愛すぎて一瞬誰だかわからない人もいる。佐々木彩夏がほっそりしているのは感動的だった。 映画としても、評判は悪いようだが自分的には結構面白く見られるものになっており、制作側のわざとらしい怖がらせも、ももクロ側の大げさな反応もかなり笑える。本気で怖がって泣いていた人には申し訳ないが、当時これを見ていたら一発でももクロちゃんが大好きになっていただろうと思われるので、そういう観点からすれば、フェイクドキュメンタリー監督としての手腕が発揮されたアイドル映画、というのが妥当な理解ではないかという気がした。 悪魔に魂を売ってまで願ったにもかかわらず、残念ながらこの年の紅白出場は叶わなかったことになるが(歴史的事実として)、その後に実力でのし上がったわけなので全く問題ない。今後のさらなる活躍を祈りたい。  なおネタばらしは学校の廊下で行われていたが、直前に「おなか減った」「やり切った感があるから…」という言葉が聞かれたので、二階で歌って踊って願いごとをしてからの帰り道だったかと思われる。その後の反応を見ていると、早見あかりが仕掛け人側だったほかに百田夏菜子も加担していた疑いがあり、その後にいた有安杏果は本気で怒っていたようである。怒った顔が超かわいいというと怒られるだろうが。また高城れにが浄霊師の先生に抱きついて頭ポンポンされていたのは笑った。この場面では玉井詩織も大泣きだったようで微笑ましい。
[DVD(邦画)] 6点(2016-06-23 19:44:56)
824.  オカルト 《ネタバレ》 
この監督のフェイクドキュメンタリー路線の一作だろうが、今回すでにこの道を極めたようにも見える。同系統の「ノロイ」(2005)にあった微妙なおふざけ感は目立たなくなった印象があり(笑ったのは近藤という人物が公園で取材中止になった場面のみ)、また見ている人間のところにまでヤバいものがはみ出して来そうな感覚も特にない。そういったことを犠牲にしてこの形式としての純度を高めたようにも見えるので、一般的な娯楽映画としては「ノロイ」の方が勝っていると思われる。 そういうものでも当方としては一応付き合う気があって見ていたわけだが、それでも特に前半で、何が起きるか起きないかわからない状態で延々と派遣労働者の日常を見ているのは結構つらいものがあった。これが本物のドキュメンタリーだったとしても、ここまでどうでもいい映像は使わないだろうと思わせるものがあり、それでこの人物に愛着がわくならいいだろうが、自分としてはそこまで心に愛がない。またラストに関しては、21年間もビデオカメラを預かっておいてあれしか撮れなかったのかと呆れるわけだが、しかし21年間あれがずっと続いていたために、長く撮っても短くしても同じだったとすればまさに地獄である。 なお今回は、フェイクのエンドクレジットで劇中人物の名前を出した後に、本物のエンドクレジットで本物の出演者の名前を出していたのが正直な態度だった。劇中の白石晃士というディレクターはこの映画の監督本人だが、栗林忍というADもこの映画の助監督本人だったようで、本物のエンドクレジットでは出演者でなく助監督として名前が出ている。この人は一時期「いちごちゃん」と呼ばれて、その世界では親しまれていた人物らしいが詳細不明である。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-23 19:44:54)
825.  NINJA THE MONSTER 《ネタバレ》 
どうせ主演俳優(よく知らない)のPVのようなものだろうと思っていたら意外に悪くない映画だった。 もともと海外向けに製作されたとのことで、国内向け時代劇として見ればかなり荒唐無稽である。天明三年の浅間山噴火とその後の大飢饉を背景にしていることはわかったが、冒頭からして関ケ原から183年後にやっと戦国時代が終わったかのような説明が出ていたのは呆れる。また劇中の「もののけ」は、今年春以降の国内状況からすると単純に「クマ」に置き換えればいいのではないかと思っていたら、どうも最後は星の世界に還ったらしく、時代劇にしては奔放な想像力の所産のようである。 そういうのはまあいいとしても、この映画の最大の問題点は恐らく派手な部分がないことである。アクションは一般的な時代劇の域を出るものではなく、ホラーっぽいところもあるが少し怖がらせただけで終わりになる。