1. 木更津キャッツアイ ワールドシリーズ
《ネタバレ》 見終わって、今木更津キャッツアイは終わった、と思いました。ドラマ最終回なんて未完もいいとこ。この映画をもって『木更津キャッツアイ』は完結します。ぶっさんの最期のなんと「普通」なことか。まさかここで「普通」を出してくるとは思いませんでした。映画『ビックフィッシュ』のホラ吹き親父がいとも簡単に危篤になったときのような、あっけなさと虚無感、現実感。俺号泣。ぶっさんのあの最期が描かれて初めて木更津キャッツアイは出来上がります。そしてここで終わらないのも木更津。ぶっさんは復活しお祭り騒ぎを呼び起こし、さよならを言って消える。完璧です。これぞ木更津。人気ゆえの引き延ばし映画・2作目かと思ったら大間違いでした。ええい、減るもんじゃねえ持ってけ泥棒!いちファンとして、画竜の点である本作に満点以外はつけられません。 [映画館(邦画)] 10点(2008-04-30 15:37:48)(良:1票) |
2. ビッグ・フィッシュ
映画館で2回観て2回ともぼろ泣きし、DVDを買って観てまたぼろ泣きしました。私の涙も枯れそうにありません。 [映画館(字幕)] 10点(2008-01-15 23:28:41)(良:1票) |
3. レナードの朝
《ネタバレ》 難しいですね。何が正しくて、何が間違っているのか。効果も副作用も不明な新薬を、独断で増量投薬する。まるで実験台じゃないか・・もし自分が医師だったらとても真似できません。したくありません。しかし、そうして目覚めたレナードの喜び、世界の輝き。何物にも代えがたいはずです。レナードが目覚めた最初の夜、「僕は起きている」と笑うシーン。母親を認めて腕を広げるシーン。ほかの患者にも投薬治療をし、皆が次々とベッドから起き上がるシーン。あの喜びと輝きに満ちた、鮮やかな場面は、全ての批判を跳ね返す力があります。もちろん結果論です。成功したから肯定できる。見方を変えれば彼をマッドサイエンティスト(?)と呼ぶこともできるでしょう。彼は間違っています。しかし、レナードにとって彼は救世主で、かけがえのない主治医で、友人でした。やがてレナードに再びゆるやかな死が迫り、お互いに苦悩し、心を分かつ場面もありましたが、しかし最後まで二人は努力を続ける戦友であり続けました。何が正しくて、何が間違っているのか。外野がとやかく言える問題ではありません。ラストシーン、セイヤーは、たどたどしい口調で看護師エレノアをコーヒーに誘います。正しいも間違いも存在しない。人は成功と挫折の中で一生かけて学びつづけ、自分が最善だと信じる方へ進み続けるしかないのだと思います。 レナードとポーラのダンスシーン。文句なく素晴らしい、まさしく名場面です。そして、あの奇跡のひと夏が終わりを告げ、患者はすべて元のような人形に戻ってしまいますが、あの「髪を染めたいわ、私の髪は黒髪なの」と気恥ずかしそうに笑ったおばあちゃんの髪が変わらず黒く染められ、化粧を受けているシーン!ぐっときますね。セイヤーは「自分のしたことはひどく残酷なことではないか」と悩みますが、果たしてそうでしょうか。あのおばあちゃんの黒髪は、ひどく救いに満ちていると感じました。(私が女だからでしょうか・・) [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-07-29 02:19:25) |
4. クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲
《ネタバレ》 子供のころは何にでもなれると思っていました。念じればテレパシーが使えると信じていたし、当然平凡なサラリーマンなんて縁のない将来だと思っていました。だから、この映画を初めて見た中学生の私は、そんな希望に満ちた未来を必死で取り戻そうとするしんちゃんに胸が熱くなりました。そして今、成長し、自分にはテレパシー能力どころか非凡な才能の類が全くないことを悟り、就活の末に見事平凡なサラリーマンになった私は、あの時は何も感じなかったヒロシの回想シーンで号泣してしまいました。ヒロシの人生のなんとすばらしいことか。凡庸な人生のなんと特別なことか。先の知れた人生を恥じ、どこかで悔いていた私は、その当たり前のことが衝撃で、救われた思いでした。今から未来を生きるのが楽しみです。そして、もう少し人生を進んだら、またこの映画を見たい。すごい映画です。 [DVD(邦画)] 9点(2012-10-10 22:44:37) |
5. アフタースクール
おもしろかった!!10分単位で目まぐるしく変わる状況が楽しいです。そのたびに驚いて、そういえばと伏線を思い出し、それならばと今後の展開を予想し…常に頭はフル回転。さしずめ頭のジェットコースタームービーといったところでしょうか。すごくおもしろかったです。また会話もセンスが良くおもしろいし、ラストも後味が良く、とても良質なエンターテイメントでした。自然と2回目を見てしまいます。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2012-10-10 02:24:41)(良:1票) |
6. ダイヤルMを廻せ!
