121. ベルヴィル・ランデブー
海外のアニメで「レベルが高い!」と思ったのは初めてです。人物のタッチにはかなりクセがあり、好き嫌いが分かれるのも納得。でも、室内や外の背景の描き方、特に光のコントラストの具合や明るさの微妙な変化などは、かなりクオリティが高いと思いました。セリフがほとんどない独特の雰囲気も嫌いではありませんが、ストーリーそのものはいまひとつ楽しめず、後半はやや退屈でした・・・。でもエンドクレジットの後、貸しボート屋のおやじが夜になってもばあさんを待ってるというシーンを見て大笑い!最後の最後にハマりました。それでもう一度見直すと、いろいろな伏線、強烈なアメリカ文化批判など、面白さが凝縮された作品であることを発見。見るたびに新しい味を楽しめそうです。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-04-09 17:52:32) |
122. 愛のむきだし
《ネタバレ》 テンポ感の良さで長さはまったく気になりませんでした。もっと重い話かと思っていたら、前半はギャグなどコメディっぽい雰囲気で気軽に見ることができ、ヨーコが聖書の一節を叫ぶシーンなど所々に見せ場もあり、ラストまで一気に見た!という印象でした。最後、ヨーコがサソリに「あんたが私を助けてくれたように、今度は私が~」のシーンでは号泣。こんなものすごい恋愛映画、初めてです。でもラストはちょっと・・・。これじゃ「いろいろあったけどめでたしめでたし」すぎて、あっさりしすぎでは?最後こそ「むきだしの愛」で、心が通い合ったものの、これから重いものを背負って生きていく・・・というような、どうせなら重苦しい結末にしてほしかったです。満島ひかり、「悪人」で初めてみて「んっ?この人、もしかしてすごい女優?」と思って、この作品でかなりファンになりました。 [DVD(邦画)] 8点(2013-03-31 22:52:17) |
123. 天然コケッコー
やっぱり山下監督、すごいです!「リンダリンダリンダ」同様、最初は「はぁ?何これ?」って感じでしたが、もう一度見直すとストレートに伝わってきました。こういう映画の印象って、観る側のコンディションにも大きく左右されますね。とてもいい映画でした。でも、現実感があるのかないのかよくわからない印象を受けるのは、やはり大沢の描き方に原因があると思います。あんな中学生男子、現実にいますか?せめて高校生ならわかるけど・・・。あれって、女子の妄想を具現化したような、少女漫画に出てくるキャラですよね?それとも、最近の子ってみんなあんな感じ?自分の偏見ですが、中学生男子って、もっと圧倒的にアホだと思います。 [DVD(邦画)] 8点(2013-03-21 01:24:37)(笑:1票) (良:1票) |
124. アマデウス ディレクターズカット
《ネタバレ》 サリエリの視点から描くモーツァルトの人生、とても面白かったです。モーツァルトをはじめ、天才と呼ばれる人、いつの世もあまり幸福とは言えない人生を送った人がなぜか多いですね。また、その才能に憧れ、時には妬み、そして挫折していく凡人たち・・・。現代では、サリエリのように思いつめるまで悩む人、あまりいなくて、みんな上手にスルーしてしまう術を知ってます。でもそれが果たして幸せなのか、悲劇を回避することが幸せなのか・・・。そういうことを考えさせられてしまう内容でした。ひとつだけ、コンスタンツェの母親がモーツァルトを罵り、それがそのまま夜の女王のアリアにつながるシーンはかなり笑えました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-03-17 17:06:23) |
125. マルホランド・ドライブ
この映画がどんな内容か、リンチがどういう映画を作る人なのかまったく知らず、とりあえず観ましたが・・・。最初はさっぱり意味がわかりませんでした。解説サイトなどを参考にもう一度見直すと、ダイアンの気持ちがひしひしと伝わってきて切なかったです。確かにこの内容を、時間通り順番に見せても、何の面白さもありませんね。リンチ監督の映画を初めて見ましたが、その並外れた力量に驚くばかりです。 [DVD(字幕)] 8点(2013-03-02 20:27:12) |
126. 都会のアリス
上質でセンスあふれる作品でした。二人の関係が少しずつ深まっていく様子が、ジワ~と心にしみていくようでした。そしてアリスがどんどん可愛く見えてきて、ラストは切なかったです。ハリウッド的なゴテゴテした装飾がなく、シンプルな中にもメッセージがぎっしりと詰められていて、作り手のセンスを感じました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-16 21:07:25) |
127. 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
