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1.  機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙編 《ネタバレ》 
絵は古いんです。前半部分はザンボットやダイターンの直系という感じです。後半部分は安彦さんの手が入り、新作カットも多くてそこまで古いとは感じないようになってます。 絵は古い、でもね、これは当時、一つの革命でした。 ヤマトが旧世代の革命を起こし、ガンダムが新世代の革命を起こした。この感覚は同時代を過ごした者にしかわかりません。本当にアニメ革命黎明期(それは同時にパソコン黎明期にも重なるんですが)の、変革の時代でした。 今から見直すと古臭いし、ちゃちかもしれません。でも、間違いなく日本のアニメ史、映画史に残る名作です。 これは、戦争のミーム、膨大な戦争の記憶、こういったものが基本になければできなかった物語です。 これ書いてるのは2024年です。34年前の1990年はバブル期でした。だからまだバブル期の記憶がある人は多いと思います。 そしてこのガンダムは1978年が初出です。1978年の34年前は1944年、敗戦どころか戦中なんです。 ガンダムを作った人たちには、現代の我々がバブル期を覚えているレベルで、太平洋戦争の記憶・経験があるんです。 だから重い。 転生ラノベ、KPOPやヒップホップ、こういうのが流行っている時代で、それがいいという人にはわからないと思います。 凄まじい人類の戦争の歴史の積み重ねの上に出来上がったストーリーなんです。 もっとも、Z以降の続編は本当に要るのかなあという思いはあるんですが。
[映画館(邦画)] 10点(2024-07-02 19:11:38)(良:1票)
2.  ガチ☆ボーイ 《ネタバレ》 
チャットモンチーの主題歌が流れるエンドロールにもう少し工夫が欲しかったくらいで、あとは全編面白かった。 エンドロールのせいで一点減点したいんだけど、本編内容が素晴らしいので、目をつぶって満点。「学生ノリだけど、芯はしっかりしている」描き方が秀逸でした。これは是非みんなに見てもらいたい映画です。ただ、宣伝の仕方が下手だなあ。「海猿」の時のように力を入れて宣伝して欲しかった。ROBOTが絡んだ映画は「逆境ナイン」も「サマータイムマシンブルース」も、面白いのに宣伝の力が足りないよ。宣伝が薄いし、なかなか話題に上らないけど「ガチ☆ボーイ」は文句なく面白いです。ええと、見るときはティッシュかハンカチを忘れずに、です。
[映画館(邦画)] 10点(2008-03-07 06:32:38)
3.  遠い空の向こうに 《ネタバレ》 
原作も映画も含めてのネタバレも書いちゃうので、未見の人は注意してね。 単純にすごくいい映画でした、泣きました!!寂れゆく炭坑町、ロケットへの少年らしい情熱がよく描けているし、スプートニクを見ながらエレベーターで坑道へ下がっていくシーンなんて感涙ものです。炭坑町のストライキ中に我が町の少年たちだけは助けるなんて、昔の日本の炭坑町でもスポーツ大会などで本当によくあったことで、いずこも同じなんだなあと、違った意味でも泣けてしまいました。また、主人公たちの町は、現実の世界ではもう存在しません。人口も減り会社も撤退し、消滅しました。残っていても今の日本の炭坑町のように大変なことになっていたでしょう。その意味では「炭坑の町」へのレクイエムのようでもありました。音楽もいい!!ストーリーもなかなか。ただ、有名になった最後の実話のエピソードをカットしちゃったのは残念。実はあまりにもできすぎですが、この後、主人公はロケットのノズルと全国大会のメダルをいつのまにか忘れてしまいます。ところが、父親の死後、遺品を整理しているときに、父が大事に取って置いてくれたのを見つけるのです。これだけでもラストシーンになりうるのに、そのメダルとノズルは、1998年にホーマーの友人である宇宙飛行士の土井隆雄氏が、スペースシャトル・コロンビアで宇宙に運んでくれたのです。ロケットボーイズのロケットは、とうとう宇宙に行った!!この実際のエピソードは入れて欲しかったなあ。あと、撮影技術が非常に高いのには感心しました。映画の中で飛ばしたロケットが、見事に金属の質感を持っていましたから(実際は紙とプラスチックからなるモデルロケットを使用したそうです)。炭坑町とロケットという点では、日本でも北海道のカムイロケットが有名ですが、ますます応援したくなりました。この映画、お勧めです。
