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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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121.  劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 《ネタバレ》 
 テレビシリーズを見ているか否かで、伝わってくるものに大きな差が出てしまうのは、もう仕方のないことなのかもしれないわね。いきなり映画版から見て「意味不明」って文句タレるコトが多いアタシだけど、これはネトフリで全話見ていたのでこの映画版に期待してたし、しっかり堪能することもできたわ。  それまでに描かれたエピソードを見ていれば、ヴァイオレットの表情1つ1つにどんな背景があってその顔をしているのかが理解できて、切なかったりツラかったり。ヴァイオレットが学んできた人の心、ヴァイオレット自身の心、その流れが最後にこの映画に辿り着いて。  冒頭から『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』の物語を過去の話とすることで、ここでピリオドが打たれる、って宣言しているワケで、テレビシリーズと前回の番外編的な映画を経てきていると感慨深いものがあるわ。   でも映画として不満点もないではないのよね。  140分と長尺だけど、物語的には2時間以内に収まるわよね? なんか勿体付けた演出が多くて(やたら意味ありげに尺を取ってるカットが多いわ)、テンポ悪いしダレ場もあって。これで完結、ってコトで一応レギュラーメンバー出しておかないと、って感じで必要とも思えないキャラを出して時間を浪費してるようなシーンもあるわ。会話シーンの単調さをごまかすためか、会話途中でハンパに俯瞰(キャラ2人くらいをちょっと見おろしてる)になる絵が何度か登場するけれどそのカメラポジションは無意味だし。そのハンパさはシネスコの画角を持て余しているようにも思えたわ。  それに容赦のなさで定評のある?吉田玲子脚本は今回語り過ぎ。まー、みんな心を説明するする。見せ場押す押す。  ユリスのシーンはここぞとばかりに泣かせを引っ張りまくり。  最後なんかアレ、ヴァイオレットと少佐の浜辺のシーン長過ぎじゃない? いよいよこれで終わり!ってコトで盛りまくって盛り過ぎた、みたいなカンジでクドいわ。でもほんの短い1カットだけヴァイオレットの泣き顔にあえて鼻水描いたのは良かったわ。そりゃ泳いであんだけ泣きゃ出るわよ、鼻水。   個人的にはヴァイオレットちゃんがロリコン少佐の呪縛から解放される結末を期待してたんだけどねぇ(台無しな感想)。ヴァイオレットちゃんが幸せならば、まあそれでいいんじゃない?
[映画館(邦画)] 7点(2020-09-22 22:48:09)
122.  思い、思われ、ふり、ふられ(アニメ映画版) 《ネタバレ》 
 実写版は三木孝浩監督と浜辺美波、北村匠海って鉄板の布陣で爽やかな良い青春映画となったけれど、このアニメ版もコレはコレで。日本のアニメの良さが実写版とは全く違った魅力を放ってるわ。  基本的な物語こそ一緒だけれど、全くの別物と言っていいレベル。実写では不可能なデフォルメを多用してキャラに魅力を持たせてるし(ここら辺は原作準拠なのかな?)、ラブラブな展開に突入すると共に突如入るキラキラエフェクトは見ていて恥ずかしかったりもするけれど、それもアニメならではの魅力ね。   ただ、終盤になって失速してしまうのがなんだかもったいなくて残念。実写版ではそれぞれの家庭環境や現実的な問題、将来の夢や目標も盛り込んでいたのに対して、こちらはラブラブメインの展開で、だけど終盤になって家庭や将来がのしかかってくるので、そこでスローダウンしてテンションダダ下がりになっちゃうのよね。せっかくテンポ良く(良過ぎて移り気で恋多き面々になっちゃってる感はあったけれど)ラブラブほんわかワールドだったのに。そのまま上がりきらずにエンドロールになっちゃう感じで、ちょっと画竜点睛を欠く感は否めないのね。もっとあっさりすっきりまとめちゃって良かったんじゃないかなぁ。  高台から眺める風景なんか、実写版に比べるとあまり重要視されてなかったりして、何かキーになる映像なりアイテムなりがあれば、って思ったわ。その役割を果たしそうだったハズの朱里のジュエルケースはちょっと全体のトーンから浮いた感じの存在だったし。   でも、こういうアニメはやっぱりキャラクターデザインと作画が命なので、その点、魅力的な絵を見せてくれたところは評価したいわ。
[映画館(邦画)] 6点(2020-09-19 23:57:43)
123.  TENET テネット 《ネタバレ》 
