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 > 鱗歌 さんの口コミ一覧。49ページ目
鱗歌さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 3870
性別 男性
年齢 53歳

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961.  大脱獄(1970) 《ネタバレ》 
砂漠の真ん中にある監獄に集められた、この上もなく薄汚いオッサンたちが、邦題が「大脱獄」ってんだから脱獄するんでしょうが、待てど暮らせど一向に脱獄しない、まあ、そんな映画です。 主人公のカーク・ダグラスが、ここではマッチョなイメージではなく、メガネをかけて飄々としたキャラクターで、それなりにいい味は出してるんですけれども。でも薄汚いオッサンのひとりには、違いない。加えて、ムダにオバチャンのヌードが出てきたりするもんだから、画ヅラの冴えないこと冴えないこと。監獄もボロボロで、ここまでくるとかえって、およそ脱獄する気も起こらんわな。まあ一応、厳重に見張っているらしいんだけど。 で、終盤、ようやくというか唐突にというか、脱獄する・・・というかもうワケの分からん大騒ぎとなって、この辺まで来ると、この映画、マトモに物語を追いかけてはいけなくって、もしかすると一種の寓話か何かなんだろうか、と思えてくる。音楽は底抜けに明るくってコメディタッチ、だけどやたら人が死にまくり、これはきっと何かの喩え話みたいなもんなんだろう、と思うんだけど、そう思うとさらに意味がわからなくなってくる。 単なるハチャメチャなオハナシで、それ以上でも以下でもないのかも知れませぬ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-17 21:04:12)
962.  踊る大捜査線 THE MOVIE
この映画版第1作、ずいぶん久しぶりに観ました。テレビドラマの放送も今は昔、距離をおいて今回観られたことで、結構楽しめた部分ってのもあります(それにしても自分はいつから、そして何故、こんなにテレビドラマというものを忌避するようになったのか)。 3つの事件を並行して描く必然性が薄いとか(事件同士をもうちょっとうまく噛み合わせられないものか)、権威の矛盾を描くのにギバちゃんのシカメッ面に頼り過ぎだろうとか、いかりや長さんボソボソ声でセリフ聞き取りにくいとか、いろいろ思うところもあるのですが。 (最後の件に関しては逆に、ドリフ全盛期のいかりや長さんはどうして、あんなに饒舌なイメージでもって「司会進行役」をやりたがったんだろうか、とも思ったりして。) だけど、すでにテレビドラマの方でキャラが充分に練り上げられている、ということなんでしょう、迷いなく登場人物たちが各々の魅力を発揮していて、こういう部分は一種の強みですね。それに加えて、この役に小泉今日子を起用しよう、なんていうブッ飛んだ発想。ちゃんとその責任を取りますとばかり、見事にエキセントリックな存在として我々に印象づけるように彼女を撮っており、これは大成功でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-06-15 11:21:38)
963.  ぼくのエリ/200歳の少女 《ネタバレ》 
いや~、何と言っても、少年の白パン一丁姿。これほどまでに「無防備」を感じさせるものはありません。 で、その少年が、ある少女と知り合う。この少女とは、色んな意味で決して結ばれることはないんだけど、だからこその、この愛。痛々しいんです。実際、少女は少年の前で血まみれになってみせる。 題材的にも「血」というものが何度も画面に登場するのですが、必ずしもホラー作品としての残酷描写をそこにのみ求めていないのが、いいですね。猫が襲ってくる、あるいは突然体が炎上するショックシーンの、うまさ。 少女は身寄りを失い、一方の少年はイジメに立ち向かう。だけどクライマックスでは、水着姿の少年はやっぱり無防備で、やっぱり少女に救われる。救われるけれどもちろん「ああよかった」というシーンではなくって、これこそが運命の残酷さ、というべきもの。 切ない映画でした。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-06-15 10:22:59)(良:1票)