[DVD(字幕なし「原語」)] 10点(2008-01-13 21:17:54)
4.  ルディ/涙のウイニング・ラン 《ネタバレ》 
アメフトの映画では、ほぼベストじゃないですかね。 ただ、完全にアメリカ国内向けの映画ですから、アメリカの大学の制度、アメフトの制度を知っていることが前提になってて、そこが少し不親切です。 アメリカの大学には高校からそのまま入学するケースと、コミュニティカレッジにまず入学してから編入で入るケースがあります。この編入制度はアメリカでは常識で、ルディが聖十字短大にまず入学してからノートルダム編入を目指すというのが説明されていないので、流れがわかりにくい。また、コーチが頑なにルディを出したがらないのは、ルディがアメフト特待生ではない一般学生だからです。特待生ではなく一般学生を出すのは、生え抜きコーチなら自分の見る目のなさを示し、途中就任のコーチなら大学のスカウトの顔をつぶすことになって、立場が弱くなる(ルディの場合は後者)。それほどの不利益を負ってまで出したというので、アメリカ人にとっては、単に最後に出してもらえたというだけではないんです。 とかなんとか言ってますが、素直に良い映画です。 特に練習シーンで、ノートルダム大学の"Victory March"が合唱で流れるところは最高に美しいです。
[DVD(字幕)] 9点(2024-05-31 22:20:46)
5.  エレクトリック・ドリーム 《ネタバレ》 
エイティーズのポップな音楽、はじめてネット(インターネットじゃない、パソコン通信ですよ)に繋いだコンピュータ。絶妙なコンビネーション。今見直すとノスタルジーいっぱいですけど、当時は本当に身近にありそうな御伽噺で最高でした。リアルタイムで見たときは、あのコンピュータがうらやましかったですよ。そのころの自分は8bitで300bpsのモデムで繋げるのがやっとでしたしねえ。あと、当時のバージニア・マドセンは可愛い!!の一言です。
[ビデオ(字幕)] 9点(2024-04-17 07:11:47)
6.  南極料理人 《ネタバレ》 
ゆる~いおっさんたちが、食を中心に南極でひたすら日常生活を送るだけのお話。それがなんでこんなに面白いんでしょう。そして、見終わったら、なんでこんなにラーメンが、それも「あっさり醤油ラーメン」が食べたくなるんだろう。というわけで、これはおすすめ。ただし、できたら、映画館で見てください。DVDやBSじゃなく、リバイバル上映で。あの巨大なエビフライや、あまりにも旨そうなラーメンは、大画面で見ることを計算されて撮られているのだそうです。 映画としては、かなりの硬派です。最近は字幕が読めないだけではなく、役者側が過剰に言葉で説明したり、説明エピソードを入れなければ理解できない観客が増えたと言われていますけれども、そんな層は最初からおかまいなしです。南極の自然環境の厳しさを、言葉で説明させることも、説明エピソードを入れることもしない。400日以上男だけで暮らすので、食が唯一の楽しみであること、そのためにどれだけの食材を苦労して運んでいるのかの説明もしません。一見たるいおっさんにしか見えない人たちが、どれだけの碩学かの説明もなし。作中で掘り出される氷柱が、100万年前までの地球の環境を知る世界第一級の資料であることも強調しません(これはホントです。これほど凄いのは日本にしかありません。地球環境関係なら、ほぼどんな文献にも引用されている世界唯一の資料なんです)。そういったネタになりそうな事項はガン無視して、ひたすらおっさんたちの日常生活を描くだけ。南極の厳しさが描けてないとか、エピソードに乏しいとか、ぐだぐだ抜かす想像力がない層への配慮は全くありません。頭を空っぽにして見るだけでも愉しい、想像力を働かせても愉しい、説明過剰な昨今のテレビ中毒の人にはつまらない、そんな映画です。
