1201. モンスター(2003)
《ネタバレ》 「モンスター」というタイトルから、「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のような快楽殺人モノならイヤだな、と思いつつ見ていたのですが、見事に裏切ってくれました。レズも売春にも殺人にも興味はありませんが、主人公の哀しみや切なさは痛いほどに伝わってきます。ラストで扉の向こうの真っ白な世界に消えていくS.セロンの姿は、この世に生きる苦しみから解放される彼女の魂を象徴しているようでした。 [DVD(字幕)] 9点(2007-02-08 19:39:21) |
1202. ジャスティス(2002・ブルース・ウィリス主演)
コンビニの安っぽい幕の内弁当のような映画でした。戦争モノと法廷モノと差別モノと●●モノのおいしいところを少しずつ…。前半のピリッとした空気感から一転、後半のユルユル展開&キャラ激変には驚きました。脚本家が途中で変わったのか? [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-02-03 10:42:55) |
1203. スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐
さしてマニアでもないので、見ているうちに野暮な疑問が沸いてきました。あれほどの富と文明を築き、大都市の建設を可能にした経済的基盤はどこにあるのか、ということです。全シリーズを通して戦争ばかりを繰り返し(当たり前ですが)、財政の大半は軍事力増強に注がれているものと推察されます。しかも、政治経済に精通しているとはけっして思えない武闘家が国家(星?)の中枢に座り続けているのですから、なお不思議です。さらに、その発展ぶりは悪役の国家(星)も同じこと。だとすれば、何のために戦争しているのでしょう。少なくとも、貧困問題も領土問題も、資源獲得競争も民族紛争もなさそうです。それぞれの星ごとに棲み分けていれば、それで万事解決するように思えるのですが。それとも単に戦争がしたいだけなのでしょうか。今の米人のように…。野暮ですいません。 [DVD(字幕)] 5点(2007-01-31 15:04:01)(良:2票) |
1204. 男はつらいよ 寅次郎紅の花
以前、NHKで寅さんの特集をやっていたときのこと。「紅の花」の撮影の合間、いかにも身体が辛そうな渥美清が、インタビューに答えてこんな話をしていました。映画「スーパーマン」のロケ中、近所の子供たちが集まってきて、スーパーマン役の役者に「空、飛べよ」とはやし立てたそうです。「そんなこと言われたって、人間だから空なんか飛べるわけないもんね。でも、飛ばなきゃいけないんだよね…。ご苦労なこったね」。そう穏やかに語る渥美清の姿は、とても寂しそうでした。世間から役柄と本人とを同一視される喜びと哀しみは、常人の思い及ぶところではありません。私も寅さんを見るたびに、「空を飛んでくれ」と願っていた1人です。そして毎回、期待どおりに飛んでくれました。長い間、ご苦労さまでした。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2007-01-31 01:12:33)(良:1票) |
1205. トゥー・フォー・ザ・マネー
もっと裏社会的なドロドロ劇かと思っていたんですが、意外にさわやか系の作品でした。ラストもまるっとすっきり収まってるし。そういう意味では期待外れです。それと、“ヒロイン”がどう見ても美しくない。私は米人女優に詳しくないのですが、なんでこんな“アゴ星人”がアル・パチーノの奥さん役なんだろうと思ってたら、実は監督(or脚本家)のリアル奥さんで、しかも「製作総指揮」のポジションの方なんですね。このキャストは、権力にモノを言わせたとしか思えません。とはいえ、アル・パチーノは相変わらずカッコいいです。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-28 05:03:38) |
1206. フレンチ・コネクション
これぞハードボイルド!っていう感じ。冒頭で意味不明の男性が殺されようが、途中で若奥さんが犠牲になろうが、それに対する呵責や言及は一切なし。徹底的にクールです。地下鉄駅での駆け引きやカーチェイスも見どころですが、好きなのはクルマの解体シーン。「そこまでやるか」と感心しました。それにしても、あれだけ乱暴に壊しておきながら、その後数時間ですっかりモトに戻したんでしょうか。ここだけは「?」です。チェロの不協和音からしだいに盛り上がっていくBGMも、なかなかハードボイルドしてますね。 [DVD(字幕)] 7点(2007-01-23 05:30:29) |
1207. カラーパープル(1985)