964.  主水之介三番勝負
劇中のどれとどれとどれが合わせて「三番勝負」なのか、よくわからん、というか、まあそれはどうでもいいのですが、例によって例のごとく橋蔵スマイルがまぶしい本作。 剣術指南役をめぐる争いから、師匠が闇討ちにあうんですが、橋蔵演じる主水之介は破門の身。次の師範代に指名された里見浩太朗のとりなしもあって、橋蔵は破門を解かれるものの、里見浩太朗もまた敵の凶刃に倒れ、右腕を失ってしまう。という訳で、橋蔵と里見浩太朗のキラキラ感あふれる友情エピソードとか、ライバル・天知茂のシブさと焦燥感の二面性、はたまた近衛十四郎サマの浮世離れしまくった剣豪ぶり、もう見どころ満点です。こんな言い方をしても信じてもらえないかもしれませんが(笑)。 回想シーンが妙に前衛的な演出だったりして、時代劇が妙なエリアへとハマりかけている雰囲気も味わうことができますが、まあ主人公がスマイル橋蔵なので大きく逸脱することはありません。このヒト、煩悩の塊みたいな感じで、とても剣豪には見えないけど。 その一方で、天知茂の存在を食ってしまう(ストーリー上の都合、という部分もありますが)のが十四郎サマ。このヒトはどうしていつも、「さっき、ひとっ風呂浴びてきました」みたいなサッパリした表情をしているのでしょうか。 ラストは橋蔵vs十四郎の一騎打ち。このシーン、ちょっとマカロニウェスタン風味が入ってますけれど、こちらも65年の映画ですから、実は時代をホンの少し、先取りしていたのかも。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-06-09 11:10:45)
965.  ゴジラ キング・オブ・モンスターズ
もちろん、あの東宝怪獣たちが最新のCGで再現されてるのを観りゃあ、とりあえず「うわぁ~」とテンション上がっちゃうのですが、その一方で、「何だか、最近の映画でよく見るタイプのCGモンスターと大差なくなちゃったなあ」とも。妙な既視感が。 かつてのキングギドラって、まったく無表情の3本の首が、機械的かつテキトーにカクカク動いてたのがかえって不気味で、味があったんだなあ、と改めて気づかされます。ああいうローテク感ばかりは、CGではなかなか出せないし、出して欲しくもありませんが(スパイキッズ3みたいな例も、あるといえばありますが)。 うん、まあ、でも、やっぱりカッチョいいよねえ・・・。 2014年ゴジラでは、いかにモンスターの存在をデカく見せるか、多くの工夫が凝らされていて、その点では本作は2014年には及ばない印象。2作目ということもあってインパクトも薄れてます。でもカッチョよい。 問題は人間たちのドラマ部分。別にゴジラ映画で人間ドラマなど期待してはいないけど、それにしたって、登場人物たちの存在感の無さ。動かない、何もしない。せめて、乗り物を乗り換えたんだったら、映画の中で乗り換えろよ、と言いたくなっちゃう。映画の登場人物ってのは、歩くなり走るなり、メシを食うなり、ハナクソほじるなり、何でもいいから映画の中で「動作」を見せてこそ我々も感情移入できるんであって。 およそ、お飾りにも、なってません。
[映画館(吹替)] 6点(2019-06-08 04:21:52)(良:1票)
966.  エクスポーズ 暗闇の迷宮
同僚を殺害された刑事の捜査のオハナシと、幻想世界を目撃する女性のオナハシが、交互に描かれて、両者は互いに関連しあっているのですが、映画の中で描かれる範囲においてはなかなか交わらない。で、実は、両方のオハナシの間には、ある残酷で醜悪な現実が横たわっていた、ということが示されて物語はいったん、幕を閉じます。 2つの物語は、英語の世界、スペイン語の世界として断絶され、互いに相手を受け入れることを拒絶する。そしてそれぞれの物語の中ではいくつかのエピソードが織り込まれ、「醜悪な現実」の一端が顔を覗かせてもいるのですが、それにしても、このラストの、残酷なこと。 「映画を観終わってスッキリしないと気が済まない」という人には到底オススメできませんが、この観終わっての余韻、かなりのものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2019-06-02 09:24:58)