[映画館(邦画)] 9点(2012-10-04 20:19:45)(良:2票)
7.  大脱走 《ネタバレ》 
久しぶりに見たけど、やっぱり面白いねえ。 役者は豪華ですね。途中でバイクが変わっていたり、撮影のミスも牧歌的で面白い。 ただ、作られた時期的に、二次大戦、特に欧州戦の知識がないと分かりにくい映画ではあるから、面白さを汲み取れない人も増えているかも。 テンポが現代とはちょっと違うし、伏線を読み取れない層も多くなってきているし、配信や家で見る人たちはなかなか集中力が続かないらしいので、昔の大作映画が軒並み貶されてきているという評論も読みました。この評論はそこそこ合っていると思います。 ここの感想を読んでいると、ユダヤやロマの強制収容所と、捕虜収容所の違いが日本人にはこんなにわからないとは思わなかった。 ユダヤ人などの収容目的と、自国の捕虜との交換のためにも捕虜の待遇をちゃんとしたものとしなければならない捕虜収容所の収容目的は完全に異なります(ハーグ条約もあるし)。 親衛隊とドイツ国防軍の対立感情もわからないと、この映画は理解しにくい。 また、生きて虜囚の辱めを受けずの日本軍と異なり、捕虜となったら脱走を試み後方を攪乱せよという英米軍の違いも意外に知られていない。 ということは、なかなかこの映画の意図を汲み取れていない人が多いということですねえ。残念なことです。
[映画館(字幕)] 8点(2025-01-13 21:05:47)
8.  リバー・ランズ・スルー・イット 《ネタバレ》 
本当に画面が綺麗で、古き良きアメリカがよく描かれており、そしてブラッド・ピッドが神がかり的に美しい。 牧師の父親や田舎の人々の描写も細かく手がこんでいて、見たあとになんとも言えない感情を呼び起こす映画でした。  ただ、この映画は人を選ぶんじゃないかな。 日本でも、普段から自然に親しんでいる人、実際の自然が好きな人、田舎で地域のかかわりが深い人、そういう人には響くと思います。 都会から出たくない人、自然が好きだといいつつモニターの向こうの自然しか触れない人、機微がわからない人、そういった人たちにはなかなか伝わらない、退屈なだけの映画だと思われるかもしれない。 普遍的なものをモンタナの自然を通して描こうとしているので、モンタナの自然が持つ魅力が伝わらないと難しいと思う。 アメリカでは大ヒットして、日本ではブラピ好き以外にはあんまりヒットしなかったのは、まだまだアメリカには自然が残っているということなんでしょうね。
[映画館(字幕)] 8点(2025-01-13 20:50:33)
9.  ハッピーフライト(2008) 《ネタバレ》 
「大空港」から始まるエアポートシリーズを代表として、空港パニック映画はサスペンス映画、群像劇の定番です。かなり大衆化しましたが、空港というのは非日常感体験の一つだからです。 それを邦画でANA全面支援で、矢口監督がやってみようとしたのがこの映画です。邦画らしく、パニックではなくプチパニック程度に抑えて楽しく見られるようになってます。 言ってしまえば、ハワイ行きANA機がピトー管の故障で引き返して嵐の中で無事着陸するだけなんですが、CAの綾瀬はるか、GSの田畑智子、パイロットの田辺誠一、時任三郎などなど、役者陣がいい味を出してます。群像劇で、観客からは全体像がわかるんですが、登場人物同士は顔を合わせていないのに意思疎通しなきゃならなかったり、エピソードの組み合わせが本当によくできている。ただ、工具を紛失したエピソードはちょっと作りすぎでしょう。第三者が持って帰るというのは、ちょっとね。 実際の空港のほんの一日を切り取って見せただけですが、こんなにドラマがあるんですよ、という矢口監督の意思がよく出ています。題名通りハッピーなフライト気分になれます。 そして、一部プロップ使ってるのがまるわかりなのが残念ですが、今となっては国内線ではもう普通に乗れないジャンボ・ジェット実機を十分に堪能できる点が個人的には評価高いです。ジャンボはいい飛行機だったよなあ。
