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あにやん‍🌈さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2517
性別
ホームページ http://coco.to/author/aniyan_otakoji
自己紹介 レビューを相当サボってしまってるの、単に面倒になっちゃってるからなんですよね。トシのせいか、色々とメンド臭くなっちゃって。
映画自体、コロナ禍以降そんなに見に行かなくなったのだけど、それでも年に70~80本は見てるワケで(でも今年は50本行かないかな?)、レビュー書けよ自分、って思ってる、でもなんか書かない、みたいな。
これからは今までよりも短文でレビューを上げてゆきたいな、と思う次第であります・・・微妙だけど。.

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1661.  あなたへ 《ネタバレ》 
伴侶の死によって止まる時間、それを動かそうとしたのはその亡き妻の遺志だった・・・『幸せへのキセキ」のマット・デイモンや『ファミリー・ツリー』のジョージ・クルーニーや『ソラニン』の宮﨑あおいはそこから自身が未来に向かって歩み出す訳ですが、健さんは亡妻が誘った旅を通して触れあった他人の時間を動かした訳です。それは長い時を生き重ねた経験と、そして限られた未来ゆえのちょっと切ない生の姿。そんな残された時間を生きる旅を、触れあう人々のドラマと美しい日本の風景で情感豊かに彩る作品・・・だったら良かったのですが、豪華ゲスト陣共演!みたいな作りになっていてガチャガチャと騒がしい映画になってしまっていて。大体、みんなそういう人に見えないんですよね。タレントさんそのもの。脚本通りにセリフを言わされてますという状態で、それはもうバラエティドラマの如き世界。健さんがこれまで刻んできたイメージに頼り切った映画で、健さんの既に出来上がっているキャラがあるからこそ、そういう雑なバラエティノリでも通用させられますよ、って感じがするんですよね。だけどそんなに健さんにばかり頼れるほどの余裕があるの?って。ゆっくり次代へ継がれ老いたる存在は退いてゆくって、この映画が描いた事なのに当の映画そのものはその事に無自覚っていうのは、一体どんな皮肉なのでしょう? それはまるで集まった高齢の観客まで道連れに朽ちていこうとしているようですらあります。
[映画館(邦画)] 5点(2012-09-29 19:19:16)
1662.  バイオハザードV リトリビューション 《ネタバレ》 
巻き戻しによって前作のラストシーンに直結してゆく冒頭、前作のファーストシーンを繰り返す偽の渋谷のシミュレーションシーン。アリスが巡ってきた旅が、果たして本当だったのか幻覚であったのか(創作であったのか)、そしてその現実あるいは幻はアリスが見たのか、それとも他の誰か(たとえば観客自身)が見たものなのか。これまでの作品世界を不確実で曖昧な意識下に広がるものとして捉えた視点はとても刺激的で良かったと思います。『バイオハザード』という映画作品を、元のゲーム作品まで含めてメタ化してみせたような感じで。だけど、肝心の映画そのものは最早ネタも尽きて袋小路に向ってダラダラと進行しているようで。『エイリアン2』及び『4』からの安直な流用を軸として、限定されたキャラクターのみで展開する状態は、ひたすら内向きに矮小化してゆくばかりに思えてしまいます。この作品における世界はもはや両手の指に足りる程度の数のキャラクターのみで動いている訳で、そこには文明の終焉の恐怖や哀惜もなく、尽きる事の無き遊びが繰り返されるばかりのようで。その不確実で曖昧な世界において、ただ肉体の運動が実存を想起させる、みたいなアクション映画であるならば良かったんですけどねぇ、それにはもうちょっとアクションをキチンと見せてくれなくちゃねぇ。フェティズムが絶対的に足らんのかなぁ。この監督じゃあ仕方ない、って言わなくちゃならないのはツラいのよ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-09-19 20:31:25)(良:1票)
1663.  プロメテウス 《ネタバレ》 