 ノーランって映像で説明するの、下手じゃない?   クライマックス、何やってんのかちっとも伝わってこないのは難解なんじゃなくてヘタクソだからだと思うのよ。爆発までの間にブツを奪還しましょう、ってのはさ、順行組と逆行組とで論理的に説明可能だと思うのよ。でもグチャグチャ。ブツを手に入れるシークエンスなんか、アレ、ちゃんと流れ判った?  パラドックス関係なんか、もうメチャクチャよ、あれ。「細かいコトは気にすんな」って状態。  大体、物語を伝えるのは映像以外の部分に頼りまくってるでしょ。大量の、それこそ喋り続け状態なセリフの応酬と不安を煽るやかましい音楽で説明してます、って状態。映像はひたすらハデな、これ見よがしな部分にばかり注力されてるワケで。   で、コレ、200億円とかかけて2時間半に渡って見せられるDV映画ってのがアタシの抱いた印象なのね。いかにDV野郎を退治するか、ってハナシ。そこに監督好みのセカイ系だのSFだのドンパチだの盛り込んでみせました、そんだけ。  だけどアタシにはあのDV野郎が監督の分身のように思えたわ。作品世界を完全にコントロールしないと気が済まない、ホンモノ使わないと満足しない、世界を支配してこそ、そんな自分の投影。人類の滅亡を描こうとしたら人類を本当に滅亡させないとリアリティ出ないとか、そういうキケンな思考(あるいは志向、または嗜好)を自嘲的に、自戒を込めて映像化してるのかしら?みたいな。  だけどDV映画としては徹底的にドラマがつまんないわ。っていうかキャラがみんなつまんない。誰にも殆どノレないのよ。せめてヒロインがいかに息子を愛しているかくらいは映像として見せて欲しいワケよ。もう全部セリフでの説明で、息子そのものはチラチラと映る程度。それにDV野郎のヒロインに対する現在形の加虐シーンはあっても、それ以前にヒロインが憎悪していた点に関してはやっぱりセリフでの説明に終始するのよね。  お腹の傷はサスペンスの要素になるかと思いきや、水戸黄門の印籠みたいなポジションだし、DV野郎が手に入れた自殺カプセルは意味を成さなかったし、あちこち隙間がスカスカしてるわ。   ハデな映像と大量のセリフとやかましい音楽とSEが緩急なく連なった2時間半、それはノーランの強迫観念の発露みたいなものなんじゃないかしら。   あと、日本でたった2カ所なIMAX GTテクノロジーで見たのだけど全編フルサイズだと思ってたら半分くらいだったわね。ちょっと肩透かし。コレ!って見せ場以外はシーン頭の説明的映像が上下(空と地面、天井と床)広々、っていう、なんとなくカタにハマった不器用な使い方だったのがちょっと微笑ましかったわ。
[映画館(字幕)] 5点(2020-09-19 22:45:49)(笑:1票) (良:2票)
124.  青くて痛くて脆い 《ネタバレ》 
 かなりアンフェアなミスリードよね。真実が明らかになるまではサスペンス映画のごとく見せてゆくものだから、ずーっと不安感と緊張感に支配された状態が続くのだけれど、明らかになった瞬間にタイトルの意味が判って、思っていたような映画じゃないことが判って、あー、そういうコト・・・って肩透かし、脱力感に襲われて。  キモチは判る、理解できるのだけど、その極端な行動は一貫して「なんなのよ?」ってカンジ。でもあの瞬間からカレの見え方がガラリと変化してしまうっていうのは面白かったわ。   大量に配された登場人物の、でも多くがそんなに物語に対して有機的に機能している存在には思えなくて、世界を構成する要素です、くらいな。この映画の知識が全然ないままに見たので「あ、松本穂香出てる、森七菜も出てる」みたいな楽しみ方はあったけれど。にしても森七菜の学校の先生に対して物語として特に何もしないカンジなのはモヤるわね。   ラストの選べなかったルート、生きられなかったルートは切なくて、だけど最後にヤツに与えられたチャンスはそれでも甘すぎやしませんか?と思ってしまったり。いや、若ければ人生はまだまだ選べる道はあるのでしょうけれど、でも、ヤツには壊してしまったものの大きさに対する自覚はあんまりないような気がしてしまうわ。  失ったもの、失われた時間の大きさ、その痛みをガッツリ描く、ってほどに残酷にはなれないでしょうけどね。
[映画館(邦画)] 6点(2020-09-14 21:58:25)
125.  クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者 《ネタバレ》 
 なんか『ロストチルドレン』みたいなハナシ。クライマックスのビジュアルは『地球防衛軍』(ミステリアンやモゲラの映画なヤツじゃなくて「EDF!EDF!」なゲームの方)ね。あと、いつもに比べて何故か背景画がキレイ。   で、今回の『クレしん』はちょっと見てるのがシンドかったわ。  登場人物が多過ぎて(レギュラーメンバーの他にこの映画用のオリジナルキャラが大量)、それぞれにドラマを描こうとするものだから、もうあちこち話が飛んで、やたらゴチャゴチャして、混沌としちゃってるわ。  ラクガキによって生まれたキャラ、ブリーフ、ニセななこ、ぶりぶりざえもん。ラクガキングダムのお姫さま(と、城に存在する善悪双方の大量の人々)。旅の途中で出会う少年ゆうま(そして一緒に旅をする動機となる母の存在)。本来ならばそれぞれ大きな役割を持ったゲストキャラポジションなカンジなのよね。それが1本の映画にひとまとめで登場してごちゃーっと描かれるものだから、どれもこれも中途半端なの。一体どこに、誰にキモチを持っていけばいいワケ?って感じで視界に入ってきたと思ったら消えて、を繰り返す状態。  そして、その映画の視点のブレはかすかべ防衛隊、みさえやひろし、ひまわり、そしてしんのすけにまで及ぶわ。それぞれが『1941』みたいにバラバラなベクトルで行動するので、シンプルな到達点に対してやたら混乱した遠回りを繰り広げる事になってシンプルな感動を阻害しまくるのね。  個人的にはもうニセななこ(とブリーフとぶりぶりざえもん)一本で勝負して良かったんじゃない?みたいな感じ。アレだけで勝負する自信がないゆえの保険たっぷり、みたいな印象すら受けてしまうわ。   それから気になったのは異様にザラついた感じの嫌な大人達の姿をこれでもかとしつこく見せること。ああいうのは確かに今の日本の国、リアルにネットにいっぱいいるわ。だけどそれをあえて『クレしん』の世界に登場させる必要があるのかしら? そこからの解放を『クレしん』の子供たちに背負わせるべきモノ?  もっともっと単純に、ラクガキに映した子供たちの創造力、それを描くだけで十分だったんじゃない?って思うのね。
