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six-coinさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 210
性別 男性
ホームページ http://mixi.jp/show_friend.pl?id=8512182
年齢 49歳
自己紹介 映画は娯楽である。笑ったり泣いたり学んだり、空想という鑑賞時間を過ごす「芸術作品」である。実際に映画づくりを体験していない人間に、映画批評が出来るとは思えない。プロの批評家でもなく映画を作った経験も無いのだから、作品のシナリオや背景など、基本設定に理屈っぽくケチをつけるようなナンセンスな行為はなるべく止めにしたい。映画好きのハシクレとして、作家が作った作品を、素直に楽しみ、感動できる姿勢を何よりも大事にしたいと思う。

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121.  シュレック2 《ネタバレ》 
1を観た時は「結局人は見かけの美しさじゃないってこと??」と変に押し付けがましい不自然なハッピーエンドが釈然としなかった。2は真夜中の眠たい時間に観たのだが、1よりも断然良いと思う。たかが子供向きのでアニメあるかと思っていたが筋書きもシッカリしていて、見る側を笑わせるだけのパロディや仕掛けが詰め込み過ぎと思うくらいに随所にある。バー「毒リンゴ」や、都のシンデレラ邸など幼い頃に読んだ様々なお伽噺の登場人物達の「ありえない」大集合が凝って作られており実に面白い。クライマックスの盛り上がりもワクワクするし、観ていて安心して楽しめた。しかしアメリカと日本のアニメの美意識の違いなのか、ヒゲが濃くやたらアゴの角張ったアメコミ調のチャーミング王子や変身中のシュレックは、申し訳ないがどうしてもハンサムに見えない。どうせなら最後は王様も王女様のキスで人間に戻ってハッピーエンドにしてほしかった。
7点(2005-02-12 02:43:38)
122.  マッハ!!!!!!!! 《ネタバレ》 
アクションは超一級、ド肝を抜くあのジャンプ力には言葉もでない。鍛え抜けば人間の身体能力というのは、かくも高く美しいものか。リングの上のような軽快なフットワークではなく、腰を落とし身体中の関節を自在に操る古式ムエタイ独特の体捌き。派手なアクションはあるものの、肘や首相撲など極めて実戦的な動きは凄みがあり目を見張る。骨がぶつかり合うショックが画面から伝わってくるようで、従来の中国拳法系の映画とは違った「痛み」が伝わってくるアクション。ブルース・リーに始まりジャッキーが確立させてきたカンフー映画とは新しいジャンルの映画の始まりだ。ただ物語よりもアクションを観る映画なのは分かっているにしても、もう少し話のヒネリや面白さが欲しかったところ。今のアクション映画界を占めつつあるワイヤートリックに対抗し、ぜひ本物の肉弾アクションの凄みのある作品を作って行ってほしい。これに留まることなく、脚本や物語まで更に完成度の高いタイ式アクション映画を期待したい。
[映画館(字幕)] 4点(2005-02-12 02:09:44)(良:1票)
123.  インデペンデンス・デイ
この映画を観ていて子供のような考えが浮かんだ。地球上が平和になる可能性のひとつは、こんな脅威が地球外からやってくることなのかな、と。思想も文化も言葉も価値観も違う多くの民族をひとつにまとめることなど無理な話だ。だからアメリカはイラク、中国は日本、いわゆる仮想敵国を作って国内の人々を教育し不満を他へ逸らし一致団結を促す。そんな意味ではこの映画はアメリカの象徴とも言えるかもしれない。もしこんな地球外生命体がホントにやってきて、地球全体が仮想敵国主義に陥ったら、みんな民族同士の争いなんてやっとる場合じゃないわなあ、と。そんな秩序をもし平和と呼べるのならば、仮想敵国主義なしに、地球上の平和なんてあり得ない気がした。弱点がコンピューターウイルスって着眼点には苦笑いながら面白い。チープには違いないがシンプルに楽しめた作品。ウィル・スミスの配役は大正解だろう。「宇宙人のケツを蹴っ飛ばしてやります!」あんな台詞をカッコ良く言ってみたいものだ。墜落した宇宙人をブン殴るあたり、あのユニークなテンポは彼ならではだと思う。アメリカ万歳の匂いは少なく、地球の危機だけでなく人々の団結、主人公の宇宙への夢とロマンスなど、伏線もあってそれなりに見応えがあった。