《ネタバレ》 「実録」というタイトル通り、映画的な面白さよりもできるだけ事実に忠実に描くことを意識していたようですね。当時の時代背景や事件に興味のない人は全然楽しめないと思いますが、ドキュメンタリー的な観点からみると、非常に興味が湧きました。しょーもない「映画らしさ」を出されるよりよっぽどいいですね。この監督の昔の作品である「天使の恍惚」は、ただのごっこ遊びにしか見えませんでしたが、この作品は本当にこわかったです。時代って、ちょっとしたノイズや歪みであんな集団を生み出してしまいます。こわいですねー。それに、森や永田のような、自分の行動を心から「正しい」と信じ切ってる人、現代社会にも存在しますよね。◆総括リンチのシーンはトラウマになりそうなくらい悲惨で、気分が悪くなりました。◆昔、誰もが「共産党・共産主義ってこわい」って言ってたのは、この人たちのせいだったのかな?◆「君たちは完全に包囲されている」というフレーズは、この時に生まれたんでしょうか?また、彼らの「我々の革命的行為によってどうのこうの~」みたいな演説、確か「天才バカボン」でそういうシーンがあったの、思い出しました。そうか、あれはこの人たちのパロディだったんだ・・・。◆「光の雨」の山本太郎は、ただの殺人快楽者のように描かれてしまい、そういう意味ではこの作品の森の方がリアルでこわかったです。◆この映画で「坂井真紀の裸が見られる」と知り、期待していましたが、尻が少し見えた程度でガッカリ。このような観点から本作品を鑑賞しようとした自分を自己批判し、総括します(笑) [CS・衛星(邦画)] 8点(2013-02-15 23:55:19) |
128. ナインハーフ
《ネタバレ》 話としては、特に魅かれるところはありませんでしたが、でも好きな人ができてときめく感じ(それも大人の女性が)の表現がとても共感できました。エロいシーンもありますけど、汚い感じがしないし、全体的な雰囲気も悪くないと思います。作品そのものの評価ではなく、個人的に、過去の似たような恋愛経験を思い出させてくれたのでプラス1点。でもミッキー・ロークの役の「この人、ちょっと精神病んでる?」的な雰囲気は好きになれませんでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-09 23:09:32) |
129. 千夜一夜物語
確か、アラビアン・ナイトをベースにした、大人向けアニメですね。もう40年以上も前、小学1~2年生のころにテレビで放送していて、とてもワクワクしながら見た覚えがあります。その後、大人になってもう一度見る機会がありましたが、やはり初めて見た時のインパクトはありませんでした。DVDも買ったものの、「子供の時のような気持ちにはなれないだろうなあ」ということで、まだ見ていません。いま初めて見る人でもそれなりに楽しめると思いますが、エッチなシーンが多かったと思うので、子供と一緒に見ない方がいいと思います。 [ビデオ(邦画)] 8点(2012-11-09 16:52:46) |
130. 花とアリス〈劇場版〉
光を美しく見せる、岩井俊二らしい映像でした。記憶喪失云々絡みのストーリーはそれほど好みではありませんが、ドラマでは決して表現できない、まさに映画らしい映画だと思います。蒼井優って、こんなに華のある女優だとは知りませんでした。鈴木杏も昔から好きでしたが、女優として、持っているものの違いを見せつけられたような感じです。クライマックス、ただバレエがうまいというだけでは、あれほどの素敵なシーンは生まれませんよね。駅名などの小ネタやチョイ役は不要だったのでは? [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-09-17 18:17:57) |
131. ヘアスプレー(2007)
《ネタバレ》 インド映画もびっくりするくらい歌って踊ってましたね。ストーリーは、中学生でも書けそうな単純な脚本で、ドリームガールズの方がまだ内容が濃かったと思います。でもとにかく明るく楽しい!それに、ブラックの人達のダンスのキレ、歌声の張りや伸びは最高ですね!抗議デモの歌はとても印象的でした。これは映画というより、歌とダンスの鑑賞映像だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-09-12 23:42:03) |
132. まほろ駅前多田便利軒
《ネタバレ》 思っていた以上に良い出来だったと思います。行天のキャラ、あれ以上だと作り過ぎた感が出て台無しですが、限界ギリギリの一歩手前だったので、すごく味がありましたね。多田の過去の告白、あれはなんだかすっきりせず、そこだけが残念でした。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-05-27 00:33:29) |
133. 八日目の蝉
《ネタバレ》 見応えのある映画でした。最初の裁判シーンで「こんな女、母親が叫んだように死刑にでもすればいいのに」と思ったのに、途中から希和子と薫の2人がどんどん微笑ましく映り、逆に本当の母親が憎らしくさえ見えてきました。これってこわいことですよね。犯罪も、見せ方ひとつ・伝え方ひとつで裁判員の印象もガラッと変わってしまいそうです。2時間半近い長さを感じさせないのは、原作はもちろん、脚本の力だと思います。警察に捕まるシーンや最後の写真館などは泣けました。重苦しい話を、小豆島のスローな雰囲気が中和してくれて、映像ならではの表現力が充分に発揮された、いい作品だったと思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-04-30 01:36:49)(良:1票) |
