1681. 太陽がいっぱい
昔大変はらはらしながら見たことを覚えている。完全犯罪が何度も崩れかけようとしてきわどく逃れている。そして何もかもうまくいって、南国の陽がさんさんと降り注ぐ中・・・、ラストが衝撃だった。音楽も大変有名だし、とても好きだ。 DVDで改めて見て、昔合点がいかなかったところが解決できたような気がする。 [映画館(字幕)] 8点(2011-10-31 21:27:38) |
1682. 黒い画集 ある遭難
サスペンス小説としてはおもしろいかもしれないが、実際の犯罪としては成り立たないのではなかろうか。いかに策を巡らしたとしても、天候などの自然現象や偶然を操ることは不可能だと思う。それに悪天候は一つ間違えば自分自身も巻き込まれてしまう。 登山のグループは本当の信頼関係ができていなければ成り立たないだろうし、自然の驚異をおそれ、山を愛するものでなければ登山家の資格なし。 [DVD(邦画)] 6点(2011-10-30 21:25:04)(良:1票) |
1683. 黒い画集 あるサラリーマンの証言
どう見ても家庭的に見える小林桂樹の不倫では違和感があるのだが、平凡な男の転落ということで見なければならないだろう。それゆえ誰にでも起こりうる可能性を秘めているとも言える。 自分ならあのときどうしていただろうと考えさせられる映画だ。やはり40歳の課長には不相応ということかもしれない。 小池朝雄はコロンボの吹き替え以前は、こういうヤクザをよくやっていた。声優だけあって声にすごみがある。児玉清はちょっとわからなかった。 [DVD(邦画)] 7点(2011-10-30 13:41:32) |
1684. 黒い画集 第二話 寒流
これは凄い。好きな松本清張の映画を次々とあさっているうちにぶち当たった作品なのだが、原作未読の清張の中で最高傑作だと思った。 脚本がすばらしく良くできているし、登場人物の心理描写も実に見事、すさまじい緊迫感である。それと銀行内部のスキャンダルを赤裸々に描いて、社会派サスペンスの深さを感じる。 ただひとつ嫌なシーンは、丹波哲郎の子分たちが次々に○○部長で前科○犯という自己紹介をするところ、実に醜い。 [DVD(邦画)] 9点(2011-10-30 07:38:01) |
1685. 天国と地獄
途中まではすごくおもしろい。企業の主導権争いによる誘拐犯罪かと思いきや、そうではなかった。よくあるような名刑事のあざやかな推理ドラマと違って、警察組織の分担された捜査の積み重ねによって、容疑者の範囲を狭めていく。それがあたかも現実の捜査のようで大変機興味深かったし、前半の犯人と警察の知恵比べもおもしろかった。 しかし後半の犯人が特定されてからはまったくおもしろくない。そのまま逮捕では刑が軽すぎるからといって、犯人を泳がせ新たな犯罪を起こさせ死刑に追い込むというのはいくら何でもひどすぎる。警察は犯罪を未然に防ぐことの方が優先しなければならないはずだ。 それに終盤の展開は、無理矢理「天国と地獄」というタイトルへのこじつけのようにさえ思う。これではなぜ犯人が誘拐を思い立ったのか、まったくわからない。 [映画館(邦画)] 4点(2011-10-29 22:52:44)(良:2票) |
1686. わが町(1956)
「洲崎パラダイス赤信号」と優劣をつけがたい川島雄三の名作、どちらも1956年という同じ年の作品であることに驚く。 ターヤンこと佐度島他吉の骨太な生き方に感動、南田洋子も若くきれいだし、脇役の殿山泰司、北林谷栄もすばらしい。この二人は長年老け役をやっていたせいか、後年の映画のどれを見ても皆同じ年くらいに見える不思議な存在である。 ラストの南十字星か、心に残る。 [DVD(邦画)] 9点(2011-10-29 13:06:35) |
1687. 新・泥棒株式会社
昔見たときはおもしろかったけど、今見てみるとさほどおもしろくない、というか馬鹿馬鹿しさだけが目立つ。単純に見ていた頃がなつかしい。ピーター・セラーズも最初は新鮮だったが鼻につく存在になってしまった。 [映画館(字幕)] 4点(2011-10-29 06:55:40) |