[映画館(邦画)] 5点(2020-09-14 20:47:41)(良:2票)
126.  のぼる小寺さん 《ネタバレ》 
 系列的には『横道世之介』とか『町田くんの世界』みたいな。主人公の存在が周囲に少し変化をもたらす、というお話。   小寺さんの周囲の人々は、それぞれに孤立感や孤独感、違和感を抱いて暮らしていて、でも周囲を気にせず我が道を行く小寺さんに触れることで影響されてちょっと自分を変えてゆく、それが独特のテンポで流れてゆくのね。  みんなそれぞれにあまり周囲が見えていなくて、それぞれの関係というかコミュニケーションのカタチがやたらギクシャクしていて、コミュ障のカタマリみたいな世界なのだけれども、その抜けてる感じ、真面目なようでいて、なんとなくテンポが崩れた滑稽な状態(それぞれのキャラクターだけでなく、映画全体を支配してるような)が心地良かったわ。そして、その心地良さをもたらす小寺さんの存在、工藤遥の飾り気のなさとまっすぐな視線が魅力的ね。  ちょっと伊藤健太郎の役は偏執的っていうかストーカー気質を見せてる感があったけど。女の子をあんなにひたすら凝視し続けてたらねぇ・・・  総じて男の子よりも女の子の方が魅力的に描けていたような気がするのは、吉田玲子脚本ゆえかしら?   若い頃のひととき、1つ1つがとても大切な時間なのだけれども、その大切さってその時の真っただ中ではなかなか実感できないものなのよね。それをこういう映画というカタチにして提供するのも大事なコト。それが遠い遠い昔な人間にとってはただのノスタルジーにしかならないのかもしれないケドね・・・キリンレモンでも買ってきましょうかね・・・
[映画館(邦画)] 7点(2020-08-30 19:56:26)
127.  今日から俺は!!劇場版 《ネタバレ》 
 ドラマ版から大きく何かが変わるとかいうのはなくて、きっといつもの福田雄一作品なんでしょうねぇ、ってそのまんま。ハナから期待も不安も不要ってカンジ。   ただね、この映画、軸になる物語が開久高校と北根壊高校の抗争で、メインな軟葉高校の三橋と伊藤はその抗争に巻き込まれるカタチなのね。ビミョーに主役からハズレてるカンジで、目立ってるのは開久の片桐と相良だったり、北根壊の大嶽と柳(柳楽優弥が好演)だったり、そして紅羽高校の今井だったり(今井つーか仲野太賀、多分福田監督が大好きなんでしょうねぇ・・・)。ハシカン早川なんか少ししか出てこないわ(つーか同一ロケーションでしか出てこないので、彼女の撮影一日だけ?)。  特に三橋は超省エネバトル状態で、それだけ?みたいな感じ。伊藤もやられてる場面の方が多いんじゃない?みたいな感じだし、なんか今ひとつノレないのよね。メイン二人がそんなには活躍しないって脚本、映画版としてはどうなのかしら?  良かったのは三橋を追っかけるスケバンな森川ね。アタシ、ああいうビジュアル好きだから。   先生達のウザさは相変わらずの福田組だし、佐藤二朗のウザさも相変わらずだし(それでも今回は幾分短かった?)、でもそれでこそで楽しんでる人も多いのでしょうから、まあ、それはそれで、ってとこ。
[映画館(邦画)] 5点(2020-08-30 17:31:14)
128.  思い、思われ、ふり、ふられ(実写映画版) 《ネタバレ》 
 三木孝浩監督の青春映画は毎回期待して見るのだけど、前回ガッカリしちゃった『フォルトゥナの瞳』と違って今回は満足ね。   青春映画で毎度お馴染みのベタな記号はいっぱい出てくるの。タイトル縦書きだったり、新学期に桜満開だったり、夏祭りが物語の重要な転換点だったり、モノローグ多重方式状態だったり。  設定も親同士の再婚でお互いに魅かれながら姉弟になってしまった二人、その弟に片想いのコ、そのコの幼なじみってラブストーリーものにありがちなベタな四角関係。  でもこれは決してセオリー通りではない結末に向って丁寧に心の流れを描いている映画。『アオハライド』と同じ原作者、そして『アオハライド』の映画版の(そして『くちびるに歌を』の)監督なだけあって、恋愛模様だけに注力せず、若いコ達の未来への不安や諦め、そして可能性、希望を眩しく描いているわ。  『アバウト・タイム』は若い頃の未来の可能性を描いた映画なので、この映画の題材にピッタリね。まあ『怒りのデスロード』はやっぱりそうですか、ってカンジだけど。   浜辺美波、北村匠海っていう『キミスイ』な安全牌を配置している時点で、ある程度作品として約束されてる面はあると思うの。でもそれを更に十分に活かした作品であると言えるのね。自然光と補助光でヒロインをキレイに撮るテクニックは見事に復活してるし、王子様な北村匠海をイヤミなく描けるなんて相当なモノよ? 福本莉子、赤楚衛二もピュアな存在感だし。  シネスコの画角にキレイにハマった映像、ロケーションの空気感。やっぱり三木孝浩監督はこういうの、上手いわ。
