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anemoneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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141.  リプリー
私自身が「太陽がいっぱい」を愛しすぎているということを差し引いて考えても、素直に面白かったと言える作品でした。そういう意味では、もしかして凄い傑作なのかも?とさえ思います。普通、オリジナルに思い入れが強かったらこんなもの受け入れられませんよね。まず第一に、アラン・ドロンと比べようにも比べられないマット・デイモンを連れて来たところがさすがです。重めの展開で、前作では描かれなかったリプリーの卑屈さ、富と名声に対する強烈な劣等感を前面に打ち出して来た点で、前作とはまた違った重厚感が出ました。出しゃばりすぎずキチンと締めたフィリップ・シーモア・ホフマンなど、脇役の使い方にもセンスが感じられていて良かったです。何よりジュード・ロウの強烈な存在感と、色男を捨てた凄惨な殺されっぷりが異常な緊張感をかもし出して、特殊メイクにも驚嘆しましたし前作への未練も完全に断ち切ることが出来ました。リメイクとしてここまで成功した例が他にあったか?と考えると、高い評価をせざるを得ません。あくまでも別の作品として、一個の映画として非常に良く出来ていると思います。
9点(2003-12-29 13:03:48)
142.  ダイ・ハード
どなたかのハンドルネームに釣られて、クリスマスなので数年ぶりに再見(笑)初心忘るるべからずとはよく言ったもので、この作品で「うっかり巻き込まれ型」のコミカルなヒーロー像を作り上げたブルース・ウィリス&ジョン・マクティアナンの技量には頷かされるものがある。個人的に、無敵のスーパーヒーローが続出した80年代ハリウッド映画の中では唯一受け入れることのできた作品。これはもちろん、大したヤツではないはずなのに、奥さんのために火事場の馬鹿力で頑張り抜いた凡人ヒーローに対する親近感のみに支えられるものである。90年代以降の火薬大爆発系に比べると地味に感じられるのはやむを得ないが、地道なアクションでつなぎつつ後半のクライマックスに向けて徐々に盛り上げて行く展開に工夫が感じられて良い。美人すぎず、ほどよく魅力的な奥さんとか、無線連絡でマクレーンを支える警官役のレジナルド・ベルジョンソンなど、キャラクター配置の上手さもこの映画の魅力の一つである。しかし久しぶりに見るとやっぱり最近のブルース・ウィリスって人相が悪くなりましたね。この頃はまだ初々しさがあって良かったです。 【補足】上の方も書かれてますが私もこれ初めて見た時「うわーハードボイルドだ」と思いました。辛いし、みっともないし、情けないのに否応なしに頑張らざるを得ないのがハードボイルドの真髄だと思います。
9点(2003-12-25 00:52:58)
143.  ディープ・ブルー(1999)
「マトリックス」と同系列、同時公開だったこの作品、実は本当ならこっちがメインだったはずが、フタを開けてみたら「マトリックス」のあまりの人気にすっかりB面扱いになってしまったのは不運としか言いようがない。対抗馬が「マトリックス」でなく、地道に長く公開していれば、口コミでそれなりにお客が呼べたんじゃないのかな、と。単なる海洋パニック物しか期待していなかった私はかなりの衝撃を受けた。とにかく笑いのツボがブラックで良い。遺伝子操作でバカ強くなったサメと闘うのが、あろうことかL.L.クールJ演じるコックさん。フライパン持ってスーパー鮫と対決する姿には泣かされるものがありました。全体的に「ジョーズ」へのオマージュと受け取れないこともないわりに、真剣さを装ったシュールな笑いがツボにはまったというか、コメディとはまたちょっと異質な、腹黒い作品ではありましたよね。で、レニー・ハーリン節炸裂のドンパチも予想以上に派手。何のために出て来たんだか誰にもわからずじまいのアイーダ・タトゥーロとか、これをおバカと受け止められるかどうかで印象はかなり違って来るはず。思うに腹黒く、目線がナナメで、ちょっとシニカルでイジワルな物の見方が出来る人には、最高に楽しい映画なんじゃないかと思います。イエもちろん私のことなんですけどね。
