841. バウンド(1996)
「マトリックス」で大ブレイクする前のウォシャウスキー兄弟の、小品ではあるけれど緻密に計算された演出に、ただならぬ才能と力量を感じざるを得ませんでした。舞台の一幕モノのみたいな、限られた空間内で展開されるサスペンスの連続に、ハラハラ・ドキドキしっぱなしでした。ここでも“電話”がひとつのモチーフになってましたっけ。 8点(2000-09-22 00:34:01) |
842. パーフェクト・ワールド
子供を出汁にした、いわゆる“お涙頂戴もの”ってのが見え見えで、なんか製作者側のあざとさを感じざるを得ない。それでも途中までは良かったんだけど、ラストがくどすぎていっぺんに白けてしまった。 6点(2000-09-22 00:11:33) |
843. マーズ・アタック!
ティム・バートンだからといって、何でもかんでも評価してしまうのはど~かと思いますね。僕はやっぱり「ID4」のような、本格的な観せ方をしてくれる作品のほうが好きだし、スッゴく良く出来てもいましたし・・・。だからこのパロディというか、マンガチックな飛んだ作品には拒絶反応をおこし、最後までノレませんでした。 6点(2000-09-21 23:55:08) |
844. ブレードランナー
リドリー・スコット監督独特の作家性がもっとも色濃くにじみ出た作品。そういう意味では彼のベストかもしれない。ダグラス・トランブルの造形した未来都市のイメージは、目が眩むほどの視覚効果で我々を圧倒する。しかしはたしてこういう大仰なSFXが、この作品に本当に必要だったのだろうか? 9点(2000-09-21 23:36:29) |
845. ダイ・ハード3
第一作目の作品的成功は単なる“まぐれ”だったのか?。あれ以来、J・マクティアナン作品はロクなものがない。そこで起死回生の最当番となったわけだが、かえって墓穴を掘ってしまったようだ。彼は本来この程度の力量なのかも知れない。全体の批評はDANGOさんのコメントどうりですが、やはり一番の問題はB・ウィリスがこの役柄に慣れてしまい、よく言えば余裕しゃくしゃく、悪く言えば手を抜いているかのような印象を、我々観客に与えてしまっている事だと思う。 6点(2000-09-21 12:04:32) |
846. ダイ・ハード2
輸送機に閉じ込められて機銃攻撃を一斉に浴びせられる中、緊急脱出装置で危機を逃れるという場面を、俯瞰で見せてくれるシーンが印象的で、レニー・ハーリン監督は前作の雰囲気を継承しつつ、尚且つ新しいアクションの見せかたに腐心していることが良く分る。アクション監督としてマクティアナンへの強烈な対抗意識ともとれるんですが・・・。ただ中盤の爆弾をセットした教会での攻防戦は、ちょっとした演出上のミスで盛り上がりに欠けたようにも思えます。前作以上にド派手なシーンが多い分、ちょっと節操がないようにも思えますが、PART2ものとしては良く出来ているほうです。ただ愛すべきキャラクターのパウエル巡査長の出番が少なかったのが残念です。 8点(2000-09-21 11:38:21) |
847. コップランド
太ってて寡黙で気弱そうで、およそ従来のスタローンのイメージとは程遠い苦心の役作り。そのスタンスは最後まで変わりませんでした。クライマックス、聞こえない耳をおさえながら苦悶の表情で悪に立ち向かうシーンに、妙にリアリティを感じました。スタローンの作品としては好きなほうです。レイ・リオッタが珍しく善人役(?)で出演。 7点(2000-09-21 00:15:50) |
848. アンタッチャブル
ブライアン・デ・パルマ監督の作品って、いつも途中までハラハラドキドキなんだけど、終盤になるにつれて肩透かしというか腰砕けになってしまうんですよネ。でも本作は脚本の良さもあって、冒頭からエンディングまで隙がなく巧くまとめています(彼らしくないといえばそうなんだけど・・・)。クライマックスの駅構内の階段でのド派手な銃撃戦は、スローモーションでさらに効果をあげ、映画史に残る(かな?)名シーンになっています。でもあの赤ん坊は可愛くないっ!(笑) 8点(2000-09-20 23:52:18) |
849. ラン・ローラ・ラン
いいですネ~!おもしろいですネ~!“愛の強さは運命をも変える”ってか~!映像と音楽が実にパワフル。こういう映画の作り方って、もっとドシドシ出てきてほしいものです。自分の人生もリセットできたらなぁ~! 8点(2000-09-20 11:45:14) |
850. ダイ・ハード
劇中、主人公がビルの中を逃げまわっている時、部屋に張ってあるヌード美女のピンナップに、「ハーイ」とか「やあ、また会ったネ」と話しかけるシーンがある。激しい銃撃戦や爆発など、殺伐とした内容の中でホッと一息つける瞬間である。J・マクティアナンの“10年に一度の奇跡”とも言えるこの作品での緩急自在の演出は、タイトルが出る前から伏線が張られるという冒頭から、ラストの大団円まで冴えまくります。僕的には生涯のベスト作品の候補の一本です。 10点(2000-09-18 23:28:56) |
851. 宇宙戦争(1953)
侵略SF映画の古典。そのUFO(当時はほとんどの呼称が“空飛ぶ円盤”でした)が、まるで重戦車が空中に浮かんで、ほとんど停止しているかのようなゆったりと動く様はいかにも不気味で、そして圧倒的な迫力をもって我々にせまって来ます。しかもその機体の頭から延びている触覚から発射される光線の破壊力のもの凄さ。これらと戦う軍隊や民間人といった図式は、後々、東宝映画「地球防衛軍」に代表されるように、映画や漫画等に多大な影響を与えました。最後、エイリアン(当時は宇宙人)が地球上の“ある物”に滅びてしまうという設定があっけなくて、もう一工夫ほしいところでしたが、全編に恐怖感と緊迫感たっぷりで見ごたえ十分です。SF映画ファンならずとも未見の方は是非! 10点(2000-09-18 11:30:01)(良:1票) |