[DVD(邦画)] 8点(2025-01-08 20:46:34)
10.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~
三浦しをん「神去なあなあ日常」の映画化という話ですが、テイストは続編の「神去なあなあ夜話」のほんのり恋愛部分も取り入れていて、私にはとても面白かったです。 研修生が染谷1人だったのが3人に増やされていたり、友達が来るエピソードが付け加わっていたり、ラストの大木落としのシチュエーションを大胆に改変したり、存分に矢口脚色がされていて、映画としてまとまりのあるものとなってます。 特に、染谷将太、長澤まさみ、優香、西田尚美のキャスティングと演技が素晴らしい。伊藤英明は演技も上手いが、身体能力を十分に生かした躍動感が素晴らしい。 林業作業も良く描写されてます。かなり本気でリサーチしたのでしょう。本当に細かいところであれ?と思ったんですが、これは私がなまじ東日本の林業を知っているからこその違いで、あとで調べたらモデルの西日本の林業では当たり前なんだそう。つまり本当に現地リサーチが行き届いているんですね。 作品冒頭の染谷が拉致同然で田舎に送られるところ、田舎に行くにつれ、携帯がどんどん圏外になっていくところ、もう最初から笑ってました。これ、単純に楽しい映画ですよ。 難しいことは考えず、頭からっぽにして見ましょう。
[映画館(邦画)] 8点(2025-01-08 20:44:23)
11.  妖星ゴラス 《ネタバレ》 
妖星ゴラス。このなんとも不思議な題名が興味をそそります。 黒色矮星が地球を直撃して人類が絶滅の危機を迎える。これを官民一体となって大作戦で回避する。ただそれだけなんですが、この映画は今となっては知る人ぞ知るマニア映画になってます。後の日本や世界のSFやマニアに多大な影響を与えました。 宇宙から天体が地球を直撃する危機の映画は昔から有って、今なら、小惑星の「アルマゲドン」、ブラックホールの「さよならジュピター」当たりが代表作ですかね。また、官民一体となって対策する点は、ある意味「日本沈没」や「ゴジラ-1.0」のご先祖さまとも言えましょう。ただ、本作が異彩を放っているのは、危機天体を破壊するのではなく、地球を動かして逃げる、という1点です。地球を動かす、この考え自体は映画界にははるか昔からあったようで、膨大なエネルギーを必要とするから実際には無理という常識的な考えから単純に採られなかったんですが、この映画はそれをやっちゃった。コロンブスの卵、これこそ、センス・オブ・ワンダーです。その後、様々なSF作家が真似をしてます。「トップをねらえ2」なんて、地球ごと質量兵器にしてますものね。2024年には、アメリカの議員さんが、地球温暖化対策として地球を外側に動かそうなんて真面目な提案をしたそうです(阿呆だな~、というのが議会の反応で・・・アメリカって素晴らしい)。 地球移動は制作当時、できる限り計算して、可能と考えてやったというのですが、まあ素人目に考えても無茶な嘘です。動かすエネルギーをたった二年でどこからどう持ってくるのか。核爆発でさえ毎秒5個爆発させて数万年のオーダーがいるのです。これ、ちょっと無理。 映画的な嘘は一杯あります。黒色矮星なんて、現在の宇宙には一つもないと考えられてます。白色矮星が冷えると黒色矮星が理論上存在可能ですが、冷えるのに現在の宇宙が過ごした時間以上を必要とするし、よしんば実在したと言っても、一切の電磁波を発しないので、現在の科学でもほぼ観測不能です。技術的にも、隼号・鳳号は単段式ですから、地上から直接宇宙に出ることはできません。それに、地球が現在の軌道からほんの少し動けばそれだけで、別にゴラスが近づかなくとも地上は大災害。