1. デビルズ・ゾーン
《ネタバレ》 一部でカルト化されているということで鑑賞したが、全くツマラナカッタです。カルトの定義が、「おかしな」「変な」という意味ならば、確かにこんなへんてこな映画はありません。ただ、この作品、パリス・ヒルトンが出ていた『蝋人形の館』に明らかに影響を与えていると思う。 [DVD(字幕)] 4点(2013-05-08 09:03:40) |
2. 死霊のはらわた(2013)
《ネタバレ》 名作のリメイクという時点で不利なのは承知の上。麻薬依存の更正や兄妹の絆などという余計なストーリー性をもたせたことは、『死霊のはらわた』という作品のもつ「勢い」を削ぐ結果にしかならなかったのは残念。しかし、近年稀に見るリアルで痛いスプラッター描写の数々は、『悪魔のいけにえ』『ゾンビ』『13日の金曜日』といった名作ホラーのリメイク群の中にあってもトップクラスの出来で、ハリウッドホラーもやっと最近のフレンチスプラッターに追いついた感じ。チェーンソーで手足をぶった切る、カッターで自分の舌を縦割りにする、釘打ち機でバスバス撃たれる、などという描写が好きな方には激しくオススメ。エンドロール後に「あの人」が出るので、最後まで席は立たないように。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-08 08:58:37)(良:2票) |
3. ジャッキー・コーガン
《ネタバレ》 日本の配給会社は、ブラピ最新作ということで買い付けたはいいものの、全く一般向けの映画でないことにさぞ驚いたことだろう。それで仕方なくあんな宣伝方法をとったのだろうが、本作はシネコンで大々的に公開されるようなタイプの映画ではなく、ミニシアターでひっそりと上映し、知る人ぞ知る通好みの映画と言ったところ。個人的には好きな題材なので楽しめた。レイ・リオッタ、ジェームズ・ガンドルフィーニといった脇役もいい感じ。映画史上最も美しい銃撃シーンが観られただけでも満足。 [映画館(字幕)] 7点(2013-05-08 08:50:48)(良:1票) |
4. ラビッド
《ネタバレ》 バイク事故で重傷を負った女性が、実験段階にある皮膚移植の被験者となり、吸血ウィルスの保菌者となってしまう。夜な夜な街に繰り出しては他人の血を吸い、そうとは知らず感染を拡大させていく。モントリオールはパニック状態となり、政府により戒厳令が敷かれるが…。クローネンバーグ版『ザ・クレイジーズ』といった趣きの、終末感漂う傑作悲劇。ポルノ女優のマリリン・チェンバースが好演。 [DVD(字幕)] 8点(2013-04-30 08:28:50) |
5. デビッド・クローネンバーグのシーバース
《ネタバレ》 クローネンバーグ版『ゾンビ』だが、このゾンビ(正確には寄生虫の感染者だが)、凶暴になる代わりにエッチになる。老若男女、みんなエロエロして襲ってくるのだ、怖いやら嬉しいやら…(笑)また、クローネンバーグ好みの女優さん(リン・ローリーが良い)が、無意味にポンポン脱いでくれるのだから堪らない。目の保養になる映画。 [DVD(字幕)] 5点(2013-04-30 08:16:05) |
6. ライジング・ドラゴン
《ネタバレ》 〈アジアの鷹〉シリーズの最新作にして、ジャッキー最後のアクション大作。宣伝文句の「最高傑作!」とは程遠いものの、近年のジャッキー映画の中ではかなり面白い部類に入るだろう。それにしても、齢60になろうかというジャッキー、流石に往年のキレはないものの、頑張ってる感はビンビン伝わってきます。予告編の全身ローラーブレードはてっきりクライマックスに用意されているものかと思いきや、冒頭のアクションで披露。その後もアイディア満載のアクションの連続で、2時間超えの長尺を全く飽きさせない。ひとつ意外だったのは、ジャッキーが既婚者であるという設定。トレジャーハンターのJCが、最初は金目的でお宝を探していたが、やがて国宝を自分たちの国に取り戻すという使命感のために戦うようになる。そういった政治的なメッセージを込めながらも、「やっぱり最後は愛だよね」という締め括りは、ジャッキーらしい大団円。これがラストというのはやはり寂しいが、心からお疲れ様を言いたい。今後こういったアクション映画には出ないかもしれないが、またスクリーンで会えるのを楽しみに待ってるよ! [映画館(字幕)] 7点(2013-04-19 00:43:20)(良:1票) |
7. 舟を編む
