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鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3957
性別 男性
年齢 53歳

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841.  ワイルド・スピード 《ネタバレ》 
このシリーズも第1作からはかけ離れた世界観に突入していて、思えば遠くへきたもんだ、と、ため息のひとつも出るのですが、久しぶりに第1作に戻って復習しておこうかと。 で、今更気づいたんですが、てっきりこのシリーズのタイトルは「Fast & Furious」だと思いこんでいたところ、第1作の冒頭を見ると、FastにもFuriousにも、それぞれ「The」が付いているではないですか。今まで、「Fast≒Furious」みたいなニュアンスのように捉えていたけど、実は「Fast⇔Furious」と捉えるべきだったのか? とか言っても、そのことと映画の内容との関連は、サッパリわからんので(汗)、何でもいいんですけどね。 この第1作目、クルマ愛が全編に漲りまくっていて、正直、クルマに疎い私にはついていけない世界なんですが、映画を楽しめるか否かとは関係なし。曲芸のようなカーアクションの羅列に走っている最近のシリーズ作(もちろん嫌いでは無い)とは違って、ガチンコ感のあるカーアクションが楽しめます。 何より、第1作ということもあって、ポール・ウォーカーとヴィン・ディーゼルとの出会いが描かれており、このシリーズにはめずらしく、ちゃんとストーリーがある(笑)。潜入捜査モノでありながら、そこにまつわるドキドキ感があまり感じられないのは惜しいところですが、それはあくまで、物語がふたりの関係性に焦点をあてているから。もちろん、「潜入捜査&カーアクション」という路線は、『フェラーリの鷹』を思い出させてそれだけでもうれしくなってくるのですが、ああいうムダなクラッシュを連発する映画とは路線を変えたことが、長く続くシリーズとなった秘訣でしょうか(いや、『フェラーリの鷹』は殿堂入り、別格の作品ですけどね)。 踏切を飛び越えるシーン、続いてヴィン・ディーゼルのクルマが宙を舞うシーンは、第1作にして、シリーズ中屈指のシーンだと思います。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2020-08-15 14:23:04)
842.  チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜
最初の方で、天海祐希がダンスの基本形をやって見せるシーンがあって、その一つがラインダンス! これは貴重。泣く子も黙る元男役トップさんの彼女も、初舞台ではラインダンスをやってた(やらされてた)ハズで、もしかしてコレ、初舞台以来だったりして。 それはともかく(本当にどうでもいい)。 もともとサブタイトルで「全米制覇」を謳っちゃってるもんで、結末を先に明かしている、というのもある一方、若い女優たちがそれに見合うパフォーマンスを見せられるのか、というのもあって。だもんで、練習シーンの本気モードを見ていると、役の中の彼女たちを応援しているのか、役を演じる彼女たちを応援しているのか、両者入り混じったような気分になってきます。途中の大会のシーンではあえてダンスを省略し、クライマックスの全米大会で一気にパフォーマンスを見せ切るのが、心憎いです。 正直、最近の芸能界におけるナントカ48とかナントカ46だとかいうグループを見ても、オジサンには誰が誰やら区別がつかないのですが、本作はそういうオジサンにも配慮してくれたのか(?)、登場人物たちそれぞれに印象に残るエピソードを挟み込み、うまく描き分けています。 随所に挿入されるギャグも、間の取り方でなかなか笑わせてくれるし。 彼女たちの成長物語と思わせて、実は先生の成長物語でもあった、というのが、ダメ押しのサービス。 まさかこのタイトルの映画で、こんなに感動させられるとは、思わなかったよ。
[地上波(邦画)] 8点(2020-08-14 17:09:04)
843.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q
『破』でそれなりに盛り上がってきたものを、続く本作では「それはともかく、はい、14年後」とか言ってご破算にしてしまうあたりに、エヴァンゲリオンという作品の本性を見せられた気が。 登場人物の風貌を見る限り、14年という歳月を感じさせるものは殆どありませんが、内容的には14万光年くらいはかけ離れてしまった印象で、でもまあ正直、『破』の続きが気になってた訳でも何でもないので、文句はございません、はい。 という訳で、今まで以上に、ワカッタようなワカランようなよくわからないオハナシが展開されて、その分、映像面では最もやりたい放題、最も見応えのある作品になっている、気もするのですが、ワカランもんはワカラン訳で、映像を楽しむしかない。 中間部は、同性愛的な雰囲気も若干漂わせて、しっとりとしており、派手な爆発シーンだけが見せ場じゃないよ、というのが伝わってきます。 最後は「つづく」とか言ってるけど。本当に「続き」なんでしょうな?
[CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-14 16:24:00)
844.  blank13 《ネタバレ》 
監督は売れっ子俳優の斎藤工(クレジットは本名の「齊藤工」)。70分ほどの小品で、テーマもやや地味ですが、奇を衒うことのない手堅い演出で、好感が持てます。 監督本人が兄、高橋一生が弟の役で、父親はふたりが子供の頃に借金を残して失踪。13年ぶりに消息が判明するが、病で余命いくばくもない状態。父の失踪以来、母親が懸命に働いてふたりを育て上げ、またふたりも子どもの頃から苦労を重ねてきたもんで、兄は父親のことが許せない。一方の弟は、父に遊んでもらった幼少時の記憶から、完全に父を見限ることができず、病院へ見舞いに行く。父親役のリリー・フランキーと高橋一生が病院の屋上で語り合うシーンの、微妙な距離感などは、齊藤演出の腕の見せ所。全編にわたってテクニックをひけらかすのではなく、要所要所で拘りを見せてくれます。 幼少時の回想シーンで、母親の自転車が車にぶつかる場面では、変にカットを割らずに事故の瞬間を投げ出すように描き、日常に突然現れる恐怖を印象的に描いています。 父親はやがて他界し、映画後半は父親の葬儀が描かれるのですが、父親の破天荒な生涯を表そうというのか、ちょっとコミカルな味付けとなっていて、ただそれだけに、居心地の悪さみたいなものも感じさせます。ダメな父親だったけど、こんないい面があった、あんないい面があった。一方で、でも父を決して許せない、という兄もそこにいて。 しかし、何を言ってもこれが最後、間もなく父は、荼毘に付される。 映画の冒頭で、「火葬とは」云々とかいうテロップが出て、正直、こういう映画の開始はちょっと警戒しちゃうんですけれども、映画の最後は火葬の場面となり、一方で、葬儀にも火葬場にも姿を現さなかった母親は、夫の唯一の形見なのかもしれないタバコを吸っていて、すべてが煙となって消えていく。冒頭のテロップにもちゃんと繋がって、映画を締めくくります。
[地上波(邦画)] 8点(2020-08-13 15:12:06)
845.  スクール・オブ・ロック
罪のない映画。いや、罪深く無いことは無いような気もするけど。まあ、硬いコトは抜きにして。 と言いたいところだけど、やっぱり、なあ。 主人公が身分を偽って、教師として名門小学校に潜りこみ、子供たちとロックバンドを組んで活き活きとしたクラスにしちゃう、というんですけれども。 子供たちに対しては「キミは才能がある!」の一点張り。実際、たまたま才能のある子供たちが多かったみたいなので運が良かったけど、もうちょっと子供たちの表情なり成長する姿なりをしっかり描いてもよかったのでは。なのに、何かというと、ジャック・ブラックの「顔芸」に頼ってしまう、安易な構成。まあ、彼が芸達者なことは、大変よくわかりましたけれども。 音楽の才能のある子はいいけど、才能の無い子はというと、今度は「裏方として才能がある」とか言っておだてて、その気にさせてしまう。 経営学を名乗るインチキ指南書とかに、こういうのが「指導者としての良い例」などと掲載されていそうな気がしてくる。そのくらい、インチキくさくって、感動にも笑いにも教訓にも繋がりません。登場人物全員がナットクしてハッピーエンド、なんだけど、わたしゃあんまりナットクいきませぬ。 もともとインチキな主人公に、インチキでもってドラマを引っ張らせ続け、最後までインチキなまま走らせてしまった印象。「真実がインチキを追い越す瞬間」というものを、本当は見たかったのだけど。
[CS・衛星(吹替)] 5点(2020-08-13 14:07:34)(良:1票)
846.  リベンジ・リスト
妻をチンピラに殺害され、しかも警察はいったんは犯人の身柄を押さえるも、なぜか釈放してしまう。 で、主人公は自らの手で復讐を果たすことを誓う。という、もうさんざん手垢のついたようなオハナシ、なんですけれども。 この主人公を演じているのがジョン・トラヴォルタで、事件に巻き込まれるまでは普通のおじさん。と言ってもなかなか、トラヴォルタが普通のおじさんに見えるワケもなく。もしかしてミスキャストか? との心配はご無用。やがて、普通のおじさんでも何でもないということがわかってきて、しかも事件も単なるチンピラの強盗などではなかったこともわかってきて。 