1861. 愛のむきだし
盗撮だ股間だ勃起だとしょーもないキーワードが飛び交うばか映画、と言ってしまうには4時間もの長きにわたってみんな結構必死に愛を捜し惑う姿にそこそこ真摯さも漂う不思議な作品。なにやら確固とした信念らしき情熱がこの作品を貫いていて、くだらん、と一蹴するのはためらわれる。大人の男どもがど変態とダメ人間しか出てこないのに比べて、若手俳優たちの眩しいこと。闘う構えも清清しい暴力聖母の満島ひかりに、盗撮行為すらあっさりぽん酢テイストに変換した西島隆弘。性悪そうな顔立ちを、ことさら醜くゆがめて迫る安藤サクラ。見応えありすぎ。「オレは変態だけどきちんと生きている」ユウの絶叫に、お、おお、そうか、と思わずつりこまれてしまうのだった。うーん、怪作。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-01-10 02:13:18)(良:1票) |
1862. クレイマー、クレイマー
《ネタバレ》 この映画が良いのは、徹底して子供を愛しているから。子供が傷つく映画は辛いばかりだ。お父さんもお母さんも、この子を愛してる。親権をとられたD・ホフマンの横顔と上手に焼けたフレンチ・トースト。いや切なかった。 [ビデオ(字幕)] 8点(2012-01-10 01:43:54) |
1863. ダイ・ハード2
ダイハード2を撮るにあたって、制作側にかかったプレッシャーはいかほどのものだったか。重圧を見事はねのけて作った大した作品だと思います。まずまず面白いもん。 [地上波(吹替)] 7点(2012-01-10 01:12:02) |
1864. ボスタ! 踊る幸福の赤いバス
《ネタバレ》 人生初のレバノン映画。初めて見るレバノンの郊外の景色が目新しい。開発が進んでなくてどこか懐かしく、タイトルの赤いバスも可愛い。が、お話の方が若干起伏が少なくて物足りない。主人公に立ちはだかる頑固な保守層の抵抗がけっこうあるのかと思いきや、そうでもなさそうで。恋人とつかず離れずうじうじしている主宰者のアイツの気持ちがいちいち分からん。せっかく全国放送なのに妙に純潔(?)を主張するし。そんなバックボーンあったっけ。ああそして“最先端のダンス!”と謳ってるわりに、肝心のダンスがあまり凄いと思えないんだ・・すいません。This is it 観ちゃったあとなものだから。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-10 00:59:44) |
1865. バットマン(1989)
J・ニコルソンのはっちゃけた怪演ぶりがみどころ。このおっさんの毒々しいはしゃぎっぷり以外は、さして見るべき物はなし。 [映画館(字幕)] 5点(2012-01-10 00:37:41) |
1866. 迷子の警察音楽隊
ユダヤ人の中に迷い込んでしまったアラブの人たち。と聞くとぴりぴり緊張しそうな設定にしておきながらも、彼ら個人個人に政治的な色はほとんど無い。迷い込んでしまった方も、急遽上がりこまれてしまった側も、お互い困惑しながら、どこまでも普通の人たちなのだった。洋の東西問わず、このあたりのぎくしゃく感はすごく良くわかって微笑ましい。何人であっても、結局は人の心って同じ動きをするもので。そんなことを、特に凝った演出もなしにところどころ笑わせながら、あっさり心地よくまとめてある。食堂の女主人の存在感抜群。ざっくりしててイイ女です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-10 00:28:42) |
1867. 穴(2001)
ご都合主義が過ぎるプロットには大いに不満だけれども、こちらの腰が引けるほどのソーラ・バーチの邪悪っぷりと、いつまでも耳にざらつく音楽が印象的。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-01-08 23:58:25) |
1868. キリング・フィールド
なんかもう、この世の終わりかと思うほどのミもフタもない荒廃っぷりに、「なんてこったい」と何度も呟いた。有名なラストシーンは確かに感動的ではある。でも、そもそも何でこんなことになったのか、ということに考えが及ぶと涙も引っ込むというもの。もっと映画として怒るべきじゃなかったか。どうも「アジアの人ってかわいそう」的な目線を感じる。素材がナチスものならば、もっと身を切るような制作作業になるような気がする。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-01-07 02:38:47) |
1869. ミニミニ大作戦(2003)
《ネタバレ》 キレの良い展開と、力量充分な役者陣。冒頭、ベニスの重厚な建築物の間を水しぶきをあげながら疾走するボートチェイスや、後半のミニクーパーが赤青白と色分けされている視覚センス、大好きです。ミニクーパー、爽快にきりっとしゅびっ、とああ可愛い。銃器をぶっ放してくる敵に対して一切凶器を持ち出さず、頭脳と運動神経だけで出し抜く泥棒技術の妙味がみもの。お気に入りのJ・ステイサムがハンサムって設定になっているのがちょっとどうも・・ねえ。いや彼のことはお気に入りなんですよ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-01-07 02:14:44)(良:1票) |
1870. ミッドナイト・ラン