おもしろかった!コメディ映画かってくらい笑いました。「完全犯罪なんて不可能ですよ(笑)」というミステリー作家の言葉がまるで呪いのように主人公の前に立ちはだかり、次々と完全犯罪計画が狂っていく様子がたまらなくおもしろい!しかしそこはキレ者の主人公、冷静を装いながら臨機応変に対応していくさまも素晴らしいです。流れるような、一切の無駄のない展開は見ていて気持ちがいい(序盤の夫と大佐の会話はちょっとだれるかも…)。すばらしい傑作です。しかし、みなさんのレビューを読むと、夫に肩入れしている方が多いようで驚き。そりゃ浮気するほうが悪いけど、結局夫も財産目当ての犯行なわけで、どっちもどっちだと思うのですが…。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-08-31 23:21:53)(良:1票) |
7. ぼのぼの
原作未読、幼い頃にぼのぼののアニメ放送を見ていました。当時はゆるいギャグアニメという印象しかなかったので、今回たまたま映画版を鑑賞して、その深いテーマに驚かされました。この物語の登場人(?)物たちはどこかおかしい。“可笑しい”というかわいらしいものではなく、全員それぞれ何かがズレている。理解できそうで理解できない、どこかにいそうな親近感とどこにもいなそうな不気味さが混在していて、序盤はとにかく恐怖でした(笑)。しかしそんなキャラクターたちが織り成す哲学的な問いはとても魅力的で、いろいろと考えさせられます。正直その答えはどうなのと思う問いも、難しくて答えがわからない問いもちらほら。でも、またあのキャラクターたちと哲学したい!と何度でも思わせてくれる映画です。 [CS・衛星(邦画)] 9点(2011-08-26 02:34:00) |
8. 魔法にかけられて
《ネタバレ》 えらい次元のローマの休日だ…!と思っていたらそのままくっついちゃいました。意外。どっちの結末がよかったのかはわかりませんが、そんなことどうでもよくさせるくらい幸せに溢れている映画でした。ディズニー、今まで興味なかったけど、いいじゃないの。魔法にかけられました。とても良作。 [映画館(字幕)] 9点(2008-04-24 02:00:24)(良:1票) |
9. グッバイ、レーニン!