[映画館(邦画)] 8点(2020-08-30 13:45:24)
129.  2分の1の魔法 《ネタバレ》 
 ピクサーは技術こそ革新的だけど作品の中身は保守的、って印象があって、これも予告編段階であーんまり食指動かなかったのね。なんとなく内容は予測できちゃうし、デザイン的には主人公とその兄がまるで『ヒックとドラゴン』のヒックとスノットみたいだし、みたいな。  だけどファンタジー世界が今の人間社会みたいになっちゃってる、ってのは面白そう、と。   ところが本編見たら、人間社会っぽいファンタジー世界の描写は極小っていうか、普通の風景にファンタジーな生き物をはめ込んだだけじゃん、みたいな状態で、少なくも『ズートピア』や『ベイマックス』みたいな作品世界デザインの妙味みたいなのはあまりなくて。クライマックスのドラゴンはちょっと良かったけど。ああ、やっぱりあの絵には意味があったのね、みたいな。  ロードムービーとなる物語はどっかで見たような展開が連なってるカンジで(橋は『最後の聖戦』だわよね)、退屈はしないけれど、新鮮な驚きや感動はもはやここには存在しないのかしら?って状態で見ていたわ。  それでも最後に家族の物語に集約して、そして兄に花を持たせた点は感動したわ。この物語の本当の主人公はお兄さんだったのね。   これ見よがしな世界観・設定デザインの披露みたいなのを期待しちゃうのは日本のアニメに慣れ過ぎ?(そしてそこで終わっちゃってて物語はガタガタってアニメのなんと多いことでしょう)みたいな自省はあるけれど、良質・安定だけではどうしても、ねぇ。実際、みんなピクサーブランド飽きてきてないかしら?   そうそう、ディズニーのハンパなローカライズはどうにかならないかしら? 手書きの文字がフォント状態ってのはさすがにマズいわ。原語のまんまの方がまだマシよ。  あと天下のディズニーの日本語版主題歌に既成曲使うのもどうなのかしらねぇ?
[映画館(吹替)] 6点(2020-08-30 12:12:21)
130.  事故物件 恐い間取り 《ネタバレ》 
 ただでさえ新型コロナで見る本数減ってるんだから、本来ならスルーしちゃう、あ~んまり興味ないタイプの映画なのだけど、メールで友達(大阪人、今は埼玉住まい、お寺の跡取り)がコロナで映画なんか見に行けないから代わりに見てきてくれ~、って。当然貯めたポイント使ってタダ見だわね。   冒頭、とてもホラーとは思えない青春映画ノリで始まって、そこはなんか雰囲気良かったわ。なのでこのままの調子で続いてくれないかしら?って思ったのだけど、そうはいかない、怖がらせてナンボな映画だものね。  ところがいざ本題に入ると、これが全然怖くないの。出てくるのがCGCGしたモヤモヤしたモノと、無名の俳優さんが幽霊メイクして頑張って怖いカオ演技してまーす、って状態で、いや、なんか具体的な、即物的な映像過ぎちゃってむしろ笑えてしまうんですが?みたいな。あんなハッキリクッキリした幽霊を見せられたらお化け屋敷みたいな作り物感が出ちゃうわよねぇ。  で、ボスキャラみたいなのが大体CGなのだけど、『ハリー・ポッター』のディメンターだわね、アレ。クライマックスでコミカルな(いや、映画上では一応シリアスな)バトルになるのだけど、弱いのよ、『来る』のぼぎわんさんの百万分の1程度の弱さ。っていうかアイツ、果たして題材に合った存在だったかしら?   だけどアタシがこの映画で最も不満に思ったのは、事故物件に現れる幽霊が、ただのバケモノとして扱われていた点ね。殺人事件の加害者も被害者もバケモノ。自殺や無理心中した人もバケモノ。その背景にあった、人として生きていた部分というのは死に至る映像以外は描かれず、そこにあったハズの悲劇は全くのスルー。多くのゾンビ映画のゾンビと同じような扱いね。だけど幽霊を扱う以上、アタシとしてはそこに目を向けて欲しかったな。   余計なコトかもしれないけれど、舞台の大半が大阪で、大阪のテレビ局の姿が描かれて、あのノリは独特よねぇ、って。たまに関西に行ってホテルで見るテレビ番組のあの空気は東京の人間にはちょっとついてゆけないカンジがあって。府民性、みたいなモノ? 維新はそういうところにつけ込んだのかしらねぇ?とか映画見ながら考えちゃった。   で、映画見終って友達に感想メールしたら、これから見に行くからあんまりネタバレしないで、って。なんやそれ。
[映画館(邦画)] 4点(2020-08-30 11:25:54)(良:1票)
131.  レイニーデイ・イン・ニューヨーク 《ネタバレ》 
 ウディ・アレンの新作が見られるのはコレが最後になるのかしらねぇ。#MeToo運動の流れによって過去の性的虐待を問われハリウッドを干され、この作品もアメリカ本国では上映が中止、出演者達は出演を後悔していると発言したり、揃ってギャラを寄付したり。  この映画そのものも、そんなアレンを映す皮肉なモノになってしまっているカンジがしないでもないわ。本来、映画作品自体と、それを作った個人とは別モノとして捉えるべきと思うのだけれど、ウディ・アレン作品は彼そのものを強く映している場合が(とても)多いので、どうしたってそこに彼自身を見てしまうのね。  しかも今回の作品に出てくる男達は映画監督、脚本家、俳優、そして神経質でシニカルなニューヨーカーの主人公。ハッキリとウディ・アレンの人格を複数のキャラクターに分割して描いているようなモノだもの。  男達は総じてダメ人間。