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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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1621.  陽気なギャングが地球を回す
デフォルメの効いた演出に、オシャレのスパイスを振りかけて。この試みは面白いと思います。ただノリが上滑りしているような。佐藤曰く、「銀行強盗はロマン溢れるもの」。綿密な計画と大胆な行動の上に成り立つ芸術作品。佐藤の演説は時間稼ぎの手段。派手な服装は人相を分かり難くするため(その割に私服も派手だけど)。それぞれに意味があります。芸術性も感じられる。でも、ドキドキもワクワクもしません。つまりロマンが無いということ。それは緊張感が欠如しているから。軽いノリはOK。でも緊張感まで無くしたら元も子もありません。この部分の手抜かりが作品の質を下げていると感じます。キャスティグはまずまず。佐藤浩市や鈴木京香のような大人の役者を配したのは正解。更なるビックネームもこのお遊びに付き合ってくれたら、もっとオシャレだったと思います。方向性はアリ。でもデコレーションに凝る前に、まずやるべきことがあると思いました。
[DVD(邦画)] 5点(2007-10-26 19:00:12)(良:1票)
1622.  寝ずの番 《ネタバレ》 
“ウィット”や“ウエット”に富んでおり、随所でニヤリとさせられます。もちろん爆笑もある。役者陣もみな上手い。「楽しめなかった」と言えばウソになります。ただ、エピソードを積み重ねただけなので平坦な印象は拭えません。「そそ」と「かんかんのう」といった目玉を、序盤に使ってしまったので中盤がやや薄いか。それでも「歌合戦」からの畳み掛けはお見事でした。ポイントはラストの電車踊り。あの輪の中に入れたか否か。一緒に踊れた人は、本作を十分に堪能できた人。一門や、堺正章、監督と同じように内輪に入れたということです。(一緒に踊っていたけれど、蛭子能収は外の人だと思う。)残念ながら自分は内に入れなかった組。このチェックは結構厳しい。それ相当の人生経験を必要とします。年を取っているだけではダメ。もちろん、そういう経験をしているから偉いと言う訳ではありません。観ている景色が違うだけ。夕日が美しいと思う人もいれば、車のフォルムにみとれる人もいる。どの景色が美しいかは、それぞれが決めればいいと思う。ただし、監督は多分そう思っていない。(不遜な言い方で申し訳ないですが)謙虚さが感じられない。この景色が世界で一番だと信じて疑わない。「楽しめない奴はイキじゃないね」と自信満々です。主義義主張のない監督よりは100倍マシ。だけどその強い自信の前に、弱い人間は萎縮してしまう。江頭に爆笑し、ダチョウの竜ちゃんに腹を抱える自分のセンスがダメなんじゃないかと思えてくる。(いや実際ダメなんですけど。)内輪に入れて共感できた人には素晴らしく心地いい世界。ただ敷居は驚くほど高いと思います。
[DVD(邦画)] 6点(2007-10-25 19:57:59)(良:1票)
1623.  パプリカ(2006) 《ネタバレ》 
夢と現実が交錯する物語の場合、その区分が曖昧になることが多い。そこから派生する幻惑・幻想・酩酊感がウリだったりもする。本作も、後半にかけて夢と現実の境が無くなっていきます。でも夢か現実か、あるいはその混合世界か、自分が何処に立っているのかは判断できます。戸惑いはあっても、迷子にはなりません。物語の骨子は明確で、物語のナビゲーションは丁寧でした。これは勿論プラスの要素。ただその反面、面白味には欠けます。夢は所詮個人の思考の産物。「一見制約が無さそうで、しっかり制約のある世界」を真面目に描きすぎたかと。この辺のさじ加減は難しい。地図とコンパスが無かったら目的地には着けないけど、保護者同伴の冒険旅行にワクワク感はありません。もう少し乱暴でも良いと思いました。点数は8点。私的には高得点です。でも「8点止まり」という感じ。凄くもったいないと思いました。ちなみにオチは世の男性に“夢”を与えるもの。あの超おデブのボクちゃんが、クールビューティーなパプリカ本体をゲットするとは!でも彼は天才でもあるしなぁ。やっぱシビアな結末なのかも。