そう、まさにトラヴォルタによる、トラヴォルタのための復讐アクション映画。気の合う相棒とともに、巨悪に立ち向かって暴れまくります。この相棒の存在が、本作の面白いところ。復讐モノと言えば普通は主人公の孤独な戦い、その孤独ゆえの抒情性なりサスペンスなりが見どころなんでしょうけれど、本作にはそんな気の利いたモノはなくって。おっさん2人を配置して暴れさせることで、アクションに動きや新しい視点が与えられているのがむしろ、本作の見どころになってます。ラストの意外性も、「こんな意外性の出し方があったのか」という、意外な意外性。なんのこっちゃ。 本作で一番気になったのは、トラヴォルタの額の生え際の微妙な感じ。キダ・タロ―先生並みにカツラっぽくって・・・
[地上波(吹替)] 7点(2020-08-12 16:57:46)
847.  オレの獲物はビンラディン 《ネタバレ》 
片や『マシンガン・プリーチャー』なんていう映画があって、一方でこういう作品があるのを見ると、つくづくアメリカには色んな人がいるんだなあ、と。この実在の人物ふたりを比較してよいものだかどうなんだか、いや比較しちゃダメでしょ、とも思うのですが、なにせ、「スケールがデカい」と言っても色んなタイプがある訳で。 しかし本作、実話だ何だと言ってみたところで、その実話を突き動かしているのが、主人公のおっちゃんの「妄想」なもんだから、もう何でもあり。 妄想があれば、何でもできる。って猪木も言ってなかったっけ? 言ってない? で、本作に驚かされるのは、現実を追いかけていたはずの映画が、気が付いたら現実を追い抜いてしまっている、ってコト。妄想が現実を作り出し、現実が映画を作り出し、映画が金を作り出し、金がさらに妄想を現実化させてしまう、というシステム。ああ、続編、できちゃうんだろうか。でもしょうがない、観てしまった我々も、共犯者なんだから。くそ~ニコラス・ケイジめ。 にしてもまあ、見事なまでに憎めないのが、このオジサン。同時多発テロ以降、何から何まで、本来なら到底笑いごとにはならないはずのものが、なぜかこうやってコメディ映画になってしまう。オジサン、恐るべし。 そして、アメリカ、恐るべし。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-12 16:20:03)
848.  新・ガンヒルの決斗
グレゴリー・ペックとチビッ子との凸凹コンビぶりを楽しむんだったら、『オーメン』より断然、コチラですよね。まあ、『オーメン』にそういう期待を持つ人もあまりいないかも知れませんが。 グレゴリー・ペックって、結構背が高くって、さらにそれなりに歳食って貫録も出てきたもんだから、若い頃のスマートな印象が影を潜めて、ちょっとイカツいオッサンのイメージ(白鯨のエイハブ船長役なんかも、ホントはこのくらいの貫録が出てからやって欲しかった)。でこのオッサンが、ふらりと現れた少女を、手玉にとったり、とられたり。馬から降ろすのに、女の子の片腕を持ってヒョイとつるし上げてみせる、これが何だか楽しくって。大人のゴツさの前には、子供の小ささ・軽さはまるで、無重力の世界に生きているかのよう。 こういう光景を見たらもう、二人がホントの親子かどうかなんて、どうでもよくなってしまう(そりゃまあ、どうせ、役の上での話ですし、ねえ・・・)。 かつて自分を裏切った男の姿を求めて、ガンヒルの街に向かう主人公と、彼をつけ狙うチンピラ3人組。チンピラどもがケシカランことをやれば、主人公もなかなか意地の悪い仕返しをやって見せたりして。 単純な勧善懲悪ではなく、主人公がちょっとした曲者として描かれていて、でもやっぱり、明るく楽しい西部劇。70年代に入って、西部劇人気も陰りが出てきた頃なんでしょうけれども、作品の中にはちゃんと、黄金期の西部劇に負けず劣らず雄大な景色が広がっており、「らしさ」が堪能できます。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-08-12 15:53:26)
849.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
