81. 社葬
《ネタバレ》 大新聞社で会長派と社長派の派閥抗争。 会長が解任後に倒れて重体になったかと思えば、社長も腹上死でえらいこっちゃえらいこっちゃ。 社長は自宅での病死ということに仕立て上げ、一方会長は容態を持ち直し…。 絵に描いたような会社の醜い権力争い。 よくある話ではあるが、役者がうまいので見せてくれる。 クビを回避する起死回生の一手で、愛人の芸者に顔つなぎを頼んだのは、愛人を水揚げした男。 それは愛する男の口から聞きたくなかった言葉であり、二人の関係に終わり告げる言葉でもある。 愛人役の十朱幸代に土下座してワインをぶっかけられる緒方拳。 緒方を裏切る江守徹の憎々しい敵役っぷりも見もの。 [ビデオ(邦画)] 5点(2014-04-21 18:35:47) |
82. ドライビング Miss デイジー
《ネタバレ》 静かで穏やかな物語。 口うるさい偏屈なお婆さんがとてもリアルに描かれている。 気のいい黒人運転手を徐々に受け入れていく様子が微笑ましく温かな気持ちになるが、ストーリー的に起伏がなく盛り上がりには欠ける。 [ビデオ(吹替)] 5点(2014-04-11 20:24:07) |
83. 君がいた夏
《ネタバレ》 ジョディ・フォスター演じる従姉のケイティが、憧れの女性として魅力的。 ノスタルジーを刺激されるような回顧ストーリーだけれど、ケイティーがなぜ自殺したのか描かれていない。 [ビデオ(吹替)] 5点(2014-04-10 23:37:43) |
84. デッドゾーン
《ネタバレ》 事故以降に身についた超能力が、触れた相手の過去を知るのか未来を予知するのか、その時々によって違うのが少し気になった。 スティーヴン・キングの原作だが、2時間の枠に詰め込まなければならなかったのでじっくり描ききれなかった嫌いはある。 クローネンバーグ監督には『クラッシュ』『ヴィデオドローム』で苦手意識を持っていた。 でも、この作品は監督のアクの強さのようなものは感じずに済んだ。 [DVD(吹替)] 5点(2014-03-26 22:54:28) |
85. Wの悲劇
《ネタバレ》 「顔ぶたないで。私、女優なんだから」「私、お爺さまを殺してしまった!」 印象的な場面をネタにしたWの悲劇ごっこが流行った記憶が。 ストーリーは野心を抱いた女優の業を描いた『イヴの総て』を思い起こさせる。 薬師丸の人気絶頂期の作品だけど、ここでの存在感では三田佳子に押されている感じ。 [地上波(邦画)] 5点(2014-03-01 15:21:38) |
86. 風の谷のナウシカ
後に製作された『もののけ姫』のほうを先に観ていたが、それとテーマがよく似ている。 公開当時に観ていれば印象も全然違ったかもしれないが、自分にとっては新鮮味のないテーマでハッとするようなものがなかった。 原作は未読だけれど、独特の設定や世界観を十分伝わるように表現するには2時間では足りないような気がする。 [地上波(邦画)] 5点(2014-02-02 21:41:35) |
87. となりのトトロ
なんだか子どもの頃に夏休みに過ごした田舎を思い出す。 誰にでも愛されるトトロのキャラ造形の勝利。 これでどれだけ儲けたのだろうかとの思いがつい頭をよぎるが、そんな大人にはまっくろくろすけは見えないのだ。 [DVD(邦画)] 5点(2013-12-03 20:07:41) |
88. 新・刑事コロンボ/狂ったシナリオ<TVM>
《ネタバレ》 若き天才映画監督の傲慢さなど、キャラの描き方はうまい。 恋人を捨てるのに役者を使ってアプローチさせて出会いを演出するのが象徴的。 したたかな年増の秘書と犯人の駆け引きもいい。 ただ、新シリーズになって20分程長くなって90分余りになったせいか、少し冗長な印象を受ける。 テンポよく70分余りでまとめたほうが、このシリーズには向いているようだ。 ラストで芝居仕立てにした役者紹介の演出にも違和感。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-30 21:46:07) |
