1001. ハワイ珍道中
アチャコを筆頭に伴淳、キートン、堺駿二のコメディアンが勢揃いし、おもしろさは十分。土人の王様が登場し楽しませてくれるのだが、笑わせ方が少々安っぽい。バタやん(田端義夫)までもがそれにつられているくらいだ。このとき江利チエミ17歳ずいぶんぽっちゃりした容姿だが、歌は可もなし不可もなしというところか。目を見張るのはエキゾチックな安西郷子、本当のハーフだと思ってしまうくらいだ。この人が後に三橋達也の奥さんとなる。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2012-10-12 21:39:36) |
1002. 幸福(1981)
《ネタバレ》 横溝シリーズを立て続けに見た後だけに、市川監督の「幸福」はどんな映画だろうかと興味深く見たのだが、ホームドラマだと思っていたのが見事に裏切られた。(別に悪い意味じゃなく) 刑事ものだが、親子や夫婦間の問題など社会のさまざまな問題点を描いて見せる。特に望まれない子どもを妊娠した川上麻衣子は私には衝撃だった。 主役の水谷豊や中原理恵はまだ歌手としての印象が強く、「カリフォルニア・コネクション」も「東京ララバイ」のヒット曲もよく聴いた者だった。30年ぶりにテレビ(CS)で鑑賞、水谷豊の子どもを演じた二人など大変懐かしくいじらしかった。 [映画館(邦画)] 8点(2012-10-12 00:40:02) |
1003. 宮澤賢治 -その愛-
《ネタバレ》 人間宮沢賢治をこれほどまで詳しく描いた伝記映画があるだろうか。巡り会った数多くの人物を登場させ、たくさんのエピソードを描く。舎監をつるし上げて寮から追い出されたことや鉱石採集ばかりしていて「石っこ賢さん」とよばれていたエピソードに始まり、その後もその調子で延々と続く。そのどれもが記録に残っている事実であり、質屋の長男坊だったことすら知らなかった私にとっては驚きの他なかった。書物や文献を研究するなら別だが、それこそ宮沢賢治を短時間で知るのには最適だろうと思う。 しかしながら映画そのはどうだろうか。たくさんの史実を詰め込んだせいで、どれもが薄く淡泊になったのは否めない。妹の宮沢トシを初め、高瀬露、伊藤チエと賢治を敬い親しむ女性が登場しても盛り上がらないのが残念である。それでも質屋の長男がどうして「アメニモマケズ」の心境に至ったかは感じるとることはできた。 [DVD(邦画)] 7点(2012-10-11 20:49:41) |
1004. 死刑台のエレベーター(2010)
《ネタバレ》 オリジナル尊重の努力は認められる。古くて重量感のある建物や旧式のエレベーター、そんなのが残っていたっていい。ライカM2の骨董品だってレンズが良いし・・・。でもそんなのを使っていても50年という歴史や文化の違いはなかなか埋まるものではない。 そういう困難な状況下で犯行の手口やエレベーターに閉じこめられる筋書きなどオリジナルとほぼ同じ。だがチンピラ警官はないだろう、簡単に拳銃が奪われたり、射殺したりと雰囲気がずいぶん安っぽい。これじゃテレビのサスペンスドラマの方がまだましかも。 [DVD(邦画)] 3点(2012-10-10 16:41:30) |
1005. アメリ
この映画は一種独特の雰囲気と世界を持つ。その雰囲気に合わないとつまらなく思ったり、見るのを挫折してしまうかもしれない。私もどちらかと言うとその一人だった。だがある日「愛してる、愛してない...」を見た後、思い出してもう一度見直してみると味わい深く見れるではないか。要はフィーリングなんだなあと思う。今では現実と空想が入れ混じる空間や人と人とのふれあいが、ほほえましくさえ思える。なおこの映画音楽は秀逸、音楽だけで情景が浮かぶようだ。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-10 11:12:04) |
1006. 社長漫遊記
