1281. レッド・プラネット
《ネタバレ》 映像が美しい。画に迫力がある。キャストも良い。ただ如何せんストーリーがつまらないですね。 ストーリーがつまらないというよりかは、ストーリーが生かされていないといったほうが良いでしょうか。 太陽のフレアなんたらに母船がやられたり、そのせいで予定とは全然違う場所に落ちちゃったり、ハブ(基地)が昆虫に壊されていたり、エイミーとかいうロボットが暴走したり、嵐がきたり、仲間が崖から突き落とされたり、トラブルやアクシデントには事欠かないのに、なぜか中だるみしてしまうときがあります。きっと登場人物たちの心の変化、人間ドラマの描写が足りないからでしょうね。 そのために、まるでニュース番組のような関連性のないエピソードをただ並べられただけの内容に、脳が退屈しちゃったのかもしれません。 あとは、機械関係で何をやっているのか、何をしようとしているのかの説明が全くありません。母船がやられたときもそうだし、火星から脱出するときもそうですけど、何をしようとしているのかがわかりづらいと、そもそも興味が引かれないです。 キャストの中ではヴァル・キルマー、トム・サイズモアの二人が凄い良いです。特にトム・サイズモア。かれの自爆シーンは壮絶。 [ブルーレイ(字幕)] 6点(2015-12-10 14:34:04) |
1282. リーマン・ジョー!
《ネタバレ》 しがないサラリーマンが奮起して、仕事で成功していくような物語を勝手にイメージしていたのですが、ちょっと違いますね。 奥さんが他に男をつくって離婚。仕事は評価されず、出世させてもらえない。そんな折、駐車場のトラブルをめぐって娘の前で後輩の同僚から張り倒されてしまうという何とも悲惨なスタート。それからリベンジマッチへ向けて特訓が始まるわけですが、駐車場のトラブルはきっかけにすぎませんね。 同僚を張り倒すことを目標に掲げたのは、現実逃避のひとつの形です。本当の願いは『自分という人間を認めて欲しい』というところでしょうか。 奇しくも、その願いはすぐに叶います。嫌われ者の同僚にリベンジマッチを要求したことで、一躍社内の人気者に。皆から声をかけてもらえるようになり、友人・知人が増えていきます。 ところがこれに警鐘を鳴らすのが、ヒロインのメアリーに、娘のナタリーに、意外なところで道場の師匠。 元映画俳優である道場の師匠は言います。『映画で売れたとき、人が自分の周りに集まってきたが、落ち目になると皆離れていった。』 あるあるネタですが、この映画でこの台詞が使われるタイミングが絶妙で、胸にジーンとくるものがあります。この台詞こそが、本作のテーマ。 結局はメグや娘のナタリーといった、ありのままの自分を受け入れて、大切に思ってくれて、頼りにしてくれる人間は初めからちゃんといたんだよ、ということですね。 本作の欠点は、『状況説明』の不足。とくに序盤~前半。鑑賞者が状況や人物相関図を理解しないまま、次々とストーリーが展開していくので、前半くらいまではかなり置き去りにされてしまうのが大きくマイナス。 そこに目をつむればなかなかの良作と思われますが、個人的な好みとはややずれがある作品でした。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-10 01:50:03) |
1283. 恋にあこがれて in N.Y.
