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S&Sさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2385
性別 男性
自己紹介 〈死ぬまでに観ておきたいカルト・ムービーたち〉

『What's Up, Tiger Lily?』(1966)
誰にも触れて欲しくない恥ずかしい過去があるものですが、ウディ・アレンにとっては記念すべき初監督作がどうもそうみたいです。実はこの映画、60年代に東宝で撮られた『国際秘密警察』シリーズの『火薬の樽』と『鍵の鍵』2作をつなぎ合わせて勝手に英語で吹き替えたという珍作中の珍作だそうです。予告編だけ観ると実にシュールで面白そうですが、どうも東宝には無断でいじったみたいで、おそらく日本でソフト化されるのは絶対ムリでまさにカルト中のカルトです。アレンの自伝でも、本作については無視はされてないけど人ごとみたいな書き方でほんの1・2行しか触れてないところは意味深です。

『華麗なる悪』(1969)
ジョン・ヒューストン監督作でも駄作のひとつなのですがパメラ・フランクリンに萌えていた中学生のときにTVで観てハマりました。ああ、もう一度観たいなあ・・・。スコットランド民謡調のテーマ・ソングは私のエバー・グリーンです。


   
 

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1621.  ショーガール 《ネタバレ》 
下品、低能、おバカと普通の映画監督なら舌を噛み切って自殺しかねないぐらい世間から酷評されていますが、正直に言っちゃうと、自分はけっこう好きですね。最後まで成長しないビッチを絵に描いた様なヒロインとゲップどころか戻しそうなぐらい出てくるハダカのせいもあるけど、ストーリー自体はよく言えば普遍的、まあありきたりってわけで良くあるスポ根ものや不倫もの映画と大差はありません。そりゃヴァーホーヴェンは確信犯で、ベガスのショーに競争社会で勝者がすべてのアメリカを投影させているわけで、ひょっとして彼なりの女性賛美映画なのかもしれませんよ(ちょっと褒めすぎか)。この映画に出てくる男はどいつもこいつも爬虫類顔したお下劣な奴ばかりですけど、そんな中でロバート・ダヴィがけっこう爽やかな印象を残していたのが意外でした。 まあラジー賞総舐めというのは、私たちがある種のリスペクトを込めて『死霊の盆踊り』に0点をつけるのと同じ様なもんじゃないでしょうか。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-25 23:13:07)(良:1票)
1622.  運命のボタン 《ネタバレ》 
なにこれ、『ミスト』なみに後味悪い結末は、とほとんどの人が持つ感想だと思いますが、監督が『ドニー・ダーコ』を撮った人だと知って何となく納得してしまいました。教師のキャメロン・ディアスが高校でサルトルを教えていて彼の芝居『出口なし』を観に行くシーンがあったりして、この映画はサルトルの実存哲学の影響があるんでしょうか。私の拙い知識ではどうもそのあたりが良く判りません。キャメロン・ディアスとフランク・ランジェラがともに身体の一部に欠損があると言うことも何かを暗示している様な気がするんですけど、やっぱり良く判りません。 私の頭の悪さというよりも、脚本の出来が良くないことにどうも原因がある様な気がしますが、どうでしょうか?