オーソドックスなコメディでふつうに面白い。主役も脇役もみんなきちんと自分の仕事をしています。待ち伏せするFBIの数の多いこと多いこと。何といってもデ・ニーロが上手いなあ。役者にとっては悲劇より喜劇を演じる方が難しい、と故三波伸介氏が語ってましたが、マフィア関係キャラを見慣れた目にはこのデ・ニーロのカメレオン的な変幻自在ぶりには驚いてしまった。しれっとした、ひょうひょうぶりと自分の冗談で笑っちまう笑顔にデ・ニーロの物まね芸人さんを彷彿としてしまった。逆だ。 [地上波(吹替)] 7点(2011-12-27 16:35:15) |
1871. ブルース・リー/死亡遊戯
ブルース・リー、愛されてたんだなあということはひしひしと伝わりました。 ぬんちゃくの武器としての有効性にはなはだ疑問を抱いたのですが。最後蹴ってたし。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-27 16:20:10) |
1872. 瞳の奥の秘密
映画好きな人の手で撮られたんだろうなあと思わせるテクニック満載の画の見せ方には引き込まれるし、犯人探ししている前半の緊張感はなかなか。でも主人公の心情が今ひとつ伝わるまでに至らず。ベンハミン、被害者の夫にやたらと触発されてるのだけど、真実の愛を感じたとか瞳を見れば分かるとか、言葉で説明しちゃうんだよな。映画たるもの、想いは台詞に頼らず伝えてほしい。夫が私刑を加えてるのを知って、Aを書き足して「愛」にする・・?ん?この心の機微もわからないや 直列思考の私には。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-12-27 15:55:50) |
1873. スティング
一昔前のスターってなんでこうみんな顔に深みがあるんでしょう。美醜の問題ではなく、美女が一人もいないのに男も女も端役もいい顔揃い。いわば顔の厚みに寄りかかって安心して観られる心地よさ。仕掛けの大掛かりなことに心奪われ、はらはらし、大団円でほこっと笑う。けだし名作。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-27 02:13:59)(良:1票) |
1874. 愛と哀しみの果て
《ネタバレ》 夫の浮気あり性病感染ありロマンスあり経営破たんに永遠の別れ、ときた。はあ。「女の一生劇場」を見せられたようなおなかいっぱいになる濃厚さを、アフリカの広大な自然が見た目の伸びやかさでうまく中和してくれている。ロマンスの二人がM・ストリープとレッドフォード・・って今ひとつ食指が動かないんだが。でもほとんど地球創生のような圧倒的な大地に押し負けせず、堂々演じきるにはこれ位大物感のある二人じゃないとだめなのかも、とも思うけど。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2011-12-27 02:02:20) |
1875. フォーン・ブース
《ネタバレ》 や、面白かったです。80分の短さで、きりりとやりたいことやった感じ。不条理型の攻撃者は絶対的に強くないとイケナイのだけど、こいつも及第点。正体不明&高層ビルからの攻撃って圧倒的に有利だぁ。うーん不条理だ。追い詰められる主人公が自分の内面と向き合うことになって妻に告白するシーン、人が必死に訴える姿というのは周りの人間にもきちんと伝わるもので、警察も野次馬もそして観客の私もちょっと「しん」、となったりするのでした。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-12-27 01:47:26)(良:1票) |
1876. ハンニバル(2001)
《ネタバレ》 これは羊の続編ではなく全くの別物だ。羊たちに漂ってたぞくぞくする冷たい緊張感はどこへやら。披露されるのは通り一遍にグロテスクな殺人描写。ああ ジョディのクラリス。繊細で必死で凛とした勇気を携えていた彼女。憧れでした。J・ムーア扮するFBI特別捜査官にはクラリス・スターリングとは別な名前を名乗ってもらいたい。生真面目なおばさんにしか見えないんだ、どうも。肉付きのいい身体でもたもたランニングしないでほしい。どこがFBIや。ああそれに鉄格子の中にいながら他人の生死に影響をおよぼすのがレクター博士の真骨頂だったのにな。スリのタマ潰したりとか、露悪的で興ざめだ。博士とクラリスで恋愛沙汰にするのも嫌い。羊のときは博士が師のような、父性のような礼儀のある距離がちょうどよかったのに。文句ばっかりつけたけども、この監督らしく映像は洗練されて重厚感ありました。 [地上波(字幕)] 5点(2011-12-24 02:30:28)(良:2票) |
1877. マルコヴィッチの穴
《ネタバレ》 こんな状況をありかナシかで言えばあるのかも、と思わせるのが凄い。シュールな手触りが新しい前半の方が断然面白い。絶妙に低い天井に、なんでか異を唱えず首まげて職務をこなしている社員たち するっとズレる会話 困惑する人形師。じわーっとくる。街角でワイセツな人形劇を子供の前でやっちゃって「バカヤロー」と殴られるシーンに笑った。私も殴ると思う。 [DVD(字幕)] 6点(2011-12-24 01:59:15) |
1878. 死にゆく者への祈り
当時観たM・ロークものではこれがNO.1。終始寂しげなM・ロークの佇まいも良いけれど、彼の殺害の命を帯びた同僚2人の葛藤と哀愁が脇役ながらぐぐっと胸に迫るのでした。 [映画館(字幕)] 8点(2011-12-22 15:32:12) |
1879. フォーリング・ダウン
脂ぎってないM・ダグラスが実に斬新。 [映画館(字幕)] 6点(2011-12-20 01:53:00) |
1880. ベルリン・天使の詩
三回くらい観たのかな。数年おきに観て、やっぱり退屈だった・・と思い、でもなぜか寂しくて美しいベルリンの街に心惹かれてまた観よう、と思ってしまう不思議な映画。 [映画館(吹替)] 7点(2011-12-20 01:34:42) |