スケベでだらしなくて身勝手で。その男達を無自覚に、あるいは自覚しながら翻弄してゆく天然系おバカなお嬢さんなエル・ファニングと、主人公が最後に理想として選ぶ辛辣で容赦ないセレーナ・ゴメス。  そこにあるのはひたすらウディがそうやって生きてきたことに対する言い訳がましさと、彼にとっての一方的で身勝手な都合のいい女性観。自分はダメなヤツだからそんな人間を支える女性はこうあって欲しい、ってのがダダ漏れていて、主人公の母親の境遇に対する視点、主人公のその捉え方まで含めて、本当にダメ。  そして、そういう意味では自虐っぽく見えて実は言い訳ないつもの毎度おなじみアレン作品ね。ただ、今回はその背景に#MeTooが透けて見えてしまう、と。   コメディとしては面白いわ。どんどんすれ違って予想もしない方向へ進んでゆく2人の物語。会話やモノローグの楽しさ、個性的な登場人物(お兄さんの婚約者のアレとか)。  ニューヨークの風景も良かったけれど人工降雨機使うんじゃなくてホントの雨のニューヨークのニオイを感じさせて欲しかったとは思うし、アメリカの夜を(ハンパに)使うのもアレンの後ろ向きな映画作りを感じさせちゃうわね。   アレンの映画はずっと、先へは進まずに過去ばかり見ているカンジがあって、でももう時代はそれを許さなくなっていて、これはそんなアレンのひとつの区切りの映画、かなり象徴的な映画となってしまったのかもしれないわ。
[映画館(字幕)] 6点(2020-07-08 15:59:37)
132.  ランボー/ラスト・ブラッド 《ネタバレ》 
 スタローンじいさん版『ホーム・アローン』ね。以上。   ってワケにもいかないのでアレコレと書いておくと、予告編見た限りでは『ランボー』が『コマンドー』みたいになっちゃった?ってカンジがしたのだけど、実際にはもっと斜め下っていうか、なんともパッとしない映画で。   まずハナシが本筋に入るまでに30分くらいかかるの。つまり物語が動き出すための事件が起こるまでに、ね。結構ダレるわ。で、さすがにそこからどんどんと展開してゆくと思ったら、ランボーへろへろ。なーんの策もなく囲まれちゃって、そこからランボー無双にでも至るのかと思ったらフルボッコよ。助けて貰って寝込んじゃって、その間にさらわれたコは酷いメに遭って・・・ねぇ。なーんの救いもない展開から最終的にランボー起動!ってなるのは映画が始まって1時間10分くらい過ぎたあたりから。残り時間あと30分よ?そのうち10分近くエンドロールよ?ってコトで、ランボーが暴れます、ってのは実はほんの20分かそこら。それまでずーっと鬱々とした展開につきあうハメになるのね。  そしてその肝心のクライマックスも、残酷虐殺装置の描写が連なってるだけね。どういう流れで相手を倒してゆきます、っていうのは無くて、ただ仕掛けにハマって「ぎゃあ」ってなってる悪人達の姿が羅列されてゆくだけ。  俺にあるのは復讐心だけだー、俺は憎い相手が苦痛にもがきながら死んでゆく姿が見たいんだー、って、これまでのランボーちゃんは一体何を学んできたのかしら?という元も子もない展開を経て、やっぱり俺は独りぼっちなんだー、みたいな。結局ランボーってば戦争のトラウマから抜け出すコトはできないのでした、みたいな。前作のラストシーン台無し。  ランボー自己完結しちゃうモンだから色々とほっぽりっ放しになっちゃって。助けてくれた人(登場からしばし男だと思ったわ)はどうなったの? 組織に拉致された女の子達はどうなったの? 冒頭の組織の商売相手ってアレだけの存在? っていうかメキシコ国境ってめちゃくちゃザルで、あれだと武器も麻薬も素通り天国でトランプ顔真っ赤じゃない?という数々の「?」を残して映画はランボーの過去の雄姿と共に幕を閉じるのであった~。なにそれ。
[映画館(字幕)] 4点(2020-06-30 19:53:36)(良:3票)
133.  一度死んでみた 《ネタバレ》 
 豪華なチョイ役の人々、ペラペラな内容、尺もテレビの2時間枠にぴったり収まるように作られた典型的なフジテレビ映画。   冒頭からしばしはテンポ良く進むので、あ、コレは無駄なくスッキリと作られて好感持てるかも、と思ったものの中盤以降はダラダラ。元々、大して容量のある物語ではないので、90分ちょっとでも尺を持て余してるカンジがするわ。クライマックスの棺桶争奪からのチェイスなんか構成からしたら無駄な展開よね。あの歌がクライマックスでいいハズなのだから。火葬場まで到達しないとせっかくの伏線がキモチ良く回収できないってコトなのでしょうけど(回収した伏線をわざわざセリフで説明しちゃうのマジ不粋)。  チェイス以降はその後の遺言のやりとり部分も含めて展開が弛緩しちゃったわ。   ただ、そういうバカっぽい、バラエティノリの映画で広瀬すずがバカっぽい演技をしている、って状況の面白さはあるのね。  それに冒頭の(予告編でもさんざん聴かされた)「デスデスデスデス!」ってアレは正直なところ聴いてらんないレベルの酷さで、だから彼女に歌わせるのって酷じゃね?とか思ってたんだけど、クライマックスでの歌でしっかと聴かせるところまで持っていってるので、ああ、なんだ、そんな実力もあったんだ、ってキッチリ納得させてくれて。   映画を堪能した、って感覚は全く薄いけれど、広瀬すず主演のバラエティドラマをなんとなく楽しんじゃったって程度の感じね。   ところでエンディング後の1シーンはあれ、余計だったんじゃない? そこまでになってたかしら?
