121. Z
《ネタバレ》 前知識なくいきなり観たので、まさかこれほどまでに思想的・政治的な作品だとは思わず、面食らった。 しかし、とてもスピーディな作品で、苦もなく観ることができた。 その時点で既に傑出した作品だ。 主演のイヴ・モンタンは、中盤であっさり殺されてしまい、これまた面食らった。 これで主演とは。 それにしても、イヴ・モンタンって、こんなに長身だったっけなぁ。 スーツ姿でユラユラと歩く姿が、とても威圧感がある。 すごい存在感だ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-01-21 21:04:02) |
122. 地下室のメロディー
《ネタバレ》 ジャン・ギャバンとアラン・ドロンという二大スター競演! これだけで十分満足です。 最後は“やはり”といった感じの、いかにもフランス・フィルム・ノワール的な終幕で苦笑させられました。 しかし、ラスト20分の緊迫感は、なかなかものだったんじゃないでしょうか。 わざわざ人目に立ちそうなプールサイドを現金の受け渡し場所に指定。 あれだけ用意周到だったジャン・ギャバン演ずるボスにしては、かなり無理があるような。 同じジャン・ギャバンとアラン・ドロンが共演した『暗黒街のふたり』よりは、二人のからみも深く、そういう意味でも楽しめました。 [ビデオ(字幕)] 7点(2008-01-03 21:16:57) |
123. 座頭市物語
モノクロ映像がとてもシャープ。 そしてストーリーもシンプルで良い。 勝新もドスがきいた声でドスを振り回し、かっこよくないのにかっこよい。 不思議な魅力を持つ時代劇だ。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-12-31 12:57:14) |
124. 女の座
《ネタバレ》 高峰秀子の息子を死なせるのは必要がないように思ったが、全体的にはなかなかまとまっていて良かった。 司葉子はとても綺麗だし、草笛光子もキリっとしていてなかなか好み。 そして草笛光子と高峰秀子のバトルも凄まじかった。 女が男に惹かれる瞬間が上手に描かれていたのも素晴らしかった。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-12-15 10:33:55) |
125. 斬る(1962)
ストーリーはわかりづらく、話にはほとんど入っていけません。 しかしながら、雷蔵は痺れるほどかっこよいです! そして、多人数を相手にしての流れる様な殺陣は、今までに観たことのない流麗なる殺陣で惚れ惚れしました。 雷蔵にしかできない動き、そしてこれを演出した三隅監督には敬服します。 最後はそれほど良くもないですが、まあそれなりには納得できました。 雷蔵ファンなら観ても損はない作品だと思います。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-11-05 19:53:40) |
126. 明治・大正・昭和 猟奇女犯罪史
本作は一連のキワモノ系石井輝男作品群の中にあっても、頭一つ出た面白さ。 そして、本物の阿部定を特別出演させるなど、過激性・話題性も十二分のサービス精神溢れる傑作である。 吉田輝雄が監察医の役で登場するが、相変わらずいい味を出している。 妙に真面目なイメージが、おふざけ石井輝男ワールドと不思議に融合しているのだ。 そして、歴史に残る連続レイプ犯である「小平義雄」を演じた小池朝雄。 舌なめずりして女性を襲うシーンがあったのだが、その緊迫感とは裏腹に思わず笑ってしまった。 あの舌なめずりは、かなりわざとらし過ぎである。 [映画館(邦画)] 7点(2007-11-01 20:33:57) |
127. 忍びの者
現代劇の雷蔵、時代劇の雷蔵と色々見てきたが、忍者の雷蔵はまずまずといったところ。 女優陣にイマイチ魅力が感じられず、そこが残念。 伊藤雄之助が凄い動きをしていたのが、個人的には最大のインパクト、、と思っていたら、老けメイクで当時40代前半だったんですね。 [DVD(邦画)] 7点(2007-10-26 20:31:05)(良:1票) |