《ネタバレ》 原作未読。こういう落ち着いた雰囲気の邦画もいいものだ。辞書作りと一言で言っても、言葉というのは日々変化し、新しい用語が次々と現れては消えていく中で、大切な言葉をひとつずつすくい取り、十数年かけて完成させるという途方もない作業なのだ。辞書作りを始めた頃には流行している言葉でも、10年後には時代遅れになって使えないものもあるが、一方で不変の言葉というものもある。「恋」もそんな言葉のひとつだ。主人公のマジメ君は、辞書一筋の変わり者だが、ある日、大家の娘に「恋」をする。今まで恋愛なんてしたこともなさそうなマジメ君の恋の行方は…。馬締に扮した松田龍平はコミュニケーション不全の若者を見事に演じているが、相手役の宮崎あおいがちょっと可愛すぎて釣り合わない。普通に考えて、あんな童貞オタクが、ひょいと現れた美女とまともに恋愛できるわけないでしょ?もうちょっと不美人でも気立ての良い娘とかの方がリアリティあると思う。そこだけが腑に落ちないが、全体的にはとても良い映画でした。 [映画館(邦画)] 7点(2013-04-16 07:53:27) |
8. 12モンキーズ
《ネタバレ》 久し振りの鑑賞だが、素直に面白かった。難解な映画の多いテリー・ギリアム作品の中では、分かり易い部類ではないだろうか。衝撃のラストへ向けて収束していく展開は、この手のタイムトラベルSFとしては出色で、分かっていても泣けてしまう。アカデミー助演男優賞にノミネートされたブラピの怪演も見所。 [ブルーレイ(吹替)] 9点(2013-04-13 20:03:31) |
9. エターナル・サンシャイン
《ネタバレ》 記憶を消去しても、否応なく同じ相手に惹かれてしまう、愛の不思議。それは、DNAレベルで相手を欲しているからなのか、それこそが彼らの運命だからなのか。恋愛末期になると、相手の悪いところしか見えなくなりお互いに際限なく傷つけ合うが、そんな彼ら(僕ら)にも、奇跡のようにキラキラした瞬間はあったのだ。この映画のラストは、厳密にはハッピーエンドではない。また彼らは同じように傷つけ合い、別れてしまうかもしれないからだ。しかし、それでも、そんな愛の奇跡を(僕らは)忘れてはならないのだ。 [映画館(字幕)] 9点(2013-04-13 19:57:59) |
10. 相棒 -劇場版Ⅱ- 警視庁占拠!特命係の一番長い夜
《ネタバレ》 適度にハラハラドキドキして楽しめる出来だが、TVドラマで充分かと。ラストの〇〇さんの死は、ちょっとした衝撃だったが、劇場版を観ていない人は、今後のTVシリーズで「え?この人いつのまに死んでたの!?」となること請け合い。また、過去作を観ていなければ、〇〇さんの重要度がいまいち分からず、「あ、死んじゃった」くらいの感想しか浮かばないだろう。どちらにせよ、TV版、劇場版両方を観ていなければ、『相棒』を理解することはできないという、ファン向けの作りになっている。 [地上波(邦画)] 5点(2013-04-11 16:43:37) |
11. シティーハンター(1993)
《ネタバレ》 『シティ-ハンター』の実写映画化として観たらかなりヒドイが、いつものジャッキー映画のノリで観たらそこそこイケる出来。ジャッキー、ジョイ・ウォン、レオン・ライと、出演陣も豪華。中盤以降は海上版『ダイ・ハード』の展開で、真面目に作れば傑作になったかもしれないのに、とんねるずとかストⅡとか、何故か日本のカルチャーを無理矢理詰め込んで訳分からなくなっている(ジャッキーが突如ストⅡの春麗になって戦うシュールな映像は目に焼きついて離れない)。でもこのごった煮感覚が、バリー・ウォンらしいというか、香港映画らしく、楽しんだ者勝ちということで。ちゃんと100tハンマーも出てくる(笑) [DVD(吹替)] 4点(2013-04-10 15:10:02) |
12. 映画 ホタルノヒカリ
《ネタバレ》 TVシリーズはそれなりに面白く観ていた。家内が「どうしても観たい!」と言うので、地雷覚悟で観に行った。正直、ここまでひどい映画も珍しい。というか、コレを映画と呼んで良いのだろうか? [映画館(邦画)] 3点(2013-04-10 08:01:31) |
13. 世界にひとつのプレイブック
《ネタバレ》 『ジュノ』や『リトル・ミス・サンシャイン』などを思わせる、ちょっと型破りな家族の形を描いた、イマドキのアメリカ映画。それにしても、主役のクーパー君、間男を半殺しにしたからって、精神病院送りにされて、妻とも接近禁止命令を出されるなんて、ずいぶん可哀相じゃない?悪いのは浮気した妻と不倫相手でしょ?そんな目に遭ったら、精神も病むって。対するローレンス嬢もズケズケと本音トークでぶつかってくる、少しアブない彼女。しかし、そんな彼らよりも、親父のデ・ニーロがヤバイ。大体、この人が父親役をやると、『ミート・ザ・ペアレンツ』なんかを思い出しちゃって、普通のお父さんにはとても見えない。アカデミー賞では8部門にノミネートされただけあり、役者の演技を観ているだけでも楽しい、今年オススメのラブコメ。 [映画館(字幕)] 7点(2013-04-09 00:01:04) |