《ネタバレ》 うん、これは面白いと思います。 まずは主人公アマンダとモデルたちのカルチャーショックを楽しみ、アマンダとジムの恋の行方を見守り、突然始まるサスペンス&ミステリーな展開に息を呑む、三段重ねのおせちのような多彩なストーリーが本作の魅力でしょう。 基本的には気楽に見れるB級ライトコメディーですが、サスペンス内容が思ったよりよくできているがために、かえってラブストーリーに気持ちが入っていかないのは本作の欠点かもしれないですね。 絶対『そんなわけないやん。これラブコメやし』と思ってはいるのですが、もしかしてやっぱりこいつが・・・?みたいな感じでミステリーのほうが気になっちゃうんですよね。 ですが間違いなく隠れ良作に入る楽しい作品です。 見ている間は展開やオチが気になって終始くぎづけ、見終わった後の後味はすっきり爽やか、ハッピーエンド。 友人や知人にも全然オススメできるなかなかの良質なご家庭ムービーでした。 [DVD(字幕)] 7点(2015-12-09 04:40:38) |
1284. 東京攻略
《ネタバレ》 中村トオル、阿部寛、遠藤久美子、柴崎コウ、小沢真珠の名前にひかれて鑑賞。 でも香港映画でした。メインはトニー・レオン、イーキン・チェン、ケリー・チャンの3人ですね。日本人キャストなんて脇も良いとこ、というよりただのお手伝いみたいなものでした。 アジア系の作品は吹き替えで見ることが多いのでついこの作品も吹き替えで観ましたが、全員日本語でわけがわからなくなるので、吹き替えは要注意。この作品は吹き替え版作っちゃだめでしょう。とゆーことで、最初から字幕で再鑑賞。 本作はトニー・レオン、イーキン・チェンのカンフーアクションがメイン。それに、ケリー・チャンを中心として謎めいたストーリー展開が見所です。ところが、二人のジャッキーばりのカンフーは多彩で見所があるのに、スローモーションがやたらと多用されるために、スピード感とテンポを犠牲にする結果に。これは残念。 また、こーゆー作品であればストーリーはシンプルでも良いのに、『実はこの人は○○・・・!』みたいな意外と凝ったストーリー。更には『おお!こんなところでエンクミ!おお!小沢真珠!おお!柴崎コウ!超チョイ役やん!』と次々出てくる顔なじみのキャストにいちいち驚いてしまうので、あんまりストーリーが頭に入ってきません。 カンフーアクション、ストーリー、キャスト、それぞれ良かったのに、それがうまく結びつかないままごった煮の状態でエンディングを迎えてしまった印象です。 それにしても一部の日本人キャストまでカタコトの日本語に聞こえるのはいったい・・・。特にエンクミ。『お前は日本人だろ』と思わずツッコミます。 [DVD(字幕)] 6点(2015-12-07 02:19:14) |
1285. ドラキュリア
《ネタバレ》 オープニングから現代とゴシックホラーを融合させた雰囲気が際立つ傑作の予感。 しかし物語が進むにつれ、一般的なB級ホラーと変わらない内容に。うーん。残念。もっと面白くなりそうな感じがしたんですけどね。 中盤から後半にかけてはオカルトテイストがより際立ち、更にはアクションも入ってくるわけですが、何しろノリが軽いです。その軽いノリで人間も吸血鬼もばんばんやられちゃいます。まあ良いんだけどさ。 オカルトチックな作品は、今作のようにある程度説明を入れてくれないとわけがわからなくなります。 かと言って、説明過多になると、間延びして退屈しちゃうから大変です。ドラキュリアも例外ではないみたいです。正直中盤くらいにちょっとだるい展開になるんですよね。 『吸血鬼もの』ならではの、被害者の絶望感や悲壮感というものが、どんな作品でも漂うものですが、この作品に関してはそういった情緒は皆無に近いです。 吸血鬼になった人は、皆あっぱっぱーになります。そんで第2の人生を謳歌します。その潔さは良いですけどね。『金よりこっちのほうが良いぜー。ひゃっほー』って言っちゃってますからね。 それにしても『ユダ=ドラキュラ、だから十字架、キリストが嫌い。それは個人的な理由からだった・・。』というのは、なかなか斬新な切り口で面白いです。なのにそれがミステリーやサプライズとしての面白さまで昇華できていないのはもったいない。