121. フルメタル・ジャケット
前半10点後半6点平均8点!?ホラー性とアイロニー性とコメディ性と娯楽性の詰まった映画史上に残る前半部の見る価値がこの作品の存在価値そのもの。この前半部がプラトーンについてたらゴッドファーザー等と並ぶ映画史上最高傑作の1つが誕生してたな。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-28 23:15:25) |
122. アナザー プラネット
なかなか興味深いトレーラーだったが、どうせ制作費の関係でいつもの安っぽいSFかなとあまり期待しすぎずに見てみたら・・・誰もが思い当たる人生の岐路と自責・後悔の念を掘り起こすメインテーマにSF的設定をうまく絡めた骨太ヒューマンドラマだった。人生の選択のもう1つの展開をもう1つの地球という「ぼんやりとした」存在で薄い期待感を漂わせる演出がにくい。テレビやラジオを中心に組み立てられたリアリティのある鳥肌モノの時代・空気感と、印象に残る綺麗な映像に加え、これぞSFの醍醐味という考察甲斐のあるラストまで完成度の高い低予算SF映画だ。 [DVD(字幕)] 8点(2012-03-22 16:34:35) |
123. ALWAYS 三丁目の夕日‘64
これまでは多少強引でもステレオタイプ的な昭和感や風景を描いてきたが、今回はそれよりもストーリーに重点を置いた内容に。個人的には昭和の風景の再現こそこの作品のキモだと思っており、今回もてっきりオリンピック(特に東洋の魔女)に熱狂する東京の人々を中心に描いた映画だと思っていたので多少期待外れの感はあったが、さすがに前作、前々作からは5,6年の月日が流れているわけで、東京オリンピックに関連するエポックメイキングな出来事にカラーテレビの普及があるが、これこそテレビ時代の到来、記録映像時代の到来を表しており、当たり前のように道を横切る都電や上野駅に入線するC62や151系こだま号といった「今や見ることはできない」風景の再現も、この時代辺りからは比較的良い記録映像が残っており再現しても目新しさは薄れるわけで、作品としては今作はこれで正解だったのだろう。これまでの作品でのこの登場人物たちは昭和の風景のナビゲーターに過ぎず、そこで繰り広げられるドラマは他の人物の他のドラマでも良い感はあったが、今作を見て彼らで良かったと感じられた。昭和ナビゲート映画ALLWAYSはこれにより愛すべき登場人物の「成長」を追う三丁目の夕日という1つの物語として成立した。ここまで来たら蛇足的でもかまわないので70年万博完結編を見てみたい。 [映画館(邦画)] 8点(2012-03-15 17:02:16) |
124. ハッピーフライト(2008)
ANAの完全協力による社会見学もといお仕事の裏側密着映画。CAだったり管制官だったり個々の職業にスポットを当てたドラマというものはこれまでも多くあったが、ここまで裏方も含め航空業界の仕事をまとめ上げたものは無かっただろう。それもただの企業宣伝に終わらず、コメディタッチで小気味よくも、航空業界らしく緊張感を保ちつつ進む。唯一、ANAの協力の手前壮大なパニック映画にするわけにもいかず、アクシデントがもの足りない部分はあるが、それでもそういうことに極めてナーバスな業界であることを考えればがんばった方か。興味深く単純に面白い優れたエンターテイメントだ。 [DVD(邦画)] 8点(2012-03-10 04:22:04)(良:1票) |
125. エイリアン3
パニックアクションの完成形的作品だった前作からは一転、再びSFに。シリーズの中では最もSF臭さがあり破綻が少なく納得して見られる。一連のシリーズの完結編としてかなり良好な作品。せっかく綺麗に収まったというのに、4は無かったことにしたほうがいいのではないか… [DVD(字幕)] 8点(2012-03-09 05:29:40) |
126. エイリアン
ジョーズやスターウォーズなどの影響がアリアリと、当時の流行に乗ったとも言えるが全く二番煎じに終わらない意欲作。洗練されたデザインと、全て見せないことでアンソロジーの生まれる余地を残した展開。マニアックさとキャッチーさのバランス感覚が抜群。細胞レベルで鳥肌モノです [DVD(字幕)] 8点(2012-03-07 04:30:20) |