9点(2003-12-21 04:18:36)(笑:1票)
144.  さらば冬のかもめ
「佳作」という言葉がまさにマッチする作品。人生の楽しみを何も知らないまま、つまらない罪で貴重な年齢を刑務所で過ごさなければならなくなってしまった若者を、護送する2人の水兵が、命令違反と知りながらこっそり人生の楽しみをほんの少しだけ教えてあげようとする物語。寒々しい風景と、人情味あふれる2人の水兵の優しさが対照的と言えるのかも知れない。やるせない話の中にも観る人の心にかけがえのない何かを残す、ニューシネマの傑作の1つと言えるだろう。護送される若者役を演じたランディ・クエイドは、数年後「ミッドナイト・エクスプレス」でも服役中のアメリカ人役を演じていて、どうも私の中では永遠の囚人みたいなイメージがある。実際「ショーシャンクの空に」が映画化されると聞いて真っ先にレッド役として思い浮かべたのはこの人。ジャック・ニコルソンはこの作品でニューシネマのアンチ・ヒーローから人情溢れる頼れる兄貴への第一歩を踏み出した。脚本ロバート・タウン、主演ジャック・ニコルソンのこの組み合わせは翌年「チャイナタウン」を生み出すことになる。比較的地味な扱いを受けているこの作品だが、ニコルソンのキャリアの中では非常に重要な作品と言えるはず。
9点(2003-12-21 03:29:28)
145.  フェーム
TVシリーズの映画化かと思っていたら逆だったんですね。NY市立芸術高校を舞台に、アーチストを目指す若者たちの青春を描いた佳作。クラシック音楽ばかりでなく、ダンスや演劇、歌やスタンダップコメディまで高校生に教えてしまおうという発想が当時日本の高校生だった私には非常に新鮮で、「絶対、NYに留学する」と言い張り親や親戚から真剣に説得されました。「名声」を夢見る若者たちを活き活きと描きながらも、決して夢と憧れだけではないシビアなエピソードも織り交ぜられ、青春映画としては非常に現実的な視点で描かれていたように思います。アラン・パーカーらしい粒子の粗い暗めの映像で、落ち着いた画像は案外年月を経ても古びないものですね。アイリーン・キャラの歌う主題歌の「いつか私を思い出して・・・」というフレーズがとても刹那的で好きでした。長く心に残る作品だったと思います。
9点(2003-12-21 02:10:15)
146.  続・激突!/カージャック
実は私、スピルバーグの作品の中ではこれが一番好きです。脱獄犯とその妻が繰り広げる明るい泥沼騒ぎ。大した話ではないと思うのですが、独特のスピード感で最後まで突っ走っちゃうところは上手いです。ゴールディ・ホーンのひたむきな目が最後まで印象的な映画でした。続編でも何でもないのに「続・激突!」にされてしまったところがこの作品の最大の不幸だったと思います。単品で余計な先入観ナシに見ればちゃんとそれなりに完成度の高い作品だと思うのですが、「激突!」の意外性と「ジョーズ」の衝撃性に挟まれた感じで観てしまうと、なんかフツーの他愛もない作品、というイメージに落ち着いてしまっても仕方がないかなあ、と。でもどう考えても絶望的な二人の逃避行に、ストーリー運びのスピード感だけで引っ張られてしまう演出の手腕はやっぱり凄かったと思います。個人的には非常に好きな作品です。
9点(2003-12-20 15:18:04)(良:1票)
147.  スパイダーマン(2002)
