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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1501.  彼岸花 《ネタバレ》 
「親の心、子知らず」「親はなくとも子は育つ」そんな映画。自分の意思とは別のところで大人となり巣立ってゆく娘への複雑な想いを、情感とユーモアを交えて描いてゆきます。佐分利信が頑固親父でありながら、気が付けば周囲の女性達に振り回されっ放しなのが可笑しくもあり、哀しくもあり。祇園の母娘なんぞ、耳に心地良い関西弁で最高ですなぁ。さて、小津作品で毎回反復される「画面奥に切り取られた空間を横移動する人」「椅子のある空間、ない空間」が今回も当然の事ながら登場するのですが、も、もしかしてそれって結構深い意味があるのでは?なんて今になって気付き始めたり。「画面奥に~」は家に対する外側、つまり社会の象徴、「椅子」は畳の床続きの状態が、人と共有される事で家族を象徴する空間なのに対して、一人で腰掛ける状態である事で個人を象徴してるとか? うう~ん。漫然と映画を見ていないで、もっとアタマ使って見ないとあきまへんなぁ。それはともかくとして、この映画は時代と共に変わりゆく意識を描いておりますが、今は逆にこの頃の意識に立ち返る必要も出てきているんじゃない?という世の中でして、個人主義も行き過ぎると大切なものまで失いかねないのではないかなぁ、と同窓会の面々の表情を見ながら思うのでありました。
[DVD(邦画)] 8点(2006-07-11 01:17:15)
1502.  ゴジラ対ヘドラ
「ぷわあんぷわあん」って脱力系サウンドをBGMに現われるゴジラはボディランゲージも豊かで吉本芸人みたいだし、登場人物もゴジラもヘドラも、何考えてんだか意味ない行動が多いし、ヘンな映画ではあります。後年評価されもしましたが、ひたすらダラけた展開でそんなにいいデキではないと思います。そもそも核の申し子であるゴジラが、公害怪獣ヘドラを放射能でやっつけるのってどーよ?とも思いますが、この頃のヒーロー扱いされてたゴジラの口から出るアレは放射能ではなくって、正義の光線みたいなモノなのでしょうね。ミラー状の板で延々反射したりするし。おサイケだったり突如アニメだったりポエムだったりゴーゴーだったり、もう色々やってて、でもそれが映画として単にひたすらヘンなだけ、ってのも困りもの。ただし。この時代の公害をリアルに体験した身としては、この映画の雰囲気がひどく痛いです。この映画の舞台の近く、吉原の知り合いの家に行って、みんなで田子の浦の花火大会にでかけ、おじさんの背中に揺られながら帰ってきました。その田子の浦がヘドロで汚れてしまったと聞いた時のイヤな感じ。千葉の海に泳ぎに行った時、海に浮かんだ黒い油が体中にこびりついて、水着や浮き輪がダメになった思い出。光化学スモッグ警報が出るたび、体育の授業が中止になり、外での遊びが禁止になった事。それらの記憶がまざまざと甦ってきます。この映画の持つ暗く澱んだ雰囲気は、当時のあの汚れた苦しい世界を伝えています。人々の努力によって、今はかなり環境が改善されましたが、当時、公害問題をハッキリ訴えかけた映画が果たしてどれだけあったのやら。そういう意味では時代を映す鏡としての価値だけは相当に高い映画であると思います。
[DVD(邦画)] 6点(2006-07-10 01:16:26)(良:1票)
1503.  MIND GAME マインド・ゲーム(2004) 《ネタバレ》 
渋谷の猥雑なラブホテル街の中に新しく出来たミニシアターシネコン。旧作とも知らずどんな映画かも判らず、ただ「時間が合う映画がこれだけ」という理由で入り、始まったのは関西弁炸裂のシネスコアニメでした。自由な(ハチャメチャな)表現でパワフルに突き抜ける世界、溢れかえる映像の波は猥雑で、舞台の大阪という街によく似合っていて、たちまちのうちに映画の中に惹きこまれました。映画がどこへ向うのか、何を言おうというのかも全く見えてこなくて、だけど、破天荒な展開に次はどうなる?って常にワクワク。今田耕司という人にまんまシンクロしているような西の面白さ、理想のヒロイン像からぐりぐりんと遠く離れてヘンなクサみを放つみょんとヤンの魅力もあって、これってもしかして大傑作?と思いました。