127. コンテイジョン
単なるウィルスパニック映画になりそうなところだが、何が善で何が悪か、何が正解で何が間違いか、どこに寄りすぎることもない多角的な視点から社会状況を個性派俳優の惜しげもない投入で描いたまさに渾身のリアリティをほこる社会派パニック映画に仕上がっている。この臨場感とスリルは味わう価値あり [DVD(字幕)] 8点(2012-03-03 16:50:55) |
128. RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語
いや、いいねベタベタで。現代的な目で見ると社会人としてどうかと思わされる部分があったり、ご都合主義のようにも見える脚本だが、別にいいんだよね。これが日本の古い美徳なんだから。むしろそんなモノがいちいち気になったり、突っ込んだりしそうになる自分の世知辛さと了見の狭さが虚しくなる。そういう社会から脱却して生きようとするサラリーマンがテーマなんだから突っ込んだら野暮だわな。現代の日本人が忘れがちな日本的美徳をこれでもかというほど描いたストーリーと、主題歌はアメリカの心がエアロスミスなら、日本の心は荒井由美。これは日本版アルマゲドンです。 [地上波(邦画)] 8点(2011-12-19 21:33:05) |
129. ディパーテッド
インファナル・アフェアに意外と忠実なリメイクだが、細かい変更点はさすがにセンスあり、特にラストの部分はオリジナルよりスッキリして好き。またこの個性豊かなキャスティングを実現したことはリメイクの陳腐さをそれほど感じさせずファインプレーだろう。一見タランティーノ映画のようで、クセは無いスタイリッシュな仕上がりと、ストーリー自体はヒネっているが見せ方は下手にヒネらず心理描写中心に、ムーディなオールディーズとスピード感のある演出はやはりスコセッシ。この人はグッドフェローズで監督賞を取るべきだったとは思うが、ひとまず昔年の悲願達成おめでとうございます。 [DVD(字幕)] 8点(2011-12-10 01:59:56) |
130. 裁判長!ここは懲役4年でどうすか
ぐるりのこと。のレビューで傍聴モノだけで一本作ってほしいと書いていたので期待の一本。社会問題クラスの超有名事件を扱っていたぐるりのこと。と比べて三面記事レベルの珍事件中心の構成だが、コメディとして優れた構成に仕上がっている。多少もの足りない部分もあるが、これだけ興味深くて、ところどころ笑わされたら高評価にするしかないなぁ。7点+オリジナリティで1点 [DVD(邦画)] 8点(2011-10-27 14:25:05) |
131. NANA
元がヒット漫画でストーリーは抜群、そして原作にかなり忠実な脚本ということで問題はキャストになるが、なかなか秀逸なキャスティング。Hydeの主題歌もパンクでこそないが世界観を上手くつかんだ名曲。これぞメディアミックスの見本であり、漫画の映画化としてはかなり良いファンでも十分満足できる出来だ。 [DVD(邦画)] 8点(2011-10-03 02:17:24) |
132. es[エス](2001)
CUBEのような集団心理の流れの恐ろしい緊迫感が味わえる衝撃的な心理ゲーム。プリズンブレイクの原点はここに [DVD(字幕)] 8点(2011-10-03 02:11:20) |
133. トイ・ストーリー
シリーズとして見た場合はCGアニメ黎明期らしい模索感が感じられるただの粗いアドベンチャーと言った所だが、(実在も含む)おもちゃが動き出すという斬新な設定とこの映像でなければ出せない質感、とにかく当時は衝撃的な新感覚映画だった。唐沢&所ジョージの吹替えで十分楽しめるのはアニメの良いところ。ダイヤモンドユカイの主題歌もGOOD! [映画館(吹替)] 8点(2011-09-26 15:50:35) |
134. ぐるりのこと。