クランクイン前から本国のサイトをチェックしまくり、死ぬほど期待していた作品。本来私は、期待すればするほど自分の期待感の凄さに圧倒されてしまい、実際にフタを開けてみるとガックリさせられることが多いのだが、浮き足立ちやすいこの私が、ここまで期待に期待を重ねてまったく落胆を感じなかったというのはほとんど天変地異にも等しい事態。要するにバカおもしろかった。なんでトビー・マグワイヤなの?あんな地味で繊細で、お世辞にもタフなイメージとは言えず、むしろ文学の香り漂う気品のある役柄が似合う彼が、なんでアメコミのヒーローなの?というものすごい疑問はあっという間に解けた。この物語は、どん臭くてダサくて内気な少年が、ヒーローに育って行く話なのだ。最初から大活躍するのではなく、なんであのトロいヤツが、と思わせてくれるところがおいしいのだ。だからトビー・マグワイヤなのだ。正直なところ、キルスティン・ダンストはピーターが幼い頃から片思いを続ける女優志願の美少女には全然見えないが、あの程度のフツーのコにすら愛を語れないピーターのどん臭さを強調する役には立っている。つまり彼女はちょっとズレたコなんですね、あの器量で女優になりたいって言うんだから。で、ヒーローになってもピーターは彼女にメロメロ。その一途さが可愛いんですね。強くなった途端、美女に囲まれちゃったら女性ファンは総スカンでしょ。結局これは、ヒーロー物であってヒーロー物でない、フツーの男のコがヒーローに成長して行くお話。だからおもしろい。ただ断言してもいいけど、続編は絶対につまらない。だってピーターはもうヒーローの力量を備えてしまったから。成長し切ってしまった元ドン臭いアイドルに、お姉さんはあんまり興味がないのです。まあ、サム・ライミのことだからちゃんと次の手は考えてあると願いたいですが。
9点(2003-12-20 02:21:52)(良:3票)
148.  スピード(1994)
よりによって、私が31歳にして運転免許を取ろうと決意し、創設以来最もメーワクな受講者として近所の教習所に入学して実習を始めた途端、この映画がCATVで毎日のように放映され始めた。すっかり度胸をつけた私は講師陣を恐怖のどん底に落とし入れながら怒涛のように教習所に通い、なんと実習18日間で運転免許を手に入れた。ちなみに実習中、私が最も良く聞いた教官の台詞は「ブレーキ!ブレーキ!」である。キャンセル待ちの受付をするカウンターの兄ちゃんは心からホッとした顔をしていたが、何と言っても一番恐ろしい思いをしていたのは愛車を命がけで可愛がっていた当時の彼氏だったに違いない。あまりにも話がズレてしまったが、これはすごくおもしろい映画でしたよ。クリスチャン・スレイターが続編のオファーを断ったのは、大失敗だったと思います。
9点(2003-12-20 00:21:36)
149.  スウィーニー・トッド<TVM>
ヨーロッパでコスプレというとどうしても絢爛豪華な貴族趣味ばかり思い浮かべてしまいがちだが、この作品は不潔で淫靡な世紀末のロンドンを非常に泥臭く描いた点で新鮮。実際にこの時代のロンドンを見て来たわけではないので何とも言えないが、異様に頬紅を強調したメイクアップや、マメに入浴しているとは考えづらい人々の全体にベトついた感じ、衣類なんかもやけに薄汚れ方がリアルだったり、とかく歴史映画の中にあまり出て来ない、トップクラスの上層階級でもなければ最下層の貧民でもない、ロンドの中流社会をクローズアップしたところが珍しくもあり、楽しくもあった。伝説の殺人鬼スウィーニー・トッドの事件そのものの猟奇性は単に覗き見根性を満足させてくれるにすぎないが、私は下品で野次馬趣味なので素直におもしろかったと言っておきたい。関係ないけどこの映画の公開直前、あらゆるミニシアターで上映されていた「ライフ・イズ・ビューティフル」をオスカー受賞のヒューマンドラマに群がった有閑マダムたちにぎっしり囲まれて観るハメになったのだが、上映前にこの作品の予告編が流れてしまい、集まった200人のおばさんたちが動揺のあまり騒然となっていたのが正直ちょっとおもしろかった。ハンカチ握りしめたおばさんたちに、人肉パイのCMは酷である。いくらなんでも、予告編を上映するのにもTPOってもんがあるだろう。
9点(2003-12-18 23:21:29)
150.  スティング