《ネタバレ》 母の体を思いやり、それはもう何があっても守り続ける一つの嘘。がむしゃらに、時に強引に嘘をつき続ける息子の根底には母への深い愛があって、まわりも(そう、母親も!)それを知っているから結局その青臭さにつきあう。なんて優しい映画。ニュースを撮ってくれた彼なんて、あんなにいい友人、いないよ。大事にしな。最後のみんなでニュースを見るシーン、あそこではもう母は真実を知っているんだろうなあと思いながら見ていたので、DVD特典の未公開シーンでアレ?となった。あれっ母は真実を知らないのか…?あ、これも母の嘘、なのか。す、すごい。一瞬だまされた。息子の嘘もすばらしいが母にはかなわない。母の愛というものの深さを測るには、私は若すぎるのだろう。ちょっと点上乗せ。 [DVD(字幕)] 9点(2008-01-20 00:54:07) |
10. シザーハンズ
個人的に映画とはちょっと違うカテゴリーに位置付いているお話。自分に子供ができたらぜひ見せたい。たくさんのことを教えてくれるだろう。ああでも子供にはエドワードの姿は怖すぎるかもしれない。なんてもどかしい奴なんだエドワード。博士がハート型のクッキーをつまみあげてロボットにかざすところ、何とも言えないいいシーン。素敵です。 [DVD(字幕)] 9点(2008-01-15 23:17:31) |
11. 火垂るの墓(1988)
思ってたのと違った。私が『火垂るの墓』を初めて見たのは小学生の頃。学校の集団映画上映会にて仰々しく上映され、見終わったら感想文を書かされた。「けっ」と思った。「いつものやつか。」私は紙に“戦争反対”と書いて提出した。2回目に見たのは高校生くらいだったと思う。夏休みのテレビで放映されていた。「けっ」と思った。「なんやこいつ、自分のせいで妹殺して悲劇のヒロイン気取りか。」いよいよ私は『火垂るの墓』に別れを告げた。大っ嫌いな映画としてカテゴライズし、二度と見ることはないと思った。そして10年以上経ち、今日、夏休みのテレビで放映されている本作をたまたま見た。ものすごく驚いた。思っていたのと全然違った。おそらく私はこの映画に、もっとも悪い形で出会ったのだと思う。このあたりは、戦争を題材にしたアニメ映画ということで安直に教材に取り上げる小学校側に文句を言うべきであろう。これは反戦映画ではない。たまたま舞台が戦時中というだけで、たとえば大災害とか、出稼ぎに行った親を待つ子とかでもこの話は成り立つ。反核映画としてしばしば取り上げられる作品『風が吹くとき』が、実はその危機的状況に瀕した夫婦の会話やあり方を描くものであるように、この映画は幼いゆえに過ちを犯し、それでも父親の帰還を信じて兄妹で必死に生きたふたりのあり方を描くものなのだ。これは反戦映画ではない。どんな感想も強いられていない。この原作者は、この作品を執筆している際「締め切りに追われて必死だった」と娘に語り、“原作者の気持ちを答えなさい”と問うテスト問題に娘が不正解をもらったという話は有名である。その程度なのだ。何の教育的思惑も裏もない、ひとつの映画として、フラットな気持ちで見るべきなのだ。私のように、幼い日に感想を強いられ、「けっ」と思ってこの映画と決別した人にこそ見てほしい。 [地上波(邦画)] 8点(2015-08-15 00:17:51)(良:3票) |
12. ヘアスプレー(2007)
《ネタバレ》 楽しい映画でした。人種差別に対し黒人たちが「ブラックベリーは甘味の王、ダークチョコレートはリッチな味」なんて歌い上げちゃう明るさがいいです。逆に、デモシーンになるととたんに真面目になってしまいがっかりです。あんなに広いストリートで、あんなにたくさんのダンサーがいて、なんで普通にデモしちゃうのか。もっとエンターテイメントとして突き抜けてもよかったのではないかと思います。ともかく全編にわたって楽しくて、ステップなんて踏めないのについ体が動く映画です。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-11 00:28:51) |
13. 月に囚われた男
内容はSFにSFを重ねたかなり突拍子もない話なのですが、そのSF要素を総動員し、ひたすら一人の男の苦悩や感情・心の触れ合いを描いていて心に迫ります。感情移入しまくりでした。静かですが熱い映画です。『月に囚われた男』というタイトル、見る前はキャッチーな印象を与え、見た後にはこれしかないってくらいぴったりなタイトルだということがわかる、すばらしい邦題です。原題は『MOON』ですか。邦題つけた人いい仕事しすぎ! [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-10-10 01:57:00) |