967.  遠い喇叭 《ネタバレ》 
主人公の若造の少尉が、ダレきった部隊をビシビシやるのですけれども、その若造自身も、いささか下半身にユルいところがあって、どうなのよ、と。その一方で、砦の外にはアパッチ族がいて、凄惨きわまりない虐殺を繰り返している、ってのに。 という、何だか妙な不安感が背景にあるんですね。物語の骨格は、先住民の残虐行為に対する危機感、そしてついに全面対決、ってな流れではあるんですけど、そこに至るまでには様々な人物が登場して、様々なエピソードがあって、どこかモヤモヤした感じもあって。 で、クライマックスではアパッチとの死闘が、これでもかと描かれる。モヤモヤを吹き飛ばすような一大闘争絵巻。 戦闘の後、主人公は和平の交渉に向かうんですが、残虐行為を繰り返す恐るべき存在だったアパッチ族も、実は白人に対する不信感があっての敵対行為であったことがわかってくる。無事、和平は成立。 と思いきや、上からの命令で、主人公はその和平を裏切るハメになってしまう。ああ、なんというモヤモヤ。 という訳で、このモヤモヤ感が、本作の特長で、やりきれない不条理感をよく出しているんですけどね。なのに、映画のラストで唐突な「ツジツマ合わせ」が行われちゃう。妙なハッピーエンド。なんでしょうね、この終わり方は。 「ラストだけが妙にモヤモヤしていない」という事実にこそ、最大のモヤモヤを感じてしまうのですが。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-27 20:59:15)
968.  昭和おんな博徒 《ネタバレ》 
大映の江波杏子と、同じく大映に島流しにしたのに(?)帰ってきちゃった松方弘樹とで、任侠モノ。という、東映の苦しい事情が見え隠れする任侠映画末期の一本ですが、このキャスティングが、どういう訳だかピタリとハマってしまうのです。 とにかく主演の江波杏子が、魅力的ですね~。女の脆い弱さと、女のしなやかな強さとを、見事に表現してます。一見、冷たい表情にも見えるのですが、ちょうど能面が角度によって異なる表情を表すように、不思議な陰影を見せる。 一方の松方弘樹は、と言えば、どんなにガンバっても貫録が無くって、一見、物足りない印象なんですが、観てるとこれもまた妙に役にハマってくる。江波杏子を心ならずも、しかし結果的に任侠の道へと引きこんでしまう存在。しかも彼女が映画を通じて第一級の侠客となるためには、物語上、彼は死なねばならず、彼女の肥やしとならなきゃいかんワケで、ちょうど、この頃の彼のお坊っちゃん顔の持つ果敢無さと、絶妙にマッチしてます。 もちろん彼が舞台から去っても、ちゃんと天知茂という後釜がいるから大丈夫。彼のエキスも吸い取ってますますパワーアップする女主人公。それにしてもこの、天知茂の眉間のシワの深いこと深いこと。どうやったらあそこまで眉間にシワが寄るのか。これはもう、「シワ芸」と呼んでもよいでしょう。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2019-05-26 05:08:52)
969.  ゴジラ FINAL WARS
84年ゴジラよりも前の一連のゴジラ作品総まとめ。といった感じで、怪獣出るわ出るわ、戦うわ戦うわ。 かなりオフザケモードなので、拒絶反応もあろうかと思いますが、そうは言ったって、同じく「総まとめ」作品である『宇宙怪獣ガメラ』と比べりゃ、はるかにマシでしょうに。え、あんなのと比べるようになったらオシマイですか・・・。 オフザケではあるけれど、はたまた今の目で見ると(いや当時の目でも)物足りないCGなんかもあるけれど、この、バトルに次ぐバトル、相当な数のミニチュアセットも準備して、ひたすら戦う、ひたすら壊す、バトルの物量作戦。怪獣同士が戦ってナンボでしょう、という昭和ゴジラ魂はしっかり感じることができます。これを「退行だ」といわれりゃ、そうかもしれないけれど、まあ、ファイナルと銘打ったお祭りですから。 でも最後と銘打ったのに、結局「新(シン)~」というタイトルでまた作っちゃうってのは、どうなんでしょうね。この分で行くと、この後またシリーズ再開して、タイトルも「ゴジラは生きていた」とか「ゴジラNYへ行く」とか「ゴジラの命日」とかになっちゃうんでしょうかね。 