もちろんポール・ニューマンもロバート・レッドフォードもいいよ。でもへそ曲がりな私としては、やっぱりこの映画ってロバート・ショーの一人勝ちだよね、なんて余計なことを言いたくなってしまう。なんというか、この人が出て来ると映画が締まりますよね。あの人情おやじっぽい表情がいい。小粋なストーリーとテンポの良い展開で、圧倒的な人気を誇るこの映画、今さら私が褒めちぎるまでもないだろう。この作品もまた、多くの名画と同じようにテーマ曲と映画とが切っても切れない仲。テンポの良いピアノ曲の印象的なメロディが、この映画をよりノスタルジックで楽しい気分の盛り上がる作品にした。ピアノを教えている友人に聞いたら、いまだにこの曲を弾いてみたいと譜面を持ち込む大人が多いらしい。それもまた納得のいく話である。
9点(2003-12-18 01:44:18)
151.  ザ・ペーパー
タイトでスピーディな群集劇、ってちょっとあり得ないような気がするけど、珍しく大成功している例がこれ。地味豪華なメンバーでスリリングにスピーディに、圧倒的なテンポの良さで一気に見せてしまった手腕はさすがロン・ハワード。この人は現代のハリウッドにおいて、小粒な秀作からビッグバジェットまで何でもこなせる稀有な存在。ある意味映画バカなんだけど、たまにはこういう作品も見せてくれるのがファンには嬉しいところ。明日の朝刊のトップ記事をめぐって、ここまでスピード感あふれるサスペンスに仕立ててしまったあたり、目のつけどころがさすがです。何気なく退屈しのぎに手にしたタイトルでしたが、かなりハマッてしまいました。秀作です。
9点(2003-12-18 01:09:55)
152.  チアーズ!
これだけスター予備軍のティーンエイジャーを集めちゃって、撮影はさぞかし大変だったろうなぁ・・・とストーリーと関係ないところで妙に感心してしまった作品。でもお色気あり、ロマンスあり、笑えるエピソードいっぱいありの、コミカルでアップテンポなストーリーは最後まで楽しく観られました。顔だけ見てるとぽっちゃりしたイメージのキルスティン・ダンストのスタイルの良さにも驚き。ナゾの転校生役を演じたエリザ・ダシュクの美少女ぶりもかなり強烈な印象でした。若さはじける青春モノとして、高く評価したいと思います。チアリーディングのシーンもかなり盛りだくさんでレベルも高く、躍動感たっぷり。エンドクレジットの仕掛けも楽しく、純粋に楽しめる作品だと思います。エリザ・ダシュクの双子の兄が着ているTシャツのバリエーションも必見。
9点(2003-12-17 23:32:03)
153.  K-19
イヤな映画でしたね。冷戦崩壊後の今となっては、旧ソ連のことならいくらでも悪く描いていいっていう風潮もあって、事実こういうことを言われちゃっても仕方のない国だったんだろうけど、こういう話って本当は見て見ぬふりをしていちゃいけないとは思いつつやっぱり観ていて辛くて仕方がなかったです。チェルノブイリ事故の後、やっぱり大した装備もなしに放射能でいっぱいの原子炉に入って後始末をさせられた被爆者たちの凄惨な写真がスクープされたことがあって、怖いもの見たさで見てしまいましたけどやっぱり見なきゃ良かったと思いました。この映画でも、結果的に彼らの犠牲があったからこそ最終戦争が防げたんだよ、という、ある意味彼らの偉業を讃える内容にこそなっていますが、何の予備知識もなしに「戦争モノらしい」と足を運んでしまった私は本当に「しまった」と思いました。どのぐらいショックだったかというと20年間吸い続けているタバコを1ヶ月半、吸えなくなりました。本当にやばかったです。映画としてはハリソン・フォードが珍しく、かつ非常にお似合いなバカ艦長役でブチ切れているのがとても似合っていて笑えました。リーアム・ニーソンの善良ぶりはちょっと鼻についた感じがしますが、物語の都合上一人はこういう役も必要だったと思います。キャサリン・ビグローは早くから注目されていた女流監督ですがビッグバジェットはこれが初めてになるので不安はありましたが、いえいえ充分骨太な重厚感ある仕上がりでした。女性でもこういう映画が撮れる時代になったんですね。今後の動きに注目したいと思います。
