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風小僧さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 269
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自己紹介 現在の技術で作られた映画を観る目線で過去の映画を見下すようなことは邪道と思っている。できるだけ製作当時の目線で鑑賞するよう心掛けている。

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101.  野火(2014)
 太平洋戦争末期のレイテ島を舞台に、日本兵の悲惨な実態・戦闘の激しさを通じて戦場の狂気を浮き彫りにした作品。ドキュメンタリー映像では迫り切れない戦争の実相に、文字通り肉迫。戦争映画で肉体の損壊をモロに見せる演出には懐疑的な考えで、奇しくもこの映画公開年に他作品のレビューで否定的な意見を記述した。だが、題材によってはそれもありかなと思うようになった。本作の場合、全体の流れからみるとグロテスクな映像という印象があまりなく、肯定的に受け止めた。  時折映る山々や雲の流れ・海流等、自然の息遣いが一層悲惨な状況を引き立たせる。暗闇の中で一転、サーチライトから始まる戦闘シーンは凄惨極まりない。戦争とはこういうものだと思う。ケイトウの花と人肉の対比は残酷な現実を映す。  惜しいかなリリー・フランキー以外の俳優陣は素人っぽさが目立つ。小声での会話は、極限状態における飢えや栄養不足、士気低下を背景にした表現だと思うが、リアルさにこだわり過ぎの印象で、あまり効果的な演出とは思わない。   何年か前に親類の年寄りから聞いた逸話を思い出す。戦争当時、関東地方のある都市でアメリカ軍の空襲に遭い、そばにいた人の上半身が吹っ飛んだという話だった。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-03-08 18:52:48)
102.  踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!
 お台場の宣伝映画だね。サラリーマン社会における人間関係の可笑し味を描く緩さ、役所の縦割りに対する皮肉は前作同様。洋梨や亀田など小ネタが多いのも相変わらず。おまけに今作は、いい話にもっていこうとする思惑に加え、大上段に組織論まで盛り込んで踊ってます。  監視カメラを活用した捜査は現代社会の実態を反映するが、捜査側からの視点で見せられると某国の絶対監視社会をも想起させ、複雑な気分になる。  俳優陣ではいかりや長さんの枯れた味・乾いた芝居が気になった。誰彼なしに、馴れ馴れしく先輩風を吹かせる姿に不快感。すみれの手術中、取ってつけたような泣き芝居は全然感動せず。  かつてある新聞で、若き日のいかりや長介と芦田伸介を比較して、長さんの”動”に対する芦田伸介の”静”の熱演について論じた文章を読んだことがある。長さん演じる和久には年輪を重ねて醸し出される人間味が乏しく、「和久さん語録」は心に響かない。語録を聴いているうち、無性にL・V・クリーフ「ガンマン10か条」が恋しくなったよ。  ドリフの長さんは好きだけど和久さんには不満が残る。芦田伸介にはなれなかったなあ…………………なんてな。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2020-02-23 18:05:21)
103.  大脱獄(1970)
 悪い奴らを揃え、ユーモラスな展開の中にも風刺と人生訓を盛り込んだ娯楽作。  人間、とんとん拍子でうまくいくと思えば最後に落とし穴があったり、不満だらけの人生でも思わぬツキを呼ぶことがあったり、ラストの展開は意外性があり記憶に残る。  名匠と名優が組んで作った凡作とは思わない。むしろ肩の力を抜き、余裕をもって作った一品という印象。遠い日の少年が感じたその思いは今も変わらない。  丸メガネのカーク・ダグラスが印象的。断末魔のつぶやきは味わい深い………………訃報に接し合掌。
[映画館(字幕)] 6点(2020-02-09 15:54:42)
104.  キリング・フィールド 《ネタバレ》 
 カンボジア内戦の実相を捉えた臨場感・緊迫感が秀逸。ドキュメンタリー調の中にもドラマを織り込んでおり、戦争に巻き込まれた人々の苦悩がよくわかる。  大使館に避難する人々とプールで泳ぐ風景との鮮やかな落差。クメールが進攻してプノンペンに近づけばVIPはのうのうと車で逃げる。逃げ惑う人との対比はいつの世も変わらぬ権力者と弱者の関係。  後半1時間は新生カンボジアの過酷な実態を垣間見る思いだった。「解放者だと思ったら新たな弾圧者だった」・・・歴史は繰り返す。  プランの逃走時、墓標のような枯れ木群が現れ足元には白骨が・・・作品を象徴するシーンが主題を訴える。音楽は時に邪魔している。「イマジン」含め終盤の感動を誘う演出は、それまでの流れから脱線気味の印象。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2020-01-26 17:47:43)