ストーリー的にも、延々と山中を歩くうちに人の心が見えて来た、といった感じのもので、終盤だけ少し盛り上がるが結局は何が何だかわからないまま危機が去り、それで最後にみんなが幸せになるわけでもない。 そのようなことで主演俳優のファン以外だと不全感が残るかも知れないが、しかし個人的な印象としては地味なのもそれほど気にはならず、かえって一定の感慨を残す映画になっていたというのが実感だった。  ところで舞台挨拶で、主演俳優が続編の可能性をやたらにアピールしていたのはかなり違和感が大きかった。自分にとってのこの映画は、気丈で健気な姫様の儚く切ない恋物語であって、劇中の忍者の行末などは正直どうでもいいわけである。仮に続編を作っても同じ姫様の物語として成り立たないのは明らかで、従って自分的には今回限りで終わりである。 劇中では変に難しげな台詞が多かったが、その中でも「覚悟とは…暗闇の中に、光を見出すこと」というのは結構いい感じで、また最後に犬笛が残ったのも物語的なポイントを押さえている。姫様役の女優に関しては、今回出演のこの人でなければならない理由は特にない気はするが、実際見れば可憐で愛すべき姫様の人物像がちゃんとできている。「江戸に着かなければいいのに」とボソっと言うところなどはこの人ならではの感じを出していた。
[DVD(邦画)] 6点(2016-06-15 23:38:45)
826.  ヒトコワ3 -ほんとに怖いのは人間- <OV> 《ネタバレ》 
全5話のオムニバスである。  【落としもの】 埼玉県越谷市という地名が出るが実際に同市内で撮影したらしい。自分としては主演の森川葵という人に期待していたわけだが、非常にいいというほどでもなく普通だった。ただしこの時点ですでに演技派たることを求められていたように見えなくもない(序盤のコント部分)。ちなみにお話としては呆れるほど面白くない。  【見られてはいけない】 途中から登場人物の人格が一変したように見えるのは、よくあることだが反則である。ちなみに不気味なオバサン役は、舞台中心に活動している蒻崎今日子という女優だと思うが、この人は『「風の谷のナウシカ」全編一人芝居』を特技としているのだそうで興味深い。 【ずっと一緒に】 途中まではいいがラストが何でそうなるかと呆れる。それはそれとして、この回では主役の人(早瀬英里奈)の表情(顔)が見どころのようで、こういうのはこのシリーズのいいところかも知れない。  【赤い服を着た女の子】 なぜか静岡県御殿場市。古典的な都市伝説に便乗した話のため意外感が全くない。主役の人(しづか、以前は宮沢静香、現在は坂野志津佳?)が艶めかしいのでこの人だけ見ていた。  【ダイエット】 理屈で納得させるものがない。申し訳ないが主役(菊池友里恵)よりその友人役(星名美津紀、「映画 みんな!エスパーだよ!」の東三河新聞の人)の方に目を引かれてしまった。   「ヒトコワ」シリーズの3つ目である。本来見る予定はなかったが、森川葵という人が出ているので見ないわけにはいかなくなった。宣伝写真を見るとこの人が看板女優である。 基本的にはスターダストプロモーション所属タレントのPV集のようなもので、各話の主演女優と主要人物の一部がスターダストの所属である(なぜか第4話だけ違うらしい)。ホラーとしてはほとんど最低レベルであり、ストーリー的な面白さがほとんどないため褒める気にはならないが、見どころが全くないわけでもないので全否定もできない。
[DVD(邦画)] 2点(2016-06-15 23:38:42)
827.  39 刑法第三十九条 《ネタバレ》 
日頃アイドル映画のようなものばかり見ている立場としてはかなりまともな映画を見た気がした。全体として重厚な印象で、映像の作り方や役者の演技など、わざとらしいところ、不快なところを含めていかにも映画的に見えて感心する。ただストーリーとしては不可解・不自然な点や作り過ぎ・やりすぎの面が目立ち、激賞する気には全くならなかった。  テーマとしては題名の示すとおりだろうが、こういう問題提起はかなり以前からなされており(個人的には昭和の特撮番組「怪奇大作戦」の欠番エピソードのあたりから)、これ自体はそれほど目新しい気もしない。しかしこの映画では犬山の遺体映像や、加害者側の弁護士が業界の常識を遺族に説明してみせたあたりで、改めてこの問題の存在を強く印象づけていたようである。 ただ自分が見た限り、この映画が本当に39条の存在自体を問題視していたのか、それとも39条を悪用することの方が問題と考えていたのかよくわからなかった。