9点(2003-12-14 02:47:20)(良:1票)
154.  ファインディング・ニモ
いやぁ~。これ、なんだってまたこんな真冬のド寒い時期に公開するんでしょうね?どう考えたって夏休み向けなのに。恥ずかしながら、ピクサーのアニメを観るのはこれが生まれて初めてなんですが、なんでみんながわざわざマンガを観に映画館まで足を運ぶのか、とっても納得できる作品でした。ヘタな実写よりおもしろかったですよ。何しろアニメだから不可能はないし、アニメだから不可能だと思われて来たことまでちゃんとやってくれちゃうし。キャラクターもなかなか可愛いですよね。もちろん私はギル役のウィレム・デフォー目当てで行ったんですけど、彼の役どころも実写作品でこれまで演じて来た役柄と全く違和感なくて笑えました。シナリオも良く出来てるし、伏線の張り方なんか良いシナリオのお手本みたいです。後半はちゃんとスペクタクルになるし、「へぇ~。いいじゃん」と素直に喜んで帰りました。童心に帰って浸るのが一番正しい楽しみ方だと思いますが、決して子供だけをターゲットに作られているものではないと思います。キャラクター作りは本当に上手いし、それぞれがキチンと個性を発揮していて存在感強いです。こういうのは劇場で観ないとダメでしょうね。ビデオでは、ほんとにただのマンガになってしまうような気がします。
9点(2003-12-14 02:31:01)
155.  刑事ジョン・ブック/目撃者
刑事モノとしてはよくあるストーリーのはずが、アーミッシュを持って来たところに目新しさが際立つ一篇。時代錯誤な暮らしを続けるアーミッシュの集落を舞台にしたら、普通の話にとびきりのノスタルジックな趣が出た。全体的に時代劇のムードを漂わせ、別世界に暮らす男と女というタイムトラベル物の雰囲気も出た。そういう味つけを一つずつ取り除いていったら単なるフツーの刑事モノにすぎないんだけど、こういう独特な雰囲気を作れたのはピーター・ウィアーならではのセンスでしょう。甘めの映像とハリソン・フォードの無骨な個性がうまく調和したのも目新しかったですね。いろんな意味で女性向けの作品ではあると思うけど、子供を使って泣かせる映画なのかと思ってあまり期待せずに見たらかなり良かったので驚いたのを覚えています。それにしても舞台では非常に高い評価を得ている女優であるはずのケリー・マクギリスがこの映画の次に選んじゃったのが何故「トップガン」だったのか未だに不思議で仕方がないです。この映画ではアーミッシュのシングルマザーという非日常感をかもし出すことに大いに貢献していたと思うんですけど。
9点(2003-12-13 14:09:55)(良:2票)
156.  グッドマン・イン・アフリカ
これ、トボけてて私はかなり好きです。なんというか、意地の悪い笑いに満ちていて、自分の腹黒さが満たされた感じですね。架空の国を舞台にしているのでなければ、国際問題となりかねない内容ですが、ある意味西洋社会のアフリカ観を率直に表現したところも評価できます。他の方も書いておられるように、宣伝の方向性がちょっと間違っていたことは事実ですが、アフリカ的おおらかさで「ま、いいか」と素直にこの雰囲気に入って行ける人には楽しめる作品ではないでしょうか。ショーン・コネリーも仙人風に、飄々とした良い味を出してます。肩の力を抜いてコミカルかつアイロニカルに、カルチャーショックって何よ?というやや固めのテーマをさりげなく語っていることに好感を持ちました。こういうの、日本を舞台にしてやったらシャレにならないところがありますよね。日本人も、自分たちを笑った映画を一緒に笑えるぐらいになれたらいいのに。
9点(2003-12-13 13:07:17)
157.  グッドモーニング,ベトナム