[DVD(邦画)] 8点(2007-10-24 17:20:44)
1624.  親指さがし 《ネタバレ》 
近年の邦画ホラーは、『リング』『呪怨』等“呪い系”が流行しています。まずこの先入観にを利用されました。「親指さがしはサキの呪い」という一枚のFAX。一連の事件を呪いの仕業であると観客に思い込ませます。『リング』の電話にビデオテープ、『着信アリ』のケイタイのように、最近の幽霊は電子機器がお好き。FAXというチョイスは絶妙です。また文章にも配慮が感じられました。本来なら「お前たちを呪ってやる」と書きたいところ。でもそうは書けないから「親指さがしはサキの呪い」な訳です。少女が自分のことをサキと呼んでいるとも読めますし、第3者からの忠告とも受け取れます。情報は曖昧でOK。どうやら呪いっぽいと観客に感じさせれば十分です。後にFAXの送信者は明らかになりますが、“何故三宅のFAX番号を彼は知っていたのか?”という問題が発生しないのもお見事です。三宅の職業は番組制作会社のAD。彼の職場に様々な情報が集まるのは不自然ではありません。再三再四、「これは呪いではない」とする主張するキャラが出てくるのも、逆に“呪いは存在する”という方向へ観客を誘います。アイドル三宅のキャスティングにも意味がありました。「少女の呪い説」へ観客を見事にミスリード。ただ、残念ながら怖くないのです。三宅が目にする霊現象(妄想)はどれも抑え気味。ネタバレ後の三宅の狂気の演技には閉口しました。終盤にきて、大ブレーキがかかってしまったのは残念です。少女の死亡場所もどうにかならなかったものかと思います。でも『着信アリ』とか『着信アリ2』とか『着信アリFainal』みたいな、ビックリドッキリお化けホラーより、印象は悪くありません。
[DVD(邦画)] 6点(2007-10-23 18:23:36)
1625.  リディック 《ネタバレ》 
前作の後日談としての設定は引き継いでいますが、ほとんど別物と言っていいくらいアクションや世界観がスケールアップしています。この系列の作品で最もよく見られる続編パターン。で、予算増に比例して評価も下がる。これまたお馴染の傾向が伺えます。それも分かる。前作はサバイバルサスペンスに比重を置き、コンパクトで分かり易い。それに比べて本作は、いっぱいに風呂敷を広げたはいいが、何を包みたいのか分かり難い。完成度は前作のほうが上だと思います。ただ本作には気楽に観られる面白さがある。娯楽大作の派手さがある。リディックのアクションは格段にパワーアップしましたし、灼熱監獄惑星からの脱出劇も見応えがありました。(このエピソードのみに絞れば、まさしく続編という感じ。)風呂敷の畳み方は強引だけど、伏線を張っているから納得できます。オチは気が利いていると思う。自分は十分楽しめました。前作の採点は5.9点で切り捨てて5点。本作は6.4点で切り上げて7点。その違いは満足度にあります。サスペンスとして今一つと感じた前作に対し、娯楽アクションとしてお腹いっぱいになった本作の方が、個人的には好みです。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-22 18:10:13)(良:1票)
1626.  悪魔の沼 《ネタバレ》 