128. いれずみ突撃隊
石井輝男監督の“荒くれ者”を描いた、この手の作品は傑作が多い。 本作は『網走番外地』と似た感じの香りが漂っている。 高倉健の若きヤケクソぶりも面白いし、杉浦直樹も本作では非常にかっこよかった。 [映画館(邦画)] 7点(2007-10-15 10:06:30) |
129. 猿の惑星
有名すぎるラストにとりあえず7点をあげてしまいたい! [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-10-12 16:44:39) |
130. サムライ(1967)
主人公の飼っているオウムが印象的だった。 アラン・ドロンのトレンチコートもかっこよすぎ!! [ビデオ(字幕)] 7点(2007-10-10 17:23:48) |
131. 男はつらいよ
記念すべき第一作! 倍賞千恵子がとてもかわいい! [ビデオ(邦画)] 7点(2007-10-04 22:53:12) |
132. サイコ(1960)
ヒッチコック作品の中では今のところ一番好き。 特に雨の中の逃走シーンの緊迫感が最高。 ただし、最後の説明臭すぎる部分はマイナスポイント。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-11 05:32:06) |
133. 赤い砂漠
最も良かった頃のアントニオーニ風味が、やや色褪せつつも十二分に残った作品。 色使いがとても印象的で、モニカの服の色とか、とても印象に残っている。 『太陽はひとりぼっち』や『夜』には及ばないものの、アントニオーニの描く、愛の不毛と退廃的な雰囲気を感じられるのが良い。 それにしても、劇中でモニカを口説く男。許せない! [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-03 16:14:12) |
134. 夜
出だしが暗いのがネックだが、全体的な雰囲気はまさにアントニオーニ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-03 16:13:18) |
135. 甘い生活
《ネタバレ》 「185分」という非常に尺の長い作品。 本来、私は長尺の作品は苦手としているのだが、本作品は例外。 退廃したローマの風俗を余すことなく味わうことのできる本作は、感動的ラストシーンを持って終焉を迎える。 不毛で乱痴気なパーティが終わった後、主人公は気だるい体を引きずって海辺へと向かう。 そこで顔見知りの少女と再会する。 その海辺における、「主人公と少女との再会シーン」はあまりに素晴らしすぎる。 そして、あまりに眩しすぎた。 やっぱりフェリーニは凄い。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-03 16:06:50) |
136. ウエスタン
《ネタバレ》 10分から15分くらいの静かなオープニングであったが、これが最高だった。 いかにも西部劇っぽい場所の駅っぽいところで、ちょっと野蛮な感じのガンマン風の男3人が、何か待っている模様。 電車か?それとも他の何かか? その3人のそれぞれの表情がアップで丁寧に捉えられていく。 そして静かに淡々と時間が進んでいく。 妙に静かだ。 怖いくらいに。 いかにも嵐の前の静けさという感じ。 何気なく観ていたのだが、いつの間にかこの緊張感に引きずりこまれていた。 その後、ある一人の男とそれらの男3人とのしびれる打ち合いがあるのだが、それはまあいいとして、このオープニング、傑作を予感させる素晴らしいものであった。 オープニングの後の展開は、少し趣が変わって、普通っぽい西部劇に。 しばらくして、クラウディア・カルディナーレが登場! いやぁ、待ってましたぁ!