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-22 22:33:00)
1623.  ブルックリン物語 《ネタバレ》 
映画が二本立て構成になっていてフェイク・トレーラーつきと言うと、タランティーノ&ロドリゲスの『グラインド・ハウス』の元ネタなんですね、この映画は。まあ、雰囲気はまったく違いますけど。ジョージ・C・スコット、レッド・バトンズ、イーライ・ウォーラック、アート・カーニーという渋い芸達者が揃った男優陣は観てるだけで楽しくなっちゃうんですけど、女優陣がちょっと地味すぎたかな。第二話の“バクスター・レビュー1933”がいちおう“四十二番街”をモチーフにしたミュージカル仕立てなんでが、思えばこれが名匠スタンリー・ドーネンが撮ったラスト・ミュージカルになるんですよね。ミュージカル映画というジャンルが絶滅寸前だった70年代だったからしょうがないかもしれませんが、『雨に唄えば』を撮ったドーネンですから、ちょっと寂しいものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-03-21 22:46:55)
1624.  あるスキャンダルの覚え書き 《ネタバレ》 
卓越した演技力を持っているのに代表作と呼べる出演作がない映画俳優がいますが、ジュディ・デンチもそのひとりと言ってよいでしょう(まさか007のMというわけにはいかんでしょう)。だけども本作の演技は、ジュディ・デンチが見せた生涯最高のパフォーマンスで「これぞ、ジュディ・デンチの代表作」とこれからは言われるのではないでしょうか(ただ作品自体があまりに小品すぎるのですが…)。皆さんにあまりに不評な例のデンチの入浴シーンですが、デビュー当時はフル・ヌードになった出演作もある人なので、まあ“むかし取った杵柄”とも言えるでしょう(笑) 私にとってこのシーンで衝撃を受けたのは湯船に浸かって煙草をふかす姿で、この演技は彼女にしかできない素晴らしい表現力でした。ストーリーは救われない陰惨なお話しなんですが、俳優陣の演技が良いので不思議と後味が悪くなかったです。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-19 23:19:06)
1625.  ファール・プレイ 《ネタバレ》 
公開当時、何度も見る機会があったのに見逃して、ようやく近年観させていただきました。全盛期ゴールディ・ホーンのキュートな魅力とバリー・マニロウが唄う名曲“Ready to Take a Chance Again”がとても心地よいのですが、サスペンスなのかコメディなのかどっちつかずの脚本はちょっと冗長過ぎる感じがします。ギャグにしても、バージェス・メレディスとレイチェル・ロバーツのカンフー対決なんて苦笑するしかありません。 でも判るんですよ、このサイトで評価が高いのは、この映画は映画館のスクリーンで観なくちゃいけないんですよ。私も経験したんですが、70年代のゴールディ・ホーンはスクリーンで観るとそのキュートな魅力に心が鷲掴みされちゃうのは間違いなしです。この彼女の魅力は空前絶後で、90年代のメグ・ライアンでも足元に及ばず、もし70年代にラブ・コメというジャンルが流行ってたら彼女の独壇場だったのは間違いなしです。もうこんな女優は出てこないんじゃないかとも思うけど、さすがにDNAを受け継いでいるケイト・ハドソンにはその片鱗がうかがえます。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2012-03-18 01:02:00)
1626.  バンド・オブ・ブラザース<TVM> 《ネタバレ》 
