81. シン・ゴジラ
《ネタバレ》 この映画に何を期待するかで、評価は分かれるのでしょうね。私的にはとても楽しませていただきました。というか、大変勉強になりました。自衛隊を含めた日本政府&官僚組織が、このような未曾有の危機にどう対応するのか、念入りな取材をとおして丁寧に描かれており、始終「なるほどねぇ~、こんな感じで物事が決まるのか」と感心しっぱなしでした。この日本独自の意思決定機構を、まるっきり批判的に撮っているかというとそうでもなく(ところどころに痛烈な皮肉を織り交ぜてはいますが)、登場する政治家や役人個人個人は極めて優秀で熱意のある人材としており、ある意味で日本に対するエールとも受け取れます。というようなことを、外敵をゴジラとして撮ることで、意外性かつ初代ゴジラへのオマージュから、大きな話題となったのかな、と思いました。例えば、外敵を日本近隣の某国としても同じような映画を撮れるでしょうが、ものすごく地味な映画になるでしょう。あと、エレベータの中で、先輩政治家達が楽観的な見方をしているのを、長谷川博己演じる矢口内閣官房副長官が諫めるシーンがありましたが、これは名著「失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫)」で指摘されていることですね。強く同感。 [映画館(邦画)] 8点(2016-08-25 23:42:34)(良:3票) |
82. スカイライン-征服-
《ネタバレ》 さすがにあのラストは予測できませんでした。私の負けです。 [CS・衛星(吹替)] 3点(2016-07-05 22:04:19) |
83. 野いちご
《ネタバレ》 BSで録画して鑑賞。車で行く、と決めた場面で気になったので鑑賞を一時停止して調べてみた。ストックホルムからルンドまでは直線距離で約500Km。500Kmというのは、東京から岡山の手前、もしくは東京から八戸の手前くらいである。道路が直線のハズがないから、走行距離で600Kmくらいだろう。ワーゲンとニアミスした場面でわかるように、高速道路ではなく一般道を走っている。となると、12時間くらいかかりそうだ。映画では、この12時間の間の出会い・出来事と白昼夢を交差させ、主人公に人生を後悔させる。しかし最後で少し救いの手を差し出している。途中、モノクロ時代の黒澤映画を観ているような感覚に陥った。筋とは全然関係ないが、映画の冒頭で二都市間の距離を調べてしまったので、途中で母親にあったり水浴びしたり白昼夢観ている余裕があるのか、式典に間に合うのか、と、へんなところが気になってしまった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2016-07-04 00:12:09)(良:1票) |
84. 招かれざる客(1967)
《ネタバレ》 あの娘が20分で恋に落ちるのは十分納得できるが、きっと20分で離婚してしまうんじゃないかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-07-02 23:12:14) |
85. 恐怖のメロディ
《ネタバレ》 しまいにイーストウッドが気が狂ってあの女が生き残って別の男に手を出すところでエンドロール、っていうラストを勝手に想い描いていた私はへそ曲がりでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-26 00:50:49) |
86. マイ・ガール
子役(主役)の魅力だけで勝負している作品ですね。とわかっていても子役(主役)の魅力にやられましたが。それにしても外国映画の子役ってなんであんなに自然に演技できるの? [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-06-26 00:40:21) |
87. 悪い奴ほどよく眠る
黒澤映画ということで心理的バイアスがかかってしまい、無意識にハードルを上げていたようで、普通の社会派サスペンスに映ってしまいました。でも、いろんなラストを選べる中で、あのラストに仕上げたのは皮肉たっぷりで好みでした。岩淵が森雅之とは観終わるまで気がつきませんでした。 [DVD(邦画)] 6点(2016-06-26 00:35:02) |
88. レンタネコ
この監督は、こんな空気の画しか撮れないのかな。「かもめ食堂」は斬新に映ったんだけど、ちょっと飽きたかな。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2016-06-22 23:52:00) |
89. ハンナ
《ネタバレ》 <よかった点> ・人を殺す場面を間接的に表現しているところ。エログロを売りにしていない清廉さ。 ・全体の雰囲気というか空気的なもの。アメリカ映画らしくないところ。どこか東欧の国の映画のよう。 ・(皆さんとは逆評価ですが)主人公が超人的でないところ。なんかリアルっぽく見えた。 <よくなかった点> ・観客への説明が圧倒的に不足しているところ。これは皆さんと同じ意見。ストーリが腹落ちしていないモヤモヤ。 ・ただ者ではないオーラをまとったオカマがとっても期待はずれだったこと。 で結論は5点。 [地上波(字幕)] 5点(2016-06-16 00:43:38) |
90. 指輪をはめたい
二階堂ふみスケートうめえ。でもそれだけ。贅沢な女優陣を使ったドタバタ劇。 [DVD(邦画)] 4点(2016-05-15 20:38:53) |
91. 私の男(2013)