これらは黒色矮星を除いて製作当時にもわかってたことですが、映画の嘘だからと強行したらしい。 でも、いいですね、そんな大嘘ついても、科学を信じる、未来を信じる、国際社会を信じる、当時のイノセントな世相が良く出てます。いい時代だったんですねえ。私はこの映画の雰囲気が好きです。だって、製作1962年ですよ。戦後17年でこれをやった。人類の宇宙飛行が実現したのは、ガガーリンの1961年。その翌年にこれですよ。高度経済成長なんかまだ先の話、その時代にこれを作った、その心意気や良し、です。 ただ、その~、制作技術が追いついていない。この6年後にキューブリックが出してきたのが「2001年宇宙の旅」です。ええと・・・ あと、東宝の悪い癖も出てる。クランクアップ直前に、せっかく円谷が絡むのならと上層部がねじ込んできた怪獣マグマ。監督や脚本が最後まで大反対したのに、結局入れられちゃった。海外版では全カットされているそうだから、意味なし登場なのは普通にわかりますよね。ちなみにマグマの登場するシーンは本来の監督ではなく、円谷英二が演出したそうです。また、マグマの操演の一人に、ゴジラ俳優の中島さんがいるそうで、マニアは喜んでますが、蛇足は蛇足。はるか昔に見たときも、今見直してみてもやっぱり蛇足感は否めません。オトナの事情で金井役の役者を最終盤まで登場させる便法として記憶喪失にさせたのも意味はありませんね。 ただ、悪い映画ではありません。テンポはいいですし、役者もみんながみんな上手いわけではないですが、当時の人気俳優が特撮映画を真面目にやってます。しかも、妖星ゴラスは周辺を探っていくと、いくらでも面白いエピソードが出てくる不思議な映画です。ラスト水没シーンは、実際に川にセットを沈めて撮ったけど、未だにそれが荒川か利根川か論争があるとか。作中のジェットビートルはウルトラマンに流用されたのか、金型だけ流用されたのか、とか。いつまでも楽しめる不思議な映画としか言いようがないです。私は推しますよ、この映画。
[映画館(邦画)] 8点(2025-01-08 20:43:15)(良:1票)
12.  トップガン 《ネタバレ》 
この頃のトム・クルーズの「トップガン」、「ハスラー2」、「カクテル」、「デイズ・オブ・サンダー」辺りのキラキラ感は、もうたまらない!! 明るいハリウッド、爽やかな空気感、王道を行く青春映画。トム・クルーズの絶頂期だなあと当時は思ったものです。新世紀になって四半世紀、いまだにあのノリで続けているとは思いもしなかったですけれど。 「トップガン」は様式美の映画です。山賀がテレビ版マクロスのオープニングで使った手法を大胆に取り入れ、ベルリンのあの音楽、スズキを駆って戦闘機と並走する、これ以上ないエンターテインメントです。あの時代の雰囲気を良く表してます。 当時は普通のCGと言えばまだ「トロン」レベルだし、超絶金かけてつくっても「ラスト・スターファイター」の宇宙戦闘機くらいにしかなりません。だから、本作の戦闘機アクションは実写に全掛け、迫力あります。 ただ、CGがレベルに達してない、プロップじゃ迫力でない、仕方ないから敵機であるはずのMigはF-5が演じてまして、これが出てくると、ああ所詮は映画、作り物だあと醒めた覚えはありましたねえ。 この映画は、頭を空っぽにしてみましょう。軍隊映画は全部悪、米軍が出てきた、米帝撃滅!、こんな目でみても面白くはないです。 どういう見方をするかは自由ですが、この映画を楽しもうと思うなら、ただ単にワーキャー言ってみるのが一番です。トム・クルーズとF-14のプロモート映画。アイドル映画と是非同じノリで。
[映画館(字幕)] 8点(2024-12-30 09:50:14)
13.  さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち 《ネタバレ》 