年上の女性や勝気な女性にイジメられてみたいマゾな気持ちが8割くらい、それでも女性を守りたい気持ちが2割くらい。といったところでしょうか。昨今の男性の願望としては、まあ、標準的なものでしょうね(・・・?) 「序」がイマイチ見どころに乏しい作品だったのに比べると、ようやく物語に起伏が生じ、映像にも見応えが出てきて。正直、細かいところは何が何やら・・・ではあるんですけど(スミマセン、歳なもんで)、物語にエンジンさえかかれば、私のようなオジサンも含めて、観る者をグイグイ引っ張ってくれます。 やはり頑固で理不尽なオヤジくらい、物語に貢献する存在は、なかなかありません。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-10 18:06:06)
850.  ザ・ドライバー 《ネタバレ》 
とにかく不愛想な映画でして。登場人物には誰も名前が与えられておらず、タイトルの「ザ・ドライバー」ってのも、これすなわち主人公の役名。登場人物は皆、単なる“駒”扱い。 で、ライアン・オニール演じる「ザ・ドライバー」が、夜の街を走りまくる。他の車が避けるのはまだしも、何だか柱までもが彼の車を避けるみたいに、魔法のごとくスイスイと飛ばしまくる。車さえあれば、もはや不可能なし。 まあ、あまりカーチェイス映画という期待を持ちすぎると、さほどクラッシュシーンがある訳でもないので、肩透かし、という事になりかねませんが、そういう派手さよりも、本作の魅力は、シブさ。夜の雰囲気。 正直、久しぶりに観てみて、アレ、昼間のシーンも結構あったんだなあ、と、意外にも感じたんですけどね。そのくらい、夜のイメージが強い映画、なんです。もっとも、主人公をつけ狙う刑事の役がブルース・ダーンで、これがまあ、頼りないというか、何というか。一見、主人公のクールさに対して、不釣り合い、なんですけどね。でもこれが、ラストシーンではピタリとハマる、まさにハマり役中のハマリ役。 そしてもちろん、イザベル・アジャーニの妖しい魅力も、忘れられません。帽子が似合いすぎ。 終盤のカーチェイス、運転するライアン・オニールの横で、助手席に黙って座っている彼女に、ついつい視線が釘付けになってしまい、スミマセン、このシーンでライアン・オニールがどんな表情で運転しているのか、私はまだ確認できたタメシがありません。何にせよ、二人並んで、言葉も交わさず感情もあらわにせず、激しさと静けさが同居したような不思議なカーチェイスシーンになっていて、妙に印象的。その彼女も最後には悲鳴を上げて、チェイスは終わりを告げるのですが。 で、ラストシーン。ここに至るまでの、主人公とは対極のような下世話な印象のブルース・ダーンが、ここでは何だかやたらカッコいい。登場人物たち全員が、物語における“駒”に徹していて、徹したが故のカッコよさ、とも言えるでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2020-08-10 17:41:07)
851.  血染の代紋 《ネタバレ》 
バラック小屋が立ち並ぶ臨海地帯に目をつけ、住民たちを立ち退かせようと狙う経済ヤクザ。その地上げというヤな仕事を任されてしまうのが、菅原文太演じる弱小組の組長で、板挟みとなる彼の苦悩が描かれる訳ですが。 彼の右腕とも言うべき待田京介(親がバラック街に住んでおり、さらに板挟みに)、あくどいライバル組組長に渡辺文雄、と、これだけでも充分に役者がそろっているようにも思うのですが、さらに文太の幼馴染みの梅宮辰夫、文太の兄貴分の鶴田浩二、バラック街にふらりとやってきたプロレタリアートの仙人みたいな長門勇、と、何本かの映画に分けられそうなネタが贅沢に押し込まれていて、これはもう欲張り過ぎでしょう。 そこまで欲張って、多数登場させたキャラたちを、物語は、これでもかと抹殺していきます。本当に容赦がない。実録路線映画を彷彿とさせる暴力的な演出が光ります。 結局、最後にすべてを飲み込み、最後に勝つのは、「経済」という怪物、なのでした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2020-08-09 14:47:31)
852.  頭上の敵機