子役が見事。表情を殺して必要以上に瞬きをさせる演出により、子役の少女はまるでお人形さんのように魅力たっぷりに映った。あと、二階堂ふみはあの若さで貫禄十分の存在感。というように、この映画は役者の画だけを観せる作品。ストーリー展開には全くついて行けなかった。二階堂ふみの無駄遣い。 [DVD(邦画)] 4点(2016-05-15 00:23:28) |
92. 舞妓はレディ
《ネタバレ》 なんでミュージカルなんだろうと思っていたら、そうですか、マイフェアレディへのオマージュですか。映画タイトル含めて納得です。主役の上白石萌音さんは、とても難しい役を上手に演じていました。田舎娘感満載で津軽弁と鹿児島弁のミックスを違和感なく操り、京都弁を徐々にモノにしていく過程はたいしたものです。あと、上白石萌音さんに限らず、舞妓顔よりも素顔の方が断然魅力的だ、と感じるのは私だけですかね?これまで舞妓顔を綺麗と思ったことが一度もないのですが。 [DVD(邦画)] 8点(2016-04-25 00:11:59) |
93. 晩春
<コメントその1 主役について> 人物を追いながら撮るのではなく、家の中の固定位置にカメラを据えておいて、そのカメラにたまたま人物が映っている、というような独特の撮り方。この映画の主役は、原節子でも笠智衆でもなく、彼らが生活する「家」なのではないだろうか、なんてことを観ていて感じた。家で繰り広げられる、静かだが濃密な父娘の生活、そして、娘が家を出て行き父がひとりぼっちになる。だが家そのものは何もかわらずそこに存在している。家は、父娘の人間模様をじっと見守っている・・・。 <コメントその2 笠智衆について> こんなこと書くと「おまえ判ってない」とお叱りを受けるかも知れませんが、勇気をだして書きます。笠智衆は小津作品には欠かせない役者であり、独特の所作を演じている、と最初は思っていましたが、ただの大根役者じゃないの? [DVD(邦画)] 7点(2016-03-20 00:41:14) |
94. かしこい狗は、吠えずに笑う
主人公がブサイク、ということでありましたが、私にはきわめて魅力的に映りました。冒頭、生理痛で横たわっている時の表情はゾクゾクするほどセクシーであります。この女性(プロのシンガーらしいですが)を主役に抜擢した監督に10点。初見時、ストーリー展開に衝撃的を受けたものの、ところどころに仕込まれた場面の意味がつながらずもやもやしていました。自ら脚本を書いての初監督作品ということだったので、それぞれのシーンには意味があるハズ。ところが観ている側にはピンとこない。で、目隠シストさんの解釈で霧が晴れました。目隠シストさんに10点。最後に、この自主作品をDVD化してレンタルしているTUTAYAに10点。 [DVD(字幕)] 10点(2016-03-11 11:49:50) |
95. 滝を見にいく
ストーリ展開がすべて想定内でしたが、なぜか退屈せずに鑑賞できました。監督の才能を感じます。メジャーな俳優陣を使わなかったことが功を奏していますね。でもまあヒットはしないだろうね。この映画、どのくらいの興行収入を見込んでいたんだろう?でも予算もあまり使っていないだろうから、アリかも。 [DVD(邦画)] 7点(2015-11-12 00:17:46) |
96. 君よ憤怒の河を渉れ
健さんのカッコよさは想定内でしたが、原田芳雄のシブイことといったら。個人的には主役を食っていたと感じましたね。ストーリや演出が破天荒でまるでマンガでありましたが、原田芳雄が画面に登場するたけで引き締まりました。個人的ついでに、このころの中野良子は好みであります。すみません。 [地上波(邦画)] 6点(2015-11-12 00:08:13) |
97. ストーカー(1979)
屋根の上で昼寝をしたときに見た不条理な夢を漫画にしたら世の評論家から大絶賛されて描いた本人が驚いたという「ねじ式」と同じ。ゾーンの描き方も、意図的にSF的描写を避けたのではなく単に予算とセンスがなかったからではないのか? [DVD(字幕)] 3点(2015-06-30 21:08:08) |
98. 紀子の食卓
意欲作、問題作、実験映画、という形容詞が頭に浮かんだが、なにが問題でどこが意欲でどんな実験なのかはさっぱりわからない。強烈な印象を残したが、良い映画なのか良くない映画なのかがさっぱりわからない。評価不能ということで、真ん中とって5点計上です。 [DVD(邦画)] 5点(2015-05-25 00:25:00) |
99. 苦役列車
《ネタバレ》 AKB時代にはまったく魅力を感じなかった前田敦子が綺麗にみえたのは監督の腕かカメラマンの技か本人の努力か単なる妄想か。いや、主役があんまりクズなので相対的に良くみえたのだろう。主役脇役含めて芸達者なのは十分認めるけど、風俗に使う金があるんだったら家賃払えよ、という感想と前田敦子の好印象しか残らなかった。 [DVD(邦画)] 5点(2015-05-19 18:17:48) |
100. ヒミズ
《ネタバレ》 主役の若者二人の演技は圧倒的に凄まじかったがそれだけか。311後の作品ということで311に触れざるを得なかったのかどーしても触たかったのかはわからないが、作品として311との関連が観客に伝わってこないのであれば空回りだ。被災地の人たちの苦しみ悲しみは分かるはずもないが、311後にこの映画のような狂った人間模様があちこちで繰り広げられた、ということではあるまい。共感も感情移入もまったくできなかったよ。ラストはなぜかグッときたが、バーバーのアダージョに助けられた面もある。 [DVD(邦画)] 5点(2015-05-17 19:55:57) |