序盤、宿屋の主人が女を鉤で刺し殺したシーン。あれは生々しかった。ただ、ここがマックス。後は緩やかな下降線でテンションが落ちていきました。大鎌のビジュアルは良いのですが、リアリティには欠ける。しかも男が使いこなせておらず、こけおどしに見えたのはツライ。もう一つの目玉、クロコダイルも本能的に恐怖を抱く対象じゃない。不意打ちでしか人を殺せない宿屋の主人は、殺人鬼として疑問符が付きます。なごみ系レトロなB級ホラーとして楽しむが吉。怖くは無いです。
[DVD(字幕)] 5点(2007-10-21 17:11:51)
1627.  ピッチブラック 《ネタバレ》 
難点は、リディックが悪人に見えないこと。いくら賞金稼ぎが「彼は危険だ」と叫んでも、そのほかの乗客たち(観客)が目にするのは、脱出のために働く頼れる男の姿。伝え聞いた話と実際に目にした事実とでは、どちらが重いかは明らかです。おまけに子供はなつく始末。彼の本性が悪人でないことは、早々にバレてしまいます。これが大問題。後半の脱出劇で“前門の虎後門の狼”という危機的状況が作れていません。クライマックス、彼が残された仲間を助けに行く感動ポイントも予想通りだから驚きがない。彼が最後に言う「リディックは死んだ」という台詞は、「死んだことにして刑を逃れたい」という気持ちと、「悪人から生まれ変わった」という2つの意味が含まれています。皆既日食を抜けて進む宇宙船。差し込む光は、彼の心の中の光なのでしょう。でも、最初から悪人じゃないから、感動に結びつかない。つまり“凶悪犯リディック”という肝心の設定が活かされていないことが、諸々の不具合の根元です。物語が動かない前半のうちに、とことん彼の凶悪犯キャラを肉付けしておく必要があったと思います。ただ本作はSFアクション。そこで楽しめれば問題ありません。暗闇の中でのVSエイリアンのサバイバル戦は見応えあり。銃器に頼らないところも良かった。ただ、最後のたたみ掛けが今ひとつで残念。
[DVD(字幕)] 5点(2007-10-20 18:48:51)
1628.  ぼくんち 《ネタバレ》 
関西地方と思しきとある島が舞台。漂う空気に覇気はなく、閉塞感に包まれています。物価は高く、治安は悪く、中華料理屋はマズい。島を捨てればいいのにと思う。でも島民はその生活を受け入れています。多分一生島からは出られない。それは此処に根付いてしまっているから。爽やかな高原の風に揺られる花もあれば、真夏の太陽に焼かれながら、道路の端っこにへばりついて生きる草もある。どこに何で生まれるかは運。蒔かれた種は、そこで芽を出すしかありません。運命という言葉は好きじゃないけど、どうしようもない事はある。そういう現実を笑いのエッセンスに変えるしたたかさ。アスファルトを割る雑草のような生命力。それがサイバラ作品の魅力だと思います。痛いけど可笑しいのは、本当の意味で惨めじゃないから。本作がその魅力を十分に引き出しているとは、正直言い難いです。でもだからダメだとは思わない。原作を最高に楽しむ方法は、原作を読むこと以外にありません。映画は映画。割り切って捉えるとそんなに悪くないと感じます。観月は汚れ役をものともせず、岸辺は「上手い」の一言。濱口や今田も良かった。それに「親はなくても子は育つ」というテーマは伝わってきました。島を離れる兄弟。動物の毛に絡み付いて移動する雑草の種のように。あるいはタンポポの綿毛のように。此処ではない何処かに行き着いて根を下ろし、いずれ花を咲かせて欲しいと願います。愛情を注がれて世話をされた子供は幸せだという。では一太や二太、ネコ婆の子供たちは幸せではないのか。彼らを憐れむほど、自分は厚顔ではありません。むしろ「生きとったらええねん!」と言い切れる強さに憧れます。
[DVD(邦画)] 6点(2007-10-19 18:18:29)
1629.  7月24日通りのクリスマス 《ネタバレ》 