1688. プッチーニの愛人
《ネタバレ》 ドーリア・マンフレーディ事件の新解釈によって映画が作られているというので興味深く見たが、いやー、まいった。こういう映画は苦手だ。 オペラ作曲家の劇的な物語かというと静かなもの、淡々と進んでいく。流れるようにではなく、切れ切れに。そう思うのは会話がきわめて少ないのだ。 進行の内容がわかるのは、電報だったり手紙だったり、不思議な手法である。プッチーニやメイドを演じた俳優さんたちはほとんど素人のこと。そのプッチーニが作曲する姿、ピアノ演奏するシーンはなかなか堂にはまっていると思ったら、本職の作曲家だそうだ。 メイドの突然の死によって映画は終わるが、そのとき運命的に鳴るのがシューベルトの「死と乙女」 [映画館(字幕)] 5点(2011-10-28 20:29:26) |
1689. 裸の大将放浪記 山下清物語
昔見て大変感動した映画、それまでは山下清さんを本当の意味で理解していなかったと思う。またその後、実際の山下さんの作品を見てさらにすごい人(天才)だと思った。この映画の中でも結構たくさんの絵が出てくるが・・・。 ずっと後「レインマン」を見てサヴァン症候群というものを知ったのだが、彼のような人は風景などを写真のように鮮明に記憶しているのだという。 映画の芦屋雁之助はドラマでも山下清を演じており、まさに適役だと思う。それに彼の死に対して、母親役の中村玉緒の言葉にも涙せずにいられなかった。 すべての障害児と障害児を持つ家族を励ます映画だと思う。 [映画館(邦画)] 9点(2011-10-27 22:00:11) |
1690. ターン/TURN
原作未読だが、おそらくベストセラーにふさわしい小説ではないかと思う。そう思わせる映画だ。平凡な一日を描いている映画かと思うと、一転して繰り返しの日々となる。同じ時間に同じ場所に戻るという設定と誰もいない静寂な世界がすばらしいし、主役の牧瀬里穂も好演だと思う。これは平山監督のなせる技か。 難しい理屈はさておき、思い出してはまた見たくなる映画だ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-27 00:05:50) |
1691. 奈緒子
思い切り漫画の世界だ。コースやルール、走法、タイムなど無茶苦茶であるが、漫画だから許そう。教え子たちが選手として出場しているので否応なく見る羽目になったが。そうでなければ決して見なかっただろう。撮影のとき頂いた奈緖子のTシャツは今も着ているが・・・。そう言えばおひさまのタケオ君が出ていたっけ。 [映画館(邦画)] 3点(2011-10-26 19:44:58) |
1692. 迷子の警察音楽隊
言葉が通じず、音楽でわかり合う物語かと思ってみたが、そうでもなかった。コメディと思ったのは最初の部分だけで、あとは静かに淡々と流れていく。それでいて、文化も人種も違う対立する二つ国イスラエルとエジプト、この距離感が何とも言えず良い。 少しもあきることなく、興味深く見ることができた。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-26 16:14:07) |
1693. ボヴァリー夫人(1991)
以前のボヴァリー夫人に比べ、原作に忠実でそのまま映画化したようにさえ思える。(ジャン・ルノワールは見てないが、ヴィンセント・ミネリは見た) 表現がより細やかで、小説を読まなくても読んだ気になるくらいだ。しかしどうも配役がなじめない。主役のエマは美しいが、表情が硬く見えるし、ロドルフも好色の美男子にはちょっと・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2011-10-26 08:40:04) |
1694. ボヴァリー夫人(1949)