わざわざ精神鑑定を持ち出した意味としては、誤審の恐れがあるので死刑は廃止という主張と同様に、精神鑑定はいい加減なので39条を廃止せよということのようにも思えるが、その割に主人公のやっていたことは、条文の正しい運用を促すために悪用を阻止してみせただけのように取れる。しかし仮に悪用の方が問題なのだとすれば、まずは犬山の事件が悪用の事例でなければならないだろうがそのようにも見えず、かえって少年法との関係で焦点がぼやけている。 さらに主人公のいう「人権」が父親の事例から導かれるとも思われず、むしろ40条(現在はすでに廃止)との関係を示唆しているかのようで混乱する。特定の結論なしに問題提起だけというつもりならこれでいいかも知れないが、単にまとまりがつかないまま拡散して終わった印象の方が強かった。  ちなみに主人公と母親のエピソードが本筋とどう関わっていたのかもよくわからない。かなり面倒くさい感じの母子関係のため、これが最後に破綻して終わりになるのではないかと危惧していたが、途中で主人公がそれらしい解決を図ったようで安心した。この主人公には愛がある。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-15 23:38:40)
828.  事件 《ネタバレ》 
原作も読んだが、人間ドラマというより裁判そのものに焦点を当てた小説だった。何だかよくわからない事件を題材にして、戦後の首都圏の社会変化や、裁判自体のあり方が変わりつつあることを背景に、当時の司法の実態をそのまま(多少劇的に?)描写したように感じられるのが非常に興味深かった。 しかしそれをそのまま映画化することはできなかったようで、原作の何だかよくわからない事件をよくわかるようにして一般向けの愛憎劇(濡れ場付き)に変えている。原作の内容もそれなりに再現していたようだが付加した部分が個人的には不快で、特に被害者の妹の表情がくどいのが苛立たしい。それは映画というよりこの役者が個人的に嫌いだということかも知れないが、それにしても「あれ」の意味をわざわざ質す場面などは見せ場づくり以外のものとは思えない。ラストに一応の和む場面を入れているのはまあよかったかも知れないが、それで映画全体の印象が好転するというほどでもなかった。ついでにいうと背景音楽の電子音も気に入らない(やかましい)。 唯一面白かったのは証人・篠崎かね(篠崎青果店)の態度だった。この役者は東京銀座の生まれのはずだが一体どこの言葉をしゃべっているのか。
[DVD(邦画)] 4点(2016-06-15 23:38:37)
829.  世にも奇妙な物語 20周年スペシャル・秋 ~人気作家競演編~<TVM> 《ネタバレ》 
全5話のオムニバスである。[ ]内は評点。 【厭な扉】「大歳の客」という民話類型をもとにした話のようだが、ストーリーとしてはありきたりで単純に面白くない。[2]  【はじめの一歩】書下ろしだからかあまり不足なくまとまった印象だが、軽めの話のためそれほど心に染みるものはない。ただ確かにこういう面倒くさい奴はいる。[4]  【栞の恋】なぜか神奈川県足柄上郡山北町の話で、昔の街並みの雰囲気は悪くない。戦争がらみの話だがメッセージ性が強いわけでもなく、普通の庶民感覚に寄り添った物語で少し感動的だった。年代と年齢からすると2人はほんのわずか同時代を生きていたらしい。必然性は不明だが、本物(岸部一徳氏)が出ていたのも微妙に面白い。/その後に原作を読むと、もとが短編のため原作がよく再現されており、場所が別のところなのと(山北町でない)、若干の脚色(いい方向で)を加えたところに違いが出ている。それにしても堀北真希の起用は反則だ(可愛すぎる)。[5]  【殺意取扱説明書】アイデア先行で物語としては面白くない。「不審者に注意」も笑えない。[2]  【燔祭】普通の幸せがあったはず、という切ないラストかも知れないが、これを見ている限りは早く犯人に死んでもらいたいという思いの方が勝る。兄は単純に愚かとしか見えず、女の内面もよくわからない。また兄妹の年齢が離れすぎである。/その後に原作を読むと、もとが文庫で98ページの中編だったのを30分弱に収めるのは難しかったかも知れないとは思うが、その割に原作にはない独自色(いい方向で)を付けようとしていたらしく、これは悪くなかったと思う。ただ原作では兄妹の年齢差が9歳であって、ドラマの25歳差(出演者の実年齢)はやはり離れすぎである。[5]    この番組の近年の水準がどの程度かわからないが、20周年記念の「人気作家競演編」というだけあって、よくあるやりっ放し構造の粗製乱造オムニバスホラーなどよりはまともなお話ができている。ただしそれほどの充実感はなく、やはりこういう番組で扱うとそれなりの出来にしかならないということか。 全体の評点は個別の点数を時間で加重平均した数値(3.7)を四捨五入した。
