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黒猫クックさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 791
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自己紹介 猫と一緒に映画を見ていると、ヤツらは私より先にコイツはクソ映画だというのを察知します。ストーリー展開や伏線回収が怪しくなってくると席を立ってしまうのです。だけどそんなおっちょこちょいな映画にだって良いところはいっぱいあるんですよ。
猫のヤツらは冷酷です。

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1.  007/慰めの報酬 《ネタバレ》 
 追い詰めきれない。 「君は、ぼくにとって最悪の結末を用意してくれたみたいだよ」そう言うと不服そうに彼は、 「そうでもないさ、こんなことじゃ誰も死なない。君だってそうだろ?事実、死ななかった」  死ななかったならそれでいいのか?そうじゃないだろ。ふざけんな。そう言いかけたが、僕は彼を殴り倒すことにした。そして近づいた瞬間に、視界は黒くなって、花の色のような輝きが僕の視界に現れると、ぼくはもううごけない。  なぜ、協力者がいると言う当たり前の発想に至らなかったのだろう。浮遊感を感じながらぼくはその中を泳ぎ切って、眠った。   と言うレベルの間抜けさが、ボンドに襲いかかる。2時間目一杯にだ。だけど、現代のボンドは昔と違う。間抜けな敵が助けてくれるかの如くヘマをするわけじゃない。相変わらず銃弾がボンドに命中するわけでもなく、捕まったり毒を盛られたりするのも通常操業だけれど、なんとなく自力で切り抜けてしまうあたりが新しい。   そう。ボンドはすっかり工作員として有能だ。米軍に一報入れれば10分で解決しそうな事案に男女でのこのこ現れて、秘密基地にまで乗り込んでしまうあたり、盤石のらしさではあるのだけれど、なんだろうかこの説得力は。だけど、ボンドに必要なのはこう言うことなんだったろうか。  どうしようもなく間抜けで無能でいい男なボンドの、スクリーンに映らない凄い部分を勝手に想像して、スクリーンに映らない凄いスパイを作り上げるという作業の素材なはずなのに、今のボンドは映画本編でそれをやってしまう。ずいぶんとお節介だ。
[ブルーレイ(吹替)] 7点(2015-09-20 22:05:17)
2.  007/カジノ・ロワイヤル(2006) 《ネタバレ》 
 僕の最初の患者は、僕よりも少し年下の彼女だった。少し暑いくらいの部屋の空気に混ざる、朝の静けさは彼女の心にどう映っただろう。僕はそう言うことを考えられないまま、機械的な質問ばかりを投げかけた。本当は分かっていた。僕は彼女の事を、彼女たちと僕たちの持っている関係以上に考えてはいけないなんて言う事は、とうに。 「先生、明日帰りたい」  悪い笑顔でそう言う冗談を言う彼女に、僕は頑張って寝ていなさい、と言葉を掛けるけどそれ以上のことは出来ない筈だった。 「散歩、いこうか」  ナースの足音が遠ざかるのが聞こえて、え?と二人共が言う。言うつもりのなかった言葉がするりと口から零れていた。疲れていたのだと思う。けれど、僕の心の中に毎日少しずつ詰まっていく重いものがだんだんと大きくなっていった。  忍び足で、堂々と連れ出した彼女はいった。 「外ってやっぱり寒いんだね、先生」  悪い笑顔で車椅子を押される彼女は、僕の気持ちを知っているのかもしれない。   彼女がいなくなる日、熱病にうなされた僕はそこにいる事が出来無かった。  彼女が僕と過ごした部屋で、僕の心の重りは二度と外れなくなった。僕に力があれば。目を閉じて呟いた。  後ろから肩を叩く同僚が僕を励ます。彼女は無事に退院したから大丈夫。あとは僕に任せてよ、と。   余り違わないはずの僕らの、致命的スペックの差が、さらに大きい差を生む。僕よりもずっと上手く隠密行動をして見せたのだ。空いた時間にいくら呪ってみても、僕の呪いを跳ね返す頼りがいのある性能の彼には全くもって通じないのだった。   今日のジェームズは凜々しくて、知的で、機敏で。