キリストに、『おまえはこっちの世界に来るんじゃねーよ』って言われたから死ねなくなったっつうのもはた迷惑な話で面白い。キリスト、めっちゃ人間小さいじゃないですか。 総評としては、アクション・ホラー・ドラマパート、どれをとっても1,5流作品といったところですが、相対的に見ると普通に面白いエンターテイメントで悪くないです。ただ少々、特にラスト、ちょっとこじんまりとまとまりすぎちゃいましたかね。 個人的には、いっそマリーだけではなくサイモンも吸血鬼化しちゃって、吸血鬼同士のバトルロワイヤルみたいになるのを密かに期待していたのですが、願い叶わずです。 [DVD(字幕)] 7点(2015-12-05 07:04:04)(良:1票) |
1286. M:i:III
《ネタバレ》 Ⅰを知らなければ、スパイものの中では10点なんですけど、個人的にはⅠには届かず、でも最高傑作に近い9点です。 ラスト直前まではスパイアクションとしてパーフェクト。完璧なエンターテイメント。理不尽な状況をどうひっくり返すのか。もう片時も目が離せません。 それに対して本編ラストのクライマックス。なんとあっけないことか。いえ、普通の映画であれば十分な見せ場になりうるのでしょうが、ドイツ・バチカンでのミッションに対してこのラストでは何とも物足りないです。 もちろん、リアリティを求めればこのラストだってもちろんありえる話なのですが、これだけやられたからには、ラストで相応のカタルシスを味わいたいわけです。それこそ映画の醍醐味ってもんです。そこんとこだけ、ちょっと弱い、ですがラストを除けば満点です。 総評としては、『Ⅱ』よりかは『ミッション・インポッシブル』できているわけですけど、『Ⅰ』ほどには『ミッション・インポッシブル』できていないわけです。やはりドイツでの『リンジー奪還作戦』、バチカンでの『デイヴィアン捕獲作戦』が本作最大の見所ということになるでしょう。 そして特筆すべきは本作のスピード感。躍動感。これにかけては3作品中最高かもしれません。 見るものに考える暇さえ与えさせません。(もしかしてそれが狙いか?) いーんじゃないでしょうか、その流れに乗ったもん勝ちですね。 見たくも無い粗なんか無視して楽しんじゃえってことでしょう。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2015-12-03 03:16:58)(良:1票) |
1287. スパイダーズ
《ネタバレ》 こんなにわかり易いジャンルもなかなか無いですね。 『街中で突然大きなクモが出てきてパニックになる様子を見たい人』=『私』。つまり私にとって最高の映画でした。 上品な料理ばかり食べていると、時々マ○クが食べたくなる。そういった意味では大変貴重な作品。こーゆー作品も絶対に必要です。 ここから、完全空想レビューです。 『え、そんな展開にしちゃうんですか?今までのサスペンスホラーの雰囲気壊れちゃいますよ』 監督『そうかもしれん。これをやってしまえば、俺の監督生命は終わるかもしれん。だけど、大きなクモが町で暴れ、町中がパニックになる、見てみたくはないか?』 『み、見てみたいっす・・!』 監督『だろ?だったらいっちょ俺達の手で宇宙グモを大暴れさせてやろーぜ!』 『よーし、いっそ、これぐらいのサイズにして、新聞社ぶっ壊して登場ってのは、どーですかね監督!』 監督『はっはー、いいぞ、調子出てきたじゃないか!』 『女記者もランボーみたいにしちゃって、最後は目からレーザーでも出しますか!』 監督『ばか。調子に乗るんじゃない!・・・ロケットランチャーくらいにしておけ。』 『か、かんとくぅー。い、一生ついていくっすー。』 [DVD(字幕)] 7点(2015-11-30 01:09:14) |
1288. トワイライトシンドローム-卒業-