105.  踊る大捜査線 THE MOVIE
 警察署を舞台にした群像劇で、「太陽にほえろ!」のアンチテーゼとして登場したテレビドラマの映画化。変な緩さは現実離れが目立ち素直に笑えないが、管理社会への風刺も交えたサラリーマン喜劇としてみればそこそこ楽しめる。  例の2本の映画へのオマージュ(?)はいただけない。流行のプロファイリングに便乗し、小泉今日子は不自然なパクリ演技の印象。そして、わざわざセリフで「天国と地獄」とはご親切。アジトが見つかるのも安易で、スモークボールの伏線ありきで作った印象。  終盤の、室井による青島の搬送から敬礼シーンまで、感動押し売りが鼻につく。
[CS・衛星(邦画)] 2点(2020-01-12 11:54:03)
106.  手紙は憶えている 《ネタバレ》 
 社会派ロードムービーサスペンスと言う感じで、邦題は「Remember」をカタカナにしただけでもいい。  アウシュビッツの生き残りがマダラぼけの老人の記憶を操作しナチス兵士への復讐に成功する。だが、認知症患者が方々旅することが現実的に可能か疑問。  加害者の自覚がなければ復讐しても価値が薄いとマックスは思ったか。その執念たるや良し。一般的に、犯罪であれ戦争であれ加害者は忘れても被害者は忘れない。ラストのどんでん返しは面白かった。  世界の現状を見ると、「栄光への脱出」や「アイヒマン追跡作戦」等、ハリウッドのフィルターを通して観た頃の心象風景とはまるっきり違う風景になってしまった。故に、この復讐劇への共感は弱い。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2019-12-29 10:53:35)
107.  遥かなる大地へ
 “アメリカに向かうアイルランド移民の大河的な物語”というより中途半端な中河ドラマという感じ。  新大陸に上陸後の主人公の悪戦苦闘は、自由・自己責任というアメリカの価値観を体現(といってもあくまで白人側の視点で)。拳闘とランド・ラッシュのシーンは迫力満点だが、土地取り競争への問題意識を持たない描き方は物足りない。現実にあったことを直視することは大事だが、その背景にも触れた方が良かった。「シマロン」(1960年作)からアメリカン・ニューシネマを経て世情は変わっているのだから。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2019-12-15 11:00:58)
108.  情婦 《ネタバレ》 
 脚本が練れており、テンポ良く畳み掛ける法廷ミステリー。演出力と俳優の力で魅せる映画の見本のような作品。  皮肉屋の弁護士と口達者な看護師のやり取りは漫才調で、物語に極上のユーモアを織り交ぜている。階段昇降機、注射、ブランデーなど小道具の使い方も絶妙。  クリスチーネの一人二役を演じるディートリッヒの鮮やかな変身。私には何度観ても同一人物とは思えないのである。   ブログ移行等、多忙のため一時中断し久々のレビュー。やっぱりワイルダー映画は面白いわい。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-12-01 14:13:00)
109.  ラ・ラ・ランド
 多くのミュージカル映画にオマージュを捧げた作品。特にジャック・ドゥミ監督作品への敬意を感じる。「ロシュフォールの恋人たち」を想起させる陽気なオープニングと「シェルブールの雨傘」を思わせる二人の切なくも素敵な別れがなかなか良い。  夢を目指す男女の出会いと恋、成功と挫折、そして別れがしっとりした音楽に彩られ、ラストのピアノソロは心に沁みる。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-21 21:02:22)
110.  華麗なるヒコーキ野郎 《ネタバレ》 
 真面目にバカやる姿は「明日に向って撃て!」に通底する。一方で、少年の父が語る「堅実に生きることが特別だ」も見逃せない人生観だ。  車輪脱落、納屋への飛込みなどちょっとしたユーモアが光る。中でもメアリー・ベスが曲乗りで固まってしまう姿が可笑しい。搭乗前の勇ましさ、息巻いている姿との落差が効果的。一転、墜落死はまさに“喜劇と悲劇は紙一重”そのもの。自由と自己責任、冒険と規制のせめぎ合いは、まさにアメリカの価値観を投影する。  曲技飛行における冒険心はあっさり描写だが、命がけケスラーのセリフ「正確さより真実をいかに描くかだ」「詩的な表現もある程度許される」・・・これは映画作りの肝をも語っている。   ケスラーとペッパーの会話が冒頭のペッパーが子供に語るホラ話と重なる。憧憬の眼差しがいいね。ラストは戦闘のない空中戦が魅せてくれる。翼のぶつけ合いにヒコーキ野郎の意地を見た。空を飛ぶってこんなに楽しいものなのかと思わせてくれる映画。最後の敬礼も心に残る。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-07-07 15:04:09)