だけど何回死んでもおかしくないくらい、ヘマをする。  いつものジェームズも何回死んでもおかしくないくらいなんだけど、間抜けなんだ。見た目もいつもの彼らの方が精悍でとても業務に耐えられる感じがしないくらい端麗で見栄えする。でも、今日のジェームズの方がずっと仕事が出来そうだ。  たぶん、僕らが愛して止まないジェームズとは何か根本的に出来が違うんだろうな。  あれだけ大雑把で、毒を盛られて捕まって。通常操業のはずなのに、どうしようもなくジェームズなのに、意欲旺盛で頼もしいもんだから従来のジェームズをこよなく愛する僕たちは、新しいジェームズには敵意むき出しなのである。   そして、面白いだけになんか腹が立つ。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2015-03-21 00:20:35)
3.  レディ・イン・ザ・ウォーター 《ネタバレ》 
 僕は、僕の中の彼女が僕以外の人の中の彼女と全然違うと言うことにうろたえていたけれど、それは顔に出さずに悲しんでる振りをした。相変わらず窓のそとに降り続く雪と、そのくせやけに明るい空が余計に、自分の居場所がどこなのかを分からなくしてしまった。  「ねえ、鵠沼に行こ」  少々投げやりに選んだ水族館よりも、海岸の方が落ち着くし時間が長く感じられるじゃん。という理屈に大変納得しつつも、アクアリウムを二人で眺めている自分に満足したい様な気もしたからだろう。 「あ、うん」  などと、気のない返事をする僕は感情の出やすい顔の作りでもしているのだろう。彼女は少し意地悪な顔をして、ずんずん134号線を歩いて行く。  本当はカップルが腕を組んで、キスをしたら思い出を作ってしまい込んでいくのをうらやましく思いながら一拍遅れて付いていく。   記憶が目の前に現れて、そして消える。彼女と僕の周りで悲しい顔をする誰かは、きっと僕の知らない彼女を知っている。それがどんな顔でしゃべり方の彼女なのかを、彼女に尋ね続ける僕は何者なんだろう。  彼女は応えない。そして、彼女は目を覚まさない。    っていう、ありきたりな側面にやたらフォーカスされた映画である一方で、中身はあんまり一般向けでは無かったっていう味わいがよく出来てた様な気がする。付和雷同を呼び起こす攻撃誘発性がどこかに仕込んであるのだけれど、わざとなのかもしれない。  もう見るな、というメッセージかもしれない。
[映画館(字幕)] 8点(2014-08-04 13:03:29)
4.  カーズ 《ネタバレ》 
 途中なんどか涙ぐむレベルで良い話が挿入される。そして舗装や砂地の挙動など、キャラクターの心理に影響する細かい設定が巧妙にプロットされている事に関心もする。   けど、最後のレース放棄は見ながらにして「それはないだろ」と思ってしまう。あと数メートル。慣性走行を1秒もする必要ない状況でわざわざ引き返す必要があったのか。結果ライバルを公然と貶めることになり、心情的にはすっきりするのだが道義的にいかがなものだろうかと考えずにはいられない。   ただ、勝負モノの映画では無いことから積み重ねが無駄になったような感覚は無いことが救いだろうか。戦いがメインであれば、修行シーンなんかが入ることでそこへの報酬としてのラストシーンが用意される流れな訳だが、本作の性質はそこに無い。   とすると、やはり主義的な人道の中の一つをテーマにしていることになるだろう。しかし、勝ったり負けたりとか仲良く一緒であること等以前に「主人公がいったいどう言ういい人」になることが正しいのかという信念の場所がよく分からない。  ドクがレーサーだったと分かったときに手の平を返す様なども、小汚い格好で居酒屋で話す人をヒソヒソと馬鹿にするカップルが、その人の話に聞き耳を立てて、その内容が非常に高度で高度に専門的な職業に就く人だったときの反応を見ているようで不快感すらあった。   この映画の芯の部分にある、手の平返して人を肯定することや、目の前の成果を捨てる事は成長と言うよりも主義への信仰心が生まれたことでしか無いように感じられた。  手の平を返す前の人格もあとの人格も、ドクはドクで有り変わっていない。友人達との約束を忘れて目の前の善意を優先するなど、人を踏みにじっている事が分からないのだろうか。   田舎の住人と言うだけで見下されたドクも、勝利を願う友人も、切り捨てることになぜほんの少しの逡巡もしないのだろうか。テーマを覆う主義が不気味ですら有り、これだけの予算が投入された映画にもかかわらずこの道徳性の脚本にたいするチェックが甘かったと言うことにも少々驚きを禁じ得ない。