14. ちびまる子ちゃん
《ネタバレ》 大野・杉山の友情もいいが、何より素晴らしいのはまる子のクラス。お別れ会での杉山くんの出し物、最初は「オカマだ」とからかっていたクラスメイトたちが次々に物語を紡いでいく姿に感動して、本当に不覚だったが泣いてしまった。最初に加わるのは手下のブー太郎。無線交換手はハローハローが清水一似合う花輪くん。嵐が来れば、舵にあわせて全員で右へ左へ。原住民はもちろんはまじ。ああ…いいクラスだ、ほんと…。笑えて泣ける、これぞ良作。あと、子供の頃はわからなかったけど、まる子の処世術は才能の域だと思う。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2011-08-26 03:42:51) |
15. 真夜中の弥次さん喜多さん
《ネタバレ》 そういや友達がおもしろいって言ってたっけ…どうだかなあ、とろくに期待もせずにチャンネルを合わせた本作。こんなにおもしろいとは思いませんでした。開始直後に感じた後悔(ごめんなさい)は物語が進むにつれてどんどん払拭されていき、クセの強いテイストの中に潜む風刺、皮肉、哲学的テーマにどんどんはまっていきます。幻覚だと分かっていてそれを追い求める登場人物たち。米を研ぐ音。二人は本当に相思相愛だったのか。最後が全然ハッピーエンドじゃないところも素晴らしいです。いい映画を見ました。ただ、この感想は友達が求めているものとは全く違うんだろうなあ。クドカンは歯がゆい鬼才ですね。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2008-08-28 16:10:34) |
16. クローバーフィールド/HAKAISHA
《ネタバレ》 序盤から完全に酔いました。レンタルにすりゃよかったと内容以外の理由で後悔したのは初めてです。そういうのに弱い人は本当に覚悟してください。覚悟して、ぜひ劇場で見てください。映画というより、歴史の目撃者気分になれた90分でした。(もちろん映画的な魅力もありましたよ!彼女を助けに行く覚悟を決めたシーンや母親との電話のシーンなどは手法の素朴さゆえにぐっときました。演技うめえなあ…) [映画館(字幕)] 8点(2008-04-24 01:22:12) |
17. 活きる
授業で見ました。なんて静かなサスペンス映画なんだ…。何が起こるか全然わからない。それが人生で、それが活きるということなんだろうなあ。人間の柔軟性というか、ケセラセラというか、そういう「活きる」活力を見せてくれる映画だと思いました。饅頭のシーンで若干教室がざわっとしたのはいい思い出です。 [DVD(字幕)] 8点(2008-04-20 23:22:50) |
18. ビッグ・ライアー
ファミリー向けのコメディ映画としてすごくいい作品だと思います。主役の二人は上手いしかわいいし、ストーリーもカタルシスを得るために作られたような内容だし、映画の裏に向けた目線も面白いし、もっと有名になってもいい作品だと思うんだけどなあ…。単純に楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-02-08 17:05:28) |
19. 名探偵コナン ベイカー街の亡霊
当時、子供心に一番わくわくどきどきしたコナン映画ってこれなんですよねえ。だから高い点つけときます。理屈じゃないんだぜ。 [映画館(邦画)] 8点(2008-01-28 03:50:20) |
20. 虹の女神 Rainbow Song
《ネタバレ》 技巧を凝らしたラブストーリーより、こういうものの方がすっと入ってきますね。手ぶれのある映像、リアルな台詞回しは何とも言えない青さを感じさせてとてもいいです。ああーそこまで言葉にしなくても十分絵でわかるよもうっという説明的な台詞がちらほらあって残念だったけど、これもリアルさといえばそうなのか…?とにかく自然で好きな映画です。「結婚してみるか」→「何なんだよお前は」→「引き止められたら行くのやめちゃうかも」の流れ、ぐっときます。こないだテレビで2回目を観たのですが、やっぱいいなこれ。DVD買おうかな。 [映画館(邦画)] 8点(2008-01-15 04:34:08) |