《ネタバレ》 しょぼいしさむい。 『何がでるかな、何がでるかな』的な演出はまだ良いとして、実際何かが出てきてからのバトル、CG、演出、演技、すべてがしょぼすぎる。一番魅せなきゃいけないところで大したものを見せられないのであれば、最初からこーゆージャンルにチャレンジすべきではありません。子供向けのテレビドラマならまだしも。 それに、全編通してホラーにしたいのか恋愛ドラマにしたいのか、どっちつかずで中途半端。 期待感をもたせるストーリーの運びなど、つなぎの部分は良いのに、曲でいうならサビの部分がしょぼすぎなんですよ。 みなさんの演技もどーにかならんもんですかね。『のさばらせておくわけにはいかない』くらいちゃんと言ってください。 お姉さんの『行っといで。おいしいご飯作って待っているから』には爆笑しました。 [DVD(邦画)] 4点(2015-11-28 05:26:20) |
1289. M:I-2
《ネタバレ》 これは面白いです。面白いですが『ミッション・インポッシブル』ではないですねー。前半、競馬場くらいまでは頑張ってスパイスパイしていましたが、後半からラストにかけてはもう『ミッション』なんてどうでもよくなっちゃうくらいのアクション押し。 ストーリーも『新型の細菌とワクチンの奪い合い』というのがメインのストーリーなんでしょうが、実際のところは『元カノをめぐる今カレと元カレの攻防』でしょう。 続編としてではなく、映画単体として見ればかなりの傑作。アクション映画として理屈抜きの面白さ。 ですが多くの人から批判を受けるのもよくわかります。 『なんちゃってミッション・インポッシブル』とか、『上手な彼氏の選び方。ミッション・インポッシブル風』とか、タイトルつけるとしたら、なんかそんな感じですもんね。ラストのカンフーにいたってはもう・・・ジャッキーやリー・リンチェイ出てくるかと思いました。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-11-28 02:26:50)(笑:1票) |
1290. ブレイカウェイ
《ネタバレ》 裏家業で生計をたてる4人が、組織のお金をぱちってトンズラするストーリー。 マフィア、サスペンスものではよくありそうなプロットですが、普通と違うのが4人の過去のエピソードが挿入されること。何故4人がつるむようになり、今に至ったかがわかるわけです。 その過去のエピソードというのがまさかの『少年時代』。まるで『スタンド・バイ・ミー』のような雰囲気なのです。 一人一人のエピソードはかなり印象的です。はっきり言って、本筋のストーリーより少年時代のエピソードのほうが興味をそそられます。 4人は『ただの仲間』ではなく、もはや『友情』という固い絆で結ばれているというのがよくわかります。だから仲間がありえんことして仲間割れしても必ず仲直りしちゃうわけですね。確かに普通の『バイオレンスもの』にはない魅力が本作にはあります。 ただ映画としてのバランスは決して良いものではないでしょう。結果としてうまくいきはしましたが、4人は行き当たりばったりの無計画も良いとこだし、犯罪も犯すし、暴力もふるう。現在の4人がしていることに共感するのは難しいので、感情移入もしづらいです。 いい年して子供っぽい4人の友情物語として、暖かい目で見てあげる優しさが必要かもしれませんね。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-26 15:38:55)(良:1票) |
1291. プッシーキャッツ
《ネタバレ》 ちょっと中盤から後半にかけてはコメディ色が強くなりましたね。普通のサクセスストーリーで良かったのに。 オリコンチャートみたいな演出でサクセスを表現するシークエンスが中盤にあるんですが、そのシークエンスだけ抜群に良いです。質の高いミュージッククリップ、プロモを見ているようで凄く楽しい。テンションが上がります。 逆にそこが良すぎたせいで、それ以降がすべて蛇足に感じるほどです。 今作の一番の欠点は、本筋のストーリーがあまりに中途半端で魅力に欠けることでしょう。 音楽とキャストだけで『華』あるんですから、妙な味付けや変化球は邪魔なだけです。 サスペンス要素だけでもどうかと思うのに、ラスボス二人の恋愛エピソードなんてマジでいりません。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-25 06:31:02) |
1292. クリムゾン・リバー