[DVD(邦画)] 4点(2016-06-09 23:27:00)
830.  怪談新耳袋 劇場版 幽霊マンション 《ネタバレ》 
「新耳袋」第六夜80~99話が元ネタとのことだが、設定のごく一部と小エピソード1つを使っただけでほぼ完全に別の話になっている。原話の良さは全くなくなっているが、原話をそのまま映像化するわけにもいかないのはわかる(ヤバいことになる)。 時間からすれば長編映画の部類だろうが、基本的にはオムニバス用短編ホラーのようなラストのインパクトに頼った一発勝負形式で、そこに直接関係ない思い付きのようなエピソードを継ぎ合わせて長くしただけに見える。意外性優先のために登場人物の人格が一変したように見えるのは安手の短編ホラーに時々あることだが、この映画でもラストの衝撃的事実に先立つ全体としての流れができていない。ここでこのように伏線を張って最後に回収しました、などという形だけ整えれば済むというものではないだろう。そもそも昔の陰惨な事件によって建物が呪われたことまではいいとして、それが門限や境界線の設置につながる必然性が全く感じられない。 加えて普通はホラーというのは怖く作ろうとするものだろうが、実際問題として怖さは全く感じない。コメディまがいの演出が煩わしく、また途中でゾンビの群れのようなのが押し寄せるのはどういう効果を目指したのか不明である。ここで笑えということか。 だいたい以上のようなことで非常に不満足な映画だったので、点数は黒川芽以だけに入れておく。主題歌の「シアワセがふえるより哀しみをへらしたい」は、題名は好きだが映画本体の評価には影響しない。 なお少尉殿への復讐の件は本筋と完全に無関係な孤立的エピソードだが、これは公開日が8月15日だったことに対応した趣向と思うことにして突っ込まないでおく。
[DVD(邦画)] 3点(2016-06-09 23:26:58)
831.  ケータイ刑事 THE MOVIE 2 石川五右衛門一族の陰謀~決闘!ゴルゴダの森 《ネタバレ》 
銭形雷役の小出早織(当時)に関して、当方が期待していたものが何も得られない。TV版DVDのPR映像の方がさまざまな表情が見られてよほど楽しい。またこの人の歌うテーマ曲のPV(約3分)が、映画本体(102分)の価値よりはるかに優っているという呆れた状況だった。もう一人、夏帆に関しても標準ベースそのままのようでこの映画ならではの魅力が生じていない。これでは何のための劇場版かわからない。おれは怒った。最低の映画だ。
[DVD(邦画)] 1点(2016-06-09 23:26:55)
832.  ケータイ刑事 THE MOVIE バベルの塔の秘密~銭形姉妹への挑戦状 《ネタバレ》 
4人姉妹のうち長女は出ていないが、3人だけでも十分に超豪華キャストという感じである。3人並んでみると、この時点で夏帆が一番背が高いことがわかる。だから何だというわけでもないが、3人並んだことで初めて目に見える事実ということだ。 ○夏帆がひたすら可憐である。「レレレ?」の表情もいいが「Q.E.D.」の時の口つきなどは見事だった。銭形零はカメが好き、という設定があったのかどうかわからないが、「もっとおっきな空飛ぶカメが好き」という台詞があったのは、この映画の公開と同年の「小さき勇者たち/ガメラ」(2006)のPRだったものか。 ○堀北真希は何といっても「世界のダンス」が見どころである。難度としては後になるほど高いのだろうが、個人的印象では最初のアイリッシュダンスが非常に可愛らしい。これには参りました。 ○黒川芽以はそういう意味での見どころが少ないが、「謎は解けたよワトソン君」のところで可愛くアピールしているのはよかった。この頃は顔がふっくらして愛らしい。 およそ以上のような映画だった。これで5点つける。
[DVD(邦画)] 5点(2016-06-09 23:26:52)
833.  宇宙人東京に現わる 《ネタバレ》 
