1021. タイタンズを忘れない
《ネタバレ》 当時としては盛り込み過ぎの感はあったようだが、今の映画に慣れてる自分に消化不良はなかった。しかし男の話に何故か小さな女の子がよく似合うね。漫画「ドカベン」のサチコみたいに。このアメフトの白人コーチの娘は男の汗くさい話の中に丁度いいアクセントになる。白人と黒人のぶつかり合い。でもどっちにしても悪い人間じゃないし、スポーツを通せば友情も築ける。試合に勝ち続けるというのは、ちょっと話が良すぎるかと思いきや、実話なんだね、これ。人間の理解が深いと、スポーツも強くなるのだろうか? [ビデオ(字幕)] 7点(2016-08-19 23:13:17) |
1022. ブリッジ・オブ・スパイ
《ネタバレ》 よく「水面下」で色々政治的なことが行われてるというけど、なるほどこういう事なのか、といった映画でした。スピルバーグにしてみれば、2枚舌(1.5枚舌?)交渉の現場のダイナミクスを映画にしたかったのではないでしょうか?スピルバーグの天才的な演出も随所に見られ、面白かったです。しかし「リンカーン」もそうだったけど、セリフが多いよね。次回作はもっと演出で画面に引き込まれるような作品を創って欲しいなぁ。「インディジョーンズ」かな?次は? [DVD(字幕)] 8点(2016-08-13 21:17:06) |
1023. 黄金のアデーレ 名画の帰還
《ネタバレ》 どこがクライマックスの映画なんだろうと思って観ていた。法廷劇も大してスリリングでもなく、人間ドラマとしてもよく伝わらなかった。この映画の感想は、これはユダヤ人が観たら、してやったりと思ったろうなぁということだけ。ナチスの残虐な仕打ちに祖国ウィーンも助けてくれなかった。そのウィーンにあるナチスに奪われた姉のモデルの絵画を、ユダヤ人を受け入れてくれたアメリカにいるヘレンミレン扮する女性が自分のところに取り戻そうとする話。・・・そうだよね。非道い話だもんね。ナチスのやったことは。歴史の非人間的なことに声をあげた映画がここもう一つできた。確かに非人道的な歴史は許せない。どれほどの悲劇が悲鳴をあげているか。今のこの瞬間にも、そんなことが中東やあちこちで起きている。本当にね、それを前に個人は非力だと思うよ。ただこの映画に関しては、自国(ウィーン)の文化の顔のように思われてた絵画が、よその国(アメリカ)の美術館に行ってしまう。その絵画を愛したたくさんの人たちが残念に思うだろうなぁという気持ちも捨てきれず、主人公たちに感情移入のしづらい面もあったなぁ。 [DVD(字幕)] 6点(2016-08-13 15:42:42) |
1024. 女殺油地獄(1992)
《ネタバレ》 近松門左衛門の五社英雄流の解釈ものである。バブル後の日本の作品だけあって、ちょっと女性の描き方が粗い気もした。樋口可南子の役どころがイマイチ現実味がなかった。与兵衛を誘うとこなど、説明不足で急で、ついていけなかった。与兵衛が子どもの頃の「おばはん」とのやりとりも描いた方が良かったのではないか?2時間弱の映画では、ちょっと理解しづらかった。まぁあの「鬼龍院花子の生涯」の監督だからなぁ。この近松「女殺し油地獄」1957年版も観てみたい。 [ビデオ(邦画)] 6点(2016-08-11 11:26:54) |
1025. シティ・オブ・ゴッド
《ネタバレ》 リオ五輪真っ最中なので、ブラジル映画をチョイス。それがこの作品だったが、南北アメリカでギャングの成り立ちが全然違うんですね。犯罪の絶えないスラム街で、一人の凶悪な子どもが出てくる。話はこの子どもの生い立ちに触れない。何故こんな凶悪な子どもが生まれたのかが分からないため、この映画はバイオレンス映画になってしまったが、これが実話なら、その辺が大事だと思う。ラスト、警官に賄賂を渡して、悪玉が釈放されるのが切ないが、そこにとどめをさすのが、若い子どものギャングというのが、もっと切ない。テンポもよく、飽きさせないストーリー運びにブラジルの文化度が分かる。 [ビデオ(字幕)] 7点(2016-08-07 13:56:48) |