それはともかく、私は結構楽しませてもらったんですけど、一方で色々と、つまらぬことではあるのですが思うところもあって。その昔、ショー・コスギがニンジャ映画でブレークした頃にインタビューで「息子のケインにはアクション・スターとして英才教育をしている。だから誰もケインにかなう訳がないんです」みたいなコトを言ってたんですけど、で、本作などでもその身体能力を伺うことはできるんですけど、その能力をフルに発揮するには、相応のアクションができる相手役がいないとやっぱり難しいなあ、と。松岡クンも頑張ってはいるんですけど、ねえ。 一方で船木誠勝は、妙に強そうというか、少なくともあのヒクソン戦の時よりは強そうに見えるけど(それにしても、もしあそこでスタンディングで様子を伺わずにグラウンド戦に飛び込んでいたら・・・)。 あと、この映画、せっかく「格闘枠」みたいなのがあってソチラ方面のヒトたちが何人も出てるのに・・・本来ならここで呼ばれるのは、佐竹雅明こそが適任者のハズだったんですけどねえ。不幸というか、色んな意味で残念ですよねえ。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-05-25 13:27:57)
970.  48時間
コレ、好きなんですよね~。テレビの洋画番組で頻繁に放送されてました。 捜査を通じて、白人と黒人の間に理解と友情が芽生えて・・・と言うと『夜の大捜査線』の80年代版、みたいですけれど、あの優等生顔のシドニー・ポワチエに対し、こちらは口八丁手八丁のチンピラ風、エディ・マーフィですから、もうほとんど真逆なんですね。 『夜の大捜査線』での黒人主人公は、町にそぐわない異邦人としての扱いを受けるけれど、コチラの作品では、すでに白人刑事の上司が黒人だったりする。犯人の一人も先住民だし、映画の舞台としてチャイナタウンも登場する。人種のルツボ改め人種のサラダボール、などと言いますけれど、本作の中では、多様な民族と文化がゴチャゴチャ入り混じり隣り合って存在してます。 だから、白人ばかりの店でエディ・マーフィが邪険されることもあれば、黒人ばかりの店でニック・ノルティが白い目で見られたりもする。しかしそもそも、この主人公ふたりともが、社会一般からズレてる鼻つまみ者みたいな存在なもんで、このふたりが動けば何かと騒動のもとになるし、そうやって既存の秩序に楔を打ち込んでみせるのが、本作の楽しいところ。 上述の、白人の店でエディ・マーフィが邪険に扱われる場面。やおらグラスを投げつけ、ガラスの割れる大きな音に、店内の喧騒が静まり返る、そのインパクト。 あるいは大勢の人々が行きかう地下鉄構内で、突如鳴り響く銃声。銃声とともに、それまで緊張感を煽っていたBGMがいったん止まる、ってのも印象的。当然っちゃあ当然なのかもしれないけれど、ゲリラ撮影じゃなくって、背景を歩いていた大勢の人々は、エキストラなんですよね。そのエキストラたちが醸し出していた整然とした空気が、一気に崩れてパニックとなる、これもなかなかのインパクト。 そして、本作の代名詞ともいうべきあの、バス相手の無謀かつ非常識極まりないカーチェイス。これも強烈な印象で、我々の脳裏に楔のごとく突き刺さってきます。 ラストの犯人との対決。蒸気がモヤモヤ漂うアヤシゲな雰囲気の中、最後まで「非常識」を貫いて見せるニック・ノルティ。無茶無茶な行動が、カッコいいシーンをさらにカッコよく見せ、キャラの魅力と雰囲気とアクションが見事にマッチした、魅力あふれる作品です。
[CS・衛星(字幕)] 10点(2019-05-25 12:50:07)
971.  ザ・シークレット・サービス
80年代以降、「イーストウッド監督作品ではないイーストウッド主演作」ってのが、そこそこ貴重な存在だったりする訳ですが、本作もその一本。監督はあのペーターゼンで(「あの」というのは「あのUボートの」という意味であって、今もって他に代表作を挙げにくいのです、このヒトは)、主演俳優自身が監督してないことが幸いしたのかどうなのか、いかにも「イーストウッドの溢れんばかりの魅力を、この主人公にバッチリ投影して撮ってやるぜ」みたいな感じなんですね。ジジイなんですけれども、背筋を伸ばして貫録があり、ピアノをさらりと弾いて見せたり、同僚の女性警護官とネンゴロな関係になってみせたり、ジジイはジジイでも、なかなか色気のあるジイサンとして描かれてます。