89. 新・刑事コロンボ/汚れた超能力<TVM>
《ネタバレ》 インチキ超能力者がマジックを使って翻弄。 そのトリックを主人公が暴いていくストーリーは、後の人気ドラマ『トリック』にも通じるもので面白い設定。 ところが、旧シリーズから十年余りのブランクがあり、NBCからABCに放送局も移ってスタッフも異なるせいか、旧シリーズとなにか違う。 ラストの演出や新しい吹替えにも強い違和感。 [DVD(吹替)] 5点(2013-11-30 21:44:09) |
90. ゴーストバスターズ(1984)
現代に蘇る悪霊たち。破壊の神ゴーザが降臨して人類を滅ぼそうとする――内容はおどろおどろしいオカルトになりそうだが、徹底的にコミカルにポップにした映画。破壊神がマシュマロマンなんてふざけてる。とぼけた博士役のビル・マーレイのほかに、シガニー・ウィーバーも出てたのか。それなりに見ていられるが、後に残るのはテーマ音楽だけ。 [地上波(吹替)] 5点(2013-09-13 00:14:41) |
91. 青い珊瑚礁(1980)
南国の美しい自然の中で若い二人の愛の交歓。 ストーリーはあんまり後に残らない。 [ビデオ(吹替)] 5点(2013-08-17 19:47:21) |
92. 転校生(1982)
一美は冒頭では快活な感じだったのに、入れ替わった後はなぜかなよなよした弱々しいキャラに豹変している。 こういうキャラのブレは基本的なことだけにすごく気になってしまう。 尾美としのりのオカマ口調も作り手のあざとさが強く感じられて違和感がある。 小林聡美はとても良かったし、男女入れ替わりものの元祖という価値もあるのだけれど。 大林監督とはどうも相性が悪いようだ。 [地上波(邦画)] 5点(2013-06-26 00:04:43) |
93. ロボコップ(1987)
《ネタバレ》 冒頭でロボットのテストで故障のため蜂の巣にされる会社員が気の毒すぎる。 そんな事件を起こせば、普通はロボコップ計画も進行できないだろうに。 ストーリー展開が強引すぎるが、SFということで勢いで乗り切っている感じ。 結構グロい場面もあるし、バイオレンスとアクションが見せ場になっている。 ただ、それも今観ると少し色あせてみえるし、あまり爽快感がないので好きな映画には入らない。 [DVD(吹替)] 5点(2013-05-26 00:22:01) |
94. タンポポ
《ネタバレ》 なんとも風変わりな映画。 ラーメン店の再生ストーリーがメインだが、それとは関係ない食にまつわるエピソードが幾つも挿入される。 それはそれで結構おもしろく、食料品店で桃やパンをブニュッとする老婆や、死にかけの母が作るチャーハンなど印象に残る。 ただ、一つの作品としては散漫に感じるので、こうしたスタイルはあまり好みではない。 [DVD(邦画)] 5点(2013-05-24 00:13:20) |
95. エレベーターを降りて左
《ネタバレ》 行動が裏目裏目に出て誤解が誤解を生むドタバタコメディ。 自動ロックの締め出しと、拳銃とおもちゃのライターの取り違えが、何度も繰り返される。 隣室の夫婦の感情がころころ変わって、別れる愛してるの繰り返しで面倒臭くなってくる。 片思いのマダムや部屋の清掃婦を巻き込んでの痴情のもつれもあってややこしい。 もう少し話がスッキリ整理されていたらよかったのだが。 印象に残ったのは、なんといってもエマニュエル・ベアール。 初めて見たけど、とてもキュートでコケティッシュ。 ストーリーの物足りなさをカバーするほどの存在感。 その後、ベアールの出演作を幾つか見たものの、ここでの小悪魔的なキャラが一番合っていたかも。 あっけらかんと男を虜にする女。 [ビデオ(字幕)] 5点(2013-01-16 22:10:54) |