スピルバーグが『プライベート・ライアン』を撮った勢いで製作した一大戦争叙事詩。戦争映画になるとスピルバーグは凝りまくるのですが、本作でも軍服や兵器の考証へのこだわりは感嘆すべきものがあります。この物語はウィンターズという人物の軍隊での出世物語でもあり、わずか3年あまりで少尉から少佐まで昇進するなんて、滑稽なほど硬直的だった旧日本軍では絶対に考えられないことです。田舎者みたいで朴訥な人柄は、いかにもボンボン育ちの同僚ニクソン大尉とは対照的です。登場人物が70人以上にもなる群像劇で、一話限りで戦死したりフェード・アウトするのも多いので名前を覚えるのも大変ですが、その中でも印象に残るキャラはと言うと… ●将校部門は文句なしに不死身のスピアーズ大尉です。Dデイのときは勝手に捕虜を射殺したなんて噂を立てられまるでサイコ野郎みたいにみんなに思われていたのが、卓越した戦闘能力と統率力で物語の中でも存在感が増してゆき、バルジの戦いで見せた超人的な活躍はまさに圧巻でした。 番外:ソベル大尉 全員から蛇蠍のごとく嫌われて後方部門に左遷されちゃったユダヤ人将校。早々とフェード・アウトしたかと思いきや、最終回で階級も追い抜かれたウィンターズ少佐にいびられるとは… 確かに嫌な性格ではありますが、実話がベースなのでモデルになった実在の人物がいたはずで、関係者からクレームがつけられたんじゃないかと心配しちゃいました。●下士官・兵部門からはリプトン軍曹。老け顔の地味な性格ですが兵士たちの良き兄貴分として信頼され、最後は将校にまで出世したのはさすがです。職場でこういう部下がいてくれたら、ほんと鬼に金棒なんですけどね。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2012-03-13 21:25:28)(良:1票)
1627.  G.I.ジェーン 《ネタバレ》 
リドリー・スコットが撮る現代ものアクション映画はみんな同じに観えるので困っちゃうのですが、その“リドリー・スコット節”の原点はこの映画なんでしょうね。まるで第三次世界大戦が始まるかのような大げさな音楽と緊迫感をあおる映像のオープニング、たかが女性士官が特殊部隊の訓練を受けるお話しなのに、そんなに力まなくても… これはリドリー・スコットの映画に共通することですが、彼の作品には驚くほどユーモア的要素がないんです。またこの映画に登場する上院議員やレズの女性士官が男性陣と比べて露骨に陰険でネガティヴなキャラなのを見ても、実は本作は反フェミニズム映画みたいな印象が残りました。まあスコットとデミ・ムーアも、そこら辺は深く考えないでこの映画に関わったと思いますがね(笑)。 軍隊の中であっても女性の能力はもっと別な分野で有効活用されるべきで、人殺しは男に任せておきなさい、というのがこの映画の教訓でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-03-10 19:38:35)
1628.  ナッシュビル 《ネタバレ》 
不思議とソフト化されなかったので“まぼろしの名作”扱いだったのですが、ようやくDVDとなり気軽に観られるようになりました。“24大スター共演”なんてアルトマンのブラック・ジョークみたいなもので、実際は個性派バイプレイヤーと新人俳優の大集合です。カントリー・ミュージックの聖地が舞台の音楽群像劇だと思っていましたが、実はカントリーではなくてどちらかと言うと大統領選挙がメイン・テーマですよ、この映画。凄いのは劇中使われるカントリーはすべて歌っている俳優の自作ということで、あの名曲"I'm Easy"もキース・キャラダインが作ったと言うのにはびっくりです。このキース・キャラダインが演じるのが女にモテモテの(というより異常に女癖が悪いと言う方が正解)歌手なんですが、リリー・トムリンを口説くために"I'm Easy"を歌うシーンで会場に居合わせたキースお手付きの三人の女がみんな「私のために歌ってくれてるんだわ❤」とうっとり顔になるところは大傑作でした。 アルトマン作品の頂点であることは確かですし、群像劇としては完璧ではないでしょうか。本作のラストがジョン・レノン暗殺事件に影響を与えたなんて指摘もあるそうですが、そう言われてみると劇中で発砲する男とレノン射殺犯のマーク・チャップマンが良く似た風貌なのが不気味です。
[DVD(字幕)] 8点(2012-03-09 20:55:48)
1629.  ローラーガールズ・ダイアリー 《ネタバレ》 