少女マンガ的世界観に裏打ちされたおとぎ話。本作のメインターゲットは女性でしょう。主人公に感情移入して、どうぞ夢の世界をお楽しみくださいという趣向です。ただ、それは相当に困難な作業と思われました。大人の女性なら鼻で笑うほどお話は浅く、夢見る少女が自身を投影するには、中谷の年齢は高すぎました。中谷を主役に据える以上、彼女と同年齢層の女性が一番楽しめないとオカシイのに。でも多分真逆だと思われます。彼女に近い境遇にある人ほど、現実との違いに打ちひしがれるのではないかと。実際、中谷と同じようなパーソナリティの人は結構います。女も男も。かくいう自分もそう。買ってもいない宝くじが当たるのを夢見ているのです。中谷は拾った宝くじで1等を当て、私は今日も一人寂しく夜を過ごす。何処が違うの?と虚しくなります。結局のところ、「自分は中谷美紀じゃない」という残酷な結論に行き着いてしまうのです。ですから、主人公には頑張ってもらわないと。ちゃんと花を咲かすために種を植え、水をやって世話して欲しいのです。努力の末に幸せを手に入れる物語を望みます。それでこそファンタジー。そういうご都合主義なら歓迎します。
[DVD(邦画)] 4点(2007-10-18 18:04:18)
1630.  インプリント ~ぼっけぇ、きょうてぇ~ 《ネタバレ》 
周りは日本人だらけなのに、主人公はアメリカ人。そもそも日本人の観客は感情移入しにくい設定。ただそれを差し引いても、観客が作品へのめり込む仕掛けが不足していたと思います。男のキャラ付けは薄く、彼が抱える過去も取って付けたよう。小桃なる女郎も魅力的に見えません。ただ、口裂け女郎の生い立ちには、それなりに意味がありました。彼女の境遇を慮るとやるせない。命に対して価値を見出せないから、彼女は小桃を手にかけてしまった。彼女は人として哀れだと思う。だからこそ、彼女を只の化け物にしてしまったのは罪深い。何であんなギャグみたいなお姉さんを取り付けてしまったのか。お姉さんの存在価値はその見た目のインパクト、キモさに依るところが大きい。もう一つの人格としての位置づけならば、ちゃんと人として扱わなければ。切ない感情が引き出されそうになったのに全部ぶち壊しです。彼女を演じた工藤夕貴の演技そのものは、決して悪くなかっただけに惜しい。原作者の岩井志麻子の悪ノリ女郎ぶりは見モノです。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2007-10-17 18:45:34)
1631.  メリーに首ったけ 《ネタバレ》 
テッドの身になってやきもき。濃いネタの数々に爆笑。そして最後はスッキリハッピーエンド。確かに「メリーに首ったけ」なストーリーでした。まず大切なのがヒロインのキャスティング。男を惹きつける魅力に溢れていること。その点キャメロンは文句なし。彼女よりも美形の女優は大勢います。でも美人であることと、男にモテることは違う。彼女のルックスには親しみがある。男が“どうにかなるかも”と思う上限。清潔感アリ、性格○。茶目っ気もある。モテないはずがありません。メリーを取り巻く危ない野郎たち。そんな中で、テッドがメリーを射止めたのは何故か。元彼を連れてくる潔さアピール。弟くんが唯一心を許した件など、彼はポイントを稼いでいます。でもこれらは、観客が“彼を認める”要件にすぎません。メリーが彼を選んだ理由は単純です。“彼を好きだったから”。もともと彼はメリーのタイプ。学生時代、歯の矯正をしているブサ顔のテッドを、彼女は最高にチャーミングだと言っている。プロムに彼を誘ったのも、弟を助けてくれたお礼ではなかった。ヘタレ男のハッピーエンドを喜べるのは、そこに変な同情が無いから。ラブコメのツボを押さえた、巧みな脚本でした。お気に入りは動物ネタ。テッドVS犬の一戦には腹を抱えました。文字通り犬への“ブルドッキング”ヘッドロック。容赦無用の目潰し攻撃!そしてそれをかわす犬!!笑い転げました。動物ネタに限らず、下も障害者ネタも少々キツイ。眉をひそめる人もいると思います。