1301. 西部悪人伝
リー・ヴァン・クリーフのPVとしてならギリギリ観るに耐えるけれど、ハナシにならない安易なストーリーの中では何一つとして響いてこないばかりか、無敵ぶりが嫌みに感じてしまった残念至極な作品。 [DVD(字幕)] 3点(2020-06-11 15:57:20) |
1302. 天国と地獄
《ネタバレ》 学生時分に観ているものの内容を全て忘れています。会社権力争いものではなく営利目的未成年者略取ものだったとは。毛色が変わっているのが攫われたのが運転手の子だった点。葛藤の末に身代金3000万円(昭和38年時の!)を払い、無事だったしんいちに全速力で駆け寄り抱きしめる後姿は私も泣けてしまう。竹内にたどり着くまでの警察ワンチームの使命感溢れる理詰めな捜査模様は鑑賞歴中最上で頭が下がる思い。なので、監督の主張であったとしてもその後身柄確保に至るまでのやり口に無理筋を感じるところ。ラストの面会は圧巻。どん底に落ちても前を向く権藤と拗ねるだけの竹内のそもそも器の違いをまざまざと見せつける二人の名演が忘れ難い。 [DVD(邦画)] 7点(2020-06-11 01:52:40)(良:1票) |
1303. 大帝国行進曲
《ネタバレ》 1899年大晦日から1932年大晦日迄の英国上流階級マリヨット一家の歩み。ラストの老夫婦に、監督とリアルタイムで観た観客の平和への願いを感じ取る。1933年1月にヒトラーが首相になった事に歴史の無情を思います。無情と言うと長男最期の演出が忘れられないものとなるでしょう。オスカー作品賞も納得の良作です。 [DVD(字幕)] 7点(2020-06-08 15:23:01) |
1304. シンプル・シモン
《ネタバレ》 アスペルガー症候群で四角四面なシモンに極々ナチュラルに接するイェニファーに心洗われるものがありました。愛情に計算や完璧は無い事をおぼろげながら感じ取ってゆくラストシーンが微笑ましい。ステラン・スカルスガルドの4男だという(長男・次男・五男も俳優だそう、驚驚驚驚)ビル・スカルスガルドの好演が印象的。フィンランド同様にスウェーデンインテリアの色彩感覚も見惚れます。レンタル理由が思い出せない本作は大当たりの秀作。 [DVD(字幕)] 8点(2020-06-08 09:08:51) |
1305. メル・ブルックス/逆転人生
「金は必要だが重要ではない」がテーマの落語人情噺のような作品。血を流すショベルカーを筆頭に笑いどころ満載の中に現在アメリカのコロナ禍での格差模様が思い浮かぶシーンに、メル・ブルックスのマルチな才能が見てとれます。味わいある結末にも好感。生理的に汚い描写が度々出てきた点が惜しいところです(-2点) [DVD(字幕)] 7点(2020-06-07 01:26:30) |
1306. バルジ大作戦
初見。ヘンリー・フォンダは想定内としても、お目当てダナ・アンドリュース、ロバート・ライアンまでがモッサリして平板な人物像であるのにガッカリもいいところ。この戦闘史実に無知な私でも雪景色の直後のシーンに雪が残っていないのに???。昼と夜が突然入れ替わる某作品を思い出してしまう。ヘスラー大佐が居なかったらリタイア確実。この戦争マニアの軍人魂にもうメロメロ。私のアニメ界のヒーローの一人デスラー総統が重なる絶品ロバート・ショウに点数の全てを。 [DVD(字幕)] 8点(2020-06-05 02:07:49) |
1307. ファイティング・ダディ 怒りの除雪車
予備知識無し。除雪車が人間を襲うホラーものかと思いきや、嬉しい的外れ。冒頭のステラン・スカルスガルドに「ラッキー」幻想的な北欧の光景(+1点)に「あぁ、行ってみたい!」魅入ります。無骨なオヤジの復讐譚は伯爵とセルビア人グループボスとの三つ巴の闘いとなり画面に釘付け。血生臭い描写での死の後の十字架がクールで印象深く、描写省略での十字架もナイスな演出。セルビア人ボスの得も言われぬ重厚感に「この人誰なんだろう」ず~っと気になっていた答をエンディングで知り「ブルーノ・ガンツ! う~ん 確かに」(+1点)出演シーンから観直し。 リーアム・ニーソン版があるそうで、勿論観ません。 [DVD(字幕)] 9点(2020-06-04 02:53:00)(良:1票) |
1308. サマー・ストック