子供の頃に見て、ショックと感動を覚えた映画です。 だけれども、最近は特攻賛美とかなんとか、今の感覚からする強引な左翼的批判が強いので正当な評価がされにくいんだよね。政党的な評価ばかり目立つ。こういった後付け評価はどうにかして欲しい。映画の中の男女差別批判やポリコレごり押しなんかもやめて欲しい。楽しさ、感動を与える映画でいいんです。思想的な映画はそりゃいいんだろうけど、そういった思想映画じゃない普通の映画を、ポリコレ的観点から批判するのは筋違い。普通の映画をスポイルさせる批判は願い下げです。 本作は、作劇としては、すごく良くできている。特に白色彗星の外形を吹っ飛ばして、巨大惑星帝国潜入から、超巨大戦艦出現と、敵はただ一か所にとどまっているだけなのに、次々と絶望感を与える変化なんか、当時としては画期的だった。 今見ると絵が古臭いとか批判を受けているけど、ヤマトはあの絵がいいんです。なんなら、もっと松本零士風にしたってかまわない。最近のオタクリニューアルヤマトの絵と平和主義とポリコレは、ヤマトには似合わない。 ただ、ヤマトはこれで終われば伝説の作品で終わったはず。拝金主義のために、ヤマト2で結末を変え、続々と自己模倣の続編を作り、最近のリニューアルシリーズまで続いているから、陳腐化もいいところになってしまった。 このアンチテーゼとして作られたガンダムも、ファーストで終わればいいものを、結局延々とシリーズ化して陳腐化。 他の国では・・・と思ったけど、アメリカもスターウォーズからアベンジャーズまで同じことをやっているし、欧州もアジアも・・・結局、どこの国でもこういったシリーズ化から陳腐化への流れは止められないものなんだねえ。 上映当時は沢田研二の曲からなにから楽曲が多すぎて「ミュージカル・ヤマトですか?」という批判があったけれども、覚えている人はいないだろうな。 「軍艦マーチ」に並んで「宇宙戦艦ヤマト」は海上自衛隊の定番となりました。願わくは、漢字艦名の旧海軍から、ひらがな艦名の自衛隊、そして、カタカナ艦名の未来の宇宙船が本当に実現しますように。
[映画館(邦画)] 8点(2024-12-11 14:10:07)
14.  死体の人 《ネタバレ》 
確かに、放送大学は有名ですね!! そこのセリフは受けました。
[映画館(邦画)] 8点(2024-11-30 09:46:55)
15.  ぬけろ、メビウス!! 《ネタバレ》 
「赤毛のアン」って、本当は児童文学じゃないって知っていましたか?悩める少女の成長を描いた真面目な物語なんです。じゃあ、現代日本の若い女性だとどうなるかを考えてみよう。これは、そんな試みの映画。  映画としては・・・脚本が穴だらけ。契約社員の5年ルールって、事前に知らせておいても今は大問題になるんですよね。いっぱい裁判も起きてます。期限切っての雇い止めからの一転正社員提案で、まともな会社に見せたつもりかもしれませんが・・・。はたして、この雇い止めが当たり前みたいに描いていいのかなあ。  優子は母の紹介で会社に入ったらしいので、親友のなっちは優子の紹介で時期がずれて就職したのかな?就職時期が一緒だと、二人とも雇い止め対象になっちゃうから、そう考えないとだめだよね。なっちだけ正社員登用なら、その話も出てくるだろうし。でも、短大・専門以外はずっといっしょって言ってた?あれ?そもそもなんの専門学校行ってたんだろう?  たまたまコンビニの支払中に、たまたま隣で道を聞いていた王子様に一目惚れ?それ、全然伏線なくって余りにも唐突だけど、説得力ありますか?えーと、優奈さんは王子さまと結婚前提のお付き合いで悦にいってるけど、名前の詐称がわかったらどうするつもりなんだろ?まさか、何も考えてない?王子様は3週間しかいない予定と言ってたけど、最低1週間過ぎてから花束もらって、吊すだけでドライフラワーになる長期間静岡に滞在してたの?滞在延長したのかな(ちなみに設定は静岡ですが、撮影は千葉県我孫子市です)。  優子は専門学校行ってから就職して5年近くたっているんだよね。じゃあ大学受験をするなら、専門の単位が使えるなら編入考えてもいいし、社会人受験を考えた方が自然だよね?それに、大学行ったときの生活費問題は解決したの?  などなど、他にもいっぱいこういうのがある。どうも狭い世界しか知らない若い人が、自分の周りだけみて書いた脚本のように思える。