日本映画チャンネルによると、シリーズ最高傑作という呼び込みだがどうだろうか。森繁社長の米国かぶれによる弊害さえ感じる。接待禁止、宴会禁止は毎度おなじみの三木のり平宴会部長の活躍を奪っているようにさえ見える。それでもそこそこにおもしろく楽しませてくれるのだがやっぱり盛り上がりに欠けてしまう。常連化したフランキー堺の妖しげな英語や雪村いづみの本場仕込み英語は見ものだが・・・。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-10-09 21:48:44) |
1007. 愛してる、愛してない...(2002)
「アメリ」のヒットにいまいち着いて行けなかった私がここで挽回、オドレイ・トトゥの魅力をたっぷり味わうことができた。だけどオドレイ以上に良かったのは監督を初めとする制作者側だろうし、さらにもっと良かったのは脚本だろうと思う。ラブロマンスならぬラブサスペンス、フランス映画ここにありだ。途中挿入されるナット・キング・コールの"Love"がすばらしいが、エンディングの曲もまたすばらしい。 [DVD(字幕)] 9点(2012-10-09 06:03:37) |
1008. ルール
《ネタバレ》 この映画の中で起こる事件が都市伝説になぞらえた殺人事件ならば、この映画全体も新たな都市伝説になっている。それこそ作られた話だから現実といくら不合理が生じてもかまわないし、えっ犯人は?うそーとなっても問題ないわけで突っ込みを入れてもしょうがない。この辺をわきまえて見ると見られないこともない。しかし、それにしても殺されすぎ。 [DVD(字幕)] 4点(2012-10-08 17:30:09) |
1009. もぐら横丁
新進作家と言えど小説が売れるまでの貧乏暮らしは大変だ。借金の取り立てをかわしつつ質屋通い、これがひとえに奥さんの仕事なのだ。その若き奥さんを演ずるのは島崎雪子、最初は作家佐野周二の娘かと間違うくらいなのだが、これが実に良い感じ。この映画全体もほのぼのとした雰囲気が実に良く、貧乏生活なのに少しも暗いところがない。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-10-07 19:27:46) |
1010. 天地明察
実際の月日と暦が2日違っていたら、それは大変なことだと考える人とそれくらいの違いが何なのだと考える人では映画に対する見方は当然変わってくる。また十数年の間に日食がそう何回もあるはずがないと思う人と小説や映画だから気にしないと思う人でもそうだろう。だがはっきり言えるのは暦や天文など専門的な知識がなくても、十分に楽しめる映画だということだ。囲碁を嗜み、天文が好きで、数学の教鞭をとっていた私にはまさに格好の映画だった。 [映画館(邦画)] 8点(2012-10-07 14:40:10) |
1011. 愛が微笑む時
悪くないのだがちょっとテンポが速くて着いていけなかった。ゴーストが4人もいるからかもしれない。これが4倍になるのなら良いけど、感動が4分の1に薄くなってしまった。 [DVD(字幕)] 6点(2012-10-07 08:19:38) |
1012. イタリア的、恋愛マニュアル
《ネタバレ》 オムニバスの形式ながら時間と空間は同じ、見事につながっている。それぞれがまるでリレーのバトンタッチのようだ。そして第四話の海岸の家まで来て、もしやと思ってみてDVDを第一話に戻してみると、そうあのレストラン?なのだ。ということは・・・。 この見事な作りに拍手、そしてイタリア的恋愛マニュアルにも。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-06 21:31:46) |
1013. ペイチェック 消された記憶
おもしろかったのは最初の方だけ、3年間の記憶と1億ドルあたりから胡散臭くなってだんだんおもしろくなくなってくる。都合の良い筋書だとつまらなくなるのは当然で、それでも最後はどう決着するのかだけを目当てに最後まで見たが、結果は時間の無駄だった。 [DVD(字幕)] 3点(2012-10-05 22:04:22) |
1014. エターナル・サンシャイン