舞台が固定されているのは遺跡宇宙船が母体で登場人物達が精子のメタファー。あの内包された宇宙船、子宮みたいなデザインだものね。何度も何度も宇宙船から遺跡まで出かけてゆく単調な同じ移動の映像を反復してみせるのも受精のイメージを執拗に強調するがゆえ。目玉からシッポ出てるのも判りやすいメタファーね。んで、性行為や出産のイメージから生命の起源までを語ろうとしちゃってる映画ではあるのですが、とにかく登場人物がバカ。『エイリアン』に繋がってゆくビジュアルにワクワクする愉しみを大きく上回るバカが生み出すストレス。単に死にに行ってるような連中に感情移入などできる訳もなく、プロフェッショナルの仕事など一切見せてくれる事もなく、愚かな連中の騒々しいドタバタに延々と付き合わなければならないのは、正直なところかなり苦痛。「ヘビのようなもの」っていうのは本能的に危険だって刷り込まれてる訳じゃないですか。それに「どうぞ噛んで下さい」とばかりに手を差し出すようなバカにどうしたら同情できるのか教えて欲しいもんです。もう少しアタマのいい人々って設定できなかったのかなぁ? 映画全体も『エイリアン』と言うよりはジョディ・フォスターの『コンタクト』のホラー版劣化コピーみたいになってしまって、ビジュアル以外に見るところはあまり無い感じで。でも、そのビジュアルにしてもせめてギーガーの創造した世界だけは大切に守っておこうよ・・・って感じでして。アレがヘルメットは無いわな、ヘルメットは。台無し。
[映画館(字幕)] 5点(2012-08-19 14:29:38)(良:2票)
1664.  アベンジャーズ(2012) 《ネタバレ》 
『マイティ・ソー』同様、途中まですげーツマンネーの。延々ゴタゴタと内輪もめで混乱してるだけ。話の起点からして内輪もめみたいなものだし。物語は主に『ソー』と『キャプテン・アメリカ』を見てないとワケ判らんって状態だし(『アイアンマン』と『ハルク』は見てなくてもそんなに判らないほどでもなく)。だけどその2作は元から大して面白くないのであんまり印象にも残ってないっていう。一方的に追い込まれてボロボロになってなんとか食い止めて、っていう状況を長々と描き過ぎるんで見ているこちらのテンションがまるっきり持続できないワケですわ。元々こちらがこれまでの映画全部ひっくるめて面白いと思ってるのは社長とスカヨハくらいのモンで、その二人が出てくるとこだけは面白いけど、出番はさすがにそんなに多くないって状態で。やっとこさここから逆転ですよーってところ(全体の7割くらい過ぎたあたり)からはさすがにウハー!CGアクションすげー!って状態で楽しめるんですけどね。そこが面白いのだからあとはガマンしてね、みたいな状態はツライなぁ。もう退屈しちゃってお尻痛かったわ。お祭り映画なんだからゴチャゴチャ文句言うのは野暮とか言われそうだけど、お祭りならお祭りらしく、全編ハデにコッテリと楽しませて欲しいですね。「これまでの予告編的映画を全て見ている事を前提に」ではなくて、せめて最初のうちに各ヒーローに活躍シーンを与えてキャラ紹介しておこうよ。これ一作では色々と伝わらなさ過ぎ。1本では情報をちゃんと伝える事のできないダラケ気味なモノを「これが映画だ」とか言われても、ああそうなんですか、としかねぇ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-08-14 13:39:42)(良:3票)
1665.  アタック・ザ・ブロック 《ネタバレ》 
エドガー・ライト、ニック・フロストというキーワードで期待を抱いたのですが、なんだか思っていたものと全然違った感じで。「不良少年グループVSエイリアン」っていかにもバカバカしく楽しませてくれそうな題材が、何故かかなりマジな映画になっていて。となるとひっかかってしまう箇所が続出。何しろ冒頭で女性をナイフで脅して金品を巻き上げる少年路上強盗グループ、そいつらが主役な訳ですから感情移入なんて生まれようもありません。この連中が笑わせてくれる訳でもなく、さりとてドラマらしいドラマを見せてくれるでもなく、ただ彼らが住む団地を舞台にエイリアンと戦い、メンバーの何人かが犠牲になり、って、ありがちな低予算B級モンスターパニック映画として流れてゆく感じで。ストリートギャングものとしての側面が強く、低所得者のコミュニティ状態な団地に暮らす子供達が、生活環境の影響でまだ幼いうちから社会からはみ出してゆく姿が描かれる点がこの映画独自の個性。でも、そこに入り込むエイリアンが何らかの象徴として映画に正しいメッセージを刻みつけているのかというと甚だ疑問で。