もうちょっと、ちゃんと社会的なリサーチして練った脚本を作ったらよかったのになあ・・・コロナで難しかったのかな。  まあ、いろいろ文句言いましたけど、脚本の穴を、それはそれはかわいい坂ノ上茜と芸達者な周りの役者が、演技で全てカバーしてます。藤田朋子の老け方にはびっくりしたけど。優子は社会人としてはいっぱい酷いことやってるんだけど、それに嫌味が感じられず、そんな子もいるよね、って温かく見守っちゃうくらいチャーミングです。ラスト近くの優子からお母さんへの独り語りはちょっと長過ぎたかなあと思いますが、カフェとかでのセリフ回しも結構小技が効いてます。タイトル絡めるためなんでしょうが、唐突なメビウスへの言及が、少し残念でした。優子が無限記号を知っててメビウスを知らないのは不自然ですし・・・まあ、それでも、この手の低予算邦画としては、十分及第点以上で面白いです。  一つだけ考察。この映画の優子は、そばかすがコンプレックス、自分の名前が嫌いで勝手に別の名前を名乗る、夢は先生、周囲を引きずり回して自分探しをしています。これ、全部、「赤毛のアン」の主人公アン・シャーリーの特徴です。だから、これは、現代日本で「赤毛のアン」をやってみたらどうなるか、の試みなんでしょう。まあまあ成功しているんじゃないかな。とくに、坂ノ上茜のキャラクターがはまっていました。客観的には酷いことをやっていても、本人の魅力でカバーしちゃう、最高ですね。  映画本編は、あえて大学受験の結果を描かずに終わっていますが、これが「赤毛のアン」を下敷きにしていると考えると、結末は100年前から決まってます。優子アンは、親友の奈月ダイアナと一生涯友情をはぐくみつつ、無事に先生となって、紆余曲折の末、太一ギルバートと結ばれます。ハッピーエンドです。ああ、良かった。  そうそう、一つ言い忘れてました。100年前にアンが暮らし、幸せを築いた村は、「アボンリー」村というところでした。きっとカウンターの吉岡さんは、こういうでしょう。「聖アボンリー学院大学?知ってるよ、僕はなんでも知ってるんだよ!」
[映画館(邦画)] 8点(2024-11-30 09:39:21)
16.  シン・ウルトラマン 《ネタバレ》 
良かったです。 ウルトラマンは時代によって、そして自分がどのシリーズをいつ頃見たかによって、ものすごく感想が変わるものなんです。 カラータイマーがないとか、肌の色が変わるのはおかしいとか、みんな自分が昔見た時代にあっていないと、違和感バリバリで文句を言います。 普通は、みんな思い入れが凄い子供時代に見ていますからね。 でも、最初期のウルトラマンデザインには実はカラータイマーはないし、着ぐるみのためどうしようもなくつけてしまった背びれもありません。 怪獣の成り立ちも、全然違ったりします。 だからこそ、庵野が自分の見たかったオリジナルを再現したのは良かったのです。誰がどんな文句をつけようとも。 個人的には、科特隊(本作では禍特対)の制服はオレンジであって欲しかったし、ゼットンとの闘いはもっとスケール感が欲しかったけれども、それも単なる個人の感想。オタク代表の庵野がウルトラマンをどう見ていたかを見られただけで満足です。 斎藤工は素晴らしかったですし、それ以上に山本耕史のメフィラスは、はまり役でした。 シン・エヴァ、シン・ゴジ、子供のころのこだわり、そういった先入観を外して見てください。これこそ庵野のウルトラマンです。
[映画館(邦画)] 8点(2024-07-02 18:55:47)(良:2票)
17.  美女と野獣(2017) 《ネタバレ》 