近年の活動からドリュー・バリモアは監督業にも進出すると思っていましたが、この監督第一作はラブ・コメとガーリー・ムーヴィーを知り尽くした彼女らしい良作になりました。いまもっとも輝いている女優のひとりであるエレン・ペイジの起用だけでなく、マーシャ・ゲイ・ハーデン以下の脇役陣も絶妙なキャスティングでドリュー・バリモアのセンスの良さが判ります。映画監督の力量はキャスティングにも顕れますからね。パンク丸出しのオープニング・タイトルのカッコよさと、遠くを見つめるエレン・ペイジを豚のオブジェの上に乗せたラスト・カット、こりゃソフィア・コッポラなんて目じゃないですよ! 可愛いけど不気味に大人びたエレン・ペイジの妹なんて、いかにも彼女らしい演出ですよね。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2012-03-07 00:39:20)(良:1票)
1630.  ムカデ人間 《ネタバレ》 
「人間の本質は、喉から肛門まで繋がった一本の消化管である」というシニカルな定義をむかし読んだことがありましたが、変態ハイター博士にもきっと影響を与えたと私は確信しちゃいました。それにしてもハイター博士、日本のヤクザを先頭に使ったのは大失敗でしたね(笑)。ハイター博士役のディーター・ラーザーという俳優、シャブ中でやせ細った長塚京三みたいでまさに変態の極北です。もっと凄いのはあの二人の女優、自分のキャリアと未来をドブに捨てる女優魂には思わず涙です。ヤクザ役の北村昭博にはすでに「あのムカデ人間先頭の」という形容詞がついてるくらいですから。 はっきり言って、この映画褒めていいのか貶した方がいいのか悩ましいところですが、繋がった三人を真横から捉えたショットは戦慄を覚えるほどシュールで怖い。でもきっと映画館で観たら、みんなと一緒に爆笑しちゃうんだろうな。 次回作では12人を繋げたそうで第三作目もほんとに撮っているかもしれないですけど、何人繫げるのか興味津々です。もし私が監督なら、先頭と末尾も繋げて“ムカデ人間の環”にしたいですね(我ながらバカです)。
[DVD(字幕)] 6点(2012-03-03 21:12:14)
1631.  スライディング・ドア 《ネタバレ》 
パラレル・ワールドと思っていたら、実は死に瀕したヒロインの脳内妄想だったと言うオチは良く出来た脚本です。たしかに、「地下鉄に乗れた」という妄想世界のストーリーはまるでハーレー・クイン・ロマンスみたいなベタな展開で登場人物は善人ばかりでしたけど、こういうオチになるなら納得です。ふたつの世界を同時並行で観せてゆくので画面に映ったヒロインがどちらの世界の人なのか判りにくくなるものですが、そこをおでこに傷をつけて絆創膏を貼ったり髪をショートカットにしちゃったりと、なかなか細かい脚本上の工夫が功を奏しているのではないでしょうか。その分、ショートカットに始まりさまざまな髪型を見せたうえに髪の色まで変えるとは、もうグゥイネス・パルトロウ“ファン感謝DAY”状態で、彼女のファンには堪らないでしょう。男性キャストがどっちもイケメンじゃないところが製作側の意図としては「?」ですが、その分ヒロインのだめんず・うぉーかーぶりが強調される効果を狙ったのかな? まあジョン・リンチが演じた自称小説家のヒモ男ジェリーは、ヒュー・グラントをキャスティングするのが王道でしょう(笑)。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-03-02 23:25:39)(良:1票)
1632.  ファントマ/ミサイル作戦 《ネタバレ》 
ファントマ映画は三作撮られたわけですが、観通してみて消えなかった最大の?は、結局ファントマって何者?この人何がしたかったの?ということに尽きます。 本作ではついに“地球を破壊する最終兵器”の開発に成功したと言う前触れですが、その割には世界の大富豪たちに「殺されたくなかったら“生存税”を払え」なんて突拍子もないこと言いだしたり、要は単なるユスリですよね。 本作はスコットランドの大富豪のお城に舞台を移して、お城の中で繰り広げられるミステリー謎解きという今までにない趣向ですが、ルイ・ド・フュネスが見せてくれるひとり芝居のグダグダさは相変わらずです。いつの間にか古城の地下がファントマの秘密基地に改造されていて、ラストに突然ミサイルが…、これが邦題『ミサイル作戦』の所以です。まったくどこが『作戦』なんだよ、ってぼやきたくもなります。 でもこのシリーズで最大の収穫は、若きミレーヌ・ドモンジョの美を堪能出来たことでしょう。同時期のドヌーブやバルドーにも決して負けてませんよ!