所詮は敵の弾も飛んでこないし爆弾も落ちてこない基地が舞台、という胡散臭さがあって、新たに指揮を執ることになったグレゴリー・ペック、部下たちの規律を正すべく、ビシビシと容赦ないのですけども、そういうアンタだって何ほどのモノよ。と言いたくなる。 言いたくなるけれどそれを言わせないのが、やはり、グレゴリー・ペックだからであって。いくらビシビシと厳しく部下にあたっても、基本的には常識人らしさが漂っており、何となくヘンな安心感がある。結局、最初から最後まで、戦争の非人間性みたいなものは希薄で、その点ちょっと物足りない。どっちみち「赤狩り」の時代に、これ以上踏み込むことはできなかった、という面もあるのかも知れませんが。 いずれにしても、終盤の爆撃の場面まではこれといって戦闘シーンも無く、厳しいことを言ってみせはするけど「本当はイイ人なんです」感をプンプン匂わせてしまうグレゴリー・ペックにも迫力がなく、彼に生死を左右されるであろう部下たちの反発もさらに迫力がなく、どうもイマイチ戦争の厳しさが感じられなくって。終盤に彼が参ってしまう場面を、我々はどう捉えてよいのか。そして、出撃した21機のうち、「19機も帰ってきた」と、本当に捉えてよいのか。それとも「2機は帰って来なかった」と捉えるべき、なのか。 時代的な制約はあるだろうし、今の視点で云々するのも後出しジャンケン的ではあるのだけど、どこかしっくりこないのも事実。 爆撃シーンは実際の戦闘の記録フィルムを使っていて、ある種の説得力を持たせようということかも知れないけれど、ちょっと安直な気も。何よりも、やたら淡々と飛行機が墜落していくのを、これもどう捉えてよいのやら。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-09 14:14:34)
853.  エクストラクション
タイトル等を除いたら80分に満たない、小品といってよさそうなサスペンス・アクション。世界のネットワークに壊滅的な被害を与えうるシステム「コンドル」の争奪戦、みたいなオハナシなんですけれども、作品自体のいかにもこじんまりとした佇まいからは、そういった「世界的な危機」感は殆ど感じることができません。なにせ、小品。 ブルース・ウィリスの名前が筆頭に来ようが何だろうが、このテの映画において彼が主演ということはないだろう、という予想に違わず、実際は彼の息子役のムキムキ男と、彼の同僚というのか恋人というのか他人というのか、のムキムキ女が活躍する映画になってます。活躍ってったって、短い作品の中、そんなに見せ場は多くありませんが・・・。 最後は、意外な真相というか、さほど意外でもない真相というか、一応背景らしいものが明かされて、これも、この短い作品においては肉付けが足りずに骨組みだけが提示されたような印象、無きにしも非ず、なんですが、纏まりという点では、悪くないですね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-08 11:53:11)
854.  かごの中の瞳
やけに淡々とした映画。視力を殆ど失っていた奥さんが、角膜移植によって視力を取り戻したは良いけれど、それを境に、何となく二人の間がギクシャクするようになって・・・というのだけど、彼らの心の動きを敢えてハッキリとは描かない。というより、心の動きに関する描写は、それを匂わせる部分は確かにあるものの、大幅に省略されていて、そもそも「視力を取り戻した」という大事件ですら、随分サラリと描かれています。 心理に直接関わるような描写の排除。物語の背景には確かに心の動きがあるのだけど、それはハッキリとは描かれず、さらには「行動」としての動きも、物語の背景にある、らしいのだけど、それも直接には描かない。 なるほど、そういう描き方もあるのだな、とは思うけど、いかんせん、これでは訴えかけてくるものまでもが乏しくなってしまって。 妻の視点による映像が再三、登場するけれど、本人の気持ちが我々から遮蔽された状態で、こういう一人称視点(意味ありげで実は意味の無さそうな、歪んだ視点)を見せられても、何を感じればよいのやら。こういうのをもって「幻想的な映像です」と言われても、なあ。 心理を削ぎ落したのはいいけれど、変に思わせぶりなだけで、見ててあまり心に引っかかるものが無い、ってのが正直なところ。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2020-08-03 20:55:49)
855.  グランド・イリュージョン 見破られたトリック