残念ながら、鯨の腹の中を舞台に移して以降、物語もその場に定住してしまう状態で失速してしまい、観念的なオチへ至ったので褪めてしまった感があります。クライマックスの怒涛の疾走も、かつての『うる星やつら』や『クレしん』の『オトナ帝国』のしんのすけ階段上がり、『カスカベボーイズ』のカスカベ防衛隊疾走のノリで斬新な高揚感!とまではいきませんでしたし。それでも、こういう挑戦的で挑発的なアニメを見ると、まだまだ日本のアニメもやりますのう、と思いますね。神様のシークエンスがなんつーか、古川タク、九里洋二、木下連三あたりを思い出させて懐かしい感じもあって味わいありました。2006年の、明日はワールドカップの決勝、って日に見たのは(ちょうどこの映画でのキーになる日)、何か運命的なものがあるのかも。ないか。
[映画館(邦画)] 7点(2006-07-09 22:06:49)
1504.  お早よう 《ネタバレ》 
ご近所付き合いの煩わしさを描く、軽快で楽しい作品でした。土手っぺり、高圧線鉄塔の下、同じデザインの平屋が並んだ空間(この時点でここに住む人々の生活水準が決して高くはないのが判ります)で繰り広げられるご近所バトルは、個性的な面々のやりとりによって大いに笑いを誘います。挨拶、無駄話が円滑に人間関係を保つためのコミュニケーションの手段、っていう映画なのですが、おならすらもそのひとつとして扱われているのが可笑しくて仕方ありません。杉村春子のハイパー毒舌に負けてないどころか一枚上手なおばあちゃんの超サイヤ毒舌最高。ピッと高音のおならをする「アイラブユー!」の弟最高。お腹の中じゃお互い何考えてるか判らないけれど、とりあえず挨拶ちゃんとしてれば世の中生きやすいのよ、という小津監督のシニカルな正論がカラリ清々しい映画にしています。さんざん意味のない会話の意味を描いておいて、最後に佐田啓二が久我美子にお天気の話題を始めるものだから大笑い。これまで見た小津作品の中では、これがいちばん好きかも。馬鹿馬鹿しい部分が多くて。
[DVD(邦画)] 9点(2006-07-09 00:22:49)(良:2票)
1505.  ゴジラの逆襲 《ネタバレ》 
早くものちの怪獣映画が抱える様々な問題点をいっぱい露呈してしまった、いわば怪獣プロレスものの原点と言えるかも。始めに怪獣ありきな設定は無茶なドラマ展開を生み、荒唐無稽さとシリアスさの不調和は苦笑を生み、怪獣同士がドタバタとプロレスを始めると同時に人間のドラマはパタッと停止し、怪獣にケリを付けるのとドラマにケリを付けるのとどっち付かずでどちらも中途半端になるという。怪獣と人間とをひとつの物語の中に調和させる事がいかに困難か(というか無茶な事なのか)が、2作目でハッキリしてしまい、以降の怪獣映画はずーっとその水と油の如き関係から抜け出せないままに続いてきている気がします。この映画自体の欠点としては、やっぱり前作にあった戦争の影を一切排除して、ゴジラというキャラクターのみを切り取った続編になっているところでしょう。ただ出てくるだけで、ゴジラなーんにも背負ってませんからねぇ。あと志村喬がなんのために出てきたのか意味不明だったり、一体誰が撮ったのよ?みたいなショット満載な前作の映像を記録フィルム扱いしたり、登場人物の行動に意味のないところが多かったり、ゴジラが首が長くてひょろんとしていてガッパみたいだったり(ガッパの方が後ですが)。通常は高速度撮影で重量感を出す怪獣映画の特撮シーンが、この映画では逆にコマ落としになっていてコメディか?みたいな可笑しさがあるのは意図しての事なのでしょうか? ゴジラとこってり戦ったハズのアンギラスの出番が、チャチャチャッと片付いてしまったような感じでアンギラス可哀想・・・。
[DVD(邦画)] 4点(2006-07-08 23:46:07)(良:1票)
1506.  お茶漬の味 《ネタバレ》 