14. ゼロ・ダーク・サーティ
《ネタバレ》 この作品、事実に基づいていると言われているが、果たしてどこまでが本当なのだろうか?勿論、歴史的事実として、米国同時多発テロ、イラク戦争、ビン・ラディン殺害といった出来事は存在するが、その内情がそのまま映画化されているとは到底考えにくく、大部分がフィクションなのではと推察される。かなりリアルな作りをしているとは思うが、「イラク戦争においてこういうことがあったのではないか?」という大衆の想像の域を出るようなものではない。それならいっそのこと、『ハート・ロッカー』や『キングダム』のように、あくまでフィクションという括りの中で映画を作った方が、作り手のメッセージが明確に伝わるであろうし、こちらも感情移入し易い。深い映画だし、観る価値は大いにあるが、〈事実〉として映画を作ってしまったために、余計な制約ができてしまったように感じられる。 [映画館(字幕)] 7点(2013-04-08 19:19:34) |
15. スモーク(1995)
《ネタバレ》 日米合作で作られただけあり、日本人にも好まれそうなブルックリンの下町人情劇。ポール・オースターの作家性をここまで見事に映像で表現できたのも、ウェイン・ワン監督の繊細で情感豊かな演出と、ハーヴェイ・カイテルをはじめとする演者たちの素晴らしい演技があってこそ。些細な偶然の積み重ねが、やがて〈運命〉という形をとって人生に巡ってくる。自分が選択し決定した行動は、当然の帰結として、良くも悪くも自分に跳ね返ってくる。そんな人生訓がさりげなく散りばめられており、下町の煙草屋を舞台に、多種多様な登場人物たちのドラマが煙のように立ち昇っては消えてゆく。久し振りの観賞だが、以前観た時よりも感動できたのは、自分も少しは大人になったからかもしれない。姉妹編の『ブルー・イン・ザ・フェイス』もオススメ。 [DVD(吹替)] 9点(2013-04-03 08:58:24) |
16. バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト
《ネタバレ》 ハーヴェイ・カイテルがね、もうスゴイんです。刑事のくせに、朝から晩までヤクをキメまくり、犯罪現場でブツをくすねて横流し、無免許運転の女の子を見つけては、親に言いつけると脅してセクハラ、挙句の果てには野球賭博に負け続けてギャングから命を狙われる始末。尼さんレイプ事件を追ううちに、本物?のイエス・キリストと対峙するという展開は唖然とする他ないが、何とも言えない虚無感漂うラストが切なくて…。刑事なんか辞めて煙草屋でもやってれば、『スモーク』のような親父になれたのにね。 [DVD(字幕)] 7点(2013-03-30 22:33:40) |
17. リヴィッド
ダリオ・アルジェントを思わせる画作りや、ヒロインのビジュアルは好きだが、内容が少々難解で退屈。この監督の前作『屋敷女』はホラー映画史に残るウルトラ・スプラッターだったが、今回は落ち着いた雰囲気のゴシックホラー。随所に監督のセンスが光るが、ここから更に一歩踏み込んだ作品を撮って欲しい。次回作に期待。 [DVD(字幕)] 5点(2013-03-30 22:15:32) |
18. インブレッド
予告編がかなりイケてる感じだったので観たが、期待ほどではなかった。結果的には、『悪魔のいけにえ』や『2000人の狂人』がいかに名作かということを再確認しただけだった。 [DVD(字幕)] 4点(2013-03-30 22:06:56) |
19. トールマン
《ネタバレ》 パスカル・ロジェ監督は前作『マーターズ』がかなりぶっ飛んだ鬼畜映画だったので、本作も心して観たが、スプラッター描写は皆無。子供の誘拐事件が多発する寂れた炭鉱町を舞台に、二転三転する展開は全く先が読めずに、「え?え?ええっ~~~!?」となること請け合いだが、ラストのオチは少々拍子抜け。『マーターズ』よりは分かり易いが…。 [DVD(字幕)] 5点(2013-03-30 22:03:46) |
20. アメリカン・ビューティー
《ネタバレ》 自然すぎるケヴィン・スペイシーの演技に、笑っちゃうほど不自然なアネット・ベニング、そして意外なドンデン返しのクリス・クーパーと、役者たちの演技が半端ない。大人も凄いが、ソーラ・バーチ、ミーナ・スバーリも若い裸体を晒して頑張ってます。落ち葉と共に風に吹かれて舞い上がるビニール袋の美しさ。ラスト、はたと我に返ったところで撃ち殺されてしまう主人公。死後のナレーションから始まる本作、この無常観は、〈アメリカの悲劇〉を謳った凡百の映画を軽々と跳び越えてしまっている。傑作。 [映画館(字幕)] 9点(2013-03-29 07:38:48)(良:2票) |