1081. 回転
幽霊映画としてはイマイチですが、先生が徐々に壊れて暴走してゆくサスペンス映画として見応えがありました。子役二人の不気味さは特筆ものです。 [DVD(字幕)] 7点(2016-11-13 00:18:13) |
1082. レイルウェイ 運命の旅路
《ネタバレ》 理性を狂わされる戦時下での虐げた者と虐げられた者が数十年後の再会で心から許しを請いそれを受け入れる。実話であることが尊く感慨深い。和解後の夫妻の様子と長瀬の交流を通じて、絶対に出来っこない憎悪を捨てる事によって得られるものを見せて欲しかった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-11-12 23:34:41) |
1083. サムライ(1967)
《ネタバレ》 仕事の完遂に向けて喜怒哀楽が皆無の姿はサイボーグのようなマネキンのような。他人を一切寄せ付けない孤独がサムライとは思えない。ピアニスト殺しの依頼に空の拳銃で向かった理由は分からないが、孤高な死に様はサムライを連想させた。そして、柔和な物腰と裏腹に犯人逮捕の意志を見せる警部もまたサムライ。演じたフランソワ・ペリエの存在感はキレッキレのアラン・ドロンに劣らぬものだった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-11-08 01:48:45) |
1084. グラン・トリノ
《ネタバレ》 スーツを新調し、整髪し、愛犬を預ける姿に、刑務所に入る覚悟を見たのですが。隣家の為に命を投げ出し、分身のようなグラン・トリノをタオに譲る。50年かけて揃えた工具が示す様に仕事一筋で子や孫の事は亡妻に任せきりだったのだろうか、あまりにも希薄な息子一家との絆がうら悲しい。 [DVD(字幕)] 7点(2016-09-27 14:56:30) |
1085. スポットライト 世紀のスクープ
《ネタバレ》 幸薄い子供達の心の拠り所となるべき神父が彼等彼女等につけ込んで性的暴行を働くとは。教会が組織ぐるみで隠蔽するとは。卑劣でおぞましい出来事が実話だとは。涙を流しながらの証言はいたたまれないものがあり、これに回想シーンがついていたら鑑賞リタイアしていました。聖人君子ツラした変態と変態を庇う教会には吐き気がします。白日の下に晒した記者達の心は熱く頭はクールな仕事ぶりはお見事。地味だけれども引き付けられる作品です。 [DVD(字幕)] 7点(2016-09-19 23:44:02) |
1086. やさしい本泥棒
《ネタバレ》 マックスとリーゼルの曇り空のやりとりに言葉を紡ぐ事を考えさせられました。苦しく生き辛い時代に精いっぱいの愛情を注いでくれた里親と真友ルディの亡骸と対峙するリーゼルの姿に、ペラペラ(失礼)喋る死神に怒りがこみ上げます。ジェフリー・ラッシュのような聖人君子ではなくとも、見た目とは異なる人情を持ち合わせているエミリー・ワトソンが絶品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2016-09-18 23:07:57) |
1087. 映画 ビリギャル
慶應に合格して何をするのか、卒業して何をするのか。見返してやりたいという理由だけでは合格で燃え尽きてしまうのでは。受験勉強は日々自分との闘い。頑張れと励まされなくとも頑張るもの。誰にも応援されなかった身にとっては、さやかちゃんを応援する沢山の人物が眩しかった。家族の姿を掘り下げて描いている点に作品の奥行きを感じた。 [DVD(邦画)] 7点(2016-09-13 14:40:03) |
1088. Re:LIFE リライフ
ヒュー・グラントの為の作品。幾つになっても何時もと変わらぬヒュー・グラントをたっぷり堪能させてもらえました。 [DVD(字幕)] 7点(2016-09-12 23:13:22) |
1089. バニー・レークは行方不明
《ネタバレ》 狂気を孕んでいそうな登場人物達の中にあって、実はマトモな人物が一番狂っていた。露わになる際のアップの姿に身震いする。こんな者達を相手に常に冷静沈着で事件解決にあたる警視を演ずるローレンス・オリビエに作品の格調の高さを感じた。 [DVD(字幕)] 7点(2016-09-12 22:56:57) |
1090. サイレントパートナー
《ネタバレ》 モッサリしているが悪知恵が働く小悪党エリオット・グールドと残虐さに目を背ける悪党クリストファー・プラマー(「トラップ大佐」のキレキレの狂気模様に心底仰天)の絡み合いは先が読めなく結構ハラハラさせられた。緊張感が高まった中での悪乗りが過ぎた女装姿に脱力したまま結末を迎えたのがすごく残念。 2017.11.25 オトコマエの狂乱模様を観たくて再見。残忍なチンピラ役は見事な役作りだとしても、子供の頃からの悪役好きの私が見ても魅力のカケラも感じない。オトコマエがけったいな顔にしか見えなかったのが致命的。女性の顔を踏み躙ったり、女性の喉を掻っ切ったり、モッサリ銀行員にいいようにしてやられたり、「愚か者が! 女にしか勝てんのか!」と憤慨する始末。金輪際見ること無い作品。不細工な女装姿にちゃんとした役だったら美人になるのだろうかと考えてしまった。 [DVD(字幕)] 7点(2016-07-30 17:07:39) |