育った環境も価値観も違う他人同士が一緒に暮らす、夫婦というものをコミカルに描いた映画でした。この映画の場合、見合い結婚によって夫婦となったがゆえに、愛情もきちんと育っていないように思えますが、たとえ恋愛結婚であっても時を経ればお互いの欠点や相容れない価値観に倦怠感を覚えるもの。そんな夫婦の冷めた関係に、ストレートに夫婦ってこの程度のもので結ばれていれば十分でしょ?と答えを投げかけてきます。これまでに見た小津作品と違って、家族がその関係を維持できなくなってゆく物語ではなくて、なんとなく未来に向って関係を築いてゆく、って物語。その違いはやはり血の繋がりの有無なのでしょう。夫婦には子供もおらず、血縁の絆と言えば、勝手気ままな姉妹や姪っ子の存在ばかり。でも、血縁に縛られたところから一歩抜け出して、新しい絆を作ってゆきましょう、と捉えると、これまでに見た小津監督に感じたシニカルな家族感と共通しているとも言えます。もっとも、この映画の楽しさ、良さは佐分利信のような心の広さがあればこそ、ですけどね。近頃の若い人達は、どうも自分の価値観をキャンキャンと犬が吠えるが如く押し付けあってるようなところが感じられていけないねぇ。とワザとじじぃ臭い事を書いてみる、と。
[DVD(邦画)] 8点(2006-07-08 15:48:34)
1507.  東京暮色 《ネタバレ》 
「東急東横店、今と変わってない!全線座懐かし~!大崎広小路が田舎っぽい!」と地元近辺の昔が出てきてワクワクしたりしましたが、映画は重いですよ・・・。しかしね、ヘンな映画だと思ったんです。この映画、誰が主役なの?って。おなじみの笠智衆と原節子の二人はそんなに出番がなくて、出ていった妻の生活を結構長く捉えていたり、主役なのかな?と思われた、いちばん出番の長い明子が途中で死んでしまったり。最後まで見終わって、初めて気付きました。あ、これは家族(と言うか、かつて家族を形成していた人達)単位で主役なのね、と。小津監督の作品は毎回壊れてゆく家族の姿を捉えていますが、今回は既にかなり壊れていて、そこからの再生ではなくて、更に壊れてゆくという。家族という1つの塊を構成しているのが、実のところバラバラな個人の集合体でしかなくて、それぞれが理解や信頼とは遠いところで生き、そして繋がりが絶たれてゆく。家族がじんわりと死んでゆく様を見せられるようで、どうも小津監督作品に私は毎回無常感ばかりを抱いてしまいます。人の優しさや素晴らしさよりも、人のエゴ、醜さ、弱さばかりを小津作品から感じている私は、なんか根本的に間違ってるんでしょうか? それにしても姉妹の相手の男はどちらもペランペランのしょーもない男で、思いっきりケツ蹴っ飛ばしてやりたくなりましたわ。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-07 22:32:26)
1508.  東京物語 《ネタバレ》 
立て続けに小津作品を見て思ったのは、小津監督ってシニカルな厭世主義者だったのかもしれない、ということ。いつも家族を描いていながら「家族っていいね」っていう物語ではなくて、家族なんて壊れてくモノなんだよ、アテにならないモノなんだよ、時間ってヤツは残酷なモンなんだよ、っていうシビアな展開ばっかり。この映画では、父母の存在を疎んじて押し付け合う、モロにイヤな家族の存在が描かれて、なんとも両親が可哀想になってきます。むしろ他人の方がよっぽどアテになる状態。だけど、両親は自分の子ではない紀子に感謝していたけれど、紀子ってそんなに重要な位置にいなかった感じがして、むしろ尾道で一人両親を支えていた京子の存在が本来は重要だったんじゃない? なのに子供達よりずっと紀子の方がアテになるみたいな事を言っちゃったら、京子の立場ってどうなのよ?と現在京子と同じ立場にいる私は思ってしまうのでした。その事もあり、トゲトゲした部分の多い映画でもあり、なのでちょっと他の作品に比べると好きになれませんでした。
[DVD(邦画)] 7点(2006-07-07 01:22:24)(良:3票)
1509.  Dear フランキー 《ネタバレ》 
フランキーが健気で健気で、もう。寡黙な彼の行動ひとつひとつがどんどん愛しくなってゆきます。船の位置を示した地図や、缶の中に仕舞われた宝物、部屋に飾られた魚の絵。どれもフランキーって少年の心を映して切なくて愛らしくて。血の繋がりや家族である事が、必ずしも大切ではなくて、他人であっても信頼できる人物であるならば、それがいちばんという、脱家族な映画でした。イギリス映画らしい、根っからのいい人達によって、心を閉ざされた母子が新しい人間関係を築きあげてゆく物語は、都合のいい展開という気もしますが(本当のお父さんが、もし元気に追いかけてきてたら、もっとドロドロとした生臭い物語になったでしょうし)、これまたイギリス映画らしい抑制された表現によって、決してウソくさい怒涛のハッピーエンドに雪崩れ込む事もなく、幸せを予感させる程度に収まっているので好感が持てました。フランキーの二人の友達がちぃともキーになって来ないあたり(どちらかと言うと余計な事する、障害となる存在だぁ)は期待をスカされた気もしますし、引越し後の生活や人間関係があれよあれよと確立していってしまうあたり、ちょっと簡単過ぎないか?とも思いますけど、まあ、フランキーとお母さんの幸せが何よりですね。