6点(2005-02-07 02:27:26)
124.  アルマゲドン(1998)
パールハーバーに代表されるアメリカ万歳、我こそ正義の映画に違いないのだが、インデペンデンス・デイとこの映画はなぜだか素直に感動してしまったのが悔しい。別に宇宙船に乗り込んだクルーがアメリカ人でも、世界の人種の混合チームでもこの感情は変わらない気がする。しかし押し寄せてきたのが隕石ではなく真珠湾攻撃の日本艦隊ならば頭にきただろう。頭の単純な私には、地球上が大問題の前に一致団結、大義の前の自己犠牲の精神を描いたところに不覚にも共感してしまったようだ。所々都合の良い展開はあるものの、随所にユーモアもありエンターテインメント映画としては単純に良い出来のように思う。インデペンデンスと同様、感動狙いで自己犠牲を描いたならば、戦時中の日本の特攻も理解できるだろう、アメリカ人諸君。その容貌違わず、こんなヒロイズム映画でも奇人変人を演じきったブシェーミに拍手。
6点(2005-02-07 02:06:09)
125.  アレキサンダー
破竹の快進撃で大王になる過程ではなく、むしろ大王の破滅に重きをおいて描かれているのが大変印象的だった。孤独と寂しさに苦しみながら、ついに死ぬまで母親の手から逃れることができなかった世界の覇王。主役の顔はどうみたって英雄顔じゃないと思っていたが、眉が下がり気味のコリン・ファレルの表情で彼の弱々しい苦しみがよく表現できていたと思う。若干20歳で王となり、30にして数十万の大軍と共に世界の果てへ挑戦した偉大な夢想家の心境はいかばかりであったろうか。自分に納得のいく安住の地を目指し、気の遠くなるような年月と距離で未知の世界を行く遠征。不幸にも王に産まれついた男、逃れようにも自分の居場所は王座の他にあるはずもなく、一生強者を演じ続けねばならない。その唯一の居場所が脅かされると思えば、些細なことまで脅えなければならない生活、「故郷に帰ろう」傷を負い部下にそう言った彼だが、彼自身の故郷などどこにもなかったのだろう。歴史は一見、男による支配が大きいように思える。しかし、アレキサンダーの母オリンピアスのように、その男を産み出すのは女なのだ。歴史を支配しているのは常に子を産む力を持った女であり、その影響力には男は決して逆らいようがない。オリンピアスを演じたアンジェリーナの妖しい演技は評判ほど悪いとは思えなかった。あの切れ長のグレーの瞳、まだ若年の女優でありながら、狂気の母の貫禄をよく演じきっていたと思う。
7点(2005-02-06 04:41:33)(良:1票)
126.  オペラ座の怪人(2004)
この映画はミュージカル映画ではない。「オペラ映画」と呼ぶべきだ。サウンド・オブ・ミュージックに代表されるミュージカルの名作の数々は、台詞が筋書き(ストーリー)を辿り、次第に高まった登場人物の心象が、イメージの世界で歌として表現されて観る側の感動を呼ぶ。登場する人々の「心象」を歌で表現できるのがミュージカルの利点だが、この映画は心象だけでなく台詞まで歌にしてしまっているため、イメージの世界(心象)と現実の世界(台詞)のメリハリが全く効いていない。そのためだろうか、悲劇の天才であるファントムにも、哀しい才能の持ち主であるヒロインにも、今一歩感情移入できず感動も出来なかった。「映画の方がミュージカルよりもより世界観を表現できる」とこのテーマ音楽の作曲者が語っていたが、ミュージカルには台詞にすべき筋書き部分と、歌にすべき心象部分がある。この映画をミュージカル映画とするならば、折角の映像化という利点を活かしきれていない。ミュージカルを映像化することの利点は、歌によって表現される「イメージの世界観」を映像で効果的に表現できることである。映像という表現技法の特性上、この点は確かに舞台よりも優れているだろう。同じく舞台を映画化した「シカゴ」などは、この利点を極めて効果的に使っている。折角一流の俳優陣を揃えながら、オペラのように普通の台詞や筋書きまでも歌で表現してしまったこの映画は俳優の持ち味や演技力も半減させてしまっている。決してこの映画を否定している意味ではないが、映像化された「オペラ座の怪人」は従来のミュージカル映画とは違ったジャンルで評価されるべきであるように思う。(物語の舞台が「オペラ座」だから当たり前かもしれないが‥‥‥)あまりにも有名なテーマは迫力があり、ロック調にアレンジされるなど全編に渡る音楽は素晴らしい。特にヒロインの、まるでアマデウスの「夜の女王」のような歌声。あの高音の美しさは、久しぶりに鳥肌ものだった。