最初の展開でラストは読めるし、さして派手なシーンがあるわけでもありません。その上長い。しかし、どっぷり浸かってしまいました。中盤まで、ゴールドバーグのダンナに対する徹底恭順&献身的&はにかみながらの微笑に違和感を覚えましたが、終盤のタンカでようやく辻褄が合った感じです。それにしても、ミジメなのはダンナなり。実はけっこういいヤツなのにねえ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2007-01-23 04:47:30) |
1208. ホテル・ルワンダ
“事実”はさておき、あくまでも“映画評”としてコメントします。ボチボチ面白かったんだけど、やや惜しい感じかな。「キリングフィールド」や「サルバドル」のような、キリキリと胸を締めつけられるような緊張感からはほど遠い。ついでにいうと、中盤のクライマックスでの“天気雨”(ご覧になった方ならわかると思いますが)に、ちょっと萎えてしまいました。本降りまで待てなかったのでしょうか。ただ、やはり「『怖い』と言ってディナーを続ける」は至言ですね。自分も間違いなくその1人でしょうから。 [DVD(字幕)] 6点(2007-01-17 08:29:31) |
1209. THE 有頂天ホテル
プロ野球のオールスター戦がプロ選手による草野球にしか見えないのと同様に、一線で活躍する役者陣による余興、もしくはサル芝居にしか見えません。ストーリー的なおもしろさはゼロ。役者のネームバリューやイメージを前提として、たとえば役所広司にカブリモノをさせたり、佐藤浩市に警備員をさせたり、伊東四朗を白塗りにしたりすることを、制作者は「おもしろい」と思っているのでしょうか。だとすれば、きわめてレベルの低いコメディと言わざるを得ません。 [地上波(邦画)] 2点(2007-01-06 16:33:52)(良:3票) |
1210. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 身体に障害を負って辛いのは当たり前。周囲の人間が心配したり世話を焼いたりするのも当たり前。そんな日常は、近所の病院に行けばいくらでも転がっています。わざわざ映画で見せられなくても…。これにかぎらず、イーストウッドの作品でいつも感じるのは、徹底した“featuring俺”の姿勢。監督&主演なんだから仕方ないが、そのいかにも米人風の安っぽさに、辟易したり失笑したり。 [地上波(吹替)] 3点(2006-12-16 08:18:50)(良:3票) |
1211. チャップリンの独裁者
ラストの演説が“目玉”だそうですが、さほどグッと来るものはありませんでした。だって、たとえば今、米国でテロや金成日を批判または皮肉る映画があったとても、何ら不思議ではないでしょ(最近は自国批判もありますが)。また冷戦時代には、ソ連を敵国に見立てた作品が無数にありました。第二次大戦前夜の米英のヒトラーに対する嫌悪感を考えれば、むしろ予定調和的な作品といえるのではないでしょうか。ただし、喜劇としては十分に堪能できます。デタラメなドイツ語による絶叫演説とか、地球儀ボールで遊ぶシーンとか、“ナパロニ”とのやりとりとか。いわゆる風刺画のように、そのキャラの立て方や“笑い”のバリエーションは、まったく古さを感じさせません。チャップリンはアジテーターではなく、やはり偉大な喜劇王だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2006-11-22 07:13:01) |
1212. エド・ウッド
どんなに酷評されても、どれほどの奇人でも、その結果として貧しくても、仲間に囲まれて好きな映画を撮り続けることができたのですから、かなり恵まれた人生だったんじゃないでしょうか。一般人には、とてもマネできません。 [地上波(字幕)] 7点(2006-11-15 15:57:15) |
1213. シリアナ
観る者の記憶力と、一つの映像から多くを理解する読解力と、ブツ切りにされたシーンのミッシング・リンクを埋める能力を試されるような映画でした。きわめて今日的かつ興味深いテーマだったのに、余計なところで神経を使わされた感じです。そこで思うのですが、果たしてM・デイモンのキャラは必要だったのでしょうか。主要3人の中ではいちばんわかりやすい役回りですが、話の本筋から見ればどうでもいいキャラだった気がします。仮に彼がいなければ、もう少しスリムで濃密でわかりやすい映画になっていたんじゃないかな。興業的にはマイナスでしょうが。 [DVD(字幕)] 6点(2006-11-13 10:25:01) |
1214. 宇宙戦争(2005)