[映画館(邦画)] 6点(2020-06-25 21:12:12)
134.  デッド・ドント・ダイ 《ネタバレ》 
 これだけ映画の雰囲気と現実世界の空気がマッチした状態で見た映画というのも珍しく。東京アラートが発令されている中、六本木ヒルズは屋外こそそれなりの人通りがあるものの、シネコンの中は閑散としていて、この映画を上映しているキャパ520余の最大スクリーンには観客が10人ほど。ディストピア感漂よう東京で出会うゾンビ映画、その寂寥感を堪能してしまったわ。   ジャームッシュってことで、わりとオシャレ系なオフビートなカンジのゾンビものが見られるのかしら?(くらいにしかイメージできない程度にしかジャームッシュ映画見てない)と思ってたのだけど、フツーにB級ゾンビ映画で、メタとかオマージュとか映画ネタとか散りばめた中学生臭さが漂っていて、オタク感ハンパない、みたいなシロモノ。そういうところ、楽しんじゃったけどね。  ゾンビって存在にメタファー盛り込みながら結局はそれをモロに説明しちゃうあたりの真っ直ぐっぷりというか、不粋さがむしろ潔いと思ったけれど、それをアタマでは理解していても、じゃあ自分はここに描かれたゾンビ達とは違う、って言えるのか?っていうと、無理ね。つまり、そういうことでしょ?って映画。   田舎町に漂う寂れた空気に、コミュニケーションが希薄になってゆく感覚が重なって、更にそれを見ている状況が重なって、そういう映画体験もまためぐりあわせなのね、としみじみ感じたわ。もう人類は元には戻れないのかもしれない、それはリアルだものね。だから新型コロナ流行以前にこれを見ていたら、それはまた全く違った感想になったかもしれなくて。
[映画館(字幕)] 7点(2020-06-08 20:38:00)
135.  ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Prey 《ネタバレ》 
 この11年ほどは3日に一度は映画館に行ってたのに新型コロナの自粛ワールドで『野性の呼び声』以来、実に94日ぶりの映画館ね。自粛再開した映画館では旧作ばかりが上映されている中、再開後もまた上映してくれて良かったわ。   ポスターのビジュアルを見た時には『スーサイド・スクワッド』の時の方が良かった?って思ったハーレイ・クインだけれども、動き出すとやっぱり魅力的。彼女が主役な分だけ、未消化感ハンパなかった『スーサイド~』よりも堪能できたわ、ってあくまでハーレイに関しては、だけど。   正直、物語は退屈。悪の支配者の陰謀とかダイヤモンドに隠された秘密だとかダイヤをくすねたスリの少女だとか、そういうネタには一切新味がなくて、物語の面白さではあまり引っ張れてないので前半は結構キツいわ。ハーレイも行き当たりばったりな行動をするので物語をキチンと運ぶ芯が存在してないような状態で。複数のキャラクターをアレコレと描くためにやたらとっ散らかった印象だし。   でも、それはクライマックスでオンナ達が共闘してクソ男どもをボコりまくるためのお膳立て。極端なコト言っちゃえば、そのキモチ良さのためだけに存在してる映画って言えるのかも。ジェンダーハラスメントからの解放、ミソジニストが見たら失神しちゃいそうなシロモノね。   これまでのハーレイならば最終的には「プリンちゃん」が救けにくる、プリンちゃんの元に戻る、結局はプリンちゃん無しでは生きてゆけない、そんな描かれ方になったのでしょうけれど、この映画ではもちろん、そんなコトはなくってプリンちゃんと別れた彼女はキッチリと独立して生きてゆく、ってラストになっていて、それはとても正しい道だと思ったわ。それってDCコミックが築いた伝統の中での在り様としてはどうなの?ってのはこの際どうでも良くて、ね。   ちなみに2か月自粛していた職場が復活したはいいけれど時短になってしまって大幅に給料減は避けられなくて、どうもこれからは映画も週一が精一杯なカンジね・・・コロナウィルスのバカ。
[映画館(字幕)] 6点(2020-06-04 15:23:05)
136.  1917 命をかけた伝令 《ネタバレ》 
 うーん・・・全編1カットってウリにしない方が良かったんじゃないかしら。ついつい継ぎ目探しちゃったわよ。実際ワンカットじゃないし(1箇所暗転するところがあるのでそこで完全に途切れてるし)、上映時間=劇中の経過時間ではないので(冒頭からラストまでで1日くらい経過してるわ)シーンの連続性が維持されてる訳じゃないし。   めくるめく戦争の地獄絵巻、それは臨場感と没入感を伴ってとても生々しく伝わってきたわ。脇役的な彼が主人公にならざるを得ない状況で遭遇する様々な戦争の恐怖。突然訪れる死、無数の死体、狂騒的な混乱、人からもたらされた破壊の風景。  でも、どうしてもテクニックが先走ってる気がしちゃうのよね。これってTPSの世界なわけ。弾数が極端に少ないTPSをIMAXのでっかい画面でプレイしているような感覚。『コール・オブ・デューティー』(弾数的には『コール・オブ・ファレス』かしら)の世界で『ゼログラビティ』的な流れの繋がった映像を見てるカンジ。実写なのだから、そこにはもの凄い物量と大勢の人の手が加えられているのだけれども、CGで作ったゲームの映像と同感覚なのよね。実際CGも多用されているワケで、そこら辺はボーダレスになりつつあるというか、映画がゲームに近づいてる感じでもあって、ゲームが必死に映画に近づいてゆこうとしてきた歴史を見てきた身からすると、こういうのってちょっと複雑なキモチね。生身の人間の演技はともかく、映像表現的にはもはやゲームの方が先へ進んだのかしらねぇ、って思ってしまって。   カットを割っても臨場感や没入感が出せない訳ではないワケで、そこに固執しなくても良かったんじゃ?とは思うのだけど、それだとウリになる点がなくなっちゃうのかも、って考えるとちょっとジレンマに陥っちゃうわね。