ジュディ・ガーランド、ジーン・ケリー共演。ストーリーがしっかりしていて展開に惹き込まれます。歌とダンスは「踊る海賊」より僅かに劣るものの、溌剌とした姿はやはり魅入ります。オープニングの彼女の激太りは具合が悪かったのでしょう。ティーンエイジャーの頃から撮影の為にと、興奮剤、睡眠薬、アンフェタミンと薬漬けにして素行不良をもって本作で彼女を使い捨てたMGMに怒りが。大事に育てて欲しかった。Get Happy のような絶品パフォーマンスがもっと沢山観れただろうに。 [DVD(字幕)] 7点(2020-06-04 02:13:36) |
1309. 砦の29人
アパッチ対騎兵隊ものの異色作。アパッチの妻を殺されたジェームズ・ガーナー、アパッチにさらわれ酋長の息子の子を産んだビビ・アンデショーンと彼女の夫デニス・ウィーバー、準主役扱いの元伍長シドニー・ポワチエ。奥が深そうでさにあらずといった脚本で、結局のところは何時もながらの描写での残忍なアパッチとの対決模様がメインの物足りない作品。大昔に観て殆ど覚えていない「ソルジャー・ブルー」を観たくなりました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-05-31 18:39:46) |
1310. 14の夜
タカシ達の体操服姿に自身14の頃を思い返すと、アバに、ジャック・ニコルソンに、ブッチャー・シーク VS ザ・ファンクスに、山崎豊子小説に、卓球に夢中でしたね。社会の先生に憧れを抱いたものの性的な感覚は起きませんでした。息子が14の頃は反抗期の最中でまともな会話が出来ず、当時どういう思いだったのか聞いてみたいと思わされました。淡々~~とした佳作。 [DVD(邦画)] 5点(2020-05-31 11:30:18) |
1311. グレイティスト
《ネタバレ》 ベネットがローズの申し出を聞かずに路肩に寄せなかった事を母親が最後まで知らない事にモヤモヤが募る。息子が今際の際に自分ではなくローズを想っていた事を知り憑き物が落ちた母親。目を見開いたスーザン・サランドンの貫禄過多で暑苦しい演技に辟易していたのが、このシーンでのマイケル・シャノンとの対峙に流石オスカー女優と感心しきり。お目当てピアース・ブロスナンは抑えめの演技ながら、耐えに耐えた思いを吐き出す姿はホロリとさせられる名場面。予定調和な結末ながら過程に見入った良作。 [DVD(字幕)] 7点(2020-05-30 21:39:26) |
1312. ナイト・オン・ザ・プラネット
ジム・ジャームッシュ監督作と言うことで鑑賞。敬愛するジーナ・ローランズ出演というのにガッツポーズ。アクの無い役柄であっても存在感は格別で見惚れてしまう。期待が膨れ上がったところでおしまい。「何で?」オムニバスだったのか。ストーリーではパリ編がベスト。台詞では「お金は必要だが重要ではない」が心に残る。 [DVD(字幕)] 6点(2020-05-27 01:30:06) |
1313. 見知らぬ乗客
《ネタバレ》 ロバート・ウォーカーの好演と監督の演出の相乗効果でもってブルーノ・アントニーのサイコパスぶりが際立つ。結末を知るのが怖くて手に汗握っていたのが、メリーゴーランドの対決に脱力。「何じゃこれ・・・」そもそもあの場面で発砲する無理筋に白けてしまう。体操競技の着地で尻餅ついたかのような作品。 [DVD(字幕)] 7点(2020-05-27 01:06:30) |
1314. Disney'sクリスマス・キャロル
ディズニーらしい豪華キャスト目当ての鑑賞。分かった人はコリン・ファースとボブ・ホスキンス。分からなかった人はゲイリー・オールドマンとジム・キャリー。筋立ては知っているので映像美に注目。力作過ぎたのか頭痛が起き、84年版のジョージ・C・スコットの魅力には遠く及ばない観ていて嫌になってきた空回り感が強い作品。 [DVD(字幕)] 5点(2020-05-24 22:32:49) |
1315. プリシラ(1994)