映画における特殊効果というものには、奇術を見る楽しみ、みたいなものがあって、ミニチュアだとか合成だとかコマ撮りだとか、基本的なトリックはわかっていてなお、その演出がもたらす不思議さに、つい感心してしまう。いや、感心というより、我々を夢中にさせるものがあります。 CGが多用されるようになり、しかもその技術も向上して実物とCGとの区別がつかなくなり、画面上であらゆる不思議な事が起こるようになると、もう何に対して不思議がるべきなのかもわからなくなってきちゃいそうなんですけれども、本作のいくつかの場面ではやっぱり「あっ」と驚かせる奇術の楽しみ、みたいな演出が見られて。首チョンパのシーン、とか、ね。 ところがあの中盤のチップを盗み出すシーンとなると、これが妙にツマラなくって。確かにテンポよく見せてはくれるのだけど、「どうせCGだから何でもできちゃいます」感が全開で、何だか、まるでハラハラさせられません。ハラハラするには、どこかにアドリブ的な「完全には制御しきれない危うさ」みたいな要素が、きっと必要なんでしょうね(そういうのもいずれはノウハウ化されてCG技術に取り込まれていくのかも知れませんが・・・)。 さらに、クライマックスに向かうに従って、派手にはなっていっても、不思議さや驚きの要素が乏しくなっていってしまうのが、残念なところ。 あと、これはヴァン・ダインの二十則にもノックスの十戒にも言及は無かったような気がするけど、ミステリのトリックに催眠術を使うのは、アカンことにして欲しい、なあ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-08-02 18:27:05)
856.  ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
アニメーションにCGが使われるのも今や当たり前になって、メカニックな動きは実にスムーズな動きを見せるのだけど、一方で人物の描写はというと、まるでわざとリミテッドアニメーションのテイストを出そうとしているかのように、動きが乏しくって。 動くメカと、動かない人間。 まあ、人間「以外」の部分を見てくれ、ってことなのだとしたら、なるほど、見ごたえありますが。 ・・・中途半端なところから始まるのがエヴァンゲリオンの売り、なのかも知れないけれど、そのまま中途半端に終わっちゃうこの第1作だけでは、何とも言えず。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-07-27 21:54:35)
857.  海底47m
『ジョーズ』におけるリチャード・ドレイファスの役柄というのは、要するに「ビックリしたら大事なモノを落としてしまうヒト」なワケで、映画中盤と終盤にそれぞれ、大事なモノを取り落として海底に沈めてしまいます。そうすると、本作でもやっぱり、落とすなと言われて渡された借り物のカメラを取り落としてしまうのですが、それに続いて、こちらは何と「自分自身が海底に落ちてしまう」という展開。『ジョーズ』のクライマックスが印象深いだけに、その手があったか、という驚きがあります。 サメ除けケージごと海底に落ちてしまい、ケージに閉じ込められてしまう女性2人。しかも付近には巨大ザメがいるらしく、ケージから出られたとしても海面には戻れない。いわば、変則的な「閉じこもり映画」ですね。サスペンスの手法としては、サメが迫る姿を登場人物には見せずに我々にだけ見せるような手法もあり得るのでしょうけれど、本作は基本的には登場人物の視点に沿って描いており(これはラストに向けての必然性でもあるのだけど)、サメがどこにいるのか、いつ現れるのか、わからない。最初にサメの姿を見せて、その存在をハッキリ提示しているのだから、あとは登場人物たちと一緒に、いつ現れるかわからないサメを怖がってね、という趣向。 サメの存在に限らず、海底に「閉じ込め」られているので、サメの存在のみならず、周囲の状況自体が、わからない。状況がわからないと、ちょっとしたことが不安になったり、希望になったり、絶望になったり。その一喜一憂をこうやって丹念に描くと、なるほど、目が離せないサスペンスになります。 サメが本当にこんなコトするのか、とか、サメに襲われてこの程度のケガで済むのか、とか、リアリティばかり気にする人を、まるであざ笑うかのようなラスト。ちょっと痛快。
[CS・衛星(吹替)] 7点(2020-07-27 21:26:09)(良:1票)
858.  メカニック:ワールドミッション