まるでエイリアンは抗争の中の一勢力みたい。主人公は捨身の行動によってエイリアンを退治する訳ですが、その彼を英雄として讃えるラストシーンに感じる違和感、彼は自らの行為に対する落とし前を付けただけで、称賛に値するだけの事をしたのだろうか?と。悪に手を染めた少年を最終的に肯定するところにまで持ってゆくだけの説得力は無かったように感じます。そういう背景を持った物語であるならば、もう少し痛みを感じられる映画であった方が良かったと思うんですけどねぇ。でなきゃ意外なシリアスさの中で死んでいった仲間達も浮かばれないでしょ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-07-10 22:38:41)(良:1票)
1666.  HOME 愛しの座敷わらし 《ネタバレ》 
和泉監督は『お日柄もよくご愁傷さま』『大安に仏滅!?』というよく出来たホームドラマ作品があるので(『相棒』よりもむしろそちら側の作風に魅力を感じます)期待したのですが、どうも脚本にかなり難点があったようで。座敷わらしが具体的には物語に絡まない、象徴的な存在でしかなかった点が肩透かしではあったものの、それより問題は幾つか投げた伏線をちゃんと回収しないで散らかしたまま終わらせてしまった事。ぜんそくを抱えているためにサッカーがしたいけれど親に許して貰えない息子、でも親に無断で地元の子達とサッカーを始めるとぜんそくの存在は忘れ去られたかのように家族も応援。座敷わらしの元から去ると家は没落するという話に言及しながら、その事に触れないまま家を去る。突然認知症を発症した母に対しては「発症した、悲しい」のみで終了。『相棒』じゃないのだから色々投げて謎にしたままにするのはカンベンして下さいな。結局は東京に戻るという展開にも違和感があって。「家でなく家族の結び付きこそが大事なんですよ」って事なのですが、田舎暮らしについてのもっともらしい話をした以上、それを曲げるのは会社の都合に振り回される優柔不断な人間でしか無いという感じ。せっかく娘と新しいクラスメイトとか、息子と親しくなるサッカーのキャプテンとか魅力的な素材が散りばめられているのに、そういう要素を大切にしようという気があまり無い脚本なんですよね。一方で水谷豊のキャラは『熱中時代』の北野広大がそのまま老けたような単純な造形。この人、元々キャラが3パターンしか無いような気がしないでもないですけど・・・。水谷豊も安田成美も、日頃の天然系なキャラをそのまま持ってきているので、深刻な話もちっとも深刻にならず、でも、この映画の場合、それでいいのかなぁ?って甚だ疑問。ファンタジーも今日的な家族のリアリズムもハンパになってしまった感じで何かボヤけた映画でした。
[映画館(邦画)] 5点(2012-07-10 22:19:20)
1667.  図書館戦争 革命のつばさ 《ネタバレ》 
同時期に公開している同じProduction I.G.による『BLOOD-C』と同様、脚本に難アリ。どちらも過剰に画とセリフと音楽によって状況を説明し続けるクセに、基本となる世界そのものの説明はまるで欠落していて一見さんには意味不明という状態。著作物に対する検閲と武装する程の組織的対立の背景、それにラノベ的「うふふあはは」なラブストーリーが乗っかる違和感、少なくともこの映画一本ではそこを上手く伝えようとする意識が全く働いていないように思えます。更に物語がちっとも面白くは思えず。全編の7割以上がひたすら説明って感じで、やっと物語が動き出したかと思えば別にオリジナルな面白さを見せる事もなく。地下鉄に飛び乗るとか車で逃亡するとか、よく見るようなネタを反復した上で主人公の取った捨身の行動の無意味さっぷりったら。あんな状態を「良くやった」は無いでしょ。結果的にたまたま他者によって救われただけだし。現都知事のアホっぷりを予見したかのような原作には時代を読む力があったのかもしれませんが、じゃあ映画は表現の自由の危機に対して矢を放てるような力を持った作品かと言うと残念ながら・・・。そこはまず作品世界をハッキリと刻み込んだ上でないと。映画って小説やテレビアニメとはまた別メディアですから、映画は映画としてキチンと仕切ってないのは志が低いとしか言えません。それにしてもラストのところのシーツ越しの映像、あれはシーツ越しのみでいいのに何故わざわざ間にアップのカットを入れましたかね? 映像でそんな事まで説明しなくちゃいけないんですかねぇ?