《ネタバレ》 リジー・ガーディナーのオスカー受賞作という理由での鑑賞。オープニング曲 I've Never Been To Me にキューンとなり、クレジットのテレンス・スタンプにキュンキュンキューン。更に共演がヒューゴ・ウィービング、ガイ・ピアースというのにワクワク感急上昇。それが、ドラァグ・クイーン3人のロードムービーだったとは。若い2人はまだしも、50歳半ばのテレンス・スタンプがよくぞ引き受けたものだ(理由を伺いたいものです)と驚きが無限大。お目当ての衣装はメイクと共に突き抜け過ぎてドン引きものだけど、それを纏って踊る3人にやりきった感を見る。流石にスタンプのダンスはキレに欠けるモッサリしたものだったが、それを補って余りあるステージ以外の衣装・メイクでの立ち居振る舞いやボブとの距離が徐々に縮まる模様に於ける熟年の色気に見惚れる。「血と怒りの河」での美し過ぎる顔立ちが思い浮かぶ。マイノリティであっても胸張って堂々と生きる3人が眩しい。トリハダものの Mamma Mia を始めとする楽曲にもキューンのツボを刺激されまくる。まさに掘り出し物の快作。 [DVD(字幕)] 8点(2020-05-24 15:24:44) |
1316. サブウェイ・パニック
日本人社員4人組、市長さんに笑わせて貰うのと対照的に地下鉄車内とコントロール室とのやりとりに手に汗握る。グリーンが何時造反するのか、人質の中の警官(誰か不明)が何時活躍するのか画面に釘付け。終身刑を拒んだブルーの潔さ。ロバート・ショウの悪党名演が印象深い。ウォルター・マッソーの顔!!!でお開きとなる演出が心憎い。笑いどころはカットでよかったかと(-2点)。スケールは小ぶりながらも70年代パニックものの傑作の一つ。 [DVD(字幕)] 8点(2020-05-24 03:03:20) |
1317. 悪女(2004)
《ネタバレ》 1800年イギリスが舞台。生まれた家柄が人生を決めるかのような時代に上流階級を目指してのし上がるベッキーの物語。美しいけれど気品に欠けるお顔(ゴメンチャイ)のリース・ウィザースプーン演じるベッキーは「臆さない」力強さがあったものの全く悪女ではなく邦題が不適切。落ちぶれて泣きを見るのかと思いきや1周回って元の位置のような結末に、そんな都合の良いハナシがあるのか! 素直に喜べない。ガブリエル・バーンがどう絡んでくるのか興味津々だったのが、ペランペランな人物でつまらん退場劇にため息。意外と長さは気にならなかったけれど印象薄い作品。 [DVD(字幕)] 6点(2020-05-24 02:31:43) |
1318. ゲット・アウト
《ネタバレ》 予備知識ゼロ。「招かれざる客」(傑作)「スケルトン・キー」(秀作)のいいとこ取りを狙ったかのような本作。中途半端感で萎えてしまいます。脱出劇に至っては馬鹿馬鹿しくてポカーンと眺めておりました。一生懸命伏線を張り巡らしているものの、それだけでアカデミー脚本賞というのが驚きです。どことなくふてぶてしさを感じるダニエル・カルーヤ。彼が悪役として白人の体を乗っ取る筋立てのほうが盛り上がった気がします。 [DVD(字幕)] 3点(2020-05-21 00:54:33) |
1319. 裏窓(1954)
《ネタバレ》 初見。ドリフの舞台セットのような、昔絵本で見たアリの巣の断面のような、お向かいのアパート。スルーすべきでしょうが、開けっぴろげにも程があるのに萎えてしまいます。分かりやすい展開に、これはミスリードで意外なオチが待っている、何と言ってもヒッチコックの名作との呼び声高いのだから、画面に集中していましたが。「え、何ですか? この結末は?」「♪ 真っ逆さ~ま~に~(略)♪ 」薄っぺらい人物像と併せて、策士策に溺れると言うべき作品でガックリです。画面に華をもたらすグレース・ケリーに+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2020-05-19 14:26:06) |
1320. パターソン
《ネタバレ》 ♩ 何でもないような事が幸せだったと思う ♩ を地でゆく展開。笑いどころも含めてひたすらに物静かながら、かったるさを感じる事のない不思議な味わいある作品。「この人は永瀬正敏なのか?」思わずリプレイ確認タイム「違うような気もするけど永瀬正敏やね」(正解でした)唐突過ぎると言うか嬉しいと言うか加齢が寂しいと言うか唯一の仰天シーンに+1点。 [DVD(字幕)] 7点(2020-05-17 01:42:23)(良:1票) |