まあ、もし本作を自分で監督してても、厚かましく色気たっぷりに描いていたのかもしれませんけれども。 しかしジジイはジジイ。観てるこちらとしても「おい、ジジイ。現役復帰はいいけれど、ホントに動けるのかよ」と言いたくなる。動けるのか、動けないのか?そこが見どころ。 で、まずは、走りながら息切れするところをしっかり見せつけて、「撮影中に斃れるんじゃないか」と我々をヒヤヒヤさせてくれるのですが(演技ですよ、演技!)、ジョン・マルコヴィッチに対する追跡劇などでは、自ら体を張ってるところなんかも見せてくれて、おお、ジジイ、ちゃんと動けるじゃないか、と。はい、すみません、ワタシなんかより余程、動けてます。 そんなこんなで、いよいよ犯人が大統領を狙うクライマックス。この緊迫した空気がいいですね。厳重な警備がカッコよくって、その警備をかいくぐる犯人がカッコよくって、その犯人に対峙するジジイがますますカッコいい。シビレます。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-05-25 12:05:57)(笑:1票)
972.  バーニング
レザーフェイスのチェーンソーを、通販でお馴染み高枝切りバサミに持ち替え(いや、普通の植木バサミですな)、13金ジェイソンよろしくキャンプの若者を惨殺しまくる、要するにパクリ精神のみで作られた激安ホラーの一本。ではあるのですが、我々の世代にとっては、当時の宣伝のインパクトゆえ、スプラッタ映画のスタンダードともなっている作品であります。後に、新13日の金曜日では同様の凶器が登場し、ホラー映画界、パクリパクられ、持ちつ持たれつ。 実際に作品を観れば、殺人鬼の名前が「バンボロ」ではないことに気づくのですが、それでも当時の宣伝ゆえ、日本では永久に「バンボロ」と呼ばれ続けることになるんでしょうなあ。 で、本作なんですけれども、イイ感じにクラシカルで、なかなか殺人鬼が姿を現さずに徐々に恐怖を盛り上げる・・・と言いたいところですが、いやこれがホントにムダに、引っ張る、引っ張る。ムッツリスケベ男の覗き事件だの何だの、つまらんカマシばかりがこうも繰り返されるのでは、正直、ダレてきます。キャンプの若者がムダに多いのも、実にムダ。 前半は殺人事件がほとんど発生せず、さんざん待たされた挙句に、後半ようやくバンボロの活躍が始まるのですが、その頃には観てるコチラも、「今更出てこなくってもいいわい!」という荒んだ気持ちにもなろうってもんです。そんな我々の気持ちを知ってか知らずか、ズバズバと植木を剪定するかのごとく豪快に人間を切り刻みまくるバンボロ。斬られる人間が植木に見えてくる。 で、なぜか挿入される、あの宣伝でお馴染みの、植木バサミを振りかざすシルエット。あ、ごめん、正しくは「ギロチンバサミ」でしたっけ。 最後までイマイチ存在感を示せないまま、クライマックスでは凶器をガスバーナーに変更してしまい、刃物でなくっちゃ迫力も半減、いや10分の1以下。これではなかなか、シリーズ化という訳には。シリーズ化したそうな終わり方でしたけれども。さよなら、バンボロ。 ああ、バンボロじゃないんだっけ・・・。
[DVD(字幕)] 3点(2019-05-21 22:48:21)
973.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
本作に至り、ヴォルデモート卿はすっかり、神秘性のカケラもない鼻が低いだけの単なるオッサンと化してしまいました。これならきっとハリー・ポッターでも勝てるだろ、と観てて思っちゃうのですが、ラストの一騎打ち、どちらが勝つかはネタバレになるので書きません。 ついにホグワーツに襲い掛かるヴォルデモート卿ご一行様との攻防戦が見どころ、のハズなんですけれど、まあこれが、盛り上がんないですねえ。襲ってくる連中がショボいってのは置いておくとしても、まず襲撃を待ち受ける内部の不安を描いて、緊張感を高めて、攻防戦があって、ついに侵略される・・・という段階を踏まない一本調子なもんで、ただのドタバタになっちゃってます。 燃えゆく競技場の描写なども、あんなもんでいいんですかねえ。なんか、哀しみみたいなもんは、無いんですかねえ。禁欲的と言えなくもないですが。 いよいよラストの対決。頑張れ、ヴォルデモート!