[映画館(邦画)] 5点(2012-07-06 21:13:38)(良:1票)
1668.  ワン・デイ 23年のラブストーリー 《ネタバレ》 
なんだか期待していたのと随分違う感じ。23年の間、7月15日一日だけの出来事を切り取るという手法が何か映画的に面白い結果を生み出すのだろうと思っていたら、別に普通に物語が断片としてほぼ時系列通りに流れてゆくばかり。しかもその物語もステキなラブストーリーという訳ではなく、自分のキモチを押し殺しているようでいて、その実、欲とエゴを剥き出しにしている男と女の物語、みたいな。後半、ああいう展開になるとは思ってもみませんでしたが、最後の数年の悲しい展開、そこから総括されてゆくモノが映画全体を受け止めきれていないような気がして、何やら重たさばかりが残ってしまって。突然断ち切られたところからも映画はあくまで断片で描かれてゆくので、そこからの再生、その生きた証しがきっちり刻まれてゆく感じがもっともっと欲しくて。アメリカ産ながら全編ヨーロッパの映画らしい色調と画風がステキな映画ではありますが、物語の方もヨーロッパ的な「そんなにうまくいくものではないですよ」っていう痛みの強い感じがちょっとツラい映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2012-06-25 06:57:28)
1669.  アメイジング・スパイダーマン 《ネタバレ》 
『(500)日のサマー』の監督ならば、もっともっと変わった匂いのする『スパイダーマン』が見られると思ったのですが、印象としてはちょっとジミになっただけの『スパイダーマン』。より深くドラマを描くっていう訳ではなくて、単にメリハリが減っただけという感じ。叔父さんが殺されてしまう原因を作ったのはピーターなのに、そこに対する反省とか後悔とかが抜けていて、怒りによる親父狩り状態、そしてそこから正義に目覚めてゆくっていう感じに見えるのはどうなんでしょう。自分に対する怒りがその行動に駆り立てているのですよ、って言うにしては自己を正当化する主張ばかりしてますしねぇ。街の人々の反応もごくごく薄いので(具体的に描かれるのは子供を救われたお父さんとその仲間たちくらい)ヒーローものとしての爽快感にも欠けますし。完全な焼き直しを回避するための細かな変更が、結果的にはウジウジとして地味な印象を与えてしまっている気がします。アクションシーンも前シリーズの時点で十分にCGを使いこなしている感じだったので、今回は更に進化した映像が見られるという程でもなくて。さっさと正体を知ってしまうグエンの存在は良かったですけど、エマとしては『ラブ・アゲイン』や『ヘルプ』の方が表情が多彩で良かったな。でも、前シリーズからして登場人物がごく狭い範囲の話で『スパイダーマン』世界っていうのはそういうものなんでしょうね。「責任が伴う」っていうメッセージも。その繰り返しって点でリセットするだけの意味はそんなに感じませんでした。それにしてもこれ見よがしに登場するVAIOとかAndroid携帯とかソニーミュージックの日本専用エンディング曲とかスパイダーマンはソニーの広告塔ですか? 『ミステリー・メン』のキャプテン・アメイジングや『タイバニ』を地で行ってるようなものね。
[映画館(字幕)] 5点(2012-06-25 06:30:49)(良:1票)
1670.  ソウル・サーファー 《ネタバレ》 
なんだか騒がしい映画。もう少し「静かな映画」を見たかったのですが、それはデカい音=いい音だと思っているかのような新宿バルト9の再生環境のせいばかりでは無くて。私としてはベタな感動物語を期待していたんですけど、基本はサーフィン映画なんですよね。音楽ガンガン聴かせてカッコつけた編集でカッコいいサーフィン映像を見せてナンボっていう。で、一方で冒頭から病院に運ばれるまではB級ホラー。若者達の姿を点描して海の中の「何か」を少々引っ張った上で鮫に襲われて、って。ホラー的音楽だけでなく、明らかに『ジョーズ』から手法を引用していて。そしてヒロインがサーフィンをしている部分のアップはデジタル合成+CGI丸出しの、そこだけイメージショットの如き世界になる、と。なんだかバラバラの要素をそのまま繋げた映画って感じ。なのでこの映画の大切な要素の1つ、海に自由を奪われたけれどそれでも海を愛するって部分が他の様々なノイジーな要素にジャマされ続けるという。この映画、ほぼ全編波の音が聴こえているのですが、その波の音をヒロインと海との対話に対して重要なソースとしてあまり使ってないんですよ。何しろその上にガンガンと音楽乗せまくりですから。もう1つの大切な要素、家族愛はそれぞれのキモチや立場を描いていて良かったと思います。アナソフィア・ロブはこれまでの象徴的ヒロイン演技より進んで喜怒哀楽全てをぶつける演技で存在感を示してましたけれど、中盤以降ひたすら映像にデジタル処理が入り続けるという特殊性からか、片腕を失ったゆえのぎこちなさとは別のぎこちなさが生まれてしまっていた気がします。ラストの実在する人々の映像は、実話であった事を映像で実感するがゆえの感動で、映画そのものの感動とは全く違うモノですしね。落ち着いた感動系を期待するよりもアメリカ的なポジティブスポ根映画として見るのが吉って映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2012-06-17 07:59:22)(良:1票)