[映画館(字幕)] 7点(2020-02-14 19:22:17)(良:2票)
137.  ヲタクに恋は難しい 《ネタバレ》 
 驚くほどミュージカルだったわ。少なくとも『ダンス・ウィズ・ミー』なんかよりずっとミュージカル。ヘタすると『キャッツ』よりもうちょっとだけミュージカル。ただ、だから優れてるとかいうハナシでは全く無くて。   映画としてはハリボテね。特にココ!って見るべきところはなんにもなくて。毎度の福田雄一作品のテイストの羅列で、映画としてのまとまりはとっても悪い方のパターン。オリジナルな物語の面白さは無いし、それで終わり?みたいな浅い浅い展開で終わっちゃうし。   キャラの面白さがキモなんでしょうけれど。  高畑充希は良かったわ。可愛かったし、喋りは面白いし、元々ミュージカル出身なだけあってダンスも歌もちゃんと出来てて。でも、それをちゃんと活かせてない見せ方が残念。深夜・早朝ロケ早撮り丸出しな単調なカット割、雑なカメラ、地味なライティング。もっと事前の設計なりポストプロダクションなりで飾ってあげればいいのに。  対して山﨑賢人は斉木楠雄と演技一緒。つまんないキャラをつまんなさそーに演じてる印象しかないわ。あの固まった表情でオタ芸披露するのは良かったけど。  賀来賢人も毎度のアレだし、佐藤二朗に至ってはもう飽き飽き。あの毎度のネットリしたしつこいアレ、なんかどっか面白いワケ?  斎藤工は笑っちゃったけど、でもアレはアドリブの面白さなワケで映画の面白さとは別ね。  あと菜々緒が良かったわね。ベヨネッタか『監獄学園』の裏生徒会副会長?と思ったけど原作からああいうデザインなのね。   でもね、見ていて泣けて仕方なかったのよ。高畑充希が縛りから解放されて語りまくるシーン、あそこで涙ダラダラ。以降もコミケ会場で買い子や同担と盛り上がるシーンや酒場でレイヤーと盛り上がるシーンや・・・とにかく泣けるの。  それはね、感動したとか楽しいとかいうポジティブなキモチとはちょっと違うのよね。どちらかというと切なかったり辛かったり。判る、とっても判るのだけど、それは業のようなものだから。  長いことオタクとして生きてきて思うのは、オタクって、なるものじゃなくて、堕ちるものだと思うのね。その楽しさの背景にある色々なモノを想うと、ツラくって仕方ネーや、って。  オタク(ヲタクって表記の方が少しだけ自嘲・侮蔑の意味がある気がするわ)にはシンドい映画だったわ。
[映画館(邦画)] 4点(2020-02-09 15:06:32)
138.  リチャード・ジュエル 《ネタバレ》 
 アタシはこの映画、ストレス溜まって楽しめなかったのよね。何故ならリチャード・ジュエルって人がおバカさんだから。   弁護士からFBIに対して何もしゃべるなって釘を刺されてるのにもうペラペラ喋っちゃう。自分に有利不利であることよりもちっぽけな名誉、と言うより意地に拘っちゃったりするの。  その上、ハンティングマニアで銃器大量に所持してたり、権力を微妙に乱用してたり、そんなんじゃ疑われたって仕方ないでしょうよ、ってちょっと投げやりな気分になっちゃうのね。  そして、多分この映画の狙いどころは、そこ。イメージ、先入観で人を決めつけてしまうことの恐ろしさ。イーストウッドは観客に「この人がもしかしたら有罪なんじゃないかって思ってたりする部分がありはしない?」って意地悪く(最近のイーストウッドはちょっと意地悪ね)問いかけてくるのね。そしてアタシは人間が出来てないのでこの映画を見てイラつく、と。人が人を裁くっていうのは大きな責任が伴うこと。それをあまりに軽視してない?って、簡単に人を誹謗中傷しちゃう現代のネット社会にも通じるテーマね。   ただ、新聞記者のあの単純な造形(いかにもな悪なんだけどお母さんの会見1つでコロリと改心しちゃう)とか、FBIの単細胞っぷりとか、全体的にペラペラとした印象があって、イーストウッドにしてはなんだか物足りなさが残ったのも事実ね。   何はともあれ、人は権力に対して強く賢くあれ、って事ね。
[映画館(字幕)] 6点(2020-02-03 21:33:09)
139.  キャッツ 《ネタバレ》 