という感じ。 何しろ、オープニングで濃い男達の顔を散々アップで見せられたので。 しかし、カルディナーレ、まだこの時点では胸ははだけておりません! その後、期待通りに不自然なくらいに露出してくれるカルディナーレ。 それは嬉しいのだが、どうにもラブシーンがわざとらしい 豊満な胸を隠そうとするばかりに、姿勢がおかしいのだ。 まあ、そんなツッコミはいいとして、汚い男達(これがまた良いのだが)に混じって、このカルディナーレの可憐さと豪快さ。 やはりカルディナーレは素晴らしい女優さんだ。 さて、随所に男を唸らせるニクイ演出が沢山あった。 例えば、ラストシーンで、実は銃で撃たれていたのにやせ我慢しているジェイソン・ロバーズとか。 例えば、チャールズ・ブロンソンとヘンリー・フォンダとの最後の果し合いのシーンとか。 しかし私はもっと別の場所に意識が向いた。 それはヘンリー・フォンダが再三“ピュッ!”と痰の様なモノを吐くシーンだ。 これがまたしつこいのだ。 何度となく出てくる。 しかも妙に音が気持ち悪い。 男の渋さをかっこ良く描いた本作に対する感想で、こんなおちゃらけたシーンについて言及するのは、少しはばかれるが、とても気になった挿入シーンだったので率直に書いてみた。 あれは一体、ヘンリー・フォンダ演ずる男のキャラクター形成上、どれだけの役目を果たしているのだろうか? 甚だ疑問である。 [DVD(字幕)] 7点(2007-09-02 23:00:39)(良:2票) |
137. 鞄を持った女
イタリアのこの時代の作品は大好きなので、一つでも多く観ておきたいところだが、中でもこのヴァレリオ・ズルリーニの代表作の一つともいえる『鞄を持った女』は絶対に観てみたかった作品の一つだった。 主演は、“C・C”ことクラウディア・カルディナーレ。 ヴィスコンティ作品で一度観たことのある大女優さんだけど、彼女の代表作といわれるものを観るのは、これが初めて。 そして、監督のヴァレリオ・ズルリーニだが、彼の作品を観るのは『家族日誌』に次いで2作品目。 『家族日誌』はイマイチだっただけに、本作には大きな期待をしていなかったけど、その期待をいい意味で裏切って、十二分に楽しむことができた。 これをきっかけにして、ズルリーニにハマりそうな予感。 なんともいえない、文学的でもの悲しい雰囲気の作品を創る素晴らしい監督だなぁ、と今回見直したわけだ。 ジャック・ペラン演じる16歳の青い青年と、カルディナーレ演じる豊満な大人の女性との、淡くも切ないラブ・ストーリー。 ラブ・ストーリーとはいっても、少年の片想い的な状況なのだが、これが内気な少年の立場から丁寧に描かれており、なかなか引き込まれる。 どうみても不釣合いな二人。 不釣合いどころか、恋が成就する状態になり得ないくらいのギャップがある。 自分も過去に背伸びして、「じゃあ仮に付き合ったとしてどうなるの?」的な女性にゾッコン(笑)だった時代があるだけに、観ていてどうしようもなく辛かった。 逆に、口がうまくて社交的な男や、女性の立場から観たら、どれだけ少年に感情移入できるだろうか。 そういう意味では、観る人を選ぶ作品。 そして、口ベタなクセに何故か、快活で大人な女性に恋をしてしまいがちな男性諸氏には、必ずやハマれる作品ではないだろうか。 ハマり過ぎて、過去の辛い想い出に涙しないように要注意。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-02 11:28:08) |
138. 砂の女
