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枕流さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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121.  ノーカントリー 《ネタバレ》 
コーエン兄弟の冷徹な無常観が最も分かり易く現れた作品であり、彼らの映画が苦手な私でも楽しめる作品に仕上がっている。「バーバー」でも感じたが、彼らは人生における「運」や「偶然」に対する執着心が強い。いいことをした奴が殺されたり、悪い奴がのさばったりする様を淡々と描いて、多くの観客の不快感を煽る。破壊的なまでに不条理なストーリーが多いのだが、不条理という「理」にも縛られないので、まるっきり予測不能で解釈しにくい。 映画を含めた「作品」には多かれ少なかれ、製作者の理想や考えが混入される。これは当然のことで、そうでないと何を伝えたかったんだ?ということにもなりかねない。コーエン兄弟がすごいのは、実話的な不条理さを抉り出し、それを観客に単に「提示」するところなのだ。「実話的な不条理さ」と書いたが、現実とは不条理なものだ。親切心から殺される人もいれば、悪知恵で難を逃れる人もいる。その様をコーエン兄弟は何も加工せずに観客に見せる。誇示するのでもなく、オブラートに包むのでもなくただあるがままの姿で。その伝え方も彼らが伝えたいことの一部なのだろう。 もちろん、撮影方法や話の進め方、画面の構成や音響など、技術的な部分では十分に工夫が凝らされている。本作では、夜に話が多く進行することもあり、明暗の使い方が特にうまいと感じた。 ハビエル・バルデム演じる殺人鬼が人の命を淡々と奪っていく様は本当に怖ろしい。彼の交通事故は先述の「バーバー」からある程度予測できたが、その後の少年たちとのやり取りにはやられたと思った。ラストのトミー・リー・ジョーンズの夢の話には正直ピンと来なかったが、アカデミー賞を取るのも納得できる出来栄えだった。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-22 22:06:13)
122.  シモーヌ 《ネタバレ》 
アンドリュー・ニコル監督の作品はどれも好きだが、この作品も期待を裏切らない出来だった。この監督がうまいところは、ちょっと笑えないレベルの話すらも笑いに変えられるユーモア精神、人物造詣とストーリーテリングの妙、それに印象に残るシーンを作り出すことができるところである。また、基本的に、話の展開が控えめでやりすぎないところもよい。 本作もアクの強いアル・パチーノをうまく使って嫌みのないハートフル・コメディに仕上げている。彼が演じるヴィクターの深い悩みは映画界だけにとどまらず、様々な世界で働く才人に共通した悩みであろう。使える奴がいない⇒作り出したい。ヴィクターはその夢をかなえるのだが、最終的には人間とのコミュニケーションを求めざるを得ない。ラストシーンにはその素晴らしさが溢れており、逆説的な人間讃歌に仕上がっている。元妻役、娘役の好演も光った。特に娘はすごくかわいらしく、エヴァン・レイチェル・ウッドの名前は覚えておこうと思った。 現実的には、映画監督ヴィクター一人でシモーヌの演技全てを作り出すなんて絶対無理に決まっており、土台無理があるストーリーなのだが、一編の寓話としてみると、非常に面白い。ニコル監督の近況としては、ダリをモチーフにした作品の次には、お得意のSF映画が控えていると聞く。ますます目が離せないのだが、最もびっくりしたのはこの映画の後、シモーヌ役のレイチェル・ロバーツと結婚していること。なかなかやりおる…。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-14 14:45:43)
123.  フィクサー(2007) 《ネタバレ》 
冒頭のモノローグから一気に引き込まれた。トム・ウィルキンソンではなく、ティルダ・スウィントンの方がアカデミー賞を受賞したようだが、個人的には前者の演技力に魅せられた。しゃべり方や顔の作り方で、精神の不安定な動きをとてもうまく表現している。さすが名脇役だ。 話の筋は、それほど強烈なものではないが、それぞれに弱さを抱えた登場人物たちの思いがよく伝わってきた。これは、キャストの演技力に負うところが大きい。話の伏線として、ファンタジー小説の筋について、マイケルの息子とアーサーが電話で会話するところは、脚本が上手だなと感じた。「皆が同じ夢を見ているのに、それを口に出せない」という部分は、組織の弱さをうまく衝いた言葉で、アーサーが感銘を受けるのもうなずける。 ラストは凡庸でちょっと詰めが甘すぎる気がしたが、ここでのスウィントンの演技は素晴らしく、脇役対決を制したことにあまり違和感は無くなった。お手本のような社会派作品と言うと褒めすぎだが、きちんとツボを押さえた作品に仕上がっている。