法廷画家という主人公の職業を通して宮崎勤や宅間守、お受験殺人、オウム事件等の裁判を傍聴させるという描きかたが秀逸。同時に欝の妻と社会変動に振り回される妻の家族を描くことで、社会から逸脱し特異な犯罪を犯した犯人と、ごくありふれた日常の社会病理を平行して描き、いかに逸脱せずに生きられるか、現代社会の社会病理を鋭く突いた傑作の社会派作品となっている。特に裁判部分は有名事件の裁判の傍聴ものだけで一本作って欲しいほどの興味深さで、逸脱してしまった犯人の言動は時にコミカルですらある。それにしても木村多江、冒頭やたら明るい女性だったので木村多江が明るい役とか珍しいな!と思ったら案の定である。子供に戻ったかのように泣きじゃくる脅威の演技。ハリウッドにもあれほど汚い顔で綺麗な涙を流せる女優は居ないだろう。それにしても木村多江、化粧で整っているときより顔が崩れれば崩れるほど魅力が増していく謎な女だ [DVD(邦画)] 8点(2011-06-17 14:59:54) |
135. タイタンズを忘れない
いやあいいなぁというスポ根青春モノ。しかも人種差別問題を扱った実話に基づいたストーリー。よくぞここまでまとまったなあ。アメリカのカレッジフットボールの「アツさ」に触れられる一本。アメリカも日本も変わらない。高校球児の夢が好きな日本人ならしっかり浸れます。 [DVD(字幕)] 8点(2011-06-16 14:06:54) |
136. 運命じゃない人
多角的視点の映像を時間軸をずらしながら見せ、最後に裏をかくというサスペンス。油断してると一瞬混乱するが、基本コメディでロードムービー風の味付けもありつつさらに板谷由夏が綺麗という…いやそれは関係ないか。ひとこと、面白い。邦画は大作よりえてしてこういう作品に傑作が隠れてるねえ。 [DVD(邦画)] 8点(2011-06-16 13:57:45) |
137. 東京タワー オカンとボクと、時々、オトン(2007)
最近流行りの昭和ノスタルジーの日本映画の1つ。周りの友人は揃って感動して泣いてたが、個人的には感動というより微笑ましかった。「母の死」という題材1つで多くの人を感動させ、また一部には微笑ましさで笑顔すら与えるのは樹木希林の為せる業。昭和と日本と家族を描いた傑作です。 [DVD(邦画)] 8点(2011-06-15 23:04:02) |
138. オープン・ウォーター
《ネタバレ》 シチュエーションだけで後は創作って何が実話が元だっていう話だが、実話が映画化されたってことは生還するに違いないという印象を視聴者に与えるためだとしたらまあアリ。「興行の神様」スピルバーグが撮ったのがエンターテイメントなジョーズだとすると対極にあるリアリティ追求作品がこれ。確かに現実の状況だとしたらそりゃ海中もはっきりは見えんし、スリルのあるBGMもならんし、都合いいタイミングでサメに襲われたり救われたりするイベントも起こらないし、海上でラブラブもせんだろう。普通は波の音の中に何事もなく漂い続け・・・カップルならああいう喧嘩をするよなあw。作り上げられたホラーに飽き飽きしてきた人にはお勧めのスリラー。7点だが、こんなTVを含め使い古された題材ながらジョーズの2番煎じには終わらないオリジナリティで+1点。あ、もちろん作品としてはジョーズのほうが一枚も二枚も上手ですよ。 [DVD(字幕)] 8点(2011-06-06 23:52:40) |
139. スラムドッグ$ミリオネア
インドの社会(特に子供を取り巻く環境)をクイズミリオネアを「味付けに」描いた社会派ヒューマンドラマの傑作。その異質なプロットに、てっきり実話だと思ってたが実話じゃないことに逆に驚き。なんで思いつくの。インドの空気が感じられる映像と、とにかく話の作り方と盛り上げ方が巧い。客に様々な感情を与える要素が絶妙のバランスで組み合わさっている。エンターテイメントだね [DVD(字幕)] 8点(2011-06-01 04:40:20)(良:1票) |
140. イングロリアス・バスターズ
「全員悪役」。タランティーノの映画がどういうものかわかっている人が見れば大傑作。 [DVD(字幕)] 8点(2011-05-30 07:12:26) |