安部公房という作家が原作・脚本を担当、そこにあの『切腹』でも音楽を担当した武満徹が効果的な音楽を提供している。 岡田英次はアラン・レネ監督の『二十四時間の情事(ヒロシマモナムール)(1959)』を観た時に初めて知った俳優だが、アラン・レネの作品自体が趣味に合わなかったということも手伝って、あまり良い印象は持っていなかった。 しかし、本作『砂の女』においてはかなりの個性を発揮しており、その印象は“なかなか味のある俳優だなぁ”というものへと変わった。 そこに対するのは、私の年代の人達にとっても比較的著名な岸田今日子である。 もちろん、私が知っている彼女は“おばあちゃん”な岸田今日子。 こんなに若くて妖艶な彼女に出会ったのは、今回が初めてである。 まずオープニング・タイトル(キャストとスタッフ等の表示)からしてインパクト大。 この時点で、本作に対しただならぬものを感じてしまった。 それは、強いて言葉で表現するならば、 “オープニングでキャスティング等が表示される度に、ハンコ(印鑑)がガツンガツンと表示され、そこに独特の効果音が重なる・・・” というものなのだが、なかなか言葉では伝えにくい類いの演出なので、興味を持たれた方は一見して頂きたい。 かなりサスペンス的要素が強い作品であり、その点だけでも十分楽しめるのだが、最終的には人生哲学的なテーマにまで話が及んでいくという、広範な守備範囲を持つバランスのとれた逸品である。 [ビデオ(邦画)] 7点(2007-09-01 21:45:42) |
139. 夜霧の恋人たち
《ネタバレ》 ジャン・ピエール・レオ扮する主人公は、監督であるフランソワ・トリュフォーの分身であり、監督の自伝的作品である。 『大人は判ってくれない』『アントワーヌとコレット』に続く“自伝シリーズ”の三作目でもある。 相変わらずダメダメな主人公。 だけど、『大人は判ってくれない』の時の少年時代よりもかなりたくましくなってはいる。 まあ、大人になったわけだから当たり前だけど。 軍隊に志願して入隊するも、すぐに除隊。 その後、知り合いの紹介でホテルの宿直の仕事に就くが問題を起こして即クビ。 そして辿り着いたのが「探偵」の仕事だった。 探偵の仕事も決して順調にはいかず、失敗続き。 しかしそんな主人公にも「友達以上恋人未満」的な女性がいた。 これがなかなか可愛いのだ。 ダメダメな主人公にはもったいないくらいの女のコ。 しかし、主人公はここでもダメダメで、どうにも男女の仲が発展していかない。 デートで女のコの方から手を握られても、なんのきっかけも得られずじまいなのだ。 こんなところが私に似ていて、とても共感をおぼえたりした。 そんな時、主人公は探偵の仕事の一環として、ある会社に従業員として潜伏するよう命ぜられる。 そして、その会社の社長婦人に恋をしてしまうのだ。 主人公に気のあるかわいい女友達がいるというのにだ。 そしてこの社長婦人がとてもエレガントで綺麗なのだ。 私は主人公と同じ様に惚れこんでしまった。 ここでも共感をおぼえた。 この社長婦人役の女優さんを調べてみたところ・・・ デルフィーヌ・セイリグというらしい。 この映画に出演した時は36歳くらい。 こんな30代中盤の女性が身近にいたら確かになぁ。。 っていうか、いいなー主人公・・・ ・・・とまあ、とても魅力的なデルフィーヌ・セイリグ。 姿勢も綺麗だし、足がとっても綺麗。 控えめな雰囲気ながら、確かな魅力を放っているのが凄い。 この作品、おはなし自体も十分楽しめるし素晴らしい作品なんだけど、なんといってもこの女優さんの印象の方が強く残っている。 皆さんも、「映画の中身より女優(俳優)」っていうお気に入り映画があるんじゃないでしょうか? 私にとってこの作品は、そういう意味でのお気に入り映画となったわけなんです。 [ビデオ(字幕)] 7点(2007-09-01 20:29:50) |
140. 五番町夕霧楼(1963)
《ネタバレ》 あまりに悲しすぎる物語。 家族の病気を治すため、そのお金を稼ぐために遊郭に売られた女性。 そこに惚れ込む脂ギッシュな中年男性。 女が元気な内は熱心に遊郭に通うも、女が病気になったら途端に居なくなる。 最後は遊郭の仲間の女性たちが面倒を見てくれた。 女の芯の強い優しさに心を打たれた。 男は最後は冷たいところが確かにあるよね。 その点、なんやかんや言うてても、女性は最後の最後は優しいもんだ。 木暮実千代と千秋実の熟練の演技が印象的。 [DVD(邦画)] 6点(2024-04-27 11:34:52) |