1061. バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)
《ネタバレ》 「作家はいかに描くかに心血注いでる、それを評論家は簡単にレッテル貼りをする!」主人公のこの言葉は痛かった。そうだね。本当にそう。あと映画鑑賞で、作家の人間性をクールに見て、ニヤニヤするのも嫌らしいね。この作品、ヒッチコックの「ロープ」だよね。それを最新技術(飛行シーンはドローン撮影?)で現代のみんなに再提示してくれた。こんな演出もあるんだぞ!って。アレハンドロ監督は「バベル」の日本描写が嫌いだったけど、新しい映画を創ろうと、本当に格闘してる。もう頭下がります。クリエイターの努力たるや、凄まじいものだと思います。この映画の主人公みたいに・・。でも浮気はだめだぞ~、バードマン(笑) [DVD(字幕)] 8点(2015-09-22 12:51:20) |
1062. 6才のボクが、大人になるまで。
《ネタバレ》 3時間近くの映画なのに、全然長さを感じなかった。長期間における同俳優による撮影だったので、より主人公の子に寄り添って観ることができた。贅沢な創りではあるが、よりリアルな映画体験だったことは間違いない。いっそ続編、続続編も創って、彼の一生まで映画を創ったら、映画史上に残るよね。 [DVD(字幕)] 7点(2015-08-30 18:50:12) |
1063. モード家の一夜
《ネタバレ》 異性との会話を楽しさを映画にもたらしたエリックロメール。ここでもその真骨頂は見られる。色々言うことはありません。素敵な映画体験でした。 [ビデオ(字幕)] 7点(2015-08-25 11:10:31) |
1064. 0.5ミリ
《ネタバレ》 長かった。しかし安藤サクラが自然な演技で傍にいてくれたので、心地よかった。でも映画としては、言いたいことが多かったようで、観ている間、日本は暗いなぁ~と思うこと多々で、辛かった。今や、邦画は特にスクリーンの前にいると、問題山積な現状をこれでもかと言われて、逆に外に出ると、あ~良かった、皆、呑気な顔してるよ、とホッとしてしまう。映画って、こんなもんでしたっけ?非日常な映画ばっかりで、映画青年は心のバランスをとかく欠きがちになってしまう。安藤サクラの楽な感じの演技が救いだ。演技、演技した演技では、こっちに来るなと言われてるようで、孤独な感じがしてしまう。映画って孤独な人のためにあるもんだけど、拒絶された感じがしてしまうと、あまり演技の巧い俳優の映画は、選びにくくなってしまうね。それにしても孤独な老人を巧い演技で演じる津川さんの観てたポルノまがいの映画は、安藤サクラさんのお父さんの監督作品ではないかな?「少女」ってタイトルだったけど・・。 [DVD(邦画)] 7点(2015-08-23 21:51:42) |
1065. 蜩ノ記
《ネタバレ》 身の引きしまるような映画だった。時代劇はいいね。現代劇が言わないことをストレートに言ってくれるから、分かりやすくていいや。 [DVD(邦画)] 8点(2015-08-14 22:41:20) |
1066. アメリカン・スナイパー
《ネタバレ》 見応えある映画だった。ただし、イラク側のスナイパーとの決着が簡単についた気がする。向こうも現地を背負っているだけに、そんなに簡単には倒せないだろう。もう少し、二人のスナイパー同士の戦いを観たかった。 [DVD(字幕)] 8点(2015-08-02 18:59:28) |
1067. ベイマックス