子どもの頃、東京のビル街に巨大な宇宙人が立っているスチル写真を見た記憶があるが、実際に映画を見るとそういうものでは全くなかったので騙されたと気づいた。他の写真を見てもあからさまな嘘が多いが、こういうのは突っ込まずに笑って済ませることが期待されていたらしい。 また宇宙人の着ぐるみは、アクションが不要だからか中の人に合わせる気がないようで、頭と手足が全て同じ大きさで揃えてあるので均整が取れている。しかし立っていると着ぐるみに皺ができ、いかにも布のような薄手の素材で作ったように見えるのはシーツを被ったオバケのようでもあるが、制作側としてはこれで特に問題があるとは思っていなかったらしい。  内容的には、前半は普通の娯楽映画のようで気楽に見られる。市井の人々の会話が楽しいが、学者一家がまるで身分の違う人のように扱われていたのは当時の社会通念を示したようで興味深い。また当時の東京郊外の風景や(杉並区?)、開発初期の小型ロケットが出ていたのも時代を感じさせる。しかし後半はあまりにも適当な展開になってしまうのが残念なことで、博士を誘拐した悪党連中は行方不明で終わり、また満を持したかのように宇宙人が介入したタイミングも合理的には説明できない。 テーマとの関係で見れば、人類を救うための使用を最後にして原水爆が地上から消えた、という感じのハッピーエンドにしたかったのかと想像される。しかしそれに心から共感するためには、実物が失われても知識や技術や保有の動機は失われていないはずだ、と考えないようにする必要があるので難しい。反核にしても観念論にとどまっており、とても「ゴジラ」(1954)のようなインパクトは感じられない。 また最後のミサイルは宇宙人が製造したわけだが、これは心正しい人々が正しい目的で核兵器を使うのは容認されるということなのか。一般に反核というのは核兵器の存在自体が悪なのであって、目的を問わず製造・使用などとんでもないというのが普通だろうが、この映画では保有国によっては批判の対象から除外するのと同様の印象があって理不尽に思われる。 ただ、他のレビュアーが書かれているように、ラストの妙なほのぼの感が非常に印象的な映画ではあった。
[DVD(邦画)] 4点(2016-06-04 09:59:48)
834.  虹男 《ネタバレ》 
昭和特撮ファンの間ではそれなりに知られた映画だが、実際見ればどこが特撮映画かと呆れることは間違いない。 実態としては探偵小説(推理小説)を映画化したもので、1947年に新聞連載されたものが翌年に出版され、さらにその翌年には映画化されたということである。映像には戦後4年目の屋外風景も出ており、駅の場面では「日本通運新宿支店」「八王子支店」という看板が見えて場所が知られる。 当時を知らない人間としては敗戦直後など余裕がなくて大変だったろうと思うわけだが、そういう時期でもこんな小説なり映画が発表されているのを見ると、戦争の勝敗にかかわらず人間は娯楽を欲するものだなという感慨がある。また戦後という時代を受けてのことか、女性の地位の変化ということに微妙に踏み込んだように見えなくもない(特に原作の方)。 なお劇中の博士は虹の研究をしていたとのことだが、それが何の役に立つかについて本人の説明を聞くと、遠い天体からの光をスペクトルに分解することで宇宙の膨張による赤方偏移の観測に使える、ということだったようで、これは結構まともな(普通の)ことを言っている。  ところでこの映画を見るために原作まで読む人間は全国でも多くないだろうが、あえて読んでみるとけっこう原作に忠実に作ったようである。ただし長編小説を1時間半に収めたため、原作でもわかりづらいところがさらに理解困難になった面はあるかも知れない。 また映画では真犯人とラストの展開を大きく変え、ハッピーエンド化したことで娯楽性を高めたようにも思われる。しかし原作では悲劇性を強く出した上で最後だけほんのり泣けるというのが非常によかったので、これが映画では形だけになっているのが残念だった。舞台になった旧家の異常さも印象が薄くなっており(映像化困難な面はあるが)、どうも中途半端な映画になったように見えた。 ちなみに原作の虹男は「赤衣をまとい額のただ中にただ一つの緑眼怪しく光る男」で「火のごとく虹を吐きたり」という伝承になっている。  ところでこれだけ遡ると知っている役者が少ないが、一応の主役である小林桂樹氏に関しては、後年の赤ひげ先生や田所博士とは思えない軽い人物に見える。また旧家の長男役が、後の“おもちゃじいさん”や“金山老人”だというのは昭和特撮ファンの関心事ではなかろうか。 ほか音楽担当が伊福部昭氏のため、今にも怪獣が出そうだが出なかった。