[DVD(吹替)] 5点(2019-05-11 12:29:34)
974.  ハリー・ポッターと死の秘宝 PART1 《ネタバレ》 
2部構成らしい、出し惜しみ感満載ですけれども、ハリーたち3人が脈絡なくあちこちに旅するオハナシ(ってか、ストーリーがあるのかどうかもよくわからんが)で、3人が脈絡なくあちこちの場所に現れるもんで、一本の映画でさまざまなシーンが楽しめるってのは、これはこれで悪くないもんです。 で、いよいよシリーズ終盤、主人公たちも成長し、「それにしてもハーマイオニーがこんな美人になるとは」とか「それにしてもロンがこんなブサイクになるとは」とか、皆さんいろんな意見があると思いますが、私も正直、どちらがロンでどちらがドビーなのか区別がつきませんでした。なんてね。 と、ロンのことをケチョンケチョンに書きたくなるくらい、このPART1では、ロンを徹底的におとしめて欲しい、ドン底に叩き込んでほしい、と思っちゃうんですが、ハリーはロンに甘すぎる。ケンカしてもすぐになあなあになってしまい、せっかくの緊張感も雲散霧消してしまう。ロンが長い長いトンネルをくぐってこそ、PART2でのハーマイオニーとのキスシーンに深い感慨が起ころうというものを、アレはまーったく意味のないキスシーンでしたね、プンプン。 すみません先走りしてしまいました。 さあ、この先どうなるんだろう。PART2が楽しみだなあ(汗)。
[DVD(吹替)] 5点(2019-05-11 12:10:36)
975.  キャリー(2013)
という訳で、2013年版のクライマックスは、少々物足りなかったデ・パルマ版よりも派手に、『超能力学園Z』よりもナンボか派手になっております。が、残念ながら、バタバタするばかりで見せ方があまり上手くないもんで、何をどう見せたいのかイマイチよくわからん、ってのが正直なところ。「画面分割」という違和感が、本作では無くなって、それはそれで結構なんですけれども、しかし見せ方がちと雑なのでは・・・。 それにしてもキャリー役は、やっぱりシシー・スペイセクにはどうやったって敵いませんわなあ。何というか、あの、内側から滲み出てくるような、筋金入りの不器用さとブサイクさ。役作りなのかホントにこんなヒトなのか、もはや判別不能。それに比べると本作におけるクロレッツちゃんは(←そんな略し方があるのか?)、どうしても「今、頑張ってオドオドした演技をしてますよ」という風に見えてしまう、これは本人のせいなのか監督の演出のせいなのか、判別不能。 と、いろいろ反省点もあるので、これを踏まえてあともう一回くらい、リメイクできそうですね!!
[CS・衛星(字幕)] 4点(2019-05-05 11:57:19)(笑:1票)
976.  ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅
「トランク」の存在が、お話の要になっていて、面白いんですね。トランクのすれ違いが、物語の発端でもあり、オチにもなっている。 そんでもって、トランクに入るワケもないものが、トランクを出入りしてみせる、それが楽しいところ。 デブのおっちゃんがトランクに入る。いや、入りきれない。一見、トランクの底に穴を開けて人間が入っただけのローテクなシーンと思わせて、トランクごと飛び跳ねながらおっちゃんが何とかトランクに入ろうする、CG演出の驚きと、ナンセンスな可笑しさ。 ハリーポッターよりもはじけてて、いいんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-05-04 22:14:26)
977.  チェーン・リアクション(1996)
逃走劇、なんですけれども・・・主人公が逃げ回ることについての切実さが、妙に希薄なんですね。出頭を命令されたから、指名手配されたから、だから一応逃げておきましょう、ってんじゃあ、ねえ。 捕まったら明らかにヤバいから、だから逃げる、ってんじゃないと、スリルも生まれません。 実際、主人公もあまり一生懸命逃げ隠れしてないし。 そもそも、事件の発端であんなとてつもない大爆発やらかしたら、主人公を追い詰めるべき「動かぬ証拠」も何もあったもんじゃない。 それに、あれ何ですかね、核融合か何かなの?いずれにせよ、やけにチープな実験設備に、発生する反応もやけにチープで、もうちょっと夢のある演出はできないものかと。爆発だけは威勢がいいですが。 まあ、キアヌ・リーブスがこういう貧乏くさい研究者の役にドンピシャはまってる点は、よろしかったかと。
[地上波(吹替)] 3点(2019-05-04 13:31:51)