《ネタバレ》 ある意味ネタバレです。実は私、すっかり勘違いしてました。H・G・ウェルズの『宇宙戦争』が原作と聞いて、『火星からの侵入』がモチーフだと最後まで思っていたんです。つまり、“夢オチ”だろうと。T・クルーズは冒頭で寝はじめるし、巨大なマシンが「太古から地中に埋め込まれていた」という発想も奇想天外だし、その割に“宇宙人”の姿はとても人間より高度な文明を持っているとは思えないし、実際に廃屋に隠れたT・クルーズを探索するシーンなどはけっこうマヌケだし。これらのすべてが、「実は夢でした」というラストの伏線だろうと思っていたわけです。夢から覚めて平和な日常に引き戻されることとひきかえに、相変わらずギクシャクした父子関係が待っていた、みたいな…。T・クルーズはホッとするやら哀しいやら、微妙な心境を抱えて作業現場に戻る、といったラストを予想していたんです。したがって、全編を通して私がもっとも驚いたのは、“宇宙人”が人間を次々と抹消するシーンでも、家の前に旅客機が墜落しているシーンでもなく、“夢”から覚めぬままエンドロールが流れ出したシーンでした。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-12 17:46:10) |
1215. ミュンヘン
久々に観る怪作です。この一連の事件を映画として取り上げた時点で、もう脱帽。グーの音も出ません。事件当時、子供心に感じた激しい戦慄が、にわかに蘇ってきました。ラストのWTCビルが印象的ですが、たしかに昔から今日まで、報復の応酬の図式はまったく変わっていないんですよね。それに映画としても、どこぞの国のお涙頂戴映画とも、かの国のドンパチ礼賛映画とも一線を画し、血なまぐさい話にも関わらず格調の高さを感じさせてくれました。途中、“同宿”を余技なくされたパレスチナ人青年と、ラジオの選局を競って最終的に折り合うシーンがあります。全編にわたって絶望的なストーリーではありますが、ただ唯一、このシーンにだけは、かすかな希望が込められていた気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2006-11-06 03:15:35) |
1216. ALWAYS 三丁目の夕日
昔の町並みの再現のみに全神経を費やしたような作品でした。肝心の中身は、どこかで何度も見たような、金太郎飴的紋切り型お涙頂戴ベタベタシーンの連続。それに、いろんな芸能人をチョイ役で出演させる手法に、制作者の“話題づくりに必死”な意図を感じ、余計に興ざめでした。封切り当時、「中高年が泣く映画」とよく喧伝されましたが、いったいどのシーンで泣けたのでしょう。不思議です。ただ、堤真一の豪快さと小雪の儚い色気だけはちょっとよかったかな。 [DVD(邦画)] 3点(2006-11-04 05:43:44)(良:3票) |
1217. 亡国のイージス
「自衛隊全面協力」だけあって、この手の邦画にしては珍しく、舞台装置にチャチな感じはありません。ただ、中身はチャチそのもの。自衛隊の社会的な位置づけや、「敵の攻撃前に一発の砲弾も撃てなくて防衛といえるか」という議論は昔からありますが、その部分の掘り下げが甘い。その結果、ミヤヅたちの行動の真意がよくわからず、あまりにも幼稚に見えてしまいます。それに、さして緊張感や盛り上がりもなく、序盤から中盤をスルーして一気に収束に向かった印象です。あと、ところどころに意味不明(説明不足?)のシーンがありました。ミヤヅとキサラギの関係とか、センゴクの家庭事情とか。いずれにせよ、詳しくは原作を読め、ということか…。 [地上波(邦画)] 4点(2006-10-31 15:15:06) |
1218. ロード・オブ・ウォー
まずはテーマの勝利でしょう。こういう職業にスポットライトを当てた段階で、成功はほぼ約束されたと思います(興業成績は知りませんが)。ただ、きわめて興味深い話なのに、特に前半は駆け足でポイントだけをまとめた感じでした。主人公の“語り”の多さが、その証左です。おかげで、ずっと予告編を観ているようでした。一つ一つの話を、もっとじっくり観たかった気がします。 [DVD(字幕)] 7点(2006-10-29 17:42:58) |
1219. ヴェニスの商人
詩的で大げさで時代がかったセリフがいい感じ(字幕を追うのに苦労しましたが)。アル・パチーノ主演でなければけっして観なかったと思いますが、やっぱりアル・パチーノで正解でした。これを観た人の多くがそうだと思いますが、私もシャイロックに同情し、肩入れし、ラストで1人佇む姿に涙しました。万人を敵に回してなお憎悪をむき出しにする闘争心。老いてなお圧倒的な存在感。その姿は美しすぎます。負けて絵になる男が憎い。 [DVD(字幕)] 7点(2006-10-28 01:08:53)(良:1票) |
1220. 容疑者 室井慎次
制作者の自己満足と自己陶酔だけが伝わってきました。スピンオフだかなんだか知りませんが、“話題の邦画”なんて、こんなもんでしょうか。ひどいね、しかし。 [地上波(邦画)] 1点(2006-10-23 13:31:27) |