1671.  ロボット 《ネタバレ》 
あの劇場中が沸きに沸いた『ムトゥ 踊るマハラジャ』の日本公開から14年、「スーパースター ラジニ」の看板もCGバリバリになって随分と進歩したねぇ、と笑ったのも束の間、なんだか残念な気持ちばかりが出てきてしまい。デジタル技術の進歩はインド映画にもしっかりと焼き付いていて。シャープな映像と駆使されるCGI&デジタル合成、バキバキのデジタル音声。でも、あの楽しかった『ムトゥ』のノリはほとんど見当たらなくなってしまって。既にCGが特殊視覚効果の主流となっていた前世紀末、この映画と『スパイス・ザ・ムービー』の二大ジャンプ映像はそのあまりの独自性が輝きを放っていた訳ですが、現代のテクノロジーは映像を横一線に並べてしまい、結果として地域や民族による独自性をかなり薄めてしまっているように思います。あちこち雑だった『ムトゥ』に比べると、とてもマトモなんですが、ハリウッド的フツーさになる事が求められているのだとすると、それは淋しいとしか言い様がない訳で。クライマックスのロボット軍団の暴走など楽しませて貰えますし、ラストのメッセージは感動的だったりもします。でも、それは別にどこの国のどの民族でも作れるモノな訳なんですよね。邦画にしてもそうなのですが昔から脈打つ民族の血が映像から失われるのは切ない、って思うのはエゴなんでしょうかねぇ。もっとも、調べたところによると日本公開版はオリジナル版から40分近くカットされダンスシーンが2曲削除されているとの事。ダンスシーンこそ、その個性的魅力の最大要素なのですから、映画の魂を削ってしまった不粋なカットバージョンでキチンとした評価が下せるのかどうかは甚だ疑問ではあります。物語はむしろありきたりなのですから、そここそをちゃんと見せるべきだったと思うんですけれど。
[映画館(字幕)] 5点(2012-05-17 20:52:30)
1672.  テルマエ・ロマエ 《ネタバレ》 
前半面白くて後半つまんない。感想はもうそれだけで十分って気もしますが、一応長文型レビュアーなんでここから先は蛇足で(笑) 前半は色々と頑張っている気がするんです。セットとモブとCGを駆使した古代ローマのローマっぷりや阿部ちゃんのローマ人っぷり、その頑張りが生み出すギャップの笑い。だけど中盤以降はなんだかとても雑と言うかいい加減な感じになってしまって。市村正親のハドリアヌスなんてのはネタでしかない訳じゃないですか。なのにシリアス。もうたっぷりタメの演技をしていてテンポ殺す殺す。元々演技の間合い、編集の切り方が何やら不自然?って感じの映画ではあるのですが、マトモに映画たらんとしようと体裁を気にし始めたようなあたりでモロにぎくしゃくしてしまって。こちらとしては、いや、別に笑わせてくれればそれだけでいいから、って感じなんですけど。で、最もイカンのがタイムスリップものとして作られているにも関わらず、過去の改変による現代への影響オチ、これが全く一切スルーだって事。過去と現代とを行き来する映画でそこがまるっきり欠落しているって、一体何から逃げているのやら。銭湯がローマしちゃってます的なオチくらい入れておこうよ。せっかく阿部ちゃんが頑張りまくっているのに脚本と演出はとにかく無難な方向へ逃げようと必死になってる感じがする残念な映画でした。邦画ってそういうパターン多いよね・・・。
[映画館(邦画)] 5点(2012-05-08 20:24:25)(良:2票)
1673.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ!オラと宇宙のプリンセス 《ネタバレ》 