これ書いてるの2024年です。もう7年も前になるんですねえ。そんなに経った気はしないんですが。 でも、7年前の公開でまだ良かったです。エマ・ワトソンが神がかり的に可愛いですし、野獣も野獣らしく描かれてますし、本当にディズニーのアニメの世界を忠実に再現できてましたから。 これ、7年後の今なら、ベル役はほぼ間違いなく黒人にされて、野獣ももっと珍妙なキャラクターになっていたでしょうね。実際、2020年代の美女と野獣の舞台は、ベル役がファットサイズ(まあ超肥満です)の黒人女性で、野獣は片足が棒義足の障碍者という描写になってました。ポリコレの人はこれがいいみたいですが、私は勘弁して欲しいんです。本作も、城内のダンスシーンや貴族に、黒人を織り交ぜて悪目立ちになってました。ただ、ポリコレが現代ほど強烈ではなくて、まだこの程度で許されたのは助かった。 さて、作品はディズニー実写には珍しくライティングが少し暗めで、ちょっとびっくりしましたが、城内やCGも曲もダンスもよくできてました。楽しく鑑賞できました。ただ、一曲の歌と踊りがすこしづつ長い(ガストンのは超長い)。魅せたいのはわかるんですが、曲を短めにしてテンポよくできればもっと良かったかな。その印象からか、2時間10分なのに、長い映画だなあと思わせます。 キャスティングは当時のほぼベスト。特にハーマイオニーが美しく成長するとこうなるというのを見せてくれたのは素晴らしい。 ところどころ、お約束の黒人混ぜで興が醒めるのは残念ですが、なかなかに良い映画だったと思います。
[映画館(字幕)] 8点(2024-06-11 12:58:47)
18.  トップガン マーヴェリック 《ネタバレ》 
これこそ古き良きハリウッド・エンターテイメント、いやあ面白い。 30年前の初代の雰囲気そのまま。 しかし・・・敵国をイランにしちゃって大丈夫かな。F-14を使用可能で残してるのはイランだけなんだから・・・ さすがに敵機はCGになってて安心しました。初代は敵のミグ役をF-5がやってて、完全に興ざめだったからねえ。 昨今のポリコレ全開のハリウッド、軍人は悪としか言えない凝り固まった左翼全開日本映画、どちらとも一線を画す爽快な映画でした。
[映画館(字幕)] 8点(2024-05-31 22:02:12)
19.  インディ・ジョーンズ/最後の聖戦 《ネタバレ》 
そうそう、インディ・ジョーンズはこうでなきゃ!! 戦前の素晴らしいベニス、敵はナチス・ドイツ、無茶苦茶都合の良いストーリー&アクション、明るい雰囲気、爽快感!! 今みると合成はちゃちだし、ドイツ空軍の戦闘機の結末なんてありえないんですが、フィクションはこうやって魅せるもんだ、それを楽しめという製作者のメッセージが楽しい。 それ以上にキャラクターの魅力が嬉しい。。 ハリソン・フォードは言うに及ばず、ゲストのリヴァー・フェニックスがもうかわいくって、父親役のショーン・コネリーが最高で、もうなんもかんもぶち込みましたという「これでどうだ!!」という感じがたまらない。 笑ったのは地下墓地、ネズミの量がすごい。なんか撮影用に1000匹注文したら、業者がインディ・ジョーンズに使うならサービスだと言って、5000匹も送ってきたそうです。あと、字幕だと「石油だ」とだけ言ってますが、あれ水の上に石油が浮かんでるだけですよね。城に潜入しようとした時の執事のセリフの訳もおかしかったし、字幕はあんまり信用できませんでした。
[映画館(字幕)] 8点(2024-04-24 06:29:35)
20.  ゴジラ-1.0 《ネタバレ》 
怪獣映画なんて、久々だ~と思ったけど、去年は午前10時の映画祭で「地球防衛軍」見てたなあと。あの時代の特撮と比べると、もう映画の質が雲泥の差だと思ったんですが、メイキングみたらCGがすごくなっただけで、現場の創意工夫は変わらないんですね。ほっとしました。映画はゴジラ部分と、戦後部分が(私からすると)上手くはまってなかったから、2本の別の映画を見た感じです。お得です。震電の駐機部分はとても良かったけど、飛んでいる部分が昔の円谷みたいでまだ技術力が足りないかなあ。ドラマ部分は、古き良き邦画をちゃんとリスペクトしていて、シン・ゴジラとは違ったテイストで面白かった。最後に、アカデミー賞受賞おめでとうございます。
[映画館(邦画)] 8点(2024-04-16 07:28:04)(良:1票)
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