1026. ワンダフルライフ
《ネタバレ》 ドキュメンタリー調の前半に、話に入り込めず、自分だったらどの想い出であの世に行くかなとぼ~っと考えてた。一つだけ選ぶいい思い出で、あの世に旅立つ、この世とあの世の際(きわ)の世界の話。しかし、それは一番大切なものを選ぶことでもある。親か恋人か子どもか自分か・・。選べない人も出てくる。それがこの会社の人たち。モラトリアムは次元を超えて、あるもんなんだね。・・にしても協賛にどこかの葬儀会社が入っているのかな?葬儀会社のCMにピッタシの題材。監督の、映画は夢工場ではあるけども、天国工場にもなりうるか?という問題意識を感じました。 [ビデオ(邦画)] 7点(2016-07-31 23:27:09) |
1027. 幻の光
《ネタバレ》 海辺の村の時間の流れ方、ロングばかりではっきり見せぬ江角の美しい顔、子どもたちの自然な振る舞い。後の是枝節の萌芽はあちこちで見受けられる。是枝は職人になりたかったらしい。すると周囲から作家でいてくださいと言われたらしいのだが・・。確かな演出。奇をてらわぬ素材。海外で賞をとったのもうなずける。でも江角の美しさに票が集まったのかもしれない(笑) [ビデオ(邦画)] 9点(2016-07-30 23:58:56) |
1028. アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
《ネタバレ》 見応えあった。オールスター映画としては言うことなし。それぞれのヒーローの苦悩みあり、見せ場あり、ロマンスあり。細かい設定は分からないが、皆の曲者の性格がストーリーに活かされてて、十分楽しめた。敵がAIというのが分かりにくかったが、ヒーローの敵のAIとなると、こんな邪悪になるんでしょ。前回活躍した空中空母も最後の最後に見せ場があって、ジ~ンときた。兄を失った双子の妹や今回の悪のAIと生体化学の相の子が、新アベンジャーズの仲間入りとなるのだけど、イマイチ頼りないメンバーだよね。多分、新アベンジャーズが手こずったころに、元祖アベンジャーズが助けに来るんだろうけど(笑)。戦争映画でも、人間が敵じゃないから、安心して観てられる。ユーモアも許される。話、盛り込み過ぎて、気が抜けなかったが、あっという間の2時間強だった。 [DVD(字幕)] 9点(2016-07-30 19:37:46) |
1029. トランセンデンス(2014)
《ネタバレ》 エンターティメントの要素はかなり薄いが、題材が興味深い。人間の意識をコンピューターにアップロードすれば、AIの完成度にもよるだろうが、意識はずっと生き続けられるっていう問題提起は面白い。でも他のAI(医療技術のAI)ともやり取り可能になるのかな?アップロードしても24時間パソコン操作する人格があるっていうことでしかない気もするが・・。せっかくこんな面白い題材なんだから、死んだ人の意識がコンピューターに残ってる世界で、遺された人たちはどんな気持ちがするか、深く掘ってほしかった。スパイクジョーンズの「her」ならぬ「he」だね(笑)それにしてもモーガンフリーマンは科学ものによく似合うね。リュックベッソンの「ルーシー」もそうだけど・・。なんか知的な感じするもんね。 [DVD(字幕)] 6点(2016-07-30 16:48:16) |
1030. サンドラの週末
《ネタバレ》 ダルデンヌ兄弟の新作。会社は金を得るための集まり。時として一緒に助け合ったりして働いてる「仲間」なのに、その「仲間」より金の方を優先する人も出てくる。サンドラは、ボーナスか自分かの選択を突きつけられた「仲間」に接していくうちに、この会社は一緒に働くのに値しない会社だと分かってくる。結局、サンドラはクビになるのだが、ボーナスより彼女を選んだ仲間には、大切なものを失わずに済んだ誇りのようなものが残る。ダルデンヌ兄弟は、新しい社会の病理などに飛びつかず、今足元で起こっている人の絆の問題を、改めて何度も何度も映画にしていく。新しい社会問題を取り上げるのだけが、映画ではない。もしかすると歴史に残る作品は、ダルデンヌ兄弟の方の作品かもしれない。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-30 13:54:19) |