5点(2005-01-30 13:54:04)
127.  北の零年 《ネタバレ》 
最初の船のシーンなど、端々に安っぽさがあるのは否めないが、物語は面白くスケールの大きい良い映画。それだけに、言葉や文化などはリアリズムが欲しかったのが惜しいところ。長く壮大な物語の中で、数々の魅せ場があるのだから、もっとドロくさく激しい演出がされていれば、更に感動できただろうと思う。年齢の部分はともかく、吉永小百合さんの役者っぷりはさすがベテラン。豊川悦司がとてもクールでカッコよかったし(どうせなら馬を逃がして華々しく散って欲しかった)、ラスト・サムライからダメサムライになってしまった渡辺謙こと小松原、どのツラ下げて帰ってきとんじゃ、腹かっさばいてお詫びせんかい!‥‥‥しかし当時の彼らからすれば、全て生きる為にしたことである。歴史の夜明けと共に激動の価値観や環境の中で、逞しく生きるしかなかった人、逃げるしかなかった人、子の為、生きる為に他の男に身を託すしかなかった人。各々の人生が肯定されており、未開の地北海道を舞台に実に大きなスケールで描かれた物語は素直に感情移入できた。薩摩長州を中心にドラマチックなイメージの強い幕末だが、その影には新しい価値観の中で苦しんだ彼らのような人々が沢山いたはずだ。まして環境も異なる北の地での苦労は、想像を絶するものがあっただろうと思う。人の手だけが頼りのあの時代、弱音を遺す事なく大自然との戦いに一生を捧げた人々には敬意を払いたい。
6点(2005-01-23 14:26:32)
128.  たそがれ清兵衛
この映画にノーベル賞なんかを掛けて、騒いだ現代の日本人は、この主人公に何を思ったのだろう。質素堅実な暮らし振りか、清く貧しく美しくの精神か、能ある鷹はツメを隠す謙虚さか。まして小さな幸せに生きるなどと思うのは傲慢この上ない。この映画に象徴されているのは、日本人の古い考え方かもしれないが、人の幸せのあり方だと思う。「子供の成長を見るのは、草木の成長を見るのにも似て、なかなか楽しいものです」そう語った清兵衛は貧しくはあったが、彼の生活は最初から最後まで決して不幸で退屈ではない。周囲に哀れに思われようが見下されようが、自分なりの生活、自分なりの幸せを強くしっかりと心に築いている。「おもしろき こともなき世を おもしろく すみなすものも こころなりけり」という辞世の句があるが、豊かな生活や感じる幸せの大小には基準などなく、要は本人の心の持ち方次第なんだなということを思った。発展途上の貧しい国の現地人を日本に招き、近代文明の豊かさを見せつけて彼らが驚く様を描いた某TVなんかがある。きっと幸せであろう貧しい国の彼らを、ふと気の毒に思ってしまう自分の偽善が嫌になる。 当時の家屋や貧しい武士の暮らし振りなどの再現が恐ろしく緻密。帰宅した清兵衛が足袋を脱ぐ、その足袋のオンボロ具合など細部に渡ってそのまま博物館行きとなってもいいようなセッティングぶりには感心した。あと、回想として終始語り続けるナレーションは興醒めに思う。
6点(2005-01-19 13:11:38)
129.  ジャッカル
プロの殺し屋と言う割に仕事が目立つし粗い気がするが、悪役のウィリスが格好よくて個人的には好きだ。家の中でSPを次々と殺して行く場面でバックに流れるBGM(曲名)をしらないけれど)が印象に残っている。「ジャッカルの日」という映画を観たことはないけれど、これより出来の良い作品なら観てみようと思う。 マチルダ・メイ演じるイザベラの、凛とした美しさが良かった。
6点(2005-01-17 00:34:36)
130.  ネバーランド 《ネタバレ》 