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-28 22:43:23)
1633.  ファントマ/電光石火 《ネタバレ》 
ファントマ・シリーズ第二弾は007に対抗してテーマは“ガジェット大作戦”というところでしょうか。ルイ・ド・フュネスのジューブ警視(前回の手柄で勲章もらって昇進!)が思わず失笑させられてしまう様な“フェイク・ハンド・ガン(?)”と呼ぶしかないバカバカしい秘密兵器を繰り出せば、ファントマの方は火山をくり抜いた秘密基地や、なんと空飛ぶシトロエン(ちょっといくらなんでも、これは空力的に無理があり過ぎ)まで出てくる無節操ぶりです。そして本作では“恋するファントマ”でもあり、前作で愛人に肘鉄を喰らわされて人恋しくなったファントマが、ミレーヌ・ドモンジョに熱をあげて彼なりの流儀で求愛しちゃいます。このファントマというキャラ、けっこう女にだらしないところがあるみたいで、そこが愛敬と言えなくもない。またファントマだけでなく、ジューブ警視やファンドールまでもがとっかえひっかえ色んな変装をして相手を欺こうとするのが、実にくだらない。 本作も前作に続いてラストまで約20分がひたすらの追っかけっことなるのですが、例の空飛ぶシトロエンに乗ったファントマが御茶目なFINを見せてくれます。 シリーズ中で本作がいちばんくだらないかもしれませんが、おバカ映画好きは琴線をちょっとくすぐられるかも。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-26 01:08:45)
1634.  ファントマ/危機脱出 《ネタバレ》 
“元祖ブルーマン”、ファントマでございます。60年代、アクション映画で世界を席巻したのはご存知『007』シリーズで、その勢いに対抗というか便乗して製作されたのがイタリアでは『黄金の七人』シリーズ、フランスでは『ファントマ』という位置づけになるでしょうか。ファントマはサイレント時代に大ヒットした連続活劇を60年代に合わせて復活させたもので、ファントマが何者で何を目論んでいるのかなどという説明はこの映画では一切なく、「ファントマのことは知っていて当然」というスタンスなのです。基本的にはこのシリーズはファントマとジューブ警部の対決に、新聞記者ジャン・マレーと彼の恋人ミレーヌ・ドモンジョが絡むと言うスタイルですので、正直この中で誰が主役なのか良く判らなないところもあります。強いて言えばジューブ警部のルイ・ド・フュネスなんでしょうが、この人のオーヴァー・アクションとくど過ぎる演技は、本国では偉大な喜劇役者として名を残しているのですが、はっきり言って日本人向きではありません。この映画のヘンなところはラストまで30分近く延々とファントマとジューブの追っかけっこを見せられることで、これはサイレント時代のファントマ映画に対するオマージュなんでしょうか。 結局ファントマが悪人なのかアンチ・ヒーローなのか良く判らない映画なんですが、まあお楽しみはファントマ役は誰なのかって推測することですね。じっくり見てれば判ってきますよ(笑)
[CS・衛星(字幕)] 5点(2012-02-21 21:55:47)
1635.  白い刻印 《ネタバレ》 
人生がドツボにはまった男のあまりに暗く陰惨な物語で、ある意味、ここまで夢も希望もないストーリーを、ポール・シュレイダーよくぞ考えついたなと感心してしまいました。ニック・ノルティは“雪原のトラヴィス”というよりは、ただひたすら粗暴でイタイ性格の男でしかなく、そしてなかなか見事なバカっぷりです。なんせ人から聞いた話をすぐ信じ込んで自分の苦境を癒す妄想に走ってしまうんだから始末に負えない。そのきっかけは弟のウィレム・デフォーが造った様なもんだから、考えてみればこいつも罪な男です。ただどう考えてもデフォーのキャラはこの映画の脚本の大きな欠点ではないでしょうか。最初はモノローグだけで一時間もたたないと画面には登場しないし、なんか不必要な登場人物の様な気がしてなりません。子供のころの回想シーンで登場する弟がデフォーではなかったと判ったら、ますますこのシナリオに?が加わりました。ジェームズ・コバーンはこの映画でオスカー獲ったのですが、これは演技に対してというより功労賞的な意味あいが強いみたいですね。 まあとにかく、とても後味が悪い映画です。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2012-02-20 18:25:48)
1636.  私の優しくない先輩 《ネタバレ》 
『ハルヒ』の山本寛が実写映画を初監督ということで、あまり期待はしてなかったのですが、自分には意外とストライクでした。たしかに前半のポップだけどチープな展開とラジオドラマみたいなモノローグの多用は好き嫌いがはっきり分かれるところでしょう。あのハリボテ丸出しの宇宙と地球は、相米慎二の『東京上空いらっしゃいませ』を思い出させてくれて、なんか良かったです。まあ邦画では珍しいタイプの映画かもしれませんが、今後カルト的な評価がされるかもしれませんね。 そして、実はわたしここが目当てでこの映画を観た様なもんですが、ワンカット・ワンシーンで撮られたエンディングのダンスはポップでほんと至福感に満ちています。ここだけでも見る価値は十分あります。