これは観た順序に左右されるんじゃないでしょうか。78年の「ディア・ハンター」から「プラトーン」、「ハンバーガー・ヒル」あたりまでの一連のベトナム戦争回顧映画を一通りリアルタイムで観ていた世代には、かなり新しかったし、ある意味ブームの終焉にふさわしい作品ではあったと思います。正直、ロビン・ウィリアムスという役者にまだあまり飽きてない頃だったのも正解でした。この後エンエンと続く彼の幸せ配達人ぶりを押しつけられた後では、はっきり印象も変わると思います。関係ないけどこれが初めて地上波で放映された時、ロビン・ウィリアムスの吹き替えをやった広川太一郎は本当にスゴかった。話芸で回す作品をよくまあここまで頑張ったものだと、彼の底力を感じました。ロビン・ウィリアムスの人情役者ぶりと戦場で起こった「ちょっといい話」みたいな作品にお腹いっぱいの今観ると、さすがに陳腐さは否定できませんが、当時としては力いっぱい善良な、偽善的ではあるけれど人の心の美しさを一生懸命描こうとしたこの作品には心を打たれました。ベトナムの真実を描こうとした映画はたくさんありますが、この映画でアメリカ人はようやく、そろそろベトナム(または戦った自分たち)を許そうという境地に達して来たということではないかな。
9点(2003-12-13 12:56:54)(良:2票)
158.  クッキー・フォーチュン
皆さん口を揃えてらっしゃる通り、この映画はもうジュリアン・ムーアの一人勝ちでしたね。タネも仕掛けもあるようには見えない展開で、淡々と騙されてしまいました。アルトマン作品としては比較的幅広い層に楽しめる作りになっていると思います。最近のアルトマン映画としてはかなり小粒な仕立てになっていて、「ザ・プレイヤー」みたいな豪華盛り合わせ映画と比べるとかなり小さくまとまった印象がありますが、そういうスケール感でもきちんと仕事ができるということを証明してくれたようでもあり、豪華なフルコースが続いた後で、たまには普通の定食が食べたいよね、という気持ちを満たしてくれるところがあります。キャストも少数精鋭で、それぞれにきっちりやっていて楽しそうです。いろんな意味で、平均値の高い映画と言えると思います。
9点(2003-12-13 12:44:04)
159.  CUBE 《ネタバレ》 
お金も知名度もなかったら、アイデアで勝負するしかないじゃーん。という中でもこれはちょっと図抜けてましたね。掴みも早いし、ワケわからんモードに引きずり込まれたが最後、絶対に最後まで引っ張り回されてしまう。映画でパズルをやろうと思った監督は偉いと思うし、率直に楽しい映画だったと思うけど、欲を言えばちゃんとオチまで考えてから撮ってもらいたかったです。そういう理由で残念ながら1点減点。でも限りなく満足度は高かったです。オチさえあれば、満点だったのに。
9点(2003-12-13 01:10:22)
160.  奇跡の人(1962)
先に79年のメリッサ・ギルバート版を観ていたので「つまんなかったらどうしよ~」と要らぬ心配をしてしまいましたが、まったく比較の対象にするのもおこがましいほど素晴らしい出来でした。これまで数え切れないほどの「天才子役」を紹介されて来ましたが、天才というのは本当はパティ・デュークのような人にしか言ってはいけないことだったんですね。彼女のヘレン・ケラーがこれほどまでに語り継がれていることに心の底から納得できました。本当は目が見えるんですよ、って言われたらちょっと驚くぐらいの本物っぽさで。舞台出身のアーサー・ペンらしく、長回しも多く非常に演技力を問われる作品なんですが、有名な食事の特訓シーンなど、観ているこちらまでヘトヘトになってしまうすさまじさでした。アン・バンクロフトも女優然としてなくて良いですね。いかにも根性ありそうな、当たり役だったと思います。語り尽くされた感のある物語で、何を今さら、という感じはするかも知れませんが、百聞は一見にしかずと言いますので、まだご覧になってない方は是非観てみて戴きたいです。泣けますよ。
9点(2003-12-13 00:37:21)(良:1票)
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