[DVD(邦画)] 4点(2016-06-04 09:23:54)(良:1票)
835.  八甲田山 《ネタバレ》 
これまでに何度か見ているが、国土地理院サイトの地形図やGoogle Earthで場所を逐一確認しながら見ると退屈しない。特にGoogle Earthを見ると山の形から撮影場所がどのあたりだったかわかる場合もある(注:現在はGoogle Mapでも3Dが使えるらしい)。原作本にも当時の詳細な地図がついている。 撮影秘話のようなものはあまり読んでいないが、映像からすればいかにも厳しい現場だったようには見える。特に、休止中の人々の頭の上に相当量の雪がそれらしく積もっていた場面があったが、落ちた様子を見ると本物の雪だったように見え、これはこのように雪が積もる間この人々がずっとここに立っていたことを意味するのだろうかと素朴な疑問を感じる。 また物語に関して印象に残るのは、まずは当然ながら兵隊さんのご労苦ということになるが、暗澹とさせられたのが最後の説明文で、生還した人々がわずか2年後に戦死したと書かれていたことである。この時の経験が満州の平原で生かされたのかどうか不明だが、明治日本が列強に追いつく過程ですり潰されていったかのような人々の存在が痛々しく、登場人物の子どもの頃の情景も、むしろそのこととの関係で哀しく思われた。  ところで弘前の部隊が村へ入る際、案内人を先頭にしてラッパ付きで行進した場面は普通に感動的だった。これは原作とも違っており、当時としては常識外れのことかも知れないが、しかし現代の映画としてはかえってこれでよかったのではと思われる。昔の軍隊は百姓町人に教わることなどないと思っていたかも知れないが、わからないことはわかる人間に尋ねるべきであり、またその人間には敬意を払わなければならない。そのような態度が成功をもたらすというのはまあ当然だろうが、この点でちゃんと筋を通してくれたことで、この映画が昔の軍隊の理不尽さを糾弾するだけのものでなく、現代人の心にも通じるものになっていた気がする。 なお部隊が敬礼をしたときに、案内人殿が照れたように笑っていたのは可愛らしい。いくら何でもこんな人が現地にいたかとは思うが、重厚な高倉健と軽やかな秋吉久美子の極端な対比は非常にいい感じを出していた。「まんまくうべや」という台詞が耳に残る。
[DVD(邦画)] 8点(2016-05-28 14:11:03)(良:1票)
836.  砂の器 《ネタバレ》 
まず刑事ドラマの部分については普通に面白い。警視庁の刑事が普通行きそうにない場所を訪れて、「北の旅 海藍色に 夏 盛り」と詠んでおいて「ぜいたくな旅行させてもらったよ」というのが和む。この警部補は旅好きだったようだが、この映画での「旅」の意味づけが不明瞭なのは残念だった。「急行 鳥海」とか「山陰周遊券」を使って行ける現代(当時)と、徒歩で放浪した父子の対比を出そうとしたのかも知れないが、どうも説明不足に終わった感じがする。 一方で謎解きのポイントが方言だったことから登場人物の言葉には気を使っていたらしく、羽後亀田で川にいた中年女性の言葉などはかなりそれっぽく聞こえた。また奥出雲で若手警官が、東京から人が来たので言葉には気を付けていると言っていたのは、当時すでに世代による使い分けの能力差があったことを示していたようで興味深い。この土地の年寄衆の言葉はなるほど東北方言のように聞こえた。  ところで原作は読んでいないが、自分としてはこの映画を見て犯人の心情を思いやるのは無理だった。 確かに正義面(せいぎづら)の世話焼きが煩わしいというのはわからなくもないが、“息子に会いたい”以外に話題のない手紙を24年もやり取りしていれば、元巡査が息子を強く説得しようとするのも無理はない。一方で息子が再会を拒んだ理由といえば、自分が成り上がるためには父親が物理的に邪魔だった、というだけではないか。父親側が知らないと言い張ったことで免責されるわけでもない。 また劇中曲は芸術音楽というより映画音楽のような薄さだが、それは使用目的に合わせたことなのでまあいいとして、そもそも共感できない人間の心情を切々と訴えられても到底受け入れられるものではない。