でも自分はタブーを怖れない姿勢に、むしろ好感を覚えました。例えば、弟やニセ建築家ら障害者キャラを扱うのは、リスクを伴います。避けるほうが無難。でも現実には、知恵遅れの人も身体障害者も周りにいます。映画に出ていこないほうが不自然なくらい。彼らの存在に目をつむるほうが間違っている。可笑しいと感じたなら笑えばいい。それは偏見や蔑みとは逆ベクトルの行為だと思います。(本作では、徹底して障害者を平等に扱っています。ヒーリーが彼らに容赦が無いのもそのせい。)関係団体からお叱りを受けそうな動物ネタも同じ。”あり得ない”からオモシロイ。現実とフィクションを混同するのはナンセンスです。勿論、どんな表現にも配慮はあって然るべき。でも配慮が過ぎてもパワーを失ってしまう。バカコメディは、ヤリ過ぎくらいで丁度いい。「下品で、くだらなかった!」最高のほめ言葉を贈りたい。
[DVD(字幕)] 9点(2007-10-16 18:14:34)(良:4票)
1632.  青春☆金属バット 《ネタバレ》 
脚本は洗練されているとは言い難く、どのキャラクターも褒められません。主人公は金属バットを振り回して強盗を働き、アル中女の傍若無人ぶりは酷いものです。そんな2人が海まで行って、花火をやって楽しかった?「なんじゃそりゃ」な内容です。でも描かれている心の動きには、リアリティがありました。行動は支持できなくても、感じるものがありました。「青春」という言葉を辞書で引くと、「夢や希望に満ち活力に溢れる若い時代を人生の春にたとえたもの」とあります。若さはエネルギー。夢に対してムキになれます。それは直進する力。イメージ的には将棋の香車でしょうか。上手く機能したときの威力は絶大です。壁をぶち破る力を秘めています。でも頭に歩を打たれただけで、身動きが取れなくなることもあります。主人公も警官もアル中女もこの状態と言えましょう。金縛り。もちろん誰もこのままでいいなんて思っていません。でもどうにもなりません。否応もなしに、過ぎてゆく貴重な時間。だから焦るのです。警官は「どうだっていいよ」と自分を誤魔化し、男は闇雲にバットを振り続け、女は酒に逃げるという構図。行為の違いこそあれ皆同じです。不器用なんだと思います。そして根が真面目だから、こうなってしまうのだとも思います。迷惑な奴らだとは思いつつも憎めないのはこのため。3人の出会いと再会は、視点を変える良いチャンスでした。滅茶苦茶だけど、とりあえず動き出しました。動けば視界が開けてくるはずです。次の一手を思いつくのは、そんなに先のことじゃない気がしました。だって、彼らの青春はまだ終わっていないのですもの。それにしても、坂井真紀のダメ女ぶりは素晴らしかったです。マイナーな声がたまりません。巨乳ならぬ虚乳に、女優魂をみました。
[DVD(邦画)] 7点(2007-10-15 18:30:23)
1633.  ラッキーナンバー7 《ネタバレ》 
最近は韓国映画のドロドロ怨念系ばかり観ていたので、本作のようなスタイリッシュな復讐劇はなんか新鮮でした。もっとも物語の体裁上、そのことは終盤まで明かされませんので、全体的な雰囲気は新訳『間違えられた男』といった趣。サスペンスとしては、至極真っ当なつくり。シンプルな構成ゆえ物語を深く理解できるのが良。ただ、ドラマ部分の掘り下げは十分ではないと思いました。とくにキーパーソン、グッドキャットについて。彼が幼い主人公の命を助けたのは、まあ理解できる。しかし彼が主人公の復讐に加担したのは何故でしょう。ボスやラビのやり方に我慢できなかったから?主人公の父親代わりだったから?プロの殺し屋が私情を挟む以上、其処に何らかの理由付けが欲しいと思いました。彼のキャラクターに肉がつけば、物語に厚みが出たと思います。復讐がなされてもイマイチ爽快感に欠けるのもマイナス。家族を皆殺しされた主人公には同情しますが、危険な賭けに手を出したオヤジさんにも非がある。また、序盤からボスもラビも顔を出しすぎ。手の届かない大物相手だからこそ凝った仕掛けが必要な訳で、こうも簡単に復讐相手に会えるならば、「いつでも殺せるのに」と思ってしまいます。6点か7点か迷うところですが、タイトルがタイトルだけに。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-14 19:52:02)(良:2票)