[DVD(字幕)] 8点(2009-02-08 17:42:19)(良:1票)
124.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
クールなオープニングに加え、けっこうハードなバイオレンスシーンで、冒頭から圧倒される。今までとは違うんだぞ!という監督の心意気を示し、観客の意識を引き締めてくれる演出が心憎い。引き続いて、マダガスカルでのチェイスシーンもド迫力の中で、新しいボンドのパーソナリティーを無駄なく説明しており、監督の手腕を感じる。 メインがポーカー勝負ということもあり、盛り上げ方は難しかったようで、ストーリーの中盤はアクション映画とは最早呼べないような状況になっており、確かに少しダレる。しかし、ホテルのバスルームのシーン等、ドラマ性を高めるシーンは増えており、作品の出来としては、全く見劣りしない。ラスト、泣けるし。 昔のボンドに郷愁を感じられる方も多いようだが、特に思い入れの無い僕にとっては、今作のボーンシリーズ風のボンドで全く問題なし。むしろ、ダニエル・クレイグはすごくセクシーだと思う。「かっこ良さ」の基準も変わってきていて、現代は、やはりこういう人間味のあるキャラクターがウケるのではないか。あえて、下品な表現をすれば、ボンド・ガールをとっかえひっかえで良いのか?という話だろう。女性の地位が向上してきた、時代の要請に合った方針転換であり、好ましいと思う。エヴァ・グリーンがハマリ役というのもありますが、「モノを言う」女性が相手役と言うのも良いと思う。
[DVD(字幕)] 8点(2009-01-24 22:04:46)(良:1票)
125.  ワールド・オブ・ライズ 《ネタバレ》 
これはまたガツンと来る映画でした。リドリー・スコットの面目躍如といった感じでしょうか。ストーリーはほぼ1本に収斂されており、単調と言えないことも無いのですが、骨太なストーリー展開がそれを補って余りあります。主役の2人+マーク・ストロングがいい演技をするものだから、映画に文字通り引き込まれました。 話の内容はさておき、この映画で最も面白かったのは、やはり上記の三者の関係性でしょう。会社で言えば、本社と現場と取引先でしょうか。この三者の虚々実々のやり取りにはシビれました。あくまでも正論をふりかざす本社、誠実さを要求する取引先、間で苦慮するのは現場なんですねえ。普通のビジネスと違うのは、バランスの取り方で死ぬか生きるかが決まるということ。ストーリーの内容よりも、ヒリつくような緊張感をもった三者の関係性こそが、この映画のキモではないかと感じました。 強烈な印象を残す!というわけではありませんが、高いエンタテイメント性を保ちつつ、リアリティとフィクションの絶妙な隙間を描ききった佳作と言えるでしょう。 ラストのディカプリオの眼の演技もいい!ちょっと偉そうかもしれませんが、何て言うか、いい俳優になったなあと感動しました。
[映画館(字幕)] 8点(2009-01-17 22:33:36)(良:3票)
126.  ダークナイト(2008)
バットマンシリーズはバートン版への愛着が強いため、この点数になってしまうが、これは紛れも無く傑作だ。バットマン=アメリカ、ジョーカー=テロ組織と考えれば、テロの続発に対するアメリカの苦悩が透けて見える。 愉快犯・信念犯は防ぎようが無い。彼らテロリストが跳梁跋扈する中で、アメリカはどうすればいいのか?これがこの映画の紛れもないテーマだ。暴力に対しては、暴力で対抗するほか無い。だが、果たしてそれでいいのか?バットマンの苦悩はそのまま今のアメリカのそれにつながる。 優れた社会派作品であり、大人向けの映画。ヒース・レジャーの演技には、個人的には満点をつけたい。合掌。
[映画館(字幕)] 8点(2008-08-10 00:30:58)(良:1票)
127.  ウディ・アレンの重罪と軽罪 《ネタバレ》 
数あるアレン作品の中でも、特にシリアスものとして位置づけられる作品。この映画を包み込む重苦しい雰囲気の中で、冴え渡るアレンのジョークはうまくスパイスの役割を果たしている。これがないと、この作品は重厚だが、若干平板な物語になってしまっただろう。 アレンはこの作品の中で人間の「罪」(sin)についての考えを観客に披露するが、それはおそろしくペシミスティックなものだ。最終的にこの映画が言いたいことは、「因果応報など存在しない」ということではないか?純愛は報われず、愛とも呼べぬ欲望に身を任せた者が繁栄するラストは絶望的で泣きたくなる。 厳しい視線で人間の哀しみ、滑稽さを鋭く捉え、絶えず自己の客体化を繰り返すアレンのコメディが面白くないわけが無い。この作品はアレンの卓越したコメディセンスを逆説的に証明している。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-27 02:40:03)
