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映画小僧さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 313
性別 男性
年齢 64歳
自己紹介 映画は生もの。リアルタイムで見るのが一番だけど、古い名画はどうしようもない。TVでしか観れないのなら、電気を消して電話を切って、誰も来ない夜に、なるべく劇場と同じシチュエーションで見るように努めています。(お酒を飲みながらはありますが)観る側、つまり自分も生ものですので、その時の体調、精神状態では見方も変わります。B級がA級に見えたり、恋愛映画がアクション映画に見えたり、でもそれはそれで面白いと思います。
と、勝手な事をのたまう40才の映画好きな親父です。

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  卒業(1967) 《ネタバレ》 
アメリカン・ニューシネマの中でもあまりインパクトを感じない作品です。花嫁を連れさらうことが主人公にとっての「卒業」であるなら、あまりにも短絡思考だと思います。紆余曲折あっての決断であり、心のままに動こうとする行為は確かに今までの自分からの脱却かも知れません。映画の進行もそうなっています。しかし、本当の幸せをつかむことに対してはその準備が出来上がっていないのでは?最後、バスの中で喜び半分、不安半分の表情を見せて終わりますが、これからの道は決して平坦ではないはず。見ているこちらも応援するよりも、すごく遠くから見ている感覚で「で、どうするの?」と問い詰めてみたくなりました。名作と謳われていますが、音楽の功績が大きかったのでは。
5点(2004-04-27 12:14:51)
2.  野生のエルザ 《ネタバレ》 
動物と人間の共存(または自然と人間でもいいですが)を考える時必ずといっていい程、自分の頭の中にはこの映画が浮かびます。同じ地球に生を受けて、命を全うする生き物なのに、方や野生の動物、方や人間という区分けが存在します。相容れない、それは当然のこと。環境も違うし、生活も違う、言葉も通じない。縮まることのない距離。離れていく運命。でも、惹き付けられる「愛情」の存在。動物の心と人間の心。どちらも同じもののようにこの映画では感じます。ラスト、草原に野生となって生きる為にエルザを返します。哀しくもあり、清々しくもあり。共に生きるための答えなど見つからなくても、それぞれが「生」をうけている物だと認めあい愛おしむことを教えてくれています。名曲「ボーン・フリー」に泣かされながら、凄くそのことを感じます。
7点(2004-04-03 12:17:29)
3.  太陽の王子 ホルスの大冒険 《ネタバレ》 
最初に観たのは小学校2年生の時。授業の一環として体育館で上映されました。その後は、成人し大学祭で。古いアニメではありますが、「動き」に感動したのを覚えています。特に、怪魚(大きな化け物みたいな魚)を倒す場面でのアクションには単純に興奮しました。そしてスケール感も。岩男の起き上がる場面は、その質感までもが伝わって来て体が震えました。確かに技術や効果については現在のアニメとは比較できないですが、映画として組み立てられた作品としては、かなりのクオリティであると思います。荒々しくもその当時の作家達の気概も感じられて、懐かしい部分だけでなく、今一度見直さなければならない姿勢みたいなものもあると思いました。
7点(2004-04-02 13:20:10)
4.  メリー・ポピンズ 《ネタバレ》 
児童文学である原作は全て読みました。(映画に影響を受けてですが)そのためポピンズがジュリー・アンドリュースの顔で、言葉も彼女の声で、見えてくる、聞こえてくるのです。それだけ、役にぴったりだったのでしょう。嵐の日に明るいパラソルと共に街にやってきて、凝り固まった大人達の心を癒し、子供達の願いを叶え、夢を与えてまた風と共に去って行く。映画はミュージカル仕立てで、アニメーションとの合成、魔法(視覚)と音楽の相乗効果で、楽しい物語になっています。代表曲である「チムチム・チェリー」は何度聞いてもいい曲ですね。あと、ロンドンの夕景。つくりものですが、今まで数あるつくりものの風景の中で、自分はこの映画のあの夕景が一番好きになりました。ファンタジーのジャンルではトップクラスの映画だと思います。
8点(2004-03-29 15:34:14)
5.  俺たちに明日はない 《ネタバレ》 
観た者に鮮烈な印象を与えるラストシーン。名作といわれる所以はこのシーンの迫力と切なさ故か。初めて観た時のショックはかなりのもの。アウトロー達の最期はやはり残酷。「死」をもってしか今までの生き方を肯定する術がないなんて。でもそれがアウトローがアウトローであるための条件なのかも知れない。アメリカン・ニューシネマの傑作と誉れ高い映画ですが、主人公達にどうしても感情移入できず。忘れられない作品には間違いないのですが。
7点(2004-03-25 11:23:08)
6.  大脱走 《ネタバレ》 
「荒野の七人」のメンバーが大勢出ている点と同じ監督さんということでTVの前でワクワクしながら観た子供の頃。DVDで再見してもワクワク度は全く色褪せもせず、むしろ倍増している程です。 脱走のための作戦とその実行場面が面白く、戦争物ジャンルとは思えずゲームのような、丁度子供の頃空き地でした探検ごっこや穴を掘って段ボールで隠れ家をつくる、そんな感情が甦ってきます。脱走する男達の友情や信頼関係もしっかり描かれているのですが、自分には「男の子」のやんちゃな時代の香りのする映画にも思えます。囚われの身でありながら誰よりも自由であった男達。脱走にかける情熱に憧れ、実行する結束の固さに惚れ、失敗してもあきらめない姿にしびれ、およそ男が魅力的に見える全ての要素が詰まったカッコイイ映画です。中でもマックィーンは最高!