978.  死霊館
いいですね~、観ててうれしくなってきちゃいます。ホントは怖がるべきところなんでしょうけれど。 「見えちゃう」恐怖があれば、「見えない」ことの恐怖もある。あるいは画面外から響いてくる「音」の恐怖。そういったものがうまく散りばめられていて、コケオドシの連続にしなくとも、観てる我々をグイグイと引きこんでいきます。ある種、古典的な手法なんでしょうけれど、特殊効果もうまく使って見せて。風で飛ばされたシーツが、そこにいるハズのない人に一瞬巻き付く驚き、さらにはそのシーツが飛ばされて二階の窓へと視線を引っ張っていくうまさ。 さらにはこの作品、この家を買ってしまった家族と、その悪魔祓いをする夫婦、この2つの家族それぞれにとっての「家族を守ろうとする物語」にもなってるんですね。あくまで恐怖映画のテイストが前面に出ていて、家族愛を高らかに謳い上げるような押しつけがましさはないんですが、だからこそ、そこはかとない感動を呼んだりもして。かつてのパニック映画なんかでも、しばしば「家族を守る」ことがテーマにあって、だからこそ、一軒家に立てこもり、外部からの侵入者との戦いが繰り広げられるわけですな(「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」はその裏返し。立てこもった一軒家の中で、あえて家族が崩壊する様を見せつける)。そういう「家族を守る」という基本があって、しかしその家族を守るべき家が「悪魔の棲む家」となってしまったことの絶望感。邪悪との戦いにも気合いが入ろうってもんです。
[DVD(字幕)] 9点(2019-05-04 13:03:34)(良:1票)
979.  ヒトラー暗殺、13分の誤算
この邦題にもある「13分」という数字に、西欧では不吉なものを見るのかも知れませんが、映画の最後に出てくるタイトルを見ると、主人公の名前である「Elser」となってて、実際、この映画では「誤算」が何分であろうと、さほど問題ではなく、あくまで主人公個人を描いた映画なんですね。 それに、映画はその「13分」を直接は描かず、計画の失敗、拘束、拷問から物語が始まります。で、現在と過去が交互に描変えていく。現在の殺風景な留置施設の光景に対し、過去のシーンにおける自然の美しさが目にまぶしい。 ヒトラー暗殺計画は失敗し、無関係な人々の命を奪っただけに終わってしまう。過去に遡ったとて、そこに繰り広げられるのは、人妻との不倫関係に過ぎない。そこにあるのは、ただただ、寄る辺の無い主人公の姿。無力な主人公は、周りの人々の運命を狂わせただけで、所詮は無力な存在に過ぎなかったのかも知れない。のみならず、終盤で示される5年後のエピソードでは、主人公は何も無しえぬまま、思わぬ人の運命を思わぬ形で狂わせたことだけが虚しく示されます。 何とも、寂しい映画です。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-04-21 10:52:58)(良:1票)
980.  陰謀のセオリー
これは面白いですね~メチャクチャですが。 あまりの言動の破綻ぶりに、とうとうリーサルウェポン署をクビになったリッグス刑事が、今度はトラヴィス魂を注入されてタクシー運転手をやってる、というオナハシ。しかもタチが悪いことに、オカルトまがいの「陰謀論」にすっかり染まっちゃってる。 しかし、ウソ八百だらけの陰謀論を吹聴しまくってるうちに、何か触れてはいけない「図星」をついてしまっていたとしたら・・・ という話なのかどうかは見てのお楽しみ。主人公がメチャクチャなもんで、ただでも先が読めないストーリーがさらにねじれていって、ホントにワクワクさせられます。車椅子での逃走とか、花火の仕掛けられた家とか、派手なアクションよりもヒネリの効いた(というかもはや支離滅裂の)アクションが、意表をついてきます。あの暗躍するヘリコプターもカッコいいですね、なんだかMIBを思い起こしたりして。←←←あ、映画のMIBではなくって、実際にあった事件の方です。って、なんだ、私も陰謀論の信者かよ(笑)。 ラスト近く、ジュリア・ロバーツも一緒に付き添いでヘリに乗りそうなものを、なぜ乗らなかったのか。と思ったら、それがちゃんとラストに繋がる。お後がよろしいようで。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-04-21 10:15:25)
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