《ネタバレ》 ちょっと話を整理します。 『教授の娘と言っていたクライマーの女性。実は村娘。シスターの娘。双子の片割れ。生まれたときに、本当の教授の娘とすり替えられていた。・・・。大学側。大きくなったら、別人なのに同じ顔だから、二人が双子なのがばれる。よし、母親のほうに残してきたほうを殺そう。』 これが動機?じゃあ学長こそまず殺されるべき。結局学長はどうなったんでしょうね。 どうしても気になる謎が。母親が機転を利かせて、娘の死を偽装したわけですが、では代わりに死ぬことになった事故写真の少女は誰?もしかして、すり替えられた本当の教授の娘を身代わりに殺させた?だとしたら罪もなく命を奪われたその少女が一番可哀想なんじゃ・・・。 点と点がつながって線になり、線と線がつながってひとつの画を描き出す。全体像がようやく見えてきたとき、感動と興奮同時に味わうことができる。これがサスペンスの醍醐味と思っているのですが、この作品、最後まで見ても感じづらいですよねー。難しいというよりただの説明不足、情報量の不足でしょう。 あまり考えすぎると悪い意味で深みにはまるサスペンス。きっと、下手な推理はやめて、過程だけを目で追って楽しむと、意外とすんなり物語にはいっていける気がします。つまりは期待しすぎたらだめだってことですね。そうすれば名作の部類に入れてしまいそうになるほど、不穏な空気を満喫できると思います。 猟奇サスペンスの攻防としては、かなり良いほうだと思いますけどね。 [DVD(字幕)] 7点(2015-11-24 13:35:11)(良:1票) |
1293. ギャングスター・ナンバー1
《ネタバレ》 主人公が思っていたより大分いかれていました。 爽快なタイプのサクセスストーリーをイメージしていたので、あまりにキレている主人公に唖然。 ただそのぶれない『いかれ具合』が最高にかっこいい映画でもあります。 また、ストーリーテラーは普通まともなキャラの人がすることが多いのですが、よりにもよって一番頭がおかしい人を主人公に据え置き、さらにストーリーテラーまでさせちゃうもんだから、ストーリーそのものに狂気の雰囲気が漂っちゃっているのがまた良いんですよね。 残念なのは、主人公だけ30年後の役者が変わってしまうこと。 他のメンツが老けメイクをしているのに対し、主人公だけはポール・ベタニーからマルコム・マクドウェルにチェンジ。いや、悪くはないんですけど、ポール・ベタニーの狂気が滲み出るあの『目線』だけは彼にしか出せないので、役者が代わってしまうと最早別人。どうしてもマルコム・マクドウェルが演じるギャングスターは普通の人が無理している感じがして同じ人とは思えませんでした。 もうひとつ付け加えるなら、フレディ・メイズもギャングスターが憧れる対象としてはちょっとパンチが弱いというか、カリスマに欠ける気がします。なんかヴィジュアルが『東京03』の飯塚に似ているんですよね・・・ [DVD(字幕)] 7点(2015-11-23 03:07:50) |
1294. 隣のヒットマン
《ネタバレ》 前半は誰が本当のことを言っているのか、誰が味方で誰が敵なのか全くわからなくて面白い。 後半、ある程度真相がわかってくると、オズ(マシュー・ペリー)がつっこみ役となり、コメディとして笑えるやりとりが増えてきます。今作のコメディ感覚は、日本のコントや漫才に通じるものがあると思います。それはずばり『ボケ』と『つっこみ』の温度差でしょう。 唯一まともな感覚のオズがマイノリティーで、裏社会に生きる人たちがマジョリティを占めているため、なぜかオズが浮いている感じになっているのが面白おかしい。なのになぜか、普通の人で一番本件と無関係で、唯一殺人願望がないオズが、気付けばマフィアからもジミーからも重要なポジションをおおせつかっているこのシュールさ。 『いったいこのストーリーでいったら、ラストはどーなんのさ?どーもなんなくね?もう無理じゃね?』と思っていたら、無理のない形でなぜか丸くおさまってしまってもうびっくり。とても上手い脚本でした。 [DVD(字幕)] 8点(2015-11-22 15:24:03)(良:1票) |
1295. コヨーテ・アグリー