10点(2004-03-24 10:33:53)
7.  黄金の七人
黄金の七人と聞くと、今はない「月曜ロードショー」を思い浮かべるのは自分だけ?トラウマのようにあのブルーバックに白字のオープニングが頭に浮かんでくるのです。おそらく、この番組で多くの「七人シリーズ」を観たせいだと思うのですが。何故か、自分には忘れられなくて。作品よりもその記憶の擦り込みに感心したりして。
5点(2004-03-23 17:32:35)
8.  奇跡の人(1962) 《ネタバレ》 
モノクロの画面からほとばしるほどの「愛」。人が人を変えるという現場を目の当りにする映画。三重苦の人間を「病人」ではなく人間として再生させるために、これでもかというくらいの先生と生徒の心の格闘を描いています。光も音も感じられないヘレンが心動かされ、人間であることに目覚めるラストの水のシーンは 鳥肌が立つ程の感動。「ウォーター」と叫ぶ場面の迫力は言葉では到底言い表せません。「愛」でしか成し得ないこと。「愛」でしか起こせなかった奇跡。理屈じゃない素晴らしい「教え」がここにはあります。
9点(2004-03-22 10:05:14)
9.  2001年宇宙の旅
絵画のごとく観賞する。哲学は横に置いといて。ただ、眺めるように接すれば良し。自分の脳の限界を知ってからは、この映画をこのように楽しんでいます。すると、色々な事が見えてきます。 分かってきます。それは人にはうまく伝えられないけれど。精神トリップのできる貴重な映画です。
8点(2004-03-10 11:43:59)
10.  ウエスト・サイド物語(1961) 《ネタバレ》 
世に名作といわれる作品は数あれど、これほど自分の中で評価の変わった映画も珍しい。初見はTVで。街の不良グループの抗争と男女の恋愛の話でもの凄いインパクトを受けたのですが、いかんせん、あのダンスにどうしてもついて行けず、TVの前で非常にこっぱずかしい思いを味わいました。(自分が踊っているわけではないのに)何で、街中で踊るんやろ。恥ずかしくないんかな。 あっ、指まで鳴らして、何様のつもりやなどと、映画の見方にはなっておらず、単なる生理的な寒さを感じたものでした。しかし、年月はそんな私めにも、幾分かの成長剤を飲ませてれたのか、今観ると熱いですね。ほとばしる情熱とでもいうのでしょうか。毛嫌いしていたダンスが、若きアドレナリン暴発みたいに非常に躍動感あり、映画のメッセージをこれでもかと伝えてくるのです。激しい激しい踊りに圧倒されるのが快感になってくるのです。物語自体は悲劇です。若い命が過った方法で断たれます。ほとばしる情熱の鉾先が違う方向に行ったみたいに。でも、人生の軌道修正は中々難しいもの。この苦い経験が、大人をつくるのでしょうか。そんな屁理屈も、永遠とも言えるこの踊りの前では無意味でしょう。ニューヨークの空気を感じさせる、匂いを嗅がせてくれるすんばらしい映画です。
9点(2004-03-09 13:17:30)(良:1票)
11.  天国と地獄 《ネタバレ》 
映画館のスクリーン(ワイド)を考えて生み出された構図の妙。何で、こんなにも絵的にバランスが良いのだ!そこには、視覚的に見せるという、黒澤の娯楽としての基本姿勢が徹底されているのでしょう。パンフォーカスという手法にしても、一筋のピンク色の煙りにしても、画面構成のテキストみたいにカチッとまとまっています。職人の仕事というより、神の手技みたいなものを感じます。それにしても凄い緊迫感。そして焦燥感。追う刑事。追い詰められる犯人。ラストの対面。どの場面にも、説得力の有る構成が成されていて、見ていて息がつまりそう。そして、それが「映画」を見る快感なのだと、気付かせてくれるのです。やっぱり、黒澤監督、凄いです。
9点(2004-03-08 15:31:17)
12.  ドクトル・ジバゴ(1965) 《ネタバレ》 