《ネタバレ》 理系オタクが世界を救う。まさしくシリコンバレーやCGアニメ業界のスタッフの素直な気持ちだろうと思う。しかしスヌーピーみたいな愛らしいロボットとのほのぼのとした時間が少なくて、映画の大半が戦闘シーンなのは、宮崎アニメの「となりのトトロ」と比べると、日本文化とアメリカ文化の違いを如実に表してる気がする。アメリカの愛とは、戦闘と破壊の場面がないと成立しないとこに、やはりこの国について行って大丈夫なのだろうかと思ってしまうのだなぁ。でも細部に知的興奮の宿る面白い一本。日本も理系の技術者とアニメや映画業界のスタッフとの交流がもっとあれば面白いのを創れそうな気もするのだが・・。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-18 21:43:53) |
1068. インターステラー
《ネタバレ》 文句なく興味深い!この鑑賞後の感覚は何だろう?アメリカ数学的思考の頭の中身といったとこか?アメリカ文化の代表で、スヌーピーを取り上げると、あの絵は数式で置き換えられるような線でできている。対してサザエさんは置き換え不能である。そこに和洋の違いを見るといえば分かりやすいだろう。つまりスヌーピー文化の香りプンプンの映画だ。霊に導かれてるという経験は誰にでもあるだろう。これはそれをアメリカ的思考で映像化している、文句なくSF映画の金字塔である。大味なストーリーではあるが、細部に知的興奮が宿り、3時間近くがあっという間だった。クリストファーノーランは、どこまで洗練された思考で、映画を創っていくのだろう?今まで映画という文化は、いろんな要素を取り入れてきた。彼の登場は数学的論理の面白さを映画にもたらしてくれている。理系映画の幕開けを予感させる作品だ!「マトリックス」のようなプログラム的センスではなくて、数式的なセンスの映画の幕開けと言ったらいいか。もちろん満点だが、そのような旧来どおりの評価基準で収まらない作品だった。いや~、このような才能がドンドン映画界に来るといいね(^^♪ [DVD(字幕)] 10点(2015-07-12 01:05:22)(良:1票) |
1069. ゴーン・ガール
《ネタバレ》 それにしてもベンアフレックって、こういう役やらせたら、上手いねぇ。演技?あと、この映画の中で、唯一殺されたアノ人。親が金持ちなら、今度はあの主人公についた弁護士をつけて、この女性と戦ってくれ~!怖すぎる!!!このベンアフレック演じるあの旦那が浮気しなきゃ、この女性は、味方についてくれたのだろうか?それとも浮気するとこまで、彼女の想定内だとしたら、結婚って何なんだ~!もう知恵を回す戦いしたら、女性には敵いっこないんだから、さっさと子どもを産みましょう!でないと、性格がねじれ曲がりすぎて、何のための人生なのか、分から~ん!!!(怒)。 [DVD(字幕)] 7点(2015-07-11 21:30:42) |
1070. ニンフォマニアック Vol.2
《ネタバレ》 生きた教養をもたぬオタクに話を聞かせ終わった、あの最後の展開で、トリアー監督の人間賛歌がついに聞けなかったという点で、やはりラースフォントリアーは絶望しているのだと分かった。「奇跡の海」のラストは、やはり彼の中で消化しきれなかったものだということが分かった。彼の映画の誤りは、男のいうまま、女性がたくさんの男性に抱かれるという、一種の自己卑下から来る話「奇跡の海」を評論家に過大評価されたことで、これで正しいのだと勘違いしたことにあるのではないのか?しかし、その見方を深めた結果、彼はついに女性の笑顔の撮れない映画監督で終わることになるのだろうか?「メランコリア」は女性に寄り添おうと頑張ってはいたのだが、その後の映画でこのような映画を撮るということは、女性陣から肘鉄を食らったのかもしれない。彼の迷走に付き合わされると思うと、少しゲンナリするのだが・・ [DVD(字幕)] 5点(2015-07-08 11:41:22) |
1071. ニンフォマニアック Vol.1
《ネタバレ》 愛に反抗し、性の快感にこそ、喜びを見出そうと頑なに思う女性が、不感症になったという展開でボリューム2へ。さぁどうなる?しかし、そんな女性いる?(笑) [DVD(字幕)] 6点(2015-07-08 11:30:54) |
1072. ぼくたちの家族