よくはわからなかったけど内容のあるすごく良い映画だったように思う。消し去りたい記憶と忘れかかった記憶が入り交じって、人を好きになる愛するとは何かをも考えさせられる。ただ映画としては、クレメンタインの髪の毛に象徴されるけばけばしさに着いていけず、集中できなかったけど・・・。ニーチェやアレキサンダー・ポープのことばが非情に印象的。 (再鑑賞して)2度目を見てようやくストーリーがはっきりした。ポイントは髪の色だ。けばけばしい髪の色が現在と過去、現実と脳内とに区別され整理できた。また、3度目になっていろいろな伏線や細かなことが発見できて、よくできた脚本だと気づく。点数もあと1点プラスしよう。私のように最初よく理解できなかった人にももう1度見直すことを薦めたい。 [DVD(字幕)] 8点(2012-10-05 17:22:31) |
1015. マジェスティック(2001)
フランク・ダラボンらしく夢と希望に満ちたこの映画は、途中までは丁寧に描かれ「ショーシャンクの空を」をもしかして越えるのではと思うほどの感動作だった。ところがどうも詰めが甘い。合衆国憲法に背いてまでも行った「赤狩り」という米国の汚点が最後はどうもうやむやになっているように思う。そしてジム・キャリーも健闘はしているものの、最後はただの人になってしまったみたいで・・・。やはり他の配役が良かったのかも。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-05 06:27:41) |
1016. マジェスティック(1974)
《ネタバレ》 前半はブロンソンの渋さが光り、気骨があっておもしろい。2万5千ドルの取引にビールと電話代の3ドル85セントで応じるところなど最高だし、何よりスイカ栽培一筋なところが良い。だがそのスイカの大半がダメになってからはただの復讐劇になってしまった。銃はぶっ放せばいいというものじゃない。 [映画館(字幕)] 4点(2012-10-04 20:58:09) |
1017. 素晴らしき日
これが本当に一日の出来事?と思うくらい忙しく大変な一日だった。仕事にもハプニングは起こるし、子どもはちょろちょろするし・・・。しかしそれは充実したすばらしい一日だったのだ。何と言っても子役がかわいかったしうまかった。そしてパパとママを結びつけるエンジェルになっているのだから・・・。映画を見ていて一つわかったかと、どんなに忙しくまたたくさん女性が出てきても大事な女性の名前を忘れないこと、これはポイントだな。 [DVD(字幕)] 7点(2012-10-04 16:57:45)(笑:1票) |
1018. ラストサマー2
前作に比べ甚だしくおもしろくない。ブラジルの首都がリオ?という懸賞問題も変だし、ジャック・ブラックが出てくるのも妙だ。駄作というほかない。 [DVD(字幕)] 2点(2012-10-03 19:37:49) |
1019. ラストサマー
《ネタバレ》 はらはらドキドキの結構おもしろいホラーサスペンスだったと思う。だがよくわからないところがあって、何度もDVDで振り返って繰り返し見たものだ。 "I know what you did Last Summer"とI will never forget Last Summer"を同じに思っていたミスにはすぐに気づいたが、突っ込みどころはたくさんある。その中でも一番の謎はカニに埋もれたマックスの死体、ちょっとの時間にどうやって消えたのだ? それから犯人は顔をつぶされたのじゃなかったのか? それに不死身だし、この辺がホラーなのか。 [DVD(字幕)] 6点(2012-10-03 17:09:10) |
1020. 家庭の事情
私は子どもの頃から源氏鶏太の小説が大好きだった。ユーモアに満ちあふれ爽やかさと暖かさがその特徴だったし、三等重役を初め数々の作品が映画化された。この映画もその一つで、定年退職した父とその四人の娘の物語だ。それぞれにロマンスがあるが、ちゃっかり屋がいて、控えめでおとなしいのがいて、大金を恋人にと一途なのもいて、不倫を精算し新たな生活を始めようとするのがいる。四者四様だ(こういう言葉があるのか知らないが)それぞれを描きつつ、家族ということでしっかりまとまっている。ほほえましいくらいだ。個人的には三女の三条さんが一番好き。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-10-02 21:44:45) |