この男にとって大事なのは自分を表現することだけで、自分が孕ませた女を死なせてしまったことなどはこの曲の中で表現されてないだろう。 大体そのような理由で、自分としては犯人が一番悪いと言って終わりにしたい映画だった。ちなみに題名の意味をこの映画から読み取るのは難しいのではないかという気がする。  なお余談として、療養所の老人の嗚咽と元巡査の説得の言葉、及び警部補がハンカチを取り出す場面ではさすがに泣かされた。警部補の隣にいた刑事(丹古母鬼馬二)までが柄にもなく目を伏せていた。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-28 14:11:00)
837.  吸血鬼ゴケミドロ 《ネタバレ》 
90年代にVHSのレンタルで見たのが初見だが、その時点では二度と見る気がしない映画だった。その理由は何だったかと考えると、基本は延々とバッドテイストの内容が続いた上にバッドエンドになって嫌悪感だけが残るということだが、そのことよりも、こういう人の神経を逆撫でするものを気の利いた風に作って得意になっている製作側に怒りを感じたという方が正しい。 そのときの印象のままで0点とか付けるのも失礼かと思って二度目を見たところ、20年の間に神経が図太くなったらしく今回はそれほど気に障るところもなかったが、それにしても登場人物の行動が紋切型で人間性に深みが感じられず、また社会的メッセージのようなものも通り一遍で薬味程度にしかなっていない。逆にベトナムで戦争が続いていた時期にこういう悪趣味な娯楽映画を作っていた日本は呑気なものだと感じる。 登場人物のうち共感できる人間は誰もいなかったが(副操縦士はバカ)、金子信雄氏の悪役ぶりにはほれぼれした。 なおDVD特典の鷺巣富雄氏インタビューで、題名の由来が京都の「苔寺」と「深泥池」(:伝統的な心霊スポット)と知って少し感動した。安直なネーミングだが。
[DVD(邦画)] 3点(2016-05-21 09:46:06)(良:1票)
838.  人狼ゲーム クレイジーフォックス 《ネタバレ》 
シリーズ第3作だが監督は代わっている。宣伝文句には「あなたも必ず騙される!」と書いてあるが見ると実際に騙された。映像的にごまかしていたらしいので素直に信じてはならないようである。またあまり理詰めで見ていなかったので、最後はなるほどここで終わりになるのかと意外感があった。  今回は人数が12人に増えているが(前回は10人)、二回目の参加者がかなり多くなっており、それなりに慣れた連中ばかりのようで新鮮味は薄れている。その割に主人公が冒頭からとぼけたことを言い出すのは頭が変としか思えなかったが、まあ前回の生き残りだからといって全員が決死の覚悟とも限らず、大勢に乗って何となく二回目を迎えた連中も多かったのかも知れない。 その上で今回は、恋愛感情とか仲間意識とかいった不純な要素がからんで来て、必ずしも本気の勝負に見えない点が新しい趣向だったようである。他人を信じるのは自分がそうしたいから、信じる自分が好きだからであって、そんなことなら愛も絆も白々しい、というのは辛辣である。近年よく使われる「絆」という言葉を否定的に使うのは珍しいが、自分しかできないことを他人に委ねるな、結局は自分しかいないのだから自分が本気になれ、ということなら、若年者に向けたメッセージとしては理解できることである。 また特に今回は、ただ乗りを許さないという思いが強く出ていたように見える。一般常識としても、本気を出している人間を冷笑しながら結果だけいただく態度が許されないのはわかるので、ここは劇中の本気度No.1女子(やかましいが痛々しい)に肩入れしてやらなければならないのだろう。最後に死者の思いを生者に託す形になっていたのは、このシリーズ(映画)の最低限の良心ということかも知れない。 ちなみに最後の罵声は言葉遣いが荒いので共感できないが、ここで言っている相手が誰かによっては、次回があってももう見なくていいということになるのではないか。人が死ぬのを見たいだけなら不要な映画かも知れない。  なお今回は特に思い入れのある出演者がいない(従って本来は見る理由もない)が、萩原みのりという人に関しては、以前に見た「劇場版 零~ゼロ~」(2014)でほとんど目立っていなかったので、この映画で一定の存在感を出していたのはよかった。
[DVD(邦画)] 6点(2016-05-21 09:27:27)(良:1票)