明確な「悪」の存在は無く、選択を迫られるのは目先の小さな安定か、或いは人類の未来の平和か。大宇宙に永劫続いてゆく営みと個との関係性について、和による均衡と我による秩序の崩壊について観念的に描かれた作品。神の前で思想に対抗する実存の具体化を試みるシュールな映像の数々。そんなモンが『クレヨンしんちゃん』である必然性が、果たしてあるのやら無いのやら。作品としては、その意外なテーマの奥行きを楽しめ、更に惑星ひまわりのテーマパーク然とした美術世界を楽しめもしますが、とにかく大きな問題が『クレヨンしんちゃん』として楽しめるところに至るまでに、異様に時間がかかるという点。『クレしん』映画としては異例な111分という長尺な上に、最初の45分は物語がほとんど具体的に動かず、ひたすら設定と状況の説明に費やされ、しかも最大の問題はその間、しんのすけが全く動かないという事。動けないのでも存在しないのでもなく、ただ、能動的に動こうとしない、これは『クレヨンしんちゃん』としてのアイデンティティの否定にもなりかねないのではないかと。予め提示された約束の存在へと向かう物語のために、しんのすけが動き出すのをひたすら待つという状態は、やはり『クレヨンしんちゃん』としてはツラいものがあると思うのですよね。これがオリジナルキャラによるアニメであるならば楽しめたのかもしれませんが。後半になって面白い、楽しいと思えるのはやはり野原一家が野原一家らしく動いているシーンな訳で、ところが具体的な悪の存在が無いがゆえに、野原一家の大義が果たして作品世界に対して正しいと言えるのか否かすら曖昧になってしまうという。前半の動かないしんのすけを含め、まるで今という時代に『クレヨンしんちゃん』という作品の存在意義を懸命に模索しているような状態にも思え、それはあまりに内向きに過ぎるような気がしました。決して子供には楽しめない、子供には判らないとは言いませんが、映画20周年記念作品という節目に、なんだか重いモノを背負っちゃってる感じがしてシリーズを通しても異質な違和感がつきまとう映画でした。
[映画館(邦画)] 5点(2012-04-15 14:26:31)(良:2票)
1674.  ドライヴ(2011) 《ネタバレ》 
もうホント「話のつまらなさ」だけがこの映画の欠点で、だけどそれが自分としては酷い減点対象で。カメラとか照明とか色彩設計とか、とってもいいんですよね。ビルや街灯や車内の照明が作り出す夜の街の空気感。光と影、暖色と寒色のコントラストを作って、徹底的に光側と影側、暖色側と寒色側に被写体を分けるこだわり。寡黙な、静かな時が流れてゆく中で、じわりと染み出してくる生と死の匂い。主人公が返り血に染まったサソリのジャケットをもう脱ごうともしない時点で、主人公の意志がどこに向っているのかが判る、そこに漂う切なさ。そういう上手さを評価する事はいくらでもできる、よく撮れてる映画なんですけどもさー、話がありきたりなヤクザ映画。いや、ヤクザ絡み映画っていうか。『さらば映画の友よ インディアンサマー』とか『3-4X10月』とかみたいな。血みどろバイオレンスシーンは、そういう映画なんだからそうなんでしょうよ、って状態ですけれど、せっかくのテクニックが、その程度のハナシでいいのかねぇ?って感じがしてしまって仕方ないワケですよ。今時「せな(背中)で泣いてる唐獅子牡丹」やっちゃってるよ~、ってのが正直な感想。どうせそこまでカッコ付けるなら、もっともっと削ぎ落としたシャープな映画でも良かったんじゃないかなぁ。
[映画館(字幕)] 5点(2012-04-01 14:56:23)
1675.  トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1 《ネタバレ》 
まず、最大の難点。あの狼族の刻印とかいうやつ、これまでのシリーズで語られてきました? この完結編前半の展開を安直に解決に導く、とても便利な存在として出てきてしまうワケですが。大体、刻印というのがどういう仕組み、どういう状況で成立するのか、映画で語られていないので、いきなりセリフで出されたところで「へ?」って感じで。それにしても完結編の前半だってのに、まーた延々と「うふふあはは」してて、そうそう、このシリーズってその「うふふあはは」が本体で、あとはオマケみたいなモンだよねぇ、って思い出したりして。で、エドワードの誤爆によるベラの生命の危機がメインという、ツッコミどころ満載な作品の後半部分、生命を削られてゆくベラのメイクやり過ぎ。あれじゃ『バタリアン』のオバンバか『スペースバンパイア』のミイラバンパイアだよ・・・。そういうのはリアルでなくていいのに。美しいままっていうウソでも許容できるモノなのに。せっかくの南国の島で「うふふあはは」な映画だったのにヒロインの存在がホラーになってどうすんの。最後の最後にやっとこさシリーズにとっての脅威が登場するものの、意味不明な会話のみで1シーンだけという、完結編に向けて全然引っ張れてないよ!っていうユルさも含めて「コレが『トワイライト・サーガ』なんだろうねぇ、せっかくここまで付き合ってきたんだから、まあ最後まで見ようかねぇ」と、ごくごく消極的ながらもなんとなく楽しめていない事もない私ではありました。一応、それぞれのキャラの行く末が気にならない事もないですし。それにしても、結婚式に出席した花婿の親戚一同全員具合が悪そうな顔色してるって誰かツッコまないのかねぇ?