[DVD(字幕)] 8点(2006-07-07 01:10:38)
1510.  麦秋(1951) 《ネタバレ》 
すいません、下世話なレビューになります。まずビックリしちゃったのが、この前に見た「晩春」では原節子と笠智衆が親子だったのに、この映画では兄妹だって事。調べてみたら「晩春」の時は29歳と45歳、この映画の時で31歳と47歳。まだ親子よりは兄妹の方が自然な年齢差ですか。つーか、笠智衆の幅の広さったらないですねぇ。もう1つ気になったのが900円のケーキ。昭和26年当時で900円って、どんな高価なモンだろ?と調べてみたら、大体今の10~15分の1の物価ですね(ビールやタバコなどの嗜好品はもっと高かったようですが)。って事は今だと9000~13000円くらいのケーキ。確かに貰ったら食べるけど、自分からは買わないわぁ。さて、この映画も「晩春」同様、家族の変容を描いています。子供の成長と共に家族が解体されてゆくという状態を切なく描いていて、クールな印象を受けます。家族は変わってしまったけれど、これから新しい幸せのカタチが生まれてゆくんだよ、って訳ではなく(その後の生活が描かれるのはおじいちゃん、おばあちゃんだけだし)、変化を受け入れなくちゃならない厳しさを感じます。戦争によって家族の形を変えざるを得なかった当時を反映しているようでもあり、アメリカ文化の流入によって変化してゆく時代を受け入れてゆかなければならない事を描いているようでもあり。ただ家族の風景を情感豊かに描くだけではなくて、意外に小津監督ってリアリスト? コミカルなエピソードや、バックに花咲かせてそうな原節子の美しさに目を奪われつつも、人がフレームアウトした後、なおしばし誰もいない家の中を映し続けるカット尻の連続に、人のいない家の淋しさが象徴されているような気がしました。
[DVD(邦画)] 8点(2006-07-06 01:02:37)
1511.  チアーズ!
これまで、いろんな映画でいじわるチアリーダーに疎外される役に感情移入してたりしたので、この爽やか体育会系のノリを素直に受け入れるまでが大変だぁ。しかし、彼女達には彼女達なりの情熱があり、青春があるのですねぇ。ベタベタなアメリカンだし、物語としてはとーっても古臭いフォーマットだけど、黄金パターンゆえに単純にワクワクと楽しめ、最後には感動しちゃいました。ただ、チアリーディングの性質上、チーム一丸となって、という展開ゆえにせっかく個性的なキャラクターが登場しても、どんどん個性を削がれてしまうような印象を受けるのが惜しいです。雑多な個性も競技シーンではチームという個体に集約されてしまうので、一人一人の到達点としてクライマックスで高まる、というのを描くにはちょっと不向きな競技な気がしました。むしろエンディング部分のおふざけチアリーディングの方が個性が出てて魅力的に思えたりもして。せめて決勝シーンはミュージカルをお手本にしたカメラポジションにして頂きたかったですね。こういうのは俯瞰で全体をビシッと捉えてこそ。あんまりローアングルでカメラ動かしちゃうと調和の美しさや動きの繋がりがスポイルされて勿体ないんですよね。
[DVD(字幕)] 7点(2006-07-05 01:29:26)(良:1票)
1512.  晩春 《ネタバレ》 
どうしてこうも激しくイマジナリーラインを無視しまくるんだ?という疑問は、やがて会話シーンの正面向きカットバックと、画面の安定をもたらす水平線と垂直線の存在の執拗な反復によって、イマジナリーラインに対する拘りなどどうでもいい、これが小津安二郎という人のスタイルだって事に気付くと共に解消しました。目線が合ってなくても、モンタージュすら危うい状態であっても、独自性を貫く事で理論だけでは語れない世界が広がってくる、と。ややこしいハナシはともかく、大した事は語ってない映画です。父娘二人で暮らしてきたファザコン家庭が、いつまでもこのままじゃいられない、と娘を嫁にやる、ただそれだけの話。でも、とっても豊かなのですね。どうでもいいような会話の中に可笑しさや愛おしさや切なさがいっぱい詰まっていて(同じどうでもいいような会話でもタランティーノのアレとはニュアンスがかなり違います)、何気ないシーンの積み重ねが登場人物への深い思い入れを生みます。ゆえにラストの切なさときたら。終戦間もない頃の日本の、それでも豊かな風景と心に、日本人としての和の和みを与えてくれる映画でもありました。