852. 最終絶叫計画
ベースとなっているのは「スクリーム」で、他の人気映画をもパロったつもり(?)の作品。でもそのパロディーもほとんど何の意味も無く、ただ“便宜上使用しているだけ”といったもので、ここには“絶叫”も無ければ“笑い”も無い(ただ下ネタの場面では笑ったような記憶があります)。日本人にはほとんど気づかないようなネタが、アメリカ人には大ウケなんでしょうねっ(“全米No1ヒット”も、もういい加減にしろよっ!)。ただSFX、いや“仕掛け”だけははなかなか凝ってます。 4点(2000-09-18 00:15:58) |
853. 隣人は静かに笑う
なんの予備知識もなく期待しないで観たせいか、やっぱりラストの大ドンデンには座席で凍り付いてしまいました。ティム・ロビンスが相手ならさもありなんか・・・。ただ“ここ”ばっかり話題になってますが、そこへ到るまでのサスペンスの盛り上げ方など実にスリリングに描かれていて、最近では異色のサスペンス物として良くできている思います。 8点(2000-09-17 23:58:55) |
854. 死霊のはらわた(1981)
スプラッター・ムービーの代表作。人間に死霊が乗り移ってからの、そのメイクと彼(彼女)等の“それっぽい演技”の凄い事。!!前半ぼちぼちが、後半一気にたたみ込むようなサム・ライミの怖がらせる才能には脱帽するしかありません。恥ずかしながら年甲斐も無くシートに固まってしまいました。ただ最近の彼は「シンプル・プラン」等のような“普通の作品”に力を入れているようですが、やっぱり彼のそういった才能を活かすような“こわーい”作品を撮って欲しいと、切に願うのであります。 7点(2000-09-17 23:43:02) |
855. ピースメーカー
女流アクション監督としては、キャスリーン・ビグローが先駆者ではあるけれども、その映像の豪快さとスケール感では、このミミ・レダーが圧倒している。さすがスピルバーグが白羽の矢を立てただけのことはあると思いました。で、このポリティカル・アクションですが、国家や民族のために命を散らしていく者の悲しみをもキッチリと描いていて、決して派手なアクションだけに終わっていない点など、本当に良く出来た作品だと思いますが、ただ残念なのは某老舗映画雑誌のベストテンの投票では、なぜか誰一人として票を投じていなかったことである。 8点(2000-09-17 23:27:13) |
856. フロム・ダスク・ティル・ドーン
前半はタランティーノ風フルムノワール、後半はゾンビ風バンパイア物で、一粒で二度美味しい珍品。J・クルーニーとJ・ルイスが今日の活躍を予感させて実にしたたかである。 6点(2000-09-14 23:28:19) |
857. コンタクト
外宇宙から銀河系へ、そして太陽系のそれぞれの惑星を通り、やがて少女の目に受け継がれるというところを、ワンショットで見せきるオープニング・シーンや、実験台の爆発をパースペクティブなスペクタクルとして見せるシーン、そしてフォスターが思わず「なんて美しい・・・」と表現してしまう程、永遠ともとれる一瞬の間に見る異空間の素晴らしさ等々、我々観客にも疑似体験したような不思議な感覚を体感できる作品です。J・フォスターってどんな作品でも全力投球しているのがよく分る作品でもあります。 8点(2000-09-14 14:01:07) |
858. GODZILLA ゴジラ(1998)
日米の“ゴジラ愛好家”から総スカンを喰った気の毒な一作。初期の頃はともかく、後年、マンガチックなキャラクターに堕ちてしまった和製ゴジラに、特別な思い入れなどあるわけもなく、辟易していたところへ本作の登場。とにかく素直に楽しめました。エメリッヒ監督って見せかたに新しい工夫を凝らせる才能のある人のようで、特に前半、ゴジラが姿を現し街をノッシノッシと歩く姿を、仰角でとらえた撮影方法には度肝をぬかれました。ただ終盤のスリリングだけど“鬼ごっこ”みたいな展開はまったく意外で苦笑してしまいましたし、またミサイル攻撃で呆気なく死んでしまうのには物足りなさが残ります。この監督作品って「ID4」と同様、“画竜点睛を欠く”のような気がしています。さらに続編ができそうなエンディングでもありましたけど・・・。 9点(2000-09-14 13:32:00)(良:1票) |
859. タイタニック(1997)
ほとんど外れのないJ・キャメロン監督の一世一代の入魂の一作。これぞ万人受けする映画の中の映画と言えるでしょうね。歴史的事実をよくあれだけ創作できるもんだと感心すらおぼえます。こんなスゴイのを撮って、アカデミー賞をも独占してしまったあと、彼はいったいどんな作品を用意するんでしょうか?。 8点(2000-09-14 12:57:30) |
860. ポセイドン・アドベンチャー(1972)
当時の一連のデザスター・ムービーの中では最良の作品として記憶にとどめておきたい。大型客船が津波で真っ逆さまになり、生き残った登場人物たちが力をあわせて、“船底”を目指して脱出をはかるというアイデアが秀逸で、ハックマンやボーグナインといったキャスティングの勝利でもある。挿入歌の♪モーニング・アフターも大ヒットしました。ただ監督のロナルド・ニームがこのあと、「オデッサ・ファイル」を撮ったぐらいで、その後見かけないのが残念です。 9点(2000-09-14 12:44:17) |