[映画館(字幕)] 5点(2012-03-25 16:59:15)
1676.  リアル・スティール 《ネタバレ》 
オヤジがあまりにダメなヤツで、それが延々とクライマックスあたりまで続くのでイライラ。借金踏み倒しまくりな上に逆ギレで暴行、子供を金で売り、バクチばかりなんて状態で、そんなオッサンにあんまり未来とか夢見て欲しくない感じがするワケですよ。そういう部分をSF的設定のディティール描写で補ってくれればいいのですが、これがまあひどく杜撰で。そもそも打ち捨てられていたあのスパーリングロボット、第2世代の旧式であるにも関わらず、金をかけた百戦錬磨の最新式バトルロボットに対抗し得る能力を有している理由っていうのが全く理解できません。いや、オヤジのボクシングの才能と子供のハード&ソフトウェアに対する才能、そして流用されたパーツとが有利に働きました、って設定が存在しているのは判るんですよ。でも、それがあのボロいロボットに徹底的にフィードバックされてるワケではないじゃないですか。既にベースとしてあのボロがとても優秀でした、みたいな状態で、そこから生まれるのは説得力ではなくて疑問ばかり。SFとしてのディティールが疎かになっていて、結局『ロッキー』のまんまコピーでカタを付けてる状態では、なんていうか、マンガだわなぁ、って感じで。弱者が強者に立ち向かってゆくエキサイティングな展開!って力技でねじ伏せようとしている、ちょっとあざとい感じがする映画でした。
[映画館(字幕)] 5点(2011-12-12 22:32:02)(良:1票)
1677.  コンテイジョン 《ネタバレ》 
まあ、毎度のソダーバーグ。やる気ない、魂込めてないフリして実は価値観をさりげなくもぐいぐいと押し付けてくる、ある意味、悪質なシロモノ。いや、そのドキュメンタリータッチで容易にドラマとして仕立てない、安易な感情移入をさせないって作りもアリだとは思いますし、そこから浮かび上がってくるコミュニケーションに対する懐疑も面白いとは思うんです。接近やスキンシップ、セックスによる感染の恐怖を描き、ネットを介したウソ・デマの感染を描き、しかし一方で盲目的に個人を優先し閉塞的なコミュニケーションによって生じる問題を描き、分断される事で更なる対立を生む事を描き、って。だけど、騒動に乗じて火のないところに無理に煙を立てるジュード・ロウの姿勢、アレは実のところ、この映画の姿勢にそっくりなんじゃないかと。フィクションをドキュメンタリー的に感情移入を排して描く事によってリアリティが生じ、しかしそこに生々しさを持って描かれる組織や国家、そして個人の思考・思想・思惑までもが現実的なモノとして伝わっちゃいないか?と。これって単純にウィルス感染の恐怖を描いたパニック映画、ではないですよね。映画ってのは凶器にもなり得る訳で、そこのところに自覚があるとすればソダーバーグはちとキケンな人間かも。
[映画館(字幕)] 5点(2011-11-17 20:13:34)(良:1票)
1678.  ツレがうつになりまして。 《ネタバレ》 
サポセン勤務歴のある身としては、あのストレスがよく判ります。退職者続出、抗不安剤が飛び交う病んだ職場と言っても過言ではない世界でしたからねぇ。私自身、勤務している間、記憶障害を起こしてたりして通院していましたし。で、この映画は原作が原作なだけに、まあまあ上手に映画化しているとは思いました。原作のハウトゥ物的側面を反映させつつ、一本の映画としてのドラマを通してもいて。だけど、原作が所詮は一夫婦の物語として閉じているように、映画もまた一夫婦の物語でしかなく、そしてこの監督の作品の毎度の悪いクセ、「情」で片付けちゃってる訳で。この物語は一つの症例でしかない訳ですよね。そこに普遍的な夫婦の愛こそが克服できるのです、みたいな方向性を付けてしまったところで、それは現実的ではないな、って。