 劇団四季版を見たのは今から36年とちょっと前、まだ公演が始まったばかりの頃(グリザベラ役は久野綾希子ね)、ひとつ年上の人とデート。チケット代、ディナー代、パンフレットやグッズ代でひと晩で3万円以上飛んで、当時のアタシには大出費だったわ。   それはともかく、暴言吐いちゃうと元々『キャッツ』ってヘンなハナシなので映画になったってヘンなのは当然ね。  ひたすらエピソードの羅列に終始する舞台版を見た時、映画にするには全体を貫く芯、語り部というか狂言回しになる存在が必要だと思ったの。そしてそれは雌の子猫がいいんじゃない?って。今回の映画版はその通りになっていたので、コレは上手く料理できてるんじゃないかしら?って期待したのだけれど、彼女(とマキャヴィティの行動)以外はかなり舞台版に忠実な映画化になっていて、それゆえにやたらハンパなモノになってしまった感があるわ。   ジェリクルキャッツって何よ? 天上に昇って再生を約束されるって何よ? なんでオールドデュトロノミーがそれを決められるのよ? なんで候補者が基本しょーもない連中ばっかりなのよ? グリザベラがあれだけで全部かっさらっていっちゃうのはなんでよ? 唯一のその名って何よ? ってよく判んないそれらは舞台版そのままよ。っていうか映画版のグリザベラはなんかオドオドし過ぎちゃってて挙動不審で舞台版よりも更にヘンね。  舞台版から大きな大きな変更があったのはアスパラガスとグロールタイガーとの関係性ね。なんでガスがグロールタイガーを倒すのよ?どういうコト?みたいな。グリドルボーンとのデュエットは唯一のラブソングなのに、そこを削っちゃった(っていうか設定自体がおかしなコトになっちゃった)のは残念としか言えないわよ。   そして何より問題は、ネコの姿の表現。不評だった当初バージョンより毛のCGを改善したバージョンだそうだけれど、そんなところが問題じゃなくって。どっちつかずでハンパなのよね。単純にレオタードにネコ耳とシッポだけ付けた、役者さんの顔をきっちり残した状態か、さもなきゃ役者さんにモーションキャプチャーしたフルCGにしちゃうか、どっちかに振りきっちゃえばいいのだけど、半獣半人の『ドクターモローの島』状態になっちゃってて、これじゃクリーチャー映画だわ。   あと、ダンスが重要な作品なのに、カット割り細かくてアップ多くて余計なカットのインサート多くて残念な事に。ダンスシーンではちゃんとダンスを見せてナンボでしょうに。   それでも楽曲は舞台版にほぼ忠実、曲順もほぼ忠実、ってコトで、曲を堪能することだけはできたわ。見たのは字幕版だけど頭の中では四季オリジナルキャストの日本語版で歌ってたわ。曲でワクワクできた、って、でもそれだけかなぁ。しかも映画の役者の人達はみんなあーんまり歌が上手くなかったのよね・・・
[映画館(字幕)] 5点(2020-01-24 20:53:53)(笑:1票) (良:1票)
140.  フォードvsフェラーリ 《ネタバレ》 
 判るわー、ル・マンはしばらく走ってないけれど、ミュルサンヌコーナーでのブレーキングはかなり勇気が試されるわよねー(もちろんゲームでのハナシ)とか、そんなに回転数を上げたいならHONDAのVTECエンジンを使えばいいじゃない、9000回転なんか楽勝よ(登場はこれより25年くらい先のハナシだわ)とか、アホなコト考えながら楽しんでたけれど、でも楽しめたけど色々ひっかかった、みたいな映画だったわ。   まずいちばんひっかかったのがフェラーリがただのマヌケな悪役。あんた、フォードなんてマスタングとフェスティバくらいしか知らないわよ、ってゆーかフェスティバ作ってたのはマツダだわよ、フェラーリなんかテスタロッサとかF40とかF355とかエンツォとか名車いっぱいあるのに、そのフェラーリをバカにしてるの?みたいな。まあ、市販車じゃなくてレースでのハナシだし、フォードも企業としては悪として描かれてたのだけどもね。  でもフェラーリのピットクルーのバカっぷりは、デイモンがいちいちやらかす小賢しいマネ(ストップウォッチとかナットとか)も含めて見ていて決していいキモチはしないわ。  この映画はそういうノイズがいっぱいあって、ストイックなベールと対比させ存在を浮き上がらせるための手段ではあるのだけど、あくまで雑音は雑音なので鬱陶しいのよね。  それは彼を取り巻くもの総て、そう、フォードの姿勢やフェラーリの在り方、デイモンのキャラだけじゃなくて、彼の奥さんや子供の存在にまで及ぶわ。夕暮れの親子のシーンなんて素晴らしい空気感だったりするのだけど、基本は彼の周囲がいちいちしゃしゃり出てきてノイズとなって翻弄されてるの。なんだか気の毒だわ。  そういうゴタゴタしたシーンを置くのなら、一方でもっともっとベールとマシンが対話するシーンに拘りまくって欲しかったわ。  エグゾーストノートとロードノイズに包まれたコクピットで感じる高速の世界、それは音響過剰気味な109二子玉川のIMAXでも満足できるレベルではなくて。彼が独り解放される世界の美しさ、それをキッチリ対比できていたら、って。もっとフェティッシュで良かったと思うの。   CGであり得ない走り方してまーす、って状態ではなくて、キチンと路面を捉えて走行してる画です、って、そういうのはとても良かったのだけど、全体的には「会社の意向」で娯楽映画としての作りを求められてるようなカンジがして、まあ及第点的実話映画でしたわね。
[映画館(字幕)] 6点(2020-01-23 20:11:35)(良:2票)
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