1031. 祇園の姉妹(1936)
《ネタバレ》 小津をして「俺に撮れない映画は溝口の「祇園の姉妹」と成瀬の「浮雲」だけだ」と言わせた、その作品を鑑賞した。なるほど、人を舐めたやつは舐められる。当たり前の理屈だ。芸妓を舐めた男どもに囲まれるうちに、段々と男を舐めはじめる山田五十鈴扮するおもちゃ。これも当然だ。しかし物語は、男を舐めるなとおもちゃを痛めつけたところで、おもちゃが芸妓なんて商売なければいいのだと嘆くところで終わる。巨匠溝口のこの作品の落とし前何処は如何なものか。ここでラストではいけないのではないか?これでは男を舐めた、男側が作った映画ということになる。それでは男の面子がたつまい。ここをきちんと料理した作品だったらなぁと思った。が、男を舐める山田五十鈴の演技は、恐ろしいほどの演技だった。ぞ~っとした。なるほど、小津さんにこの迫力は出せるだろうかとしみじみ鑑賞後、思った。 [ビデオ(邦画)] 8点(2016-07-27 00:57:30)(良:1票) |
1032. プリティ・ウーマン
《ネタバレ》 楽しくってイイよね。ビジネスって人間社会あってのものなのに、ビジネスだけが先走って、すべてがビジネス優先。そんな世界に生きてるリチャードギアが、人間らしく生きていってる下町の娼婦の女性に、何が大切なのかを思い知らされるって話をお洒落に描いた娯楽作品。まぁちょっと昔の映画だから、今観ると、当たり前のことを言ってるんだけど、当時は中々インパクトがあったみたいですね。その監督、ゲイリーマーシャルも亡くなってしまった。娯楽作品を創る作家さんってあまり大きく報道されないけど、無くてはならない文化を支えてる人たち。レンタル屋のポップで亡くなったことを知った。 [ビデオ(字幕)] 6点(2016-07-24 14:42:57) |
1033. 緋牡丹博徒 お竜参上
《ネタバレ》 藤純子と言えば、僕なんかは東山くんの「山桜」に出てた冨司純子のイメージが強い。僕らより前の人たちは、この緋牡丹シリーズなんだろうなぁ。どれから観ていいか分からないので、とある映画本に紹介された本作を鑑賞。まぁあの「山桜」の品のいいお母さんのイメージあるある。あぁ極道やっても、乱闘しても、品がいいんだなぁと感心。女は度胸。惚れ惚れします。 [DVD(邦画)] 6点(2016-07-23 22:46:23) |
1034. 鬼龍院花子の生涯
《ネタバレ》 ヤクザな父親も人の子。女性にだらしないのに、ハートがある。その辺を仲代達矢が鬼気迫る演技で見事に演じてる。鬼龍院松恵の生涯なのに、タイトルが花子であるのに疑問を持つのは、原作未読だからか。松恵役の夏目雅子の代表作と言われる本作だが、自分は「瀬戸内少年野球団」の素朴な先生の方が夏目らしくて好きだ。この作品の「なめたらあかんぜよ」は日本映画史上の名セリフ。いや~堪能しました(笑) [DVD(邦画)] 7点(2016-07-23 17:56:10) |
1035. 野獣死すべし(1980/日本)
《ネタバレ》 ラストのストップモーションは、ロバートキャパの「崩れ落ちる兵士」かな?角川映画ってコテコテのB級映画なんだけど、志は高いんだよね。照明もカメラもあまりいいのは使えないんだけど、数々の名作に挑んでる感じがする。印象深いシーンもある。リップバンウィンクルの話のシーンは、日本映画史に残るんじゃないかな?題材は面白いんだけど、主人公が、野獣のアイデンティティが人を殺すことだというくだりは、つまらない(笑) [DVD(邦画)] 6点(2016-07-23 15:05:25) |
1036. ウェイバック -脱出6500km-