これは恋愛映画なのですが、同時に大きな歴史のうねりの前にあっては、個人の力や常識など「無」にひとしくなる、そのはかなさや危うさを謳った映画でもあります。その中に希望を見い出そうとする、人間としての欲求、それがラ-ラという女性への「愛」だったのですが。雄大なロシアの自然を舞台に、これでもかという逆境に遭遇し、乗り越えるジバゴ。一途に追い求めるが故、離されていく距離もひろがる2人。最後、ラ-ラを街中で見かけて、追いかけるも、命つきてしまうジバゴには、哀れな男の終焉を見た気がします。しかし、2人の間に生まれた新たな命が、ラストの「バラライカがうまいのか。遺伝だな」の言葉で、祝福される時、歴史の変貌の中でも確実に芽となり、育まれたものがある、それが人間の「愛」だと静かに訴えて来ます。やはり名作というものはどこか違うんだと、深くうなずく自分がいるのでした。
10点(2004-03-08 12:38:50)
13.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
故淀川長治先生が「男が男を愛する映画。その結果、男が男を殺して、その男になろうとする恐い恐い愛の映画」というような事をおっしやってました。復刻版のパンフレットにもそのような事が記載されていました。あの当時に、そういう観点でこの映画を見ていらしたことに、深く感動し、再見すると、ああまさしくと膝をたたく場面の多い事。中学生の頃は、殺人者がアリバイやサインをまねして追究の手から逃れるただのサスペンス映画だったのが、今では妖しい男同志の映画に見えるから、あら不思議。映画を見る目を鍛える大切さを改めて教えていただいた貴重な作品です。
9点(2004-03-04 11:31:53)
14.  サイコ(1960) 《ネタバレ》 
何だか観終わった後、心がざわざわとする映画でした。前半の車で逃げるシーンのカットや構図が、得意とするところの「不安」をつのらせ、中盤から後半のモーテル内のシーンで爆発させる運びなどは、さすが職人芸。カメラワークもよく考えられていて、有名なシャワーシーンはもちろん、刑事が階段踊り場で殺される場面、車が沼から出てくる場面等は、ゾクッとせずにはおられません。モノクロがこれだけ、冷たい印象を与える色だとは、この作品で知らされた気がします。
8点(2004-03-03 12:44:00)
15.  鳥(1963) 《ネタバレ》 
特撮の出来不出来でなく、作品としての力が勝っている映画ですね。TVで初めて観た時は、その無気味な画面づくりに不安感を覚えまくりでした。(ボートで湖の対岸にそっといくところなど、しかも1人で、曇り空、決して明るくない湖の色や、学校のジャングルジムにあつまる鳥達)ヒチコック監督の描く恐怖は、視覚はもちろん、画面にない、映っていない部分からも怖さが伝わってきます。鳥が何故、人間を襲うのか、その理由が明らかにされないまま、エンディングを迎えるわけですが、これは理由のない殺意ほど怖いものはないというメッセージなのでしょうか。原因の解明もできずに、ただ受け身になる人間。脆さや弱さを描いて、やはり第一級の作品です。
8点(2004-03-03 12:37:19)
16.  サウンド・オブ・ミュージック 《ネタバレ》 
何回目かのリバイバル上映で観た時、「すべての山に登れ」が流れ「The End」の文字が出た時に、場内割れんばかりの拍手が起きました。中には立ち上がって拍手する人も。もちろん自分も思いっきり手をたたいていました。「ああ、映画ってこんな感謝の仕方があるんだ」と中学生の自分がもの凄く感心した想い出があります。それから、何度もビデオで、またDVDで観る度に、そのことを思い出し、ラストでは拍手するのですが、段々と感動する場面が変わって来ました。大人になったら大人の感じ方があるのですね。トラップ大佐との微妙な恋の交わし方、特にマリアと手を取り合って踊るシーンは今の方がグッと来ます。あと、修道院長のマリアのためを想いうたう「すべての山に登れ」は、これから何かを目指す若い人には、ぴったりの内容ですし。「すべての山に登りなさい。野を越えて、川をわたり、あなたが本当に愛することのできるものを見つけなさい。」うう、涙が・・・・。幅広い層に受けるのは、そうした題材を、マリアと子供達の歌と踊りを美しいスイスの風景に見事に溶け込ましたからなんでしょう。どの時代でも、この作品は「拍手」を持って迎えられると思います。