《ネタバレ》 歌あり、ダンスあり、家族ドラマあり、恋愛ドラマありで、いたってわかり易いシンプルなストーリー。 ラストは夢を追う主人公が友人、父親に励まされながら成功するサクセスストーリー。 軽快なテンポだし、明るいし楽しいし、みんな良い人だし、気持ちよく見れるんですが、なんか物足りない気もします。 ああ、そうか。きっと主人公の努力と才能にスポットがあたりきれないまま物語が終わってしまうからでしょう。 それに、『コヨーテ・アグリー』が舞台及びタイトルとなることの必然性が弱いのが何よりの問題。 お店のトラブルを、主人公のヴァイオレットが歌を歌って場を収めるシーンがありましたが、そこだけなんですよね。あとはどちらかというと、お店の存在自体が主人公の邪魔をすることが多く、テーマのぶれを感じます。 特に、事前に連絡していたにも関わらず、『今お店を抜け出されたら困る。』っていう女主人。何だそれって感じです。そこは夢を追う主人公を応援してほしいです。そんで主人公も店に残って、チャンスをふいにするし。極めつけは、『彼氏が店に乱入したことによる規則違反でクビ』って。それで普通に辞めちゃうし。リアルかもしんないけど、これじゃあただのバイトです。 面白い題材ですし、見ていて飽きないからエンターテイメントとしては成功している作品だと思います。 ただ映画としては中途半端な印象が拭えない、もったいない出来。 ラストの曲も、屋上で歌っていた弾き語りのバラードなんかをやってほしかったな。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2015-11-21 14:57:37)(良:1票) |
1296. ブラック・ナイト(2001)
《ネタバレ》 吹き替えで観たのが良くなかったのか、演技がわざとらしすぎてしょぼい。コメディを見るとき多少のことは気にせず見るようにしているのだが、その肝心のコメディが面白くないです。コメディもアクションもはっきり言って中途半端。平均点以下の出来。 その一方で、反乱軍の人が首をはねられるようなやたら血生臭いシーンもあり、バランスが悪い。 それに、敵も味方もしょぼすぎるので、こーゆー作品ではぜひ味わいたいラストのカタルシスも全然味わうことができないのが痛いです。 マーティンがブラックナイトに扮するようなアイデアを出しておきながら、なんの役にも立たないまますぐに正体がばれたりして、全然アイデアが役に立っていないのが面白くありません。そこはコメディにする必要はないと思います。 アメフトやバスケ、プロレス、ゴルフや野球といった現代のスポーツをバトルに取り入れるアイデアだけが面白かったです。 ただそれ以外は見所もないし、バランスも悪いし、ひさしぶりにダメな映画を見ました。 [DVD(吹替)] 4点(2015-11-19 14:04:05) |
1297. WHO AM I?
《ネタバレ》 前半、アフリカ部族とのからみ、結構な尺をとっているため、いきなり少々だれます。 しかも言葉がわからないからイライラします。 あとはいつもどおりのジャッキー映画で、良くも悪くもお決まりのエンターテイメントを約束してくれます。ジャッキーらしいアクション、コメディがいっぱいです。 今作では魅力的な女性キャラが二人出てくるんですが、一人はただ巻き込まれただけで、ラストステージの直前で離脱。もう一人の白人のおねーさんも、正体がばれてからは傍観者に徹しちゃうので、ラストはほとんど出てきません。ラストのラストでちょっとだけアクションしてくれるんですけど、本当にちょっとしかしてくれません。 なんかこの女性キャラ二人の使い方が中途半端でもったいない感じがしました。それくらい良いキャラしてたってことなんですが。 中盤のカーチェイス、車を使ったアクションシーンはなかなか独特で奇抜。ラスト直前の、二人の手練れとのタイマンアクションも、ジャッキー映画ならではで凄く良い。この二箇所が、個人的に本作の見所ポイントです。 最後がいくらなんでもの大所帯だったので減点。と、頻繁に出てくるスローモーションでの再現があまり好きではないので、そこも減点です。でも多分誰が観ても楽しめる良作ですね。 [DVD(吹替)] 6点(2015-11-19 04:15:05) |