《ネタバレ》 原田美枝子のアップに、自分も年取ったなぁと思った。「青春の殺人者」(未見)以来、確実に役者としてのキャリアを積み上げてきた彼女。黒澤明の「乱」でスクリーンで彼女を目にしたときから、演技の巧い人だなぁと思ってた。だけど仮面顔になったのは、個人的には「愛を乞う人」の演技からでは?と睨んでいる(笑)。女性として、やはり納得のいかない役だったのではないか?と思ってる。その彼女が、頭がボケた役をやるなんて・・。久しぶりの鳥肌のたった演技だった。一見、ハッピーエンドに見えるが、妻夫木君役の長男の選択は、間違っていて、これから大変な気がした・・。借金の返済を、外資系の転職で何とかしようなんて。母親の病気に精神的に耐えられなくて、キャバ嬢に走った人が、そうそう上手く事が運ぶとは思えないのだが・・。ラストの妻夫木君のアップはそれを意味してるのかな? [DVD(邦画)] 7点(2015-06-29 00:12:23) |
1073. パルプ・フィクション
《ネタバレ》 「レザボア」と並んで、タラちゃんの出世作。彼は「レザボア」の感性より、こっちの方のセンスを伸ばしていくんですよねぇ。昔、観た時よりも、タラちゃん節が分かっているだけに、面白く観れました。いずれにせよ当時は、げっ!って感じが強くて、楽しく観れませんでした(笑)。今では、彼のセンスは誰にもひけをとらぬ大家ですもんね。あと数作で引退を公言してますから、その後、どうするのかが興味深いとこです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2015-06-25 03:00:53) |
1074. 喜びも悲しみも幾歳月
《ネタバレ》 もう何度も観ているが、今回、この映画を見て、「サザエさん」などの長谷川町子の漫画を思い出した。主人公の喜ぶシーン、喧嘩をしに行って、奥さんが「しっかり~」と言うも、意気投合して酔いつぶれて帰ってくるシーンなど、もう漫画である。長谷川町子が映画好きだったと言っているが、木下恵介の作品など好んで観たのかもしれない。この映画について言えば、息子が死んだりする場面もあるが、全体の基調としては、幸せな映画である。まぁ気軽に観れる娯楽作品です。それにしても高峰秀子さんは、色んな顔を持ってるんだねぇ。この映画は日本中の灯台に赴任していく話だが、やはりあちこち日本中を渡り歩く「浮雲」を何度か思い出した。まったく別人だもんねぇ。う~ん・・。 [DVD(邦画)] 7点(2015-06-24 12:10:18) |
1075. SWEET SIXTEEN
《ネタバレ》 ケンローチらしい、イギリスでの苦しい生活を強いられるストリートの話。主人公は、ヤクなどが周りにある環境で、ただ自分を持とうと頑張ってる。その彼が自分を持っていられるのは、ムショの母親との新生活を夢見ているからだ。チンピラの兄や爺さんとの言い争いもあるが、優しい姉が見守っている。新生活のために金の要る彼はヤクの取引に手を染める。しかしそれが元で、大物に目をかけてもらう。大物のおかげで新生活の目途が立ち、母親がムショから出てくる。しかし、母親は母親なりの考えでチンピラの兄の方に行ってしまい、自分を失った主人公は兄を刺す。そんな話である。もう女性たちが観たら、この主人公を抱きしめたくなるような、そんな切ない話である。ケンローチの社会派映画は、自然体であるが、隙がない。アメリカの社会派と比べると、娯楽色がなく、登場人物がリアルだ。まるでドキュメンタリーを観てるようにリアルだ。彼の知的さを感じずにはいられない。 [ビデオ(字幕)] 7点(2015-06-24 11:51:12) |
1076. 小さいおうち
《ネタバレ》 最後の山田洋次ファミリー、倍賞さんも吉岡くんも、落としどころがキチンとしたとこで、見事完結!戦時下がこんなに明るい社会だったってことは、現代だって・・・てことがよく分かりました。 [DVD(邦画)] 8点(2015-06-21 23:52:52) |