128.  タロットカード殺人事件 《ネタバレ》 
確かにうまく出来たサスペンスじゃないかもしれないですが、そんなことはどうでもいいとか言ったら、怒られちゃうでしょうか?確かに、犯人がカードと鍵を何で隠しとくのか意味分からんです。さっさと捨てるだろ、普通。。。 しかし、映画ファンである前にウッディ・アレンファンだ!と言える位の私にとっては、この映画は完全に当たりでした。しかもスカーレット・ヨハンソンも一緒と来た日にはもう。。。二人の掛け合いが最高でした。イギリス上流階級ネタを巧みに挟んでくるアレンの才能は衰えていませんね!ヨハンソンのアレンに対するSキャラぶり、恋人に対するデレデレぶりも笑えました。ヨハンソンはきれいだし、「マッチポイント」の時も思いましたが、演技もうまいんですよね!今回は、水着シーンもあり、セクシーな魅力も満喫できます。すっかりウッディ・アレンのミューズになった感がありますが、次はこのコンビは何をやってくれるのでしょうか?今から期待してしまいます。小品としての完成度はかなり高いと思います。ラストとか爆笑しました。 最後に、他のレビュワーさんも指摘していらっしゃいますが、確かにこのタイトルはありえ無いですね。センス悪すぎ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-06 17:44:59)
129.  殺人の追憶 《ネタバレ》 
いかつい。つくりは重厚、演技は迫真。久しぶりにこんなにいかつい映画を観た。2人の刑事の関係性の変化、事件の展開、どちらも濃厚で見ごたえは十分。筋は忘れたけど、ジャック・ニコルソンの「プレッジ」を思い出した。派手な映画を好きな僕としては、点数を低めに抑えがちなジャンルなんだけど、ここまで骨太な感じで押してこられると、あっさり寄り切られて高評価になっちゃいます。刑事映画が好きなら外せない一作であることは間違いないでしょう。 7点か8点かで迷ったけど、ソン・ガンホのラストにやられたので8点。
[DVD(字幕)] 8点(2008-06-21 23:30:15)(良:1票)
130.  魔法にかけられて 《ネタバレ》 
いわゆるディズニー的アニメ世界から、悪い女王に騙されたお姫様が現実世界に放り込まれた!さて、その後の展開は? アイディアからしてセンス抜群でこれが面白くないわけが無いと期待していたけど、まさに期待を裏切られない快作でした。こういう自虐ネタをディズニーがやるというのは初めて聞いたのですが、うまく素材を料理できています。ディズニー世界対現実(NY)世界という構図で物語が進むのですが、その一長一短振りをうまく描き出せているのが、特に良い点でしょう。この世知辛い世の中に、ディズニー的な愛や夢を語っても、実践してもいいじゃないか!僕もつまらない世の中に愛のスパイスをふりかけて、何とかやっていきます。ありがとう、ジゼル。 当然お子様が見ても楽しめます。GW真っ只中とはいえ、10時開始と比較的早い時間帯に鑑賞しましたが、子供の笑い声が劇場に響いてました。いい時間を過ごせました。
[映画館(字幕)] 8点(2008-05-06 18:03:39)(良:1票)
131.  ボルベール/帰郷
「オール・アバウト・マイ・マザー」を前に観て、「ちょっと苦手かも」と食わず嫌い気味だったアルモドバル監督ですが、母親が意外と高評価だったんで観てみることにしました。そもそも、この映画、近親相姦がテーマというところで、かなり引いてたんですが、実際に観てみるとそんなに嫌な描写があるわけでもなく、プロモーションの仕方に少し腹が立ちました。 まさに「オール・アバウト・マイ・マザー」と非常に似たコンセプトの作品なのですが、脚本がこちらのほうがしっかりしてるかなという印象。お茶目なおばあちゃんも自然体な娘も少し引っ込み思案のお姉ちゃん(演技がうまい!)もいい味出してましたが、舞台の中央で大輪の花を咲かせていたのは、やはりペネロペ・クルス。圧倒的にグラマラスな肢体を原色の衣装で飾ったその姿には、見惚れるしかありませんでした。気性の激しい強い母親を見事に演じきった、その演技力もすばらしい。女性讃歌であると同時に、男性でも楽しく観られるこの映画は傑作と呼ぶしかないでしょう。 「アラビアのロレンス」のような男性しか出てこない映画も大好きですが、こういう女性しか出てこない映画も新鮮で楽しめました。脚本もアルモドバル監督なんですね。こんなに深く女性を描けるなんてすごい人だ。少なくとも、男性から見た女性は描ききれていると思います。
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-18 00:16:36)