[DVD(邦画)] 8点(2006-07-04 00:59:57)
1513.  ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
バスの中のシーンでの、主人公も含めた無表情な乗客はまるで既にゾンビ化しているようにも思え、つまりゾンビは日常の中に埋没して意欲や個性を失った状態の象徴でもあるのかな?なんて。主人公がゾンビ化した母親を自ら撃つシーンは自立の象徴とか。でも、そう考えるとオチは結局のところ日常との共存なんだよね、って脱力系な状態になるワケですね。イギリスらしいちょいとシニカルな物語。ただ、どうしても最後までノレなかったのは、登場人物誰ひとりとして共感できない、愛せない状態で、特にエドなんか、もういい加減カンベンして!って存在だったりして。決してまとまってゆかない人々が延々と空回りを続ける状態なので、笑いよりも緊迫感よりもイライラが先に来てしまいます。ゾンビは走ってかわせば逃げられるという、どのゾンビ映画よりもヌルい状態ですしね。ゾンビの描き方に、この映画なりの解釈っていうのがなかったのがホラーとしては面白味に欠けたかな。ゾンビにも個性が欲しいよね。
[DVD(字幕)] 6点(2006-07-03 01:06:42)(良:1票)
1514.  グッバイ、レーニン! 《ネタバレ》 
コメディだと思って見始めたのですが、お母さんが最後には死んじゃう、っていうのが予め早いうちに提示されるので、笑わせてナンボな映画ではないのね、と頭の中で軌道修正。東西ドイツの冷戦の終わりは感動的な、幸せな出来事として世界に発信された感がありますが、実のところ統一は国家というレベルでの出来事で、その国に暮らす個人にとっては意識、意思なんて関係なく変化を迫られる状態。統一による東ドイツ側の人々の戸惑いを、1つの家族に象徴している映画でした。お母さんの生涯は切なく哀しいものでしたが、その最期は決して不幸じゃない、あったかい結末でした。失われたものは取り戻せないけれど、新しい世界で大切にすべきものって何?という事を、やさしく語りかけてきます。理想的な社会は国が作るのではなくて、人が作るもの、っていう大きなテーマと、家族を敬い愛するというパーソナルなテーマが共存して、その上でドイツの今が刻み込まれています。世界中の国で映画が作られて、1本1本にその国の人々の暮らし、思いが刻まれて歴史を作ってゆく、いろんな国のいろんな映画を見られる今は、心を豊かにできるチャンスがある幸せな時代なのかもしれません。
[DVD(字幕)] 9点(2006-07-02 01:36:37)
1515.  ターミナル 《ネタバレ》 
昔のスピルバーグは痒いところに手が届き過ぎ!みたいな感じだったんですが、どうも最近のスピルバーグはなかなか手が届かない事が多くてまだるっこしいです(「宇宙戦争」はツボをモロに突いてきましたけどね)。コミュニケーションが上手く行かずにすれ違いと混乱を招き、孤立し、そこからコミュニケーションの手段を探ってゆく、っていうのは昔からのスピルバーグのテーマで、これもまたテーマを踏襲してたりするんですが、ちょっといいハナシ程度の映画に、なーんでこんなに物量主義&たっぷりキャスト&広げ過ぎエピソードが必要なのやら。上手く収拾ついてないエピソード続出、こうあって欲しいって展開をハズしまくってる感じがたっぷり。決して悪くはない、いいカンジの映画ではあるんですが、もっとタイトに、小さくまとめた方がずっといい映画になったと思うんですけど。沢山登場するキャストにドラマを背負わせ過ぎていて、それら全てに気持ちのいい結末を与えてはいないのでスッキリしない状態。エンドクレジットが出てきた時点で、「ええ?それで終わり?」って思ってしまった時点で、ちょっとねぇ。スピルバーグはどうもどんなジャンルでも同一のスケールで描いているような感じがして、もう少し作品ごとに幅が欲しいと思いました。