観る前はこの映画のテーマを「少年の心をいつまでたっても忘れないことの大切さ」などという月並みなものだと予想していたが、いろんな意味でそんな薄っぺらなものではなかった。子供の頃に誰もが持っていた想像力。「現実じゃない」とただそれだけの理由でやがて誰もが諦め、それが「生きる力」の根源であることを気付かないままに封じ込めてしまう。想像力は創造力、信じることは人が現実の世界で生きて行くエネルギーと成り得るのだ。批評に溺れ演劇が「娯楽」であることを忘れていた社交界の観衆も、知らずにその根源に気付き喝采を送る。「こんなに楽しい舞台は初めてよ。夫が観たらどんなに喜んだか。最後まで少年のような人だったのよ」そう言った老婆の言葉が印象に残った。大人の現実の世界の中で(この映画の中では社交界に象徴されるが)、誰もが「忘れている」のではなく、分かっていながら大人らしくないと「封じ込めている」。それを分かっていながら表に出せず、しかし実は誰もが待ち望んでいる。世間体に左右されること無く、子供たちと関わることでその大切さに気付き、一途に体現したからこそ、ピーター・パンの物語は人々に受け入れられ、そして今でも語り継がれている。この部分は現代の映画を観る我々にも通じるものがあると思う。「大人の鑑賞の仕方」ぶるのではなく、批評家ぶって云々するのではなく、昔のように想像の世界を素直に受け入れ、純粋に楽しむこと。忘れていた本来の映画を観る姿勢をそっと諭された気持ちになった。子役もさることながら、ジョニー・デップの演技は秀逸。なんと表現したらいいのか、不器用ながらも純粋にまっすぐに子供と心を共有する演技が素晴らしいの一言に尽きる。 
8点(2005-01-17 00:27:24)(良:4票)
131.  ヴァージン・スーサイズ 《ネタバレ》 
ラックス演じるキルスティン・ダンストの美しさに驚いた。子供が大人になってゆく階段の途中、夢のように儚く消えた異性の思い出。想う気持ちは真剣でも興味本位でも、女の子は男の子よりもずっと早くその階段を上がっている。外の世界への夢と現実とのギャップで死を選んだラックスの心情は分からなくもないが、正直言って最初にセシリアが何故自殺の道を選んだのかは、男の私にははっきりと理解出来ない。この階段の段差にある「何か」、男には絶対に理解出来ない少女たちのエネルギーが、思春期の異性への想いという繊細なテーマの上で、淡く、美しく、残酷に表現されていると思う。エンディングのドライブ(少女達の夢)と惨い現実のギャップはあまりに唐突でショッキングな印象だった。最後に死んだラックスは、所詮かなわない夢への憧れを異性に示すことで、切ないほどの嫌味に自分の諦めを少年達の心に訴えた。その思い出を胸に少年達は社交界へと加わり、様々な異性と関わって大人になってゆく。それでも、あの「階段」の差は永遠に理解出来ないままなのだ。保守的な母親と少女達の間で困惑する父親の形見の狭そうな様子は観ていて可哀想だった。
7点(2005-01-16 23:40:01)
132.  マイ・ボディガード(2004) 《ネタバレ》 
年の離れた二人の男女という設定のみが共通点で、主役のふたりに「危うさ」が無い点で「レオン」とは全く異質の作品だと思う。主人公が撃たれた時の「クリーシー!!」という絶叫、ダコタ・ファニング演じる子役の演技は良かった。なぜ主人公が酒浸りになったのかの説明は無くても、途中誘拐されるまでは話の盛り上がりは共感できたしなかなか良かった。しかし、この映画のテーマと思っていた「少女との交流によって荒んだ心を癒され人間らしさを取り戻す主人公」の過程が、少女が殺された(と思われた)あたりから突然途切れてしまい、あとは単なる殺戮復讐劇になってしまって少々ガッカリしてしまった。さらに結末が「実は生きていた」では本末転倒である。あと、要所にチラチラと揺れるイメージ映像を使い過ぎ、あれでは観ていて目が眩んでくる。話の流れは誰が裏切り者やらグルやらしまいに分からなくなった。あの誘拐は最後になっても良いから、クリーシーの荒んだ心の背景や、少女と心を通わせていく様子をもっと描いて欲しかったと思う。
4点(2005-01-04 12:41:33)(良:1票)
133.  ターミナル 《ネタバレ》 
物語の冒頭から、主人公が空港の中で自分の生活空間を創りあげて行く様子は大変面白い。カートの回収で金を稼ぎ、生活の糧を得て行くところがユーモラスに描かれており、観ていて楽しかった。しかし、後半に行くにつれて次第に感動も尻窄みとなり、ハートフルな映画ではあったが今一歩期待していたほどの感動は無かった。ヒロインとの結末も入国ビザが取れてそれっきり、心のよりどころが無い彼女には共感出来なくもないが、彼女の主人公に対しての思いも中途半端で煮え切れない。お爺さんが強制送還を覚悟で我が身を呈して飛行機を止めた部分は良かったが、もっと劇的な結末と感動にしてほしかった。