[地上波(吹替)] 6点(2013-12-28 14:41:37)
5.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 
 確かにそう言う面もある。カナダではとくに。  だけど、アメリカに内在する移民や治安の問題から、アメリカ合衆国そのものによる地理的恩恵の上に成り立ったカナダの社会も現実にある。   隣国では治安が良いのに、アメリカは腐敗している。という印象をすぐに持ってしまう人は、すぐに真に受けない方が良い。  すぐ隣は、メキシコも同じである。そこから不法に侵入してくる犯罪者や秩序や倫理を持たない移民に対しての自衛の手段が市民に与えられている訳で、単純な問題では無い。   こうした最強ランクに危険な国と国境を接し、かなりの広さで国境線を引くアメリカにはテロや犯罪を未然に防げなかった場合という概念もやはり存在する。  その事はむしろ、この映画のような視点はあまり関係の無いことでは無いのか?と言うのが素直な印象である。本当のドキュメンタリーならば全米ライフル協会は置いておいて、素直にメキシコの現状と合衆国の対応をフォーカスしアメリカをファイアウォールとしたカナダへの影響を追うはずだが、この映画はそうしない。   あくまでもドキュメンタリ風の風刺を、真実から作り上げているのは間違いないが、その切り口はどうしてもエンターテイメントであり、虚構だ。   言うまでも無く、このドキュメンタリーに表現されているのは、現実のアメリカに非常によく似た設定を持つ架空のアメリカのようなもので有り、銃を規制するかどうかはアメリカ単体ではなく、メキシコからの犯罪流入を抑止する力や、カナダを含む北米への拡散を含めた広範な力学になるため、全米ライフル協会や発砲事件の件数などは比較の対象では無いというのが正直なところだ。
[DVD(字幕)] 5点(2013-10-11 13:31:11)
6.  007/ダイ・アナザー・デイ 《ネタバレ》 
 愛である。007を愛するものは、こういったコラージュを特に好むのである。そして、アメリカの精密なスパイや、アクション。リアルなギミックを引き合いに出して007を取るに足らないとする輩にはエリザベス女王閣下の鉄槌が下るだろう。  これは007という、壮大な装置であって、この途切れないワクワク感を提供する唯一のメディアなのだ。   だからこそ言ってしまうのだが、これが007なのであっていつであっても過信してはいけない。予告編に足をすくわれるのは、デフォルトである。
[DVD(字幕)] 7点(2013-08-17 01:37:56)
7.  スーパーマン リターンズ
 あの青いコスチューム。完全に耐用年数を過ぎている。バットマンがあのコスチュームを着るのは、奇跡的に理由が現実に合致したからだ。  コスプレをした半分頭のおかしい金持ちが、夜中に悪人を痛めつける快感を隠すためにはあのような姿しかないからという、ありそうな感じがする。   スーパーマンはどうか。かっこよさの象徴として作られたのであろうあの記号性は、現代では受け容れがたいかっこうわるさとなってしまった。いったいどうブラッシュアップしたらかっこよくなるのか皆目見当が付かないが、現実のガジェットや最新の銃器を華麗に操る捜査官や、スタイリッシュな音楽と編集にあわせて遠心分離器に血液を入れる科学者が格好良いとされるブラウン管やスクリーン上で、スーパーマンが写ってももう人目を惹くことは出来ないのではないだろうか。   残念だが、映像がスーパーマンであろうとすればするだけ、そこにあるのが観たい映像ではなくなってしまうと言うのが殆どの人の感じたところではないだろうか。  
[DVD(吹替)] 5点(2013-08-01 15:58:40)(良:1票)
8.  ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