[DVD(字幕)] 6点(2006-07-01 01:01:08)(良:1票)
1516.  ゴジラ(1954) 《ネタバレ》 
小さい頃、何度かテレビで見たはずですが、覚えていたのはゴジラの出てくるシーンばかりでした(それと、魚の骨と)。メガヌロンはいつ出てくるんだっけ?とか記憶をごちゃつかせつつ(そりゃ「ラドン」だ)、数十年ぶりにじっくりと対面。ワイプとオーバーラップによるやたら落ち着きのない前半の展開と、稚拙な演技の連続は時代を差し引いてもどうなんでしょ?と思いましたが(あと、ギニョールのゴジラがやたらキュートだ)、やがてゴジラのもたらす災いと共に浮かび上がる日本人としての自我に胸が締め付けられる思いがしました。ゴジラは人の邪悪な行為によって生みだされる悪の化身。そして、それを抑圧させるために更なる力を行使しなければならない、終わりなき悲劇の連鎖。被爆国であり、大空襲による破壊を経験した日本人ゆえに生まれた怪物だった訳です。民話性までもが絡んだ、日本の土の匂いのする破壊神。芹沢教授の、連鎖を食い止めるための決意は、当時の日本人の悲痛な思いを反映していました。見終わって、その後のゴジラと怪獣映画を回顧して、どうにも暗い気持ちになりました。この作品を神格化してもゴジラを神聖なものとして扱うのは違うんじゃない?という思い、この作品の精神を辛うじて継承した作品は事もあろうにライバルである「ガメラ 大怪獣空中決戦」ただ一作だったという感じ、そして、これを越える怪獣映画が以降作られていないという現実。亜流ゆえに自由を与えられたガメラと違って、常にここを起点としているゴジラの辿った道の、なんと情けないことか・・・。当時と違って今、日本人は戦争の傷も知らず、原水爆の被害も忘れ、だから現在においてはこの映画の精神も通用しないのでしょうか? そんな事はないでしょう。だって、戦争は今もなお過去の出来事ではなく現実なのですから。
[DVD(邦画)] 9点(2006-06-30 22:01:25)(良:1票)
1517.  デンジャラス・ビューティー2 《ネタバレ》 
ハリウッド映画では、どうして続編になると前作でくっついてたハズのカップルが別れてしまうんでしょう? きっと脚本よりも役者の事情が優先されるんでしょうね。だけどそれであっさり前作を壊しちゃうんだもんなぁ。さて、今回は前作の完全な後日談となっていて、前作頼りな設定と展開なんですけど、これがあーんまり面白くないです。前作のミスコン設定はもう使えませんから、ミスコンで入賞しましたって部分だけを頼りに物語を進めていて、それに刑事モノお得意のバディムービーのスタイルをくっつけてみました、という状態。このバディムービースタイルに新鮮味がないどころか、どうも上手く映画の歯車が回っていない感じで気持ち良く進んでくれません。今回、核となる事件部分が映画を動かしてゆくだけの力を持ってない上に、前作にあったミスコンへの挑戦から晴れの舞台までの流れにあたる存在がなく、結末に急がせないための回り道ばかりが目立ってしまって退屈、という感じ。結局、1作目で完結しちゃってる映画だったんですよね。設定に縛られて無茶できないくらいなら、いっその事「スーパーマン」みたいなふごふご笑いのダサい捜査官とスーパーモデル風捜査官の二面性を前面に押し出したスーパーヒロインものにでもしちゃった方が良かったのにね。
[DVD(字幕)] 4点(2006-06-30 00:19:34)(良:1票)
1518.  ICHIGEKI 一撃 《ネタバレ》 
ヒロインの女性刑事が大してセガールに接触していないうちに「過去に何かをしていた」事を見抜きます。スゲーね。でも残念、見てる人達はみーんな、このヘンな服を着た大自然大好き!動物最高!な長髪のおっさんが、過去にどっかの組織の工作員かなんかしてた、って事は最初っから知ってるのですよ。そう、映画が始まるよりもっと前、セガールが主演だって時点で。さて、この映画、人身売買組織に対してセガール怒りの瞬殺アクションが炸裂!と思ったら、どーもやたら物語を追うのに忙しい状態。人間を描くよりも、アクションよりも、とにかく物語を説明せにゃならん!とばかりにひたすら登場人物があっち動きこっち動き、と。にも関わらず、ワケ判らん状態なんですね。セガールが過去に関わっていたらしい組織と、人身売買組織と一体どんな関わりがあるの? 