839.  昆虫大戦争 《ネタバレ》 
登場人物の説明によれば、劇中の「亜南群島」は「二十数年間日本の手を離れてた」とのことで、これは小笠原諸島を念頭に置いていたものと思われる。この映画の公開は1968年だが、実際に小笠原諸島は同年6月26日に日本に返還されており、劇中の黒人兵が死んだのが1968/10/19だったのをまともに受け取れば返還直後だったことになる。劇中で妙にアメリカ軍がのさばっていたのはまだ完全に影響を脱していなかったということか。そうした歴史的背景のほか、映像的にも微妙な南の島感(熱帯ではないが本土でもない)が出ており、これは撮影地が八丈島だったことによるものかも知れない。  ストーリーとしては、戦後の東西対立と日米の微妙な関係に加えて前大戦の亡霊のようなものが劇中にまとめられており、単純な二項対立の構図に終わっていないのが好印象である。その上で、昆虫の集団意思のようなものが人類に宣戦する、という大きな動きが見えて来る展開は悪くなかった。また序盤からいきなり重要人物が外人女と浮気していたり、その新妻が雇用主に乱暴されそうになったりするのはその後の月並みでない展開を期待させる。複雑そうに見えた人間関係がやがて解きほぐされていき、ラストの意外さも単なる肩透かしに終わることなく、未来にわずかな望みを託すような終幕はわりと良心的に感じられた。これ自体が面白いかどうかは別として、他の松竹特撮映画と比べると、地味ながら普通にまともな感じの映画だったのが感動的である。  ところで登場人物としては、劇中に男女の組み合わせが2つできていたが、まともな大人同士の方はいいとして若い方はいかにもバカップルに見える。誰も頼れる人がいない、というのは自分ら(特に男)のせいだろうと言いたいところだが、虫を捕る以外に生活の道がないというのも情けない話で、頼りがいのありそうな学者先生と比べるといかにも愚かな連中に見える。アメリカ軍にとっては「虫けら」同然だろうが、それでも最後に互いの愛情が本物だったのを見せたのが哀れを誘うということだろう。ここが昆虫とは違う人間の証と言いたかったのかも知れない。 新藤恵美という女優の最盛期はよく知らないが、この映画では悲しげな表情が愛らしい人だった。またキャシー・ホーランさんが今回は大活躍で、なかなか色っぽいところを見せていたのもよかった。
[DVD(邦画)] 5点(2016-05-21 09:27:25)
840.  吸血髑髏船 《ネタバレ》 
予告編では「怪奇シリーズ第二弾」「怪奇娯楽映画の決定版」とされており、当時の分類としては「怪奇映画」だったと思われる。実際見ると松竹の前作(第一弾)とは全く違う雰囲気で、序盤から怨霊がらみの復讐劇が展開していくのは東宝変身人間シリーズのようでもあり、また心霊ものの怖さも出しているように見えた。 しかし終盤に至ると唐突に変な科学者(医師)が出て来て、自分が開発した変な薬品で人を殺すのは統一感がなく非常に変である。この映画は1968/11/9の公開だが、同時期の1968/9/15~1969/3/9にTV放送されていた「怪奇大作戦」はまさにそういう科学犯罪を扱った番組で、人体が溶解するとかコウモリの飛び具合とか、最後に破滅して終わりといったところに共通性が感じられる。またその終わり方にしても、人類が滅亡するとかではなく当事者だけが全滅して残された者に記憶の重荷を負わせるというのは、後味の悪さの面で松竹の他の特撮映画とも質が違っており、そういった点で「怪奇映画」の分類にふさわしい出来のように見えた(前作は単なる悪趣味志向)。  ところでこの映画を見た動機としては、かつて11PMというテレビ番組にレギュラーで出ていた松岡きっこという人が、他にどういう仕事をしていたかを見ることである。さらに突っ込んでいえば、劇中で胸を露わにする場面があるという話だったのも大きな誘因になっていた。しかしDVD特典のインタビューに出ていた岡田真澄氏によれば、本人は脱ぐという話をあらかじめ聞いてなかったために現場で少しもめたとのことで、やはりそんなに気安く見ていいものではないらしい。 自分としてはとりあえず松岡きっこさんの若さと美貌を確認したので満足だった。そのほか悪役の俳優陣もさすがの迫力である。
[DVD(邦画)] 4点(2016-05-21 09:27:22)
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