1298. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 すべてが精神世界での一幕とするのであれば、確かにすべての説明がついてしまいます。ですがそれでは何でもアリの世界になってしまいます。まさに夢オチ。一番嫌いなパターン。ですが今作の場合、一概に精神世界のみとは、断定できないかもしれません。 そうすると、ストーリーがぶっとびすぎていて、正直中盤以降は粗と矛盾しか目につきません。 前半から中盤までのストーリー展開、雰囲気、人物造形が凄い良かっただけに、後半の荒唐無稽なもはやファンタジーな世界観が残念でなりません。 最も違和感を感じるのは、主人公の周りに集まる人間達です。主人公のようなわけのわからない人間に心酔していることに物凄い違和感、作り物感を感じてしまいます。 もちろん精神世界の話であれば、OKです。ですが個人的に『夢オチ』が嫌いなので、精神世界のストーリーとは思いたくないわけです。すると、この違和感についていけないのです。無理がありすぎて、現実感がわかんのです。 せめて、ラスト、ノートンも死んでくれたらなあ。あれで生きているってことはやっぱり・・・ ただ後半はともかく、前半~中盤は素晴らしかったと思います。 『ラストの映像が実はブラピの・・・』とかいう驚愕のサプライズがあれば、ストーリーなんかそっちのけで満点です。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2015-11-17 23:41:36)(良:2票) |
1299. シックス・デイ
前半が何が起きているのかわかりづらくて退屈です。 普通は『謎』に対して『知りたい。』『解明したい』『推理したい』などの気持ちがわくんですが、この作品にいたってはそういった気持ちがおきません。人に興味をひかせるような求心力に欠けるんでしょうか。 それでも前半飽きずに見続けられたのは、頻繁にでてくる近未来ネタが面白かったからです。 近未来ものが楽しいのは、人の想像力、夢の世界が感じられる瞬間です。それがわかりやすく具現化されていればいるほど楽しくてわくわくしますね。ただ女の子の人形だけは不気味でしたけど・・あれが売れるとは思えないんですけどね。 後半は人々の思惑がはっきりしてきて、わりとあっさり謎だった部分が明らかにされていくので、メインのストーリーも面白くなります。 クライマックスはあまり盛り上がりませんし、サスペンスアクションならではのハラハラドキドキも足りませんが、暇つぶし程度には楽しめます。ただ少なくとも期待して見るレベルの作品でないことは確かですね。 [DVD(字幕)] 6点(2015-11-17 13:50:25)(良:1票) |
1300. BULLY ブリー
《ネタバレ》 10代の少年、少女にはたらく集団心理の威力と恐ろしさ。 今作では、事件の因果関係の基礎となるはずの動機の描写が足りない気がします。ブリー(いじめっ子)のボビーが周囲の人間、とりわけマーティに対してどれだけの過酷な暴力行為を繰り返してきたのか、その説明・描写が足りない気がするのです。 つまりは、ボビーの悪行のエピソードが少ないうえに中途半端すぎるのではないかと。これではボビーは理不尽な暴君というよりかは、ただの嫌なやつにしか見えません。 リサやマーティーを演じている役者さんが、その演技力でどれだけ憤りを表現しようとしても、これでは限界があるように感じます。 もし劇中で紹介されたようなエピソードしかないのであれば、『殺すほどのことか?』とも思えるし。 そうではなく、意図的に事実をはっきり伝えていないのであれば、実話ベースの作品としては問題があると思います。 フィクションであれば問題はないのですが、観る人が被害者、もしくは加害者のどちらかに偏った見方をしてしまいかねない、そのような情報操作、もしくは心理的な誘導をするノンフィクション作品は危険だと思います。 ただ映画作品としての面白さは間違いなく高い水準にあると断言できます。 観賞中はいらいらしながらもずっと物語にひきこまれていましたから。そういった意味では文句なしの映像作品です。 [DVD(字幕)] 8点(2015-11-15 23:55:59) |