10点(2004-03-01 21:53:12)(良:4票)
17.  アラビアのロレンス 《ネタバレ》 
砂漠に陽が昇る。赤く、赤く、真っ赤な陽が昇る。映画の最初で、ロレンスがマッチに火をつけるシーンで砂漠の日の出につながる場面があります。後半、自然の太陽にではなく、独立という戦いのもとに流された血で、砂漠が赤く汚されていきます。砂漠を愛するロレンスは、「こんなはずではなかった」という想いで胸を傷めるのですが、やはり人間。大自然の前では、希望足り得ても、希望そのもの(多くの人の恵みとなる太陽にはなれない) には届かない弱さが、凄く滲み出ている映画です。砂漠の美しさはもちろん、怖さも、はかなさも、まるで役者のように変化をみせる、その撮影にはひたすら脱帽です。男なら、同じ挫折でも、ここまでのスケールで挫折してみたいものです。
10点(2004-03-01 21:35:33)
18.  荒野の七人
その昔、土曜映画(洋画)劇場だったかで、前編・後編と2週にわたり放映されているのを観て、はまりました。関連の本は買うわ、サウンドトラックは買うわで、もう夢中。(リバイバルで観たのはそれから何年もあとですが)日本映画の「七人の侍」のリメイクですが、比較などせずに、これはこれで充分に面白いです。七人のキャラクターの設定が各俳優の個性と相乗効果を持って、うまく活かされています。話も単純と言えば単純なのですが、「ガンマン」という言葉の響きに酔わされ、そしてエルマ-・バーンスタインの音楽にのせられ、痛快な時間を過せます。 自分的には、劇場で観た時よりも、DVDの日本語吹き替えで観た方がかなりしっくりきます。俳優もそうですが、声優さん達も、よく考えればオールスターだったんだなあ。
9点(2004-02-28 13:29:38)(良:1票)
19.  明日に向って撃て! 《ネタバレ》 
この作品は、自分の映画史のはじまりを告げた記念すべきものです。少ない小遣いから、リバイバル公開を3回観て、名画座での2本立て興行を観て、大学祭に行って観て、映画祭に行っては観て、LDを購入しては壊れるまで観て、もう何回観たか覚えていられない程観ました。最近では、DVDで音声を変えては観まくっています。多感な中学生時代に観たから、その影響も強いのでしょうが、なんか画面からあふれてくるアウトロー2人が時にかっこよく、時に切なく感じられて、すごく自分にとって愛おしく思えたのです。セピア色でカタカタと、古い映画の上映から、2人のアウトローの世界へ誘う導入部。段々とカラーになるにつれての、アメリカの西部の美しさが目の前に開ける様は、何度観てもうまいなあ。お洒落だなあ、粋だなあ。決して若くない2人の逃避行がメインなんですが、悲壮観ただようものにはせず、時に自転車で、時にニューヨークでふざけ合うシーンがとても素敵です。でも、最後には南米ボリビアでの軍の一斉射撃によって散っていくのですが、その場面をストップモーションで捉えて、(悲惨な死に方を見せずに)カメラがどんどん引いていきながらセピアに戻るラストは、やっぱり胸が熱くなります。R・レッドフォード、P・ニューマンの代表作であると同時に、これに出会ってなければ全く映画には興味も持たず、別の趣味に走っていたかも知れない自分にはやはり特別な作品です。
9点(2004-02-19 18:49:15)(良:1票)
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