1634.  幸せのポートレート 《ネタバレ》 
男性側のファミリーは堅い絆で結ばれているように見えます。同じ価値観を共有し、円滑に過ごすための暗黙のルールがある。ただ、その結びつきが強すぎるために他者を排除する傾向が伺えます。「あの人はOKだけど、この人はダメだ。」とすぐにレッテルを貼ってしまう。社会的マイノリティを抱え、散々嫌な思いをしてきたのでしょう。防衛意識が殊更強い。例えばジェシカが家を飛び出すキッカケ。彼女が言ったゲイに対する認識は、世間一般のそれ。配慮に欠けていたとは言え、この家族の反応は過剰です。其処にこの家族の危うさが見える。痛いところを突かれたから怒るのだと思います。もし本当に家族愛で結ばれているなら、少々の批判は受け流せばいい。彼女を軽くたしなめる程度で十分です。「私たちはもっと大事なことがあると分かっているの」と。少々気持ちが悪いです。異なる価値観を拒絶する姿は、ヤバイ宗教なんかに似ている。母親が妊娠中の写真をプレゼントされて、家族一同号泣。ますます気持ち悪い。姉妹の節操の無さも、家族の思考回路も正直よく分かりません。日本でも同じようなプロットのテレビドラマはよくありますが、こちらは決まってドロドロ系。そうならざるを得ないと考えるのが日本人の感覚なのだと思います。「ちょっといい話」風にまとめる力技は凄いです。
[DVD(字幕)] 4点(2007-10-13 19:52:57)(良:1票)
1635.  僕の彼女とその彼氏(ゆうれい)Drop in Ghost 《ネタバレ》 
技術的な部分はよく分かりませんが、とにかく暗転がウザかった。“眠る”“記憶を失う”等のシチュエーションとは関係なしに、頻繁に使用される暗転。時間と空間をリセットする意味では有効な手段かもしれませんが、ブツブツ切られるので物語にテンポが出ません。もっとも物語になっているかどうかも怪しい。タイトルから推測するに、主人公は「ぼく」でしょう。しかしぼくの視点で物語が進むのかと思いきや、さにあらず。誰の視点とも定まらないまま物語は進行するので、観ている方は置いてけぼり。何となく「彼氏」(ゆうれい)の心残りは解消されて終了。そこにドラマがあったのか謎。たぶん“切ない系”の恋愛モノを狙ったのでしょうが、サッパリでした。それでいて、ギャグに凝るのは違うのでは。しかも下ネタっぽいし。現場では爆笑しているのかもしれませんが、まず肝心なドラマへ力を注いで欲しいと思いました。主演の満島ひかりのハツラツぶりだけは良かったです。
[DVD(邦画)] 3点(2007-10-12 18:34:03)
1636.  インサイド・マン 《ネタバレ》 
逃亡プランは最初からネタバレしていますし、獲物の持ち出し方も、冒頭で示唆されています。ですから事件の外観はよく分かる。でも真相は不明な部分が多い。そこで自分なりの想像を含めて、事件の全貌を整理してみます。犯人の狙いは現金ではなく、会長のお宝でした。貸金庫に眠る大量のダイヤモンド。ナチスの資料は、立て籠もりとダイヤ窃盗を刑事事件にさせないための保険。弱みを握られている会長は、秘密保持のために事件にさせないはず。ただし人質が死んだら話は別。そのためのモデルガン。倉庫に隠れる発想は面白いですが、行員に気付かれる可能性は高い。にもかかわらず実行に移せたのは勝算があったから。トイレをつくる余裕まである。その自信の源こそが「インサイドマン」。貸金庫の存在と中身を知る人物で、計画の立案者。