1077. インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌
《ネタバレ》 人生フラフラしてる奴の魂のこもった映画。コーエン兄弟は映画の見せ方を知ってる。CGなんかFUCKだ!これぞニューシネマの血をひく正統派アメリカ映画!骨太なんだけど、イーストウッドよりも、コーエンのセンスの方が俺は好き。なんか久々のロードムービーで猫と絡んで「ハリーとトント」か?なんて思ったら、クラピッシュの「猫が行方不明」みたいで、でも生まれてくる?子ども同様、見捨てちゃうんだよね、これが。で、旅の途中で自分の息子がいる田舎を通るんだけど、何かふっきれずに通過しちゃう。ここにこの主人公の性格?人生?がよく出てて、イライラするんだけど、このダメ男、な~んか憎めない。彼女のジーンもそう思ってる。また彼女がホント、美しいんだ!でもカントリーでも歌う女性ってサリーフィールド顔だね?アメリカ人好みの顔なんだろうね。ダメな歌手のロードムービーと言えば、最近では「クレイジーハート」があるけど、「インサイド~」は歌が魂に届くんだよね。名もなき男が演じてるから?あ、俺が知らないだけか(笑)。でも知らない俳優なんで先入観なく観れちゃうから、歌も素直に心に届くんだ。コーエンの演出の計算だろうけどね。上手いね~、この人たちは。「ファーゴ」観て、タダ者じゃないとは思ってたけどねぇ~。10点満点! [DVD(字幕)] 10点(2015-06-21 21:10:24) |
1078. ウォリアーズ(1979)
《ネタバレ》 ん?どっかで見たことあるような?あれ?「ストリートオブファイヤー」の喫茶店の女主人じゃん!?彼女、デボラ・ヴァン・フォルケンバーグって言うんだ。そう、ウォルターヒルの初期の作品にもう出てたんだね。つまりこの映画と「ストリート~」は姉妹作品なのかも・・。言うまでもないが、ウォルターヒル節はいいね。これを子守歌代わりに育った我らには、この監督にはどんどん作品を創り続けて欲しい。暴力がテーマのペキンパーと一緒にしないで欲しい。ウォルターヒルは喧嘩がテーマなのだ。落とし前まできっちり描くのが彼の映画のカタルシス。 [ビデオ(字幕)] 7点(2015-06-21 20:59:11) |
1079. 東京家族
《ネタバレ》 エンドロールで言ってるように、小津さんへのオマージュである。人のやりとりや間の取り方も小津さん風である。冒頭はそこに面を食らって、いつもの山田監督作品との違いに戸惑う。こういうテーマは、山田監督は一度「息子」で創っている。それを改めてまた創り直したのは、山田監督が晩年になって小津監督への敬意を示したかったからでもあろうが、「東京物語」で小津監督の懸念していた都市化によりもたらされた人の冷たさを、今の時代にさらに山田監督が強く感じたからではないか、とも思った。それが自身の「老い」から感じるのか、実際そうなのか、それは神さまじゃないから言えないのだろうが、山田監督が「東京物語」の笠智衆の感慨にひたったからなのではないか?と思い、そこに時間というものを感じさせられた。もう渥美さんもタコ社長もみんないないのだ。人情というものを山田監督は、もう一回問い直したかったのだろうなぁと思うと、そこに蒼井優演じる平成の原節子役に象徴されるように、彼はその希望の光を、いまの若い女性たちに見出したのではないか?とも思えるのだ。 [DVD(邦画)] 8点(2015-06-21 20:52:32) |
1080. 百円の恋
《ネタバレ》 「気合いだ~!」安藤サクラは、映画界の浜口京子である。父、奥田瑛二のスタイルをそのまま、彼女はフィルムの上で闘い抜いた。「映画をなめるなぁぁぁぁぁぁ!!」。ハイ、なめてません!それにしても凄い女優だ・・。 [DVD(邦画)] 8点(2015-06-21 13:34:45) |