[DVD(邦画)] 7点(2012-02-17 23:43:37)
1637.  地球最後の日 《ネタバレ》 
今回再見して強く感じたのは、恐ろしく宗教色が強いなあ、ということ。良く見ると、製作総指揮がセシル・B・デミルじゃありませんか、そりゃ聖書じみたお話しになるのは当然ですね。地球から運び出す文献をマイクロフィルムに写すのはいいんだけど、まず新約聖書から始めると言うのは笑ってしまいました。誰が観たって“ノアの箱舟”をSFに仕立てただけとしか言いようがなく、肝心の地球崩壊のスペクタクルよりも脱出ロケットに誰を乗せるかを“選ぶ”ことの方がメインになってしまうのはちょっとねえ… だいたい、あんなでかいロケットに40人しか人間が乗れないなんておかしいじゃないか、動物なんか積むんだったらその分人を乗せろよ。そして何よりこの映画の凄いところは、脱出プロジェクトには政府も国連も関わってなく、たった三人の大富豪が資金を出しているだけということ、つまり完全な民間プロジェクトなんですよ。そりゃ、誰を乗せるかなんて俺たちの自由だ、と言えるわけです。でもその40人が、若いのはしょうがないとしても、白人だけで有色人種はひとりもいないというのはあんまりです。 そう考えると、同じ滅亡ものでも『妖星ゴラス』の“地球の方を移動させて全人類を救う”という大乗的な思想は偉大だなと思います。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2012-02-16 23:33:11)
1638.  娼婦ベロニカ 《ネタバレ》 
“ベネティア版花魁一代記”といった風情ですが、国の権力者だけでなくフランス国王まで骨抜きにしちゃうところはさすがスケールがでかい。ベネティアの明るく陽気な娼婦文化は江戸時代の吉原に共通するところがあって興味深いところです。キャサリン・マコーマック、知性はともかく高級娼婦としての妖艶さには欠けるのでイマイチなのですが、かつての我がミューズ、ジャクリーン・ビゼットが母親役で久々の登場なのでそこは大満足です。ビゼットが娼婦の手ほどきをするシーンは、『プリティ・プリンセス』みたいで苦笑です。“永遠の恋人”はルーファス・シーウェルですが、この人が悪役じゃないなんて実に珍しいことです。彼の奥さんがナオミ・ワッツだけど、ちょっと観には彼女と判らないほどのブス・メイクは凄かったです。全体的に『プリティ・プリンセス』娼婦版みたいな軽い撮り方ですけど、ラストの裁判とその結末はなかなかイイ話しでした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-12 18:41:24)
1639.  プライベート・ソルジャー<TVM> 《ネタバレ》 
TVMながらも並みの劇場映画をはるかに凌駕した、知られざる傑作戦争映画です。同時期に製作された『プライベート・ライアン』や『バンド・オブ・ブラザーズ』がレンジャー部隊や空挺部隊といったエリートの物語であるのとは対照的に、本作でとりあげられている師団は、兵卒も大半が徴兵されたばかりの普通の連中。主人公のマニングという兵士、ちょっと他の戦争映画ではみたことない様な卑劣で赤裸々な奴で、上官と取引して除隊の約束をさせるシーンで見せるニヤニヤ顔は人間の卑しい部分を見せられて強烈です。「ニタニタするな!」と大尉に怒鳴られるのも当然です。戦争では市街戦のつぎに兵士が嫌うのは森林戦だそうで、霧で視界が悪く地雷だらけの森で突撃させられるのは、ホント恐ろしさがひしひし伝わってくるシーンでした。冒頭で背負ってた戦友を途中で見捨てたマニングが、ラストは一度は見殺しにしようとした部下に背負われて死んでゆくのはなんという皮肉でしょうか。
[ビデオ(字幕)] 9点(2012-02-11 23:00:05)(良:1票)
1640.  川の底からこんにちは 《ネタバレ》 
“シジミのパック詰め~シジミのパック詰め~川の底からこんにちは♪”木村水産新社歌はクセになります、すっかりはまりました。力まない演出と満島ひかりが前半に乱発するまったく心がこもってない「すいません」が功を奏して(?) とっても軽い作品みたいな印象を与えるかもしれませんが、石井監督は類まれなる演出力を持っていますよ。そして出ました、満島ひかりのシャウト、ラストの「お父さん~、お母さん~」はなんかすごく良かったなあ。 それにしても骨になってもあのおばさんたちをよろめかすなんて、社長、あんたはやっぱりイイ男だったんですね(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2012-02-08 23:35:26)
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