111.  太陽はひとりぼっち 《ネタバレ》 
 ミーナの歌う主題歌に引き込まれる。名曲。  株価の変動を追い求める人々の心は、喧騒であればあるほど孤独が引き立つ。喧騒と対照的に、都会の静寂な朝が印象深い。  やや冗長気味だが愛の不毛や無常観は感じられる。主役M・ヴィッティのアンニュイな表情が作品の主題を体現して秀逸。対してA・ドロンは引き立て役だが、株の仲買人をうまく演じた。  ラストは核戦争勃発のニュースで現代の不安感を描出。愛や経済がどうであれ「核で一巻の終わり」という虚無感が暗示される。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2019-06-16 20:08:56)
112.  猿の惑星
 多くを語る必要はあるまい。優れて文明批評に満ちた映画であり、すべてが集約されたラストの秀逸さゆえ名作。  人類が愚行を繰り返す限り終盤の警句は生き続ける。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2019-06-02 19:40:30)(良:1票)
113.  カメラを止めるな! 《ネタバレ》 
 「桐島、部活やめるってよ」映画部員の後日談を観るような思いで楽しんだ。が、肝心の「ワンカット・オブ・ザ・デッド」40分間の映像は退屈(それも計算済み?)。その後の展開は青春ドラマありホームドラマの要素もありで、現実と虚構が入り混じって独特の面白さがある。また、映画制作の舞台裏を見せる楽屋落ちとしても楽しめる。
[地上波(邦画)] 6点(2019-05-19 13:51:01)
114.  レッズ 《ネタバレ》 
 全体的にダラダラ長すぎる大河ドラマという印象。社会主義者の長々とした討論を体現したような映画。彼らの理屈っぽさや「同志」という言葉の胡散臭さには辟易する。労働組合といえど権力者になれば必ず一部の既得権益層(労働貴族)は形成されるのだから。  物語のハイライトはロシア革命の場面だろう。革命真っ只中の熱気をリアルに表現しているが、社会主義に対する批判的な視点が不足している。「インターナショナル」が流れるシーンは苦笑するばかり。  この種の運動に内紛は付き物で、アメリカ社会党は御多分に漏れず早速の内紛・分裂。ジャックの生き方からは「こうであらねばならぬ」教条主義しか感じ取れない。  「ドクトル・ジバゴ」はブルジョア階級が主役ではあるが、革命の大波に翻弄される人々の哀感や苦悩が感じられた。対する本作、たとえ社会主義者が主人公であろうとも、作品としての問題意識を内在していなければ歴史のトレース劇でしかない。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2019-05-05 11:59:23)
115.  テルマエ・ロマエ
  “古代ローマ人ミーツ現代人”が織りなすカルチャーショック・コメディ。主人公の大マジメなモノローグは随所でクスッと笑える。“平たい顔族“に対するローマ人役の濃い面々(阿部、市村、宍戸、北村)がいいね。  ユーモラスな序盤~中盤に比べ、終盤はシリアス調でちょっと戸惑う。ラストの現代シーンは蛇足という印象。  終盤は失速感が否めないものの、全編通してお風呂愛溢れる展開は好感が持てる。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2019-04-14 12:35:31)
116.  家族(1970) 《ネタバレ》 
 石炭から石油へのエネルギー革命を背景に、長崎から北海道へ新たな仕事に向かう家族の葛藤、挫折と再生を描くロードムービー。  ドキュメント風の演出で、生き生きとした方言が印象深い。反面、中標津の歓迎会はプロの俳優陣と素人さんの会話が少し浮いている感じ。   万博の開催で日本中が浮き足立つ中、公害や都会の冷徹さなど高度成長のひずみも見逃さない。東北本線の列車内で交わされる減反の会話は、さりげなく農政の転換まで描き、開拓に向かう家族ともども時代に翻弄される庶民の思いに共感を寄せる。  長旅の末、中標津で最後の生の輝きを見せる祖父に人生讃歌を見た。祖父の死後、再起を期す民子の瞳の輝きが印象的で、2つの新しい命が一家の再生を象徴している。  欲を言えば、ラストは「北の大地の春は花々が一斉に咲く」場面を観たかった。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2019-03-31 11:51:37)
117.  シャイニング(1980) 《ネタバレ》 