134. 島田陽子に逢いたい
《ネタバレ》 タイトルもそうだし、主人公の出会い方や、大女優が知らない一般人の家に泊まり、ドライブに出かけるなどという強引な設定など、日本のB級映画のニオイがプンプンで、「島田陽子もとうとうこんな映画に出るくらい落ちぶれたのか・・・」と思いましたが、いざ観てみると、これがなかなかの傑作!余命幾許もない男の別れた妻や娘に会うため、女優として何ができるか、島田陽子の魅力が冴える、見応えのある映画でした。島田陽子、確かに昔に比べて歳はとりましたが、ラブシーンは素敵だし、脱いでも全然年齢を感じさせないし、いい女優だと思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-04-04 10:49:24) |
135. ルパン三世 カリオストロの城
《ネタバレ》 いま観てもかなり面白いですね!全然古くないし色褪せないし、むしろ観れば観るほど、作品のクオリティーの高さに驚かされます。脚本が素晴らしいと感じました。ただ、ラストの銭形警部のセリフは、昔からあまり好きではありません。首のあたりがかゆくなりそうです(笑) [地上波(邦画)] 8点(2012-04-02 13:48:12)(良:1票) |
136. ひまわり(2000)
《ネタバレ》 大傑作!というような作品ではありませんが、いい映画だったと思います。話があまり前に進まずダラダラした感じが合わない人もいるようですが、子供の頃の思い出をだんだんと深く描いていって、朋美が「ボール当ててよ」と出てくるシーンへのつなぎ方、とても好きです。でも最後は、締めどころ・終わらせどころを間違えたような印象でした。最後の最後に、海岸に芽を出したひまわり、やりすぎかなあとも思えますが、まあ良しとしましょう。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-02-17 23:47:04) |
137. おろしや国酔夢譚
《ネタバレ》 苦労してたどり着いた先々で空振りをくらって、まるで「母をたずねて三千里」のマルコのようでしたね。でも作品そのものは、骨太で、いい映画だったと思います。ニーナと一緒になった新蔵や、ロシアに残った西田敏行など、一人一人の物語がもっと描かれていれば、さらに厚みの増した作品になったと思います。最後、日本に着いた光太夫のその後も描いてほしかったです。どなたかが書かれていたように、大河ドラマで一年かけて作ってほしいような話でした。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-16 16:00:19) |
138. ユージュアル・サスペクツ
《ネタバレ》 所々わかりにくいシーン、不可解なシーンもあり、ラストシーンまでは退屈ですが、ラスト数分、つまり後ろの掲示ボードの貼り紙を見たところからラストまで、これがこの映画のすべてです。それまでは、約1時間40分くらいの長~~~いイントロで、別にこの部分の内容が多少理解不能でも意味不明でもどうでもいいんですよね。最後で「わぁ!」と思えたので、それで充分満足です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-07 23:55:04) |
139. 新幹線大爆破
《ネタバレ》 見応えのある作品でした。2時間半という長さがまったく気にならず、最後まで食い入るように鑑賞しました。やはり高倉健という役者はすごいですね。演技がうまいとかどうかより、存在感が違うと思いました。こういう役者さん、最近いないですよね。また、千葉真一、宇都井健もさすがでした。とても面白い作品でしたが、警察のマヌケぶり、特に、柔道部員に「犯人だー、捕まえてくれー」と叫ぶシーンや、図面が火事で焼けるという設定、センスのかけらもない音楽など、いま見るとツッコミたくなるところはたくさんありました。でも出来の良い作品は、何年経っても色あせないということを証明してくれるような映画でした。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2012-01-05 23:46:38) |
140. インスタント沼
《ネタバレ》 ものすごくくだらないのに、引き込まれ、笑ってしまいました。途中で飽きることもなく、最後まであのテンションで引っ張ってくれましたね。麻生久美子って、この作品や「純喫茶磯辺」のモッコ役など、常識からちょっとハズれた感じのキャラクターやらせるとかなり良いですね。不思議な魅力を持った女優さんだと思います。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-11-12 22:01:10) |