《ネタバレ》 やっぱり大陸の人間はでかいよね。アメリカ横断するよりも、はるかに長い距離、しかも寒暖の差が激しい、地球を縦断するんだから。実話ってとこがホントに・・。日本には日本の良さがある。大陸思考で張り合っても、勝てっこないよ。島国思考に突破口があるんじゃないかな。しみじみ大陸の人間のデカさを思い知らされた一本だった。こんな大味な作品の前に、ウンチク語ってもしょうがない気がするけど、「モスキートコースト」の監督だもん。やっぱこういう作品創ろうって思うはずだよ。ピーターウィアーは、文化の違いを描く映画を撮るうちに、やはり自分らアメリカの人間の文化は、デカいって思い至ったんじゃないかな。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-19 00:34:35) |
1037. 憎いあンちくしょう
《ネタバレ》 こんなルリ子、初めて観た!リリーでもなく、他の名作の浅丘ルリ子とも違って、若さが弾けてる!お化粧しなくても、かわいいじゃん!話はかわいい都市型カップルの愛の成長過程をロードムービーで見せるといった、日本では面白い趣向。東京から熊本だから、今ではなんてことない距離。それを石原裕次郎がボロジープで、浅丘ルリ子がスポーツカーで追いかけて、途中山道でスポーツカーが大破しちゃうという劇的な盛り上がりがあるなんて・・(笑)。当時の名作って言えば、キネマ旬報なんかで調べると、暗い作品ばっかりなんだけど、こんな楽しい娯楽作品あったんだね。そりゃそうだろうね。寅さんだけのはずないもんね。昔の作品って言えば、名作ばかり辿りたがるけど、昔の娯楽作品も観てみようと思いました♪ [DVD(字幕)] 7点(2016-07-17 19:18:45) |
1038. ドラゴン・タトゥーの女
《ネタバレ》 変態男にブチ切れて、パソコン・情報リテラシー・近代的な小道具・悪の世界などをフルに活用し、もう許せないものは許せない、そんな女性がドラゴンタトゥーの女だったんですね。007(?)すらも救ってしまうくらいのタフになってしまった女性。彼女は一体、この先どこに行くんだろう?しかしデビッドフュンチャーが描くと、推理モノ的一族の陰謀的設定も、聖書絡みの猟奇ものになっちゃうんだなぁ(泣) [DVD(字幕)] 7点(2016-07-17 16:36:13) |
1039. ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声
《ネタバレ》 えぇ!?デブラウィンガー、出てました?イメージなかったなぁ。神より授かった男の子の美声。それは時期が過ぎれば、無くなってしまう。一瞬のきらめき。それを見事に舞台を作ってあげた、ダスティンホフマンなどの先生たち。キャシーベイツなんか、むしろ若い頃は、ボーイソプラノ歌ってそうな風貌だったのにねぇ。厳しい学校の教育は、後の彼らにパワーを与えることでしょう。清々しい娯楽作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-17 01:01:22) |
1040. インサイド・ヘッド
《ネタバレ》 もう涙なくては観れんよね。だってそうでしょ。ヨロコビとカナシミが困っている時に助けてくれたのが、子どもの頃、一緒に遊んだ空想のキャラで、そのキャラが忘却の彼方に置いてかれることで、(まぁ結果的に)新しい土地での生活が始まるんだもん。もう泣いちゃって、泣いちゃって。次回の続編では、思春期編を観たいなぁ。今回、あまり出番のなかったビビリとイカリとムカムカが大活躍しそうだもんね。それにしてもアメリカ人って、体もデカいけど、ハートもがっしりしてるなぁ。しかもこんな映画創っちゃうんだから、IQの高さを感じる~。でもまぁ、どこの国の人間も同じだね。ホントは政治の話に一喜一憂することもないかもしれないね。やっぱ人って全世界温かい。(テロは別) [DVD(字幕)] 8点(2016-07-16 21:41:38) |