132.  抱擁(2002)
原作を半年かけて少しずつ読み進め、先日ようやく読了。やっと観られる!と張り切って鑑賞しました。 原作とは設定がいろいろ変えてあり、最初は少し戸惑いましたが、よくまとまっていると思います。ただ、主人公をアメリカ人にして、新進気鋭の研究者!みたいにしたのはどうもいただけないですが。原作では、もっとコンプレックスの塊でうじうじした人間なんですよね。それが、少しずつ変わっていく様とかが面白かったのに。しかし、限られた時間で筋を追いながらそこまで描くのは、土台無理な話でしょうから、しょうがないのかなと割り切りましたし、映画の出来もそこは割り切ってもいいかなと思える位の完成度に達していました。過去と現在を交錯させる撮り方も、うまく行っています。 映画として、単体で観ても面白いでしょうし、原作も、もちろんよくできている(ただし、長い上に詩や手紙の分量が膨大なので、読書力は要求されます)ので、原作のパイロット版として観るのもいいかもしれません。 ただし、パッケージ(文庫のカバーもそうですが)がやたら卑猥っぽいのだけはどうにかして欲しいですね。因みに私は、カバーをはずして読みました。女性向けの作品(だと思う)なのに、これじゃ借りにくいんじゃないかなあ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-16 23:08:12)
133.  バットマン リターンズ
この映画を劇場で観たとき、僕はまだ小学生でしたが、ものすごい衝撃を受けたので、今でも覚えています。ペンギンのあまりに強烈なキャラクターと妖艶なキャットウーマンのコスチュームだけでもお腹いっぱいなのに、今回観かえしてみたら、クリストファー・ウォーケンまで出てるんですね!なんちゅう豪華キャスト! 当時はゴジラとかドラえもんとかばっかり劇場で観ていたんだけど、この映画を観た頃から本格的に映画の魅力に取り付かれたような気がします。15年経った今観ても、やはりすごい映画です。バートン節全開ですね。口から緑の液体を垂らしながら生魚を食うペンギンの姿はR-12指定でもおかしくないと思います。けっこう情熱的なキスシーンもあるしね。子供映画だからといって手を抜かない監督とワーナーの姿勢に心からの拍手を送りたい。 個人的には、将来、子どもに観せたい映画No.1です。僕のルーツになった映画ですから。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-18 22:47:54)
134.  ブラックホーク・ダウン 《ネタバレ》 
この映画は、やっぱり戦闘シーンの醍醐味に尽きる。アメリカ軍の協力を得て、実現された圧倒的な迫力とスケール。戦場の有無を言わさぬ緊迫感、そして不条理な命令への怒り。「戦闘は司令室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!」的な兵士たちの思いがスクリーンを通じてビシビシ伝わってきます。特に車輌隊を率いるマクナイトが本当にかっこいい。戦うなら、あんな上官の元で戦いたいものです。絶対的な命令系統のもつ美しさが遺憾なく描けていますね。 一方で迫り来るソマリア人の恐怖。群衆がヘリに向かってアリのように(まさに昆虫的です)押し寄せるシーンは、非常にうまく観客の恐怖心を煽ります。「スターシップ・トゥルーパーズ」を髣髴とさせる撮り方です。好き嫌いあると思いますが、個人的には非常に好きな撮り方です。「確信犯的な一面性」。人間(米軍)の心理をよく描けており、感情移入し(てしまい)やすい見事なシーンです。 しかし、軍の協力を得た代償も大きかった。わざとらしい戦死シーンやパキスタン・スタジアムに帰ってきてからのシーンは悉く不要です。「そんなものを描きたい映画なのか?この映画は!」っちゅう話ですよ。この点では、バーホーベンの完勝ですね。大人な対応が透けて見えるのがちょっとヤダ。
[DVD(字幕)] 8点(2008-02-18 00:56:30)(良:1票)
135.  花とアリス〈劇場版〉
以前、「リリイ・シュシュのすべて」を劇場で観ました。二度と岩井俊二監督の映画は観るまいと思いました。私にはなぜこんな話が作られねばならないのかが理解できなかったからです。それほどつらいし、悲劇的過ぎて、リアリティに欠けると感じたからでした。「そこまでやるか?」と言うのが正直な感想でした。完全に閉じられた世界、完結した世界がそこにはありました。しかし、今回、同様に完全に閉じられた世界の物語であるこの映画を観て、少し印象が変わったような気がします。少し、観方が分かってきたと言うことかもしれません。外界の騒音には耳を閉ざし、この映画の中に入り込んでみると、そこには魅力的かつリアルな世界が広がっていました。ただただひたすら美しいですね。カメラワークがとても素敵です。主役の二人の魅力を余すことなく100%伝えてくれていると思います。 しかし、同時にそのように映画を観ることは、私には非常に困難であることもわかりました。たとえば、最後のバレエシーン。確かに美しいですが、私にとっての「映画」からしてみると全く不必要な場面です。ですが、この映画を「内側」から観れば、紛れも無くこの映画の画龍点睛となる場面、パズルの最後の1ピースとなるべき場面です。そういう観方を心がけ、次は「リリイ・シュシュのすべて」に再挑戦です。