主人公がオネーチャンと知り合って、そしたらオネーチャンがワルモノの人質になって、彼女を救うために三人の武器商人を暗殺する事になっちゃって。 もう、明らかに、マトモに内容のある映画を作る気が無いパターンですよね。主人公が命がけでこれらのミッションに取り組む動機としては全く弱いので、まずこの時点で我々も何の危機感も共有できないし、映画の作り手だってそんな共感は、全く期待してないんでしょう。だから、特に2人目の暗殺シーンなんて、完全におチャラケに走っちゃって。 いやそもそも、冒頭シーンの「背景は合成です」感あふれる、ロープウェイ&ハンググライダーのシーンからして、「マジメに見てもらっては困ります」という宣言としか思えませんが。一応、宣言したので、あとは野となれ山となれ、ひたすら中身も何もないアクションシーンを連発。 終盤にまた、安っぽい合成背景が登場して。合成がイカンとは言わないけど、この安っぽさ、何とかならんもんですかねえ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-07-26 12:35:41)
859.  鉄男 THE BULLET MAN
過去の2作品では、主演の田口トモロヲさんが平凡な小市民のイメージを漂わせて、その日常が非人間的な鉄のイメージに侵食されていく、といった印象がありましたが、今回は日本に住む外国人が主人公。その点では「平凡な日常」という前提はあまり明確ではなく、実際、鉄に侵食されるというよりは、もともと「鉄のイメージ」が主人公の中に潜んでいて、それがある事件をキッカケに、外部へと噴出してくる。3作品すべてが「破壊」というテーマに繋がっているけど、その意味では今回の作品がもっとも、「戦争」というものが意識されているような。ただ一方的に我々の日常を奪い去り、一方的に我々を巻き込む、というのではなく、我々自身が内部に抱え、キッカケがあればそれが一気に爆発しかねない破壊衝動としての「戦争」。今回の敵役もいわば、主人公に自分を斃すようにけしかけ、破壊へと導くためにこそ、存在していて。 自分から離れた子供と現れた謎の車を見やる主人公の視線・不穏な空気とか、素材のゴツゴツ感を活かしまくった異様なメーキャップとか、鉄男シリーズらしさが楽しめはするのですが、バトルシーンは、これはさすがにカメラの揺らし過ぎ、では。 とは言え、この悪夢のごとき映像の数々、やっぱり、クセになります。
[DVD(邦画)] 7点(2020-07-26 12:11:27)
860.  TOKYO TRIBE
「ミニスカートの婦人警官」というのは、誰もがその存在を信じているのにまだ誰も見たことがない、一種のUMAですね。トーキョーの街に、ミニスカポリスは確かに実在した!  竹内力が完全にブッ壊れていて、もうセリフ回しも何言ってるんだかわかんないんですけれども、一昔前ならこういう役どころはやっぱり安岡力也の出番、だったかあ、なんて思った途端、竹内力に安岡力也の霊が舞い降りたような気がして。今後もぜひ、この路線でも頑張って欲しい。そんな気が、ホンの少しだけ。 全編にラップが散りばめられたミュージカル仕立て、さすがにこれだけ単調なモノを延々と聞かされると、ちょっとゲンナリしてくる部分もありますが、そこは文句を言っても仕方がない、見る前からわかってた事、ですから。 そしてハチャメチャなセットな中で繰り広げられる、全編、乱闘シーン。長回ししてみたり、大きく視点を変えてみたり、色々と工夫は施されているものの、これも、「カメラの揺れ」があまり乱発されると、少々、辟易してしまいます。 その中でやっぱり光っているのが、清野菜名と坂口茉琴のスピーディなアクションシーン。清野菜名はヌードも見せる思い切りの良さ、その後ではもはや、パンチラもパンチラには見えなくなってきて。一方の坂口茉琴(女の子です)は少年の役。この二人が見事なタッグでキレのよい格闘を演じており、性別を超えた中性的な魅力にあふれています。 鈴木亮平は見事な肉体美を披露していて、帝王・高山よりもイイ体してるかも?(いや、Uインターの頃は高山も引き締まった体してたんですけどね)。それはともかく、マッチョ路線が確立していてこそ、少年少女の格闘も活きてくるワケで。ついでに高山のギャグも活きてくるワケで。 乱闘また乱闘。良くも悪くも、お腹いっぱいです。
[DVD(邦画)] 7点(2020-07-24 12:34:29)
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