大使館経由って、どんな国際的背景があるの? 売られて行っちゃった女の子達は結局どうなっちゃったの? つーか、あのボスらしき人物はどういうポジションなの? もう、あれだけアクションもキャラクターの魅力も描かずに物語の展開ばかりに腐心してるというのに、ぜーんぜん!物語が見えてこないという、とんでもない事になっちゃってる映画です。肝心のアクションシーンはと言えばセガールの動きが明らかにもっさりと鈍く、省エネモード突入しちゃってますし。この映画の唯一の見所と言えば、だから、このテの映画にしてはミョーに綺麗に撮られた東欧の風景くらいのものですね。よくロケが許可されたなぁ(しかも「ダ・ヴィンチ・コード」みたいな映画じゃなくてセガール映画だ)、って空間がいっぱい出てきますから。観光気分だけ味わえるセガール映画ってのもどーかとは思いますが。
[DVD(字幕)] 3点(2006-06-29 00:31:39)
1519.  ビッグ・フィッシュ 《ネタバレ》 
昨日見たジュネの「ロング・エンゲージメント」同様、コテコテの映像派監督が贈り出した、いつもに比べてトーンの希薄な作品。こちらもまた原作が足枷になっている気がして仕方ありません。原作の中の、大切にしなければいけないこと、切り捨てるべきこと、それが脚本化にあたっても曖昧な状態にあったんではないかなぁ、と思うんですね。放り出されたまま収束しないエピソードが羅列されていて、それがラストシーンに完全に一つに結実するのかと思いきや、どうも半端に纏まってしまったような印象で、モヤモヤが残ります。完全なファンタジーではなくて、リアルの中にフラリフラリと姿を見せるファンタジーという形になっていますが、それが父親の人生を彩るステキな要素として昇華しきれていないように思えます。もっと大仰な振幅があっても構わないんじゃないかなぁ、と思いました。まあ、現実の私が、この主人公ほど人間が出来ていない、現在はまだとてもじゃないけれど父親という存在を何もかも肯定できるような状態にないという、映画を自分に重ね合わせて否定的になっている部分もあったりはするのですが。ティム・バートンの従来の作品にある、威圧的で恐怖の対象のように描かれる父親像、あるいはスピルバーグのように父親の父親たる部分が全く欠落してしまっているような父親像の方がよっぽど自分という人間にはしっくり来たりするんですね。
[DVD(字幕)] 6点(2006-06-28 01:33:23)
1520.  ウルトラヴァイオレット(2006) 《ネタバレ》 
「リベリオン」の劣化コピーみたいな映画です。結局やってる事おんなじ。未来の管理社会で体制側にたった一人で抵抗してゆきます、とりあえず大勢相手に特殊なアクションキメます、って。この監督の引き出しには、それしか入ってないんかい!とツッコミたくもなります。でも、ミラを主役にしてキメまくってる点で中学生度というかボンクラ度というかだけは激しくアップしていて、ミラのカッコいいアクションやプロポーション(特におヘソとお尻)だけを目的に見る分にゃ10点満点映画でしょう。「ミラかっこいいよ、ミラ」って人限定で、これって名画。そして、それ以外の人にはお勧めしません。マンガチックなショボいCGも、ちっとも意外でないどんでん返しも、低予算で異様に狭い世界しか描けていない状況も、ただミラがおヘソ丸出しでアクロバティックに銃や剣を振り回すのを見せるためだけに存在していると考えれば、欠点にもなりません。個人的には「バイオハザード2」の時に舞台挨拶見て以来、ミラ大好き状態なモンですから、これで十分なんですけども。まあ、クライマックス、本拠地に乗り込んでゆく肝心な部分のアクションシーンを省略しちゃう予算のなさ加減だけは「さすがにそれはないんじゃない?」って感じがありはしましたが。個人的には10点だけどちょっと良識がジャマをして-3点。
[映画館(字幕)] 7点(2006-06-27 20:26:29)
080.32%
1220.87%
2421.67%
31234.89%
431912.67%
548419.23%
654521.65%
745518.08%
829811.84%
91827.23%
10391.55%

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