《ネタバレ》 原作者フローベル自身が登場し、裁判にかけられた彼の口から、物語が語られるという形で始まる映画。美しさを求め、夢を追いかけることが罪なのかと開き直られても、田舎の純朴な医者にはかわいそう。 映画は原作に沿っているように見えるが、手術失敗を手術拒否に変えたのはいかがなものか。夫婦の相互理解が大きく崩れ始めた原因にもなっている事件を作り替えるとは解せない。 全体的にダイジェストのように見え、心理描写も甘いような気がする。 [DVD(字幕)] 5点(2011-10-25 21:58:45) |
1695. 遠雷(1981)
昔は田舎だったのだろうが、今は大きな団地も建ち都市化が進んでいる。主人公のハウスの土地も地上げ屋が駐車場にと狙っているのだが、彼は百姓に徹する農業青年、見向きもしないところはまさにJA推薦映画。 飾らなくたくましいところが何より良い。女癖が悪いところは父親譲りだが、きれいな嫁さんをもらい落ち着くことだろう。 それにしても見合いの席からモーテル直行とは進んでる。石田えりの見事な脱ぎっぷりも見事。 [映画館(邦画)] 7点(2011-10-24 22:42:36) |
1696. アンナと過ごした4日間
《ネタバレ》 前半は片手が出てきたり牛が流れてきたり猟奇的な臭いがプンプン。おまけに斧まで買ったりする。どうなることやらと思っていたら、ストーカー映画に早変わり。この前半部は思わせぶりか。 結果は目に見えているのだが、最後に女が「あなたは犯人でない」と言ってほっとしたが・・・。 会話が少ない分、流れる音楽が効果的。しかし何かもっと訴えるものがほしい。 [DVD(字幕)] 5点(2011-10-23 19:53:27) |
1697. チップス先生さようなら(1969)
《ネタバレ》 初めて見たのは学生の時教員になる前だった。それから40数年経って、DVDで再鑑賞したのだが、大変なつかしかった。 教育熱心だが頑なで堅物のチップスが、奥さんとなったキャサリンとの愛によって親しみのある先生となるのがすばらしい。ロバート・ドーナットもピーター・オトゥールもどちらも好演であり、それぞれの良さがあると思う。 この映画では、キャサリンを追いかけるシーンが2つある。ひとつは前半終了直前そしてもう一つは校長となったことを告げようとするシーン、どちらも非常に印象的で忘れられない。 キャサリンを演じたペトゥラ・クラークはさほど美人とは思えなかったが、歌はうまく親しみやすかった。 [映画館(字幕)] 7点(2011-10-23 10:05:36) |
1698. ハムナプトラ2/黄金のピラミッド
《ネタバレ》 前作はミイラ復活の斬新さとコミカルなアドベンチャー映画としてまずまずだったが、続編はとたんにおもしろくなくなる。 神秘的な要素だったのが俗っぽくなり、アクションは派手でオーバーになる。主役の二人が結婚し8歳の息子が加わるのは良いが、スコーピオンキングはいかにも粗野だし、前作で活躍の場がなかったアナクスナムンも、ミラという生まれ変わって登場するも現代風で魅力半減。 終始ドタバタで、派手な撃ち合い、殺戮が増えるのも好きでない。 [DVD(字幕)] 3点(2011-10-23 05:29:18) |
1699. チップス先生さようなら(1939)
《ネタバレ》 内気で堅物だったチップス先生が、長年の積み重ねにより、ユーモアのある親しまれる先生へと変化していく様子が実によい。ロバート・ドーナットの演じるチップス先生は、青年時代と老年時代とではまったく別の役者さんであるかのような変わり方だ。 老チップス先生は、その姿を見るだけで暖かく深い愛情で包まれていることが一目でわかる。このような先生になれたのも、ひとえに奥さんのおかげだと思う。早死にしたのは実に残念だが、チップス先生の最後の言葉は胸にしみる。 [DVD(字幕)] 8点(2011-10-22 23:13:39) |
1700. ハムナプトラ/失われた砂漠の都
恐ろしさは残っていても、ホラー映画独特の気味悪さが押さえられ、コミカルなアドベンチャー映画になっている。終盤はスリル感もあって目が離せず、全体として大変おもしろい映画だ。 プロローグの3000年前の古代エジプトは、神秘敵であると同時に壮大感があって引きつける。CG映像の見事さの上に音響効果が実によい。 [DVD(字幕)] 6点(2011-10-22 22:50:48) |