96. カリギュラ
イカれた男が絶大な権力を握ると本当にこんな感じになるんだろう。 カリギュラが『時計じかけのオレンジ』のマルコム・マクダウェルとは、なんというハマり役。 ハードコアポルノのようなきわどい内容なのに、一流の俳優を使って仕上げるというのは、日本では考えられない。 エログロなのでストーリーには特筆するようなものはないけど、これだけスケールが大きいと無修正版なら一見の価値あり。 [DVD(字幕なし「原語」)] 5点(2013-01-11 00:19:49) |
97. バカヤロー! 私、怒ってます
バカヤローと怒鳴らざるをえないところまで追いこんだ人たちに対する怒りを描いた四話のオムニバス。 ①ダイエットを強要するセレブ男への怒りが爆発。最近見かけない相楽晴子がヒロイン役。 ②都心から離れた家にいつも終電で帰らなければいけない女が、それが原因で男にフラれる。話としては一番物足りないが、全盛期の安田成美を見れる。 ③客になぐられて鼻血を出すタクシー運転手の情けない顔が大地康夫にピッタリでちょっとかわいい。 ④英語コンプレックスに苦しむサラリーマン。同様のコンプレックスを持つ日本人は多いだろうし、クスっとできるお話。四話の中では一番。 四話とも怒りに共感を覚えるような内容で、それを爆発させることにカタルシスを感じる。小話としてまとまっていて、映画館で改まって見るような内容ではないが、気軽にテレビで観るぶんにはちょうどいいかも。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2013-01-10 00:34:49) |
98. 裸の銃を持つ男
昔、このシリーズを映画館で見たが、くだらなくて全然笑えなかった。 内容はもうすっかり忘れたが、激しく後悔したことは覚えている。 今見直したらどう感じるかと思って、試してみることに。 やっぱり、この手のドタバタナンセンスコメディはあまり好みではないことを確認。 でも、以前とは違って良さも見えてきた。 全編隙間なく繰り出されるギャグの嵐。 よく練られた小ネタの速射砲にハマる人もいるだろうと納得。 また映画館で観ようとは思わないが、気軽にDVDで観るならと印象が変わった。 [映画館(字幕)] 5点(2013-01-07 00:19:13) |
99. プレデター
《ネタバレ》 理由もわからずに正体不明の見えない敵に襲われる恐怖。 プレデターが人間を襲う理由が、侵略ではなく単なる狩りというのが面白い。 狩りの対象にされて追われる緊迫感で、最後まで引っ張られる。 ただ、無敵のプレデターが丸太落としのトラップでやっつけられるのは拍子抜け。 それまでは光学迷彩で安全なところから攻撃してたのに、最後は武器なしでのタイマン勝負を挑むとか、プレデターのキャラがちょっとわかりにくい。 [地上波(吹替)] 5点(2013-01-06 00:59:56) |
100. ザ・レイプ(1982)
《ネタバレ》 田中裕子はすごい美女ってほどでもないけどフェロモンがすごい。 レイプ裁判を中心にストーリーが展開するが、事情聴取や裁判などを通してのセカンドレイプがリアルに描かれる。 過去の不倫体験や中絶など隠しておきたいことまで相手弁護士に暴露されてしまう。 原作が落合恵子だけに、女性から見た繊細な心の動きを巧みにとらえている。 恋人も傷を受け、次第に壊れていく二人の関係に、被害者のダメージに対して加害者の罰の軽さが浮き彫りになる。 息を吐くようにウソの言い逃れを続ける加害者と、執拗に被害者を攻撃する弁護士が憎々しい。 これまで何度も取り上げられてきたテーマであり、今観ても目新しい視点は何もないが、丁寧に物語を紡いではいる。 公開当時は社会派ドラマとしてインパクトもあっただろうが、予想の範疇に収まっていて少し古くなった嫌いはある。 [ビデオ(邦画)] 5点(2013-01-05 00:33:46) |