所詮は一創作映画作品として閉じてしまうか、と。真正面からうつ病に対して向き合っているのならば、ああいう「情」に流されるオチはないんでない?と。教会や講演で話を聞く人々のリアクション、ああいう画を撮ってしまうのがこの監督の限界。結論を1つところに誘導したくて仕方ないって画でしょ、あれは。大体クライマックスは丸々、同じようにエッセイマンガを原作とする『ダーリンは外国人』と全く同じ展開。マンガ描くのに追われて旦那を疎かにする事で大きな溝を作ってしまいました、って。そういう定型フォーマット映画を作りたいのならば、あまり問題性を抱えるような題材は選ぶべきじゃないんじゃないかなぁ。娯楽映画というものとの折り合いを付ける事こそが重要、って訳ではないですよねぇ?
[映画館(邦画)] 5点(2011-11-13 22:29:36)
1679.  電人ザボーガー 《ネタバレ》 
何かもったいない気がするんですよね。せっかくのリメイクを、何故わざわざこの監督独自のB級センスに合わせなければならないのか。そりゃ、元々のオリジナルがB級炸裂なシロモノであったのは間違いない訳ですが、その再現をするだけでなく(今日的なリニューアルなんて一部のCGを除いて殆どされていません)、この監督ならば当然とばかりにエログロも盛り込んで、好事家専用の、対象がごくごく狭く閉じた映画にしてしまったような状態で。見ていて楽しかったりもするのですが、それは決して真正面から楽しめているのではなくて、何か負というかネガティブというか、それを楽しめている自分を自嘲的に笑うような状態。作る方も見る方もそれでいいんか?とは思います。板尾さんは例によって薄~い演技しかしませんが、それはうらぶれた中年という設定に合っているものの、やっぱりそれでいいんか?と。まあ、もっとも私がこの映画に抱いた不満の大部分は、女サイボーグ、女悪役軍団、巨大化女子高生なんて美味しいネタに対してこの程度のダッサいやっすい味付けしか出来ない事に対する憤り、って感じですかねぇ。もったいない。
[映画館(邦画)] 5点(2011-11-13 21:54:43)(良:1票)
1680.  三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船 《ネタバレ》 
前日に『タンタンの冒険』を試写で見ていなければ、もう少しだけ楽しめたんじゃないか、って気もします。物語的には結構退屈で(ワリと初期に目的が明示される事で映画全体がどの程度のハナシになりますよ、っていうのが説明されちゃうという)、だからポイントになるのはキャラの面白さやアクションシーンって事になるのですが、キャラ的にはみんな中途半端。ミラはステキですけど途中でいなくなっちゃいますし、オーリーも活躍しないままいなくなっちゃいます。さりとて三銃士+ダルタニアンが個性を発揮してくれるかと言うと、なんだか悪役やら王と王妃の方に興味引っ張られちゃってイマイチ目立ちません、って状態で。アクションシーンなんかは頑張ってる方ではあるのですが、旧来型のアクション映像だねぇ・・・って。せめて『タンタン』との間に別ジャンル一本挟んでおくべきでした。映像的にはイラストやCGと実写とがスムースに入れ替わってゆく部分が面白かったのですが、どうせならばあのセンスで全編通しちゃえばいいのに、って思いました。あくまでそういう個性的な映像はちょびっとだけなんですよね。でも、そんな中で王妃役のコがなんか良かったです。美人じゃないのにミラよりヒロインより魅力的かも、みたいな感じで彼女がずっと映ってたらもっと楽しかったのになぁ、なんて思ったりもしました、が、それじゃ別の映画だ。
[映画館(字幕)] 5点(2011-11-13 17:18:56)
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