4点(2004-12-19 23:58:05)
134.  千と千尋の神隠し
我欲を満たすため思うがままに飲み食い、限りなく増大する欲望を満たすごとにその姿は醜悪となり、自分以外の人間に嫉妬し巻き込もうとする。「カオナシ」は心の拠り所を失った(文字どおり「顔」がない)人間自身の暗い部分の姿のように感じた。大人はそんな伏線を思い、子供はまた美しい絵と幻想的な世界にどっぷりハマり、広くも深くも楽しめる。両親が豚に化けてしまうシーンは純粋な子供には本当にショッキングな場面のようで、泣き出してしまった子供もいたそうだ。日本固有のヤオヨロズの神々が訪れる銭湯という設定や、そこで働かされるという物語も斬新で凝っていて、分かりやすくも大変内容の濃い作品だったと思う。湯婆婆は当初完全なゴウツクバリの悪人かと思ったが、開放するという約束はキッチリ守り、良い仕事はそれなりに評価する点で、最後にはプロの「商売人」に見えてしまって可笑しかった。やはり宮崎氏の作品にはムスカを除いて完全な悪人は存在しない。「ハウル」をこの作品と比較してしまうと、個人的にはどうしてもこの作品に比べて薄っぺらなものに見えて仕方がない。
7点(2004-12-16 13:13:49)
135.  敦煌 《ネタバレ》 
井上靖の原作を読んだのが映画とほぼ同じ時期、随分前のことで原作の内容を明確に記憶していないが、この映画はなぜか好きだ。ヒロインの中川安奈さんがとても美しく見え、昔見た当初は話の本筋そっちのけでこの2人の悲恋物語が気に入っていた。後に敦煌の洞窟に描かれた仏教美術の壮大さをTV特集等で知り、それにからむロマンに胸踊り自分もいつか敦煌へ行ってみたいと思ったものだ。原作を読んでいないと中国名の登場人物達の伏線がちょっと分かり辛いとは思うが、壮大なスケールの物語をこれでもかと大袈裟に演出するのではなく、下っ端の兵隊の立場から泥臭くリアルに描いているところが良いと思う。見ているだけで、砂埃と汗で皮膚や口の中がザラザラしてきそうだ。三国志のように、リーダーの立場から描いた中国の歴史絵巻はどれも壮大であるが、その大きな歴史の流れの中、強者の号令一下、粒ほどの存在も残すことなく砂漠に散って行った、主人公達のような人々も想像し切れないほど大勢いたことだろう。「名無しの死体にはなりたくないのだ」と衣服に記名した主人公趙行徳。彼に頼み我先に記名を願った朱王礼を始めとする兵隊達。戦の炎の中、数え切れない教典を運び出す僧侶達。彼らの姿に弱肉強食の歴史に埋もれながらも自分達が歴史に存在した証を少しでも残したいと懸命の努力を続ける儚さを思う。夏草やつわものどもが夢のあと。
8点(2004-12-15 13:13:23)
136.  ルパン三世 カリオストロの城 《ネタバレ》 
もっとスケベで、過激で、ハードボイルドな原作のルパンを好きな人ほど、毒の抜け切ってしまったこの映画は好きになれないのだろう。しかし天下の大泥棒ルパンにも、物語の背景を考えれば実はこんな爽やかな一面もあった、それでもいいではないかと思う(漫画の原作ファンの人には申し訳ない‥‥)。浮いた話も多いルパンだが、この作品に登場するヒロインはかつて可憐な少女時代に、危機に陥った自分を助けてくれた命の恩人であり、他の作品に良く登場する色恋の相手とはちょっと違う。もっとストレートに言えば、ルパンにとって「肉欲」の対象ではない。物語の背景に肉欲相手のヒロインが登場しない物語である以上、原作の「毒」も抜けてしまって自然なのだ。(この物語で原作そのままのルパンなら不自然極まりない)そんな物語の背景を考えれば、個人的には他の数々の物語と同様、まったく独立した一つのエピソードとして受け入れることができる。ひとつの物語として考えれば、作品としては極めて完成度が高い名作である。銭形の名台詞の後の、「なんと、気持ちの良い連中だろう‥‥」という庭師の爺さんあの言葉が、この映画の全てを象徴していると思う。テーマソング「炎のたからもの」は特に良い。オープニングの旅のバックに流れるテーマ、エンディングの立ち去る旅立ちの背景に流れるテーマ、「旅」を象徴するこの歌が作品に抜群にマッチしている。オープニングとエンディングに同じ「旅」をテーマとした曲を使うと言う手法は「ラピュタ」にも通じているところがあるが、これが始まりには期待感、終わりには何とも言えない淋しさ、寂寥感を感じさせ、余韻を残す。ルパンのアニメシリーズの中では最高傑作であると思う。