[DVD(邦画)] 8点(2008-01-20 19:51:55)
136.  ウディ・アレンの誰でも知りたがっているくせにちょっと聞きにくいSEXのすべてについて教えましょう 《ネタバレ》 
けっこう優れていると思いますけどねえ、これ。下ネタ好きじゃないと絶対無理な話たちなんだが、私の一番好きなネタが下ネタというのも影響し、かなりの高得点です。全体を通じて楽しめましたが、やはり最後の体内(精子)ネタがベストかと。でも、このネタならアレンじゃなくても面白く作れそうな気もしますから、巨大化したおっぱいの話を押したいと思います。ブラの模型って!まじ最高でした。羊の話での羊を前にした時の医者の顔の変わりかたもウケる。彼女や友達が笑えなかったらアレなので、一人で見てくすくす笑うのが、この映画の正しい見方だと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-06 22:12:06)
137.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
「愛」をきちんと描けている映画は、いつ観ても美しいし、楽しいし、少し切ない気分にさせてくれる。この映画も見事な恋愛映画に仕上がっている。特に、片思いの男のエピソードは出色。自分の最愛の女性と親友の結婚式。僕もビデオに撮っちゃうと思う。それを見返すことは傷口に塩を塗りこむようなことなんだけれども。でも、撮っちゃうんですよ、自分にとって最高に美しい人が最高に輝いている瞬間ですから。少年の言うとおり、片思いは一番つらい恋の形。でも、同時に甘美な刻でもあると思う。自分が自分を最も輝かせようとする時なのだから。そして同時に、心底相手の幸せを願わずにいられない、「無私」になれる時でもあるのだから。それにしても、アメリカへの批判はもうちょっと軽やかに表現してほしかったなあ。イギリスはもっとウィット(機知)を重んじる国じゃなかったかな?
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-09 23:18:18)(良:1票)
138.  マッチポイント 《ネタバレ》 
話はほとんど必然で進んでいくんだけれども、この映画のテーマは「運」。このテーマを印象的に取り入れられている時点で、映画として間違いなく成功している。いつものウッディ節を期待してると裏切られるが、そのストーリーテリングの妙は健在。 スカーレット・ヨハンソンは相変わらずエロいが、この作品ではその演技力に驚かされた。序盤の酔っちゃったシーンや終盤のヒステリックでうっとうしい演技は見事!いそういそう、こういう風に豹変する女。まあ、男目線ですが。 オペラ以外、BGMをほとんど使わない作りも良いですね。特に椿姫の一節は繰り返し使われ、効果的です。処々で繰り広げられる会話もリアリティがあり、監督のセンスを感じさせます。どちらかと言うと玄人好みで観る人を選びそうな作品ですが、僕は好きだなあ。
[DVD(字幕)] 8点(2007-11-26 23:58:02)
139.  リトル・ミス・サンシャイン 《ネタバレ》 
高校の頃に観たら絶対に泣かなかっただろう。この映画を観るためには、まずちょっと疲れていることが必要だ。人間の温もりを欲しているときに観ないとただのだめ人間映画になってしまう。負け犬ではなくとも、負け犬に共感できる心、ひょっとしたら自分もだめ人間かもと思えるくらい弱い人間でなければ、この映画の面白さは分からない。もうほんとリチャードとか最悪でほんとどうしようもないくらい頭悪い奴なんだけど、ラストで踊ってくれたから、それでいいのだ。オリーヴはお腹出ていてもかわいいのだ。これでいいのだ。最強の現状肯定映画がここに。
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-04 22:24:51)(良:2票)
140.  未知への飛行 《ネタバレ》 
大都会に住むのもリスク高いな。 こんな名作が日本未公開とは。驚きました。
[DVD(字幕)] 8点(2007-09-17 23:24:18)
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