古参の会長側近で要職にある人物と推測します。彼の力があれば、倉庫は安全なスペースに変わります。ちなみに実行犯は4人。お宝を持ち帰った車の中は5人。多い1人が“彼”。会長のもう一つのアキレス腱は指輪です。「指輪を追え」は、会長の過去を追えということ。このメッセージを警察に送った理由。そこには“復讐”“制裁”の意味が垣間見えます。証拠を手にした犯人と、秘密を探る警察からの挟み撃ち。会長の精神的苦痛は甚大です。犯人の安全を確保するだけなら、ここまでする必要はありません。もっとも会長は、こんな日が来るのを待っていたのではないかと。書類や指輪を捨てられない。つまり自分の行為を割り切れていない証拠。そこに会長の良心が見える。なお、犯人が指輪の秘密を託す相手は“知りえた事実をマスコミに売ったりしない”真面目な警官でなくてはなりません。秘密が公になったら切り札の価値が無くなってしまう。そのお眼鏡に適ったのがデンゼル。結果彼は、スキャンダル回避と昇進と一粒のダイヤを手に入れます。彼が直接要求した見返りではないと思います。でも予想していなかった訳でもない。会長もジョディも、人の弱みに付け込んでのし上がった人間。残念ながら正直者はバカを見るのが現実です。デンゼルが受け取った報酬は正当とは思えません。でも彼ら“成功者”よりは随分マシ。インサイドマンの顔が明らかにされないのは、物語の欠点だと思います。でもその分解釈に幅はある。例えば“神”や“良心”と呼ばれる心の内にあるもの。それもまた、インサイドマンと言えないでしょうか。
[DVD(字幕)] 7点(2007-10-11 18:52:23)(良:3票)
1637.  リバーワールド(TVM) 《ネタバレ》 
“川から這い上がってくる大量の裸の男女”。DVD表パッケージのインパクトに惹かれて鑑賞することに。お目当てのシーンはいきなりやってきました。巨大な川から這い上がってくる人、人、人。皆一様に裸です。どうやら皆死んだ人間のよう。しかもスペースシャトルのパイロットもいれば、古代ローマ人もいる。ネアンデルタール人まで。性別も人種も生きていた時代もバラバラです。しかも死んだ時点の年齢ではなく、みな20~40代にまで若返っている。たった一人の少女の例外を除いては。全てが謎。まるで謎。この世界は何なのか?何故蘇ったのか?設定には興味を惹かれます。しかし謎はひとまず置いといて、物語は進みます。先に蘇った有力者が支配する独裁国。そしてそれに抗う人々の集団。この対立が物語の主軸です。人が集まれば、そこに権力が発生する。支配階級と非支配階級が出来上がる。重いテーマを孕んでいますが、それを感じさせない娯楽テイストの冒険譚が展開されます。ノリは、タイトルも類似している『ウォーターワールド』に近いと感じました。もっともこの設定なら『リーグ・オブ・レジェンド』的なオールスター戦を目指しても面白かったと思います。一通り抗争が終結したところでジ・エンド。期待していた“世界の謎解き”は一切なし。消化不良もいいところです。おそらく続編ありきの1作目なのでしょう。ただ1作目の役目として、最低限「リバーワールド」の壮大な世界観だけは、観客に印象付ける必要がありました。予算に比例したであろう小さな世界観しか提示できなかったのは厳しい。続編を待つより、原作を読んだ方が遥かに早いし満足すると思われます。
[DVD(字幕)] 5点(2007-10-10 19:48:10)
1638.  HERO(2007) 《ネタバレ》 