8点(2004-12-10 13:29:51)(良:1票)
137.  ジュラシック・パーク
遊ぶ金の無かった大学生の頃に公開され、当時映画館で観れなかったことを残念に思う。恐竜を再現すると言う人類の大きな夢に、遺伝子工学という視点から踏み込んでおり、極めて分かりやすくリアルな作品に仕上っていると思う。特に(物語の本筋ではないが)、冒頭のミュージアムで登場人物達が、蚊の化石に残された恐竜の遺伝子から恐竜を復活させる工程の説明は、小学校で流しても良いくらいに分かりやすく脱帽した。レックスからラプトルまで、当時は本物と見まがうばかりのCGが話題になったが、ラプトルの狩りの生態など裏付けとなるものがよく研究されているため映像のリアルさも倍増するのだろう。自分で研究して作っといておまけに死人まで出しといて、「やっぱりやめた」とさっさと逃げるあのお爺さんには釈然としなかったが、SFの中ではとても完成度が高い映画だと思う。
7点(2004-12-09 13:13:08)
138.  マスク・オブ・ゾロ 《ネタバレ》 
昔読んだ原作とは随分違った筋書きだったが、幼い頃の想像より遥かにバンデラス演じるゾロがカッコいい。ゼタ・ジョーンズも美しく、原作では確かアレハンドロの息子であるディエゴを演じるホプキンスも渋い。原作のイメージを極めて忠実に、それ以上に楽しく、情熱の国らしく「濃い」役者揃いで体現した、極めてエンターテインメント性の高い作品に仕上っていると思う。最初は少々おマヌケだった主人公が初代ゾロに鍛えられ成長していく様子、おてんば娘エレナとの情熱的な恋、人々を虐げる悪との戦い、子供に見せたっていいくらいの明解痛快な西洋チャンバラ活劇だ。夜の山に浮かび上がる炎の頭文字、黒マントを翻して颯爽と登場する二代目ゾロの初陣シーンには、童心に帰って思わず拍手を送りたくなってしまった。これを作った監督も、きっとこの小説が大好きだったのに違い無いと思う。
[映画館(字幕)] 8点(2004-12-08 13:11:50)(良:1票)
139.  コン・エアー 《ネタバレ》 
ザ・ロックではひ弱な化学者だったニコラスが一転、役柄通りのタフな人間に見えてしまう。物語は飛行機版ダイ・ハードといったところだが、同じ飛行機ハイジャック映画とは違った切り口がそれなりに面白い。極悪人向きの役者をよくあつめているが、中でもブシェーミの無気味さはその人格の異様さをよく演出していてよかった。
6点(2004-12-06 12:45:44)
140.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
前々から評判を聞いていてやっと観た。確かに名作、素晴らしい映画だ。トトがアルフレードと分かれ故郷を旅立つ場面、年老いた母親がトトに昔の鍵のエピソードを語る場面、様々なシーンで涙が出てくる。映画に憧れた幼い日から、あの映画館が爆破され全ての郷愁が終わりを告げ、トトが自分の過去と決別する時まで、アルフレードはトトを思い、彼の人生を支え続けた。愛し合っていても幸せになれるとは限らない、故郷から旅立たねば本当の人生は見えてこない‥‥‥人生の拠点において、たとえ自分自身が愛する者に憎まれることになろうとも、愛する者を支え続ける。アルフレードの様な人間こそが、学の有る無しなんか全く関係のない、真の「人生の師」なんだなと思う。あの映画館の爆破は、彼がこの師から完全に卒業した瞬間なのだ。「このフィルムはお前にやる。そして、俺が保管しておく」遠い昔の約束どおり、自分の死後にトトに返したあのフィルムは、形見と言うよりも、アルフレードという先生が愛弟子に送った、自分からの卒業証書のようだ。誰しもの人生のどこかにある「人生の師」。自分自身もいつか、彼のような人の存在に気付く時が来るのかもしれない。イタリアの田舎町の画がとても美しく、音楽も素晴らしい。車の中での妻子持ちの既婚者とのキスは個人的に賛成できなかったが、できれば映画館で観たかったと思わせる大変良い映画だった。
9点(2004-12-05 03:52:00)(良:1票)
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