1091. ブリッジ・オブ・スパイ
《ネタバレ》 ドノバンの自宅に銃弾が撃ち込まれた際、彼を詰る警官に向かって「自分の仕事をしろ」と一喝する姿に、自分の職責は感情抜きで果たす意志を持つ人物であり、アベルにも共通するところで、二人の心が通い合うのも理解できます。米、東独、ソ連の交渉の綾を見たかったのでハッピーエンドにも物足りなさを感じました。 自分の身を案じてくれる「(死の)不安は感じないのか?」の問いかけに対するアベルの「役に立つか?」いう台詞。 私の心の支えとなっています。映画は生きる糧の一つなのです。 [DVD(字幕)] 7点(2016-06-04 23:45:13) |
1092. 薄桜記
《ネタバレ》 五人組に卑劣な手段で凌辱された千春を「千春に非はないが、町人なら見過ごされることはあっても、武士の道ではそれが許されぬ。自分の頭では許していても肉体が許さぬのだ」と離縁し里に返す典膳。千春への愛情から義兄に真相を明かさず甘んじて太刀を浴びる。ボトリと落ちた右腕に武士の生き辛さを見る。ラストの立ち回りは端整な典膳とは真逆ののた打ち回りながらの一太刀一太刀の気迫が凄まじく侍の一分を見る。言う事なしの市川雷蔵に対して千春を演じた真城千都世の拙さが残念だった。 [DVD(邦画)] 7点(2016-06-04 01:16:01) |
1093. Dearダニー 君へのうた
《ネタバレ》 巨万の富を築きながらも自堕落な暮らしぶりのロックスターに人生のやり直しを決意させた43年前に書かれたジョン・レノンからの手紙。息子一家とのエピソードはとってつけた感が否めない。宝物の手紙の上のクスリを吸引する姿に変わるのは簡単ではなく一進一退なのだと思わされる。落ちそうで落ちなかったアネット・ベニングの魅力が際立っていた。パチーノの人生とダブるところがあるのだろうかと思うと共に健在ぶりに大満足の作品。 [DVD(字幕)] 7点(2016-05-02 22:50:29) |
1094. アルゴ
《ネタバレ》 実話ベースという事で、珍作戦なれど007やMIPとは違う現実味があった。飛行機がイラン領空を出るまでヒリヒリする緊張感に包まれ、結末にホッとするものの、彼ら6名が残されている同僚の事を案ずるシーンが一度たりともなかったのが減点。 [DVD(字幕)] 7点(2016-05-02 19:55:14) |
1095. イントゥ・ザ・ワイルド
《ネタバレ》 痩せ衰えた青年が荒野の中で独り「幸福が実現するのはそれを誰かと分かち合えた時」と一筋の涙を流す。実話だという事で、ご家族の胸中を思うと胸が潰れそうです。この台詞、分かち合える者がいなくとも実現は出来ると私は考えます。 [DVD(字幕)] 7点(2016-04-09 22:01:16) |
1096. バベットの晩餐会
姉妹の凛とした生き様、バベットの超一流料理人のプライド。三人に心まで貧しくなるなと教えられます。ローレンスの告白は切なく胸が詰まりました。 [DVD(字幕)] 7点(2016-03-06 01:45:30) |
1097. 街のあかり
《ネタバレ》 カップでナイフを砥ぐコイスティネンに、返り討ちにあって海にボロ雑巾のように浮かんでいる、或いは刺し殺して自首する、ラストが思い浮かんだのですが。打ちのめされて「ここでは死ねない」と呟いた負け組であっても負け犬ではない姿に、同様に踏みにじられて自壊しそうな私がどれだけ力づけられたかことか。女性が何の魅力もないのは彼にとっては一途に思う大切な存在だったという点で良かったと思います。 [DVD(字幕)] 7点(2016-02-14 16:20:22) |
1098. キートンの大列車追跡
《ネタバレ》 機関車の追跡劇。追う身から追われる身へ。のどかな雰囲気の機関車とキートンの躍動感の対比が不思議な感覚。機関車が鉄橋から落下する様は、監督としてこのシーンありきの作品だったのかと思える仰天のシーンだった。面白さより監督キートンの熱意を強く感じた作品。 [インターネット(字幕)] 7点(2016-01-22 00:03:12) |
1099. ホテル・ルワンダ
スピルバーグのようなどうしてここまでと思える殺害描写は無くとも、「金の切れ目が縁の切れ目」を見せつける展開が恐ろしい。白人・黒人、フツ族・ツチ族、ゴキブリからみたら全て同じヒトなのに。ベルギーがルワンダで行ってきた事を描いてもらいたかった。 [インターネット(字幕)] 7点(2015-10-17 16:04:58) |
1100. テナント/恐怖を借りた男
《ネタバレ》 イザベル・アジャーニが狂気に引きずり込まれるのだろうと思いきや、狂気に陥ったのはポランスキー自らだった。ジワリジワリ感は「反撥」「ローズマリーの赤ちゃん」と同様。演じたい願望が叶った喜びがあったのか、病的さ加減は二作を上回る。このような作品を自作自演する奇才・ポランスキーを堪能させてもらえました。 [DVD(字幕)] 7点(2015-08-18 03:16:46) |