ご都合主義満載でリアリティの無い展開。ロケ先やキャスティングに必然性はありません。でも好意的に受け止めたい。飾りが陳腐でも、中に光るものを感じたから。高尚な芸術作品でも、お気楽な商業作品でも、その部分は変わらない。一般人の傷害致死事件よりも、有名代議士の収賄事件のほうへ人々の関心は寄せられます。大衆が興味を示すのは、スキャンダラスなほう。検察と弁護人にしても同じようなことが言えます。膨大な数の案件を抱える中、取り組み方に差が出てしまうのは仕方が無い。否応も無く事件の大小は存在します。でも当事者にとっては違う。ましてや大切な人の命が失われている。遺族が願うのは、真実が明らかになること。その想いを受け止めるのが久利生公平です。彼は決して手を抜かない。しかし苦労が報われるとは限らない。遠方まで足を運んで得た証拠は役に立っていませんし、徹夜で写真を調べたことも成果に繋がらなかった。そもそも、99%徒労に終わると分かっている努力を、人は出来るのかという疑問がある。でもその一方、心が動かされたのも事実です。骨身を惜しまずに働くことは美しい。報われない努力も素晴らしい。恥ずかしくて口に出せないけど、本当は大切なことが示されていると感じました。真摯に事件に取り組む主人公の姿に、心を動かされた仲間たち。彼らの手助けがあったからこそ、たった一つの証拠へ辿り着くことが出来た。さらには、相手の弁護人と被告の心をも動かします。(彼らが必死に見つけた証拠は、被告の傷害を立証するものではありません。しかし有罪判決が出ています。つまり被告は当初の自供を再度認めたことが伺えます。)無駄に思えた努力にも意味があったということ。結果が見えないからこそ、努力は尊いのだと思う。法廷は、裁判のテクニックを競う場所ではなく、真実を明らかにするための場所。その本来あるべき前提に、主人公だけでなく弁護士も被告も立ち戻りました。それが“現実的でない”と思えるならば、現実のほうが間違っているのだと思います。骨身を惜しまぬ仕事がバカらしく思えることも、報われない努力が虚しいと思うことも同じ。現実を受け入れないのはバカです。でも理想を捨ててしまうのは、もっとバカだと思います。本作はリアリティに乏しくファンタジーに近い。存在しないHEROに憧れること。もしかしたら、これほど皮肉なことは無いのかもしれませんが。
[映画館(邦画)] 7点(2007-10-09 18:17:35)
1639.  遊びの時間は終らない 《ネタバレ》 
地震や火事を想定した予行演習。小中学生の頃はよくありました。先生は必ず言います。「真剣にやれ!」と。でも子供たちの耳には届きません。だって先生たちから真剣さが伝わってこないから。申し訳程度のスモーク。都合のいい時間帯、場所からの出火。どこにリアリティがあるのでしょう。「お約束」という大きな看板がどーんと掲げられています。小学の高学年くらいになれば、それくらい分かります。だから白けてしまうのです。最初はそういう大人世界の矛盾を、子供心に“変だな”と思ったもの。でも次第に慣れてくるのです。イチイチ突っかかるのが面倒になってきます。いつの間にか、物分かりのいい大人が出来上がっているという仕組み。本作の主人公は、そんな大人にならなかった男。真っ直ぐで、正直で、正義感が強い。彼はひたすらリアルに銀行強盗を演じました。当然いろいろな不都合が出てくるのが道理。困るのは大人たち。これがシニカルな笑いに繋がりました。子供心に抱いたモヤモヤがスッキリする不思議。だから、大人社会に疑問を感じている人ほど観ていて爽快なのだと思います。主人公に共感できるか、はたまた眉をひそめてしまうか。観客の“大人度”が量れそうです。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2007-10-08 20:06:44)(良:3票)
1640.  ビッグ・バウンス
キャスティングは結構豪華。でも内容はありません。ジャンルを“サスペンス”にしていいのかさえ疑わしい。でも腹が立つことはないので助かります。あとビキニ姿も助かります。
[DVD(字幕)] 3点(2007-10-07 20:10:49)
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