 舞台設定は面白い。カメラワークが秀逸で、冒頭の滑らかな映像美は見事。  タイプライターで小説を打ち始めた途端、主人公の表情が険しくなる。このおっさん、変貌が早すぎ。J・ニコルソンの怪演というより自己満足の顔芸。  ホテルそのものが悪霊の佇まいだが“館の怪異”が食い足りない。全体的な印象は「柳の下のエクソシスト」だな。音楽も時に鬱陶しい。  ジャックとダニーの追いかけっこが大きな見せ場となっているが、怖さの超人を目指すかのようなニコルソンの芝居を長々と見せられればスリルに慣れるし飽きる。足を引きずりながらということもあり冗長だ(撮影技法のアピール?)。妻役S・デュヴァルはコメディーが似合いそうで、恐怖に相応しい配役と感じない。最期の“いきなり氷漬け”も、なんかコメディー。  ホテルに着いたジャックが徐々に変貌した方がジワジワ迫りくる恐怖を醸すと思うし、ダニーを追い回す展開をテンポよくすればホラーとしての迫力は高まっただろう。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2019-03-17 11:29:40)
118.  犬神家の一族(1976)
 戦争が影を落とす中、因習にとらわれた村社会を舞台に複雑な血縁関係をめぐる愛憎劇が繰り広げられる。血の呪いと言おうか、おどろおどろしい事件の数々が、犬神佐兵衛の映像を巧みに挿入することで衝撃を増幅させる。   湖から突き出た2本の足は視覚に訴える力が強く、ヴィジュアル面での貢献度は大きい。メディアミックスの成功と相まって、この映画を象徴する名場面となった。哀愁を帯びた音楽も秀逸。  金田一耕助のキャラクターにあまり魅力を感じないが、物語のおぞましさを中和する役回りとしては妥当だ。多彩な登場人物を手堅く捌いており、ほのかな旅情を感じさせるラストもなかなか良い。
[映画館(邦画)] 6点(2019-03-03 14:20:50)
119.  ミザリー 《ネタバレ》 
 只々K・ベイツの芝居が面白く、彼女の演技に引き込まれる。恐怖と滑稽さの塩梅が程よく、怖くて面白い映画。同じ原作者で、「作家が絡む、雪景色を背景にした閉鎖的空間での恐怖」という共通項を持つ「シャイニング」と連続で鑑賞したため、どうしてもK・ベイツとJ・ニコルソンの演技を比較したくなるのが人情。結果は彼女の圧勝だ。作品の出来も本作の方が良い。  K・ベイツは表情が豊かで喜怒哀楽の表現が実にうまい。豚の真似、汚いセリフ、愛嬌のある笑顔、時折見せる不気味な顔、投げキッス等、多くの場面が印象深く怖さを増す。癇癪持ちでストーカー的な“ドラゴンレディ”の狂気ぶりを怪演。  ミザリー(=みじめ)はポールの立場を象徴しており、必死にアニーのプッツンを抑えようとする彼の姿が痛々しい。J・カーンがK・ベイツとがっぷり四つの演技で恐怖と苦痛の姿を力演。足潰しのシーンは一番怖かった(痛そう)。   終盤、死んだと思ったアニーが再び襲いかかるシークエンスが「暗くなるまで待って」をなぞるようなもので、ある意味では安心できる展開だ。ミザリーを愛したアニーが豚の置物(アイロン?)でとどめを刺される皮肉な結末が良い。目をひん剥いた断末魔は、ミザリーを偏愛した後だけに、滑稽さが滲む。   「ナンバーワンのファンです」で締めくくる演出は、怖がらせ方としてはありきたりだが、映画全体の流れで見れば悪くない。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-17 11:56:22)
120.  ロシュフォールの恋人たち 《ネタバレ》 
 粋でおしゃれなミュージカル。全編明るい作風は「シェルブールの雨傘」と対照的で、観終わった後に2作品の対比を味わうことで、より深く楽しめる仕掛けになっている。パステル調の色使いを共通のキャンバスに、静と動、雨と青空、哀しさと切なさに対する明るさと楽しさ等、見事に描き分けている。個人的には「シェルブール…」におけるエレン・ファルナーの控えめな美しさ同様、本作ではジュヌヴィエーヴ・テニエの愛らしさがうれしい。  デルフィーヌとマクサンス、ソランジュとアンディー、イヴォンヌとダム、3組それぞれの関係がすれ違いに終わりそうでやきもきさせる進行は程よい焦らし演出。殺人事件の詳細をキュートなウェイトレスに語らせ、明るい基調に現実の暗さをスパイスとして取り込んでいるところはフランス人の皮肉屋的な気質か。  G・ケリーやG・チャキリスのダンスはアメリカのミュージカル映画に対するリスペクトが感じられ、殺された踊り子ローラ・ローラは「嘆きの天使」を想起させる。G・ケリーがカメオ出演でなく主要な登場人物で儲け役だね。  最後まですれ違うデルフィーヌとマクサンスだが、ラストは幸福な予感で締めくくる。音楽も明るく軽快で心躍る。特に「Arrivée des camionneurs」は躍動感があふれて印象深い…………数多くの名曲を残したミシェル・ルグランに感謝。 
[CS・衛星(字幕)] 7点(2019-02-03 20:48:40)
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