 ドーン・オブ・ザ・デッドと異質の映画なんだけど同じくらい面白い。オリジナルのドーン・オブ・ザ・デッドとは共に表裏一体をなすんだけろうけど、どちらのリメイクもよく練られていて驚く。  このショーン・オブ・ザ・デッドの面白さはそれだけではなくて、笑いのツボの抑え方も非常に小気味が良く本質的に出来が良い。コメディタッチのゾンビものとしてバタリアンがすぐに思い浮かぶが、あちらはテレビで放映された際の吹き替えだけでどれだけ一つの話が面白くなってしまうのかと言う意味でいうと、オリジナルのトーンを著しく損なっていて本体の出来の良さとは全く違う意味合いを持っている。  バタリアン放映当時、「レミントンスティール」や「俺がハマーだ」といった吹き替えが一人歩きするほどに吹き替えの文化度は高く、今とは比較にならないくらいの楽しみがあった。それと比較すると、より現代である2004年の吹き替えはどうなのかというと、これがなかなか驚きなのだ。  吹き替えの黄金期だった80年代末から90年代初頭に掛けての時期にはない、(原盤という意味の)オリジナリティの移植という意味で正常に進歩しており、背景音のトラックとの自然さも段違いという意味で、色々な技術的な進歩をしみじみと感じられる傑作っぽさがこの映画の本当の価値ではないだろうかと、思ったり思わなかったり。   そういう余り日に当たらない技術という意味で傑作なのは間違いないんじゃ無いかと思うのだが、ゾンビを感じさせる編集や、大槻ケンヂのような既視感を感じる世界観も完璧な技術的な昇華を果たしていてどうにも侮れない。   要するに、ヤベーサベーマジオモシレえ。って思わずつぶやくってこと。
[DVD(吹替)] 8点(2013-07-31 18:56:33)
9.  ファインディング・ニモ 《ネタバレ》 
 よーい、スカート。勢いをつけて彼はいった。  そこにいた四人は、ん?、と思わないでもなかったけどやり過ごした。 別の日、 パームやしってなんだ?パームとやしって同じだろ?ヤシやしだな。と、怒って言ったが物知りの子が、パーム種とココナッツ種があるんだよ、だからパームは液晶モニタみたいなもんよ。と諭す。液晶って言ったらモニタかもしれないけど、トリニトロンだってあるでしょと、至って冷静だった。何に怒ってるのよと。   学生の時、大きなお兄さんとお姉さんになった僕らは集まって、酒の席で笑い合う。彼はあれ見た?あれ。と、ファインディングニモの事を話題に出すが、みんな笑いが止まらない。彼はなんの事だか全くわからず当惑するのだけれども、また誰かが指摘を始めるのを知っているので澄ました顔で待つ。  ひとしきり笑い終わって賢い女の子から女の人にクラスチェンジをはたした彼女は、丁寧に説明を始める。あのね、ファインディングね、見つけたらとか出会ってとか、探して、なんて訳したら良いと思うよ。ファイティングじゃ違う意味合いになっちゃう。闘っちゃだめだよ、ラーメンマンじゃないんだから。  と、ファイティングニモを正しくファインディングニモに訂正した。   ここで一同大笑いをする。朗らかに、座の中心は彼だ。彼はいう。 「いやこの前、実は病院で馴染みの先生と話をしていたら、きみはあすぺるだー症候群かもねと言われた」  特別な言葉の覚え方をするんだね君は、と言われて今までなぜ指摘されて来たかわからなかった数々の独特な単語に気づいたという。本人はファインディングとファイティングを口にする段階で区別して居ないのだという。  彼が情報工学の学生でプラグラムをガリガリ書くというのも驚きだが、カリガリ博士をガリガリ博士と発音するのも驚く。   にしてもニモハッピーエンドたけどお母さんはどうなったの?やっぱ死んだの?と、いつもの調子で仲間たちの夜は更けていく。 
[DVD(吹替)] 7点(2013-07-29 16:19:43)
10.  ザ・メキシカン 《ネタバレ》 
 おい。   銃を巡るトラブルに巻き込まれたブラッドピットが、自分の愛を証明するためにジュリアロバーツときっとたどり着かないメキシコを目指す。ひっそりと殺されるかもしれない事実を受け容れながらも、二人が別々の道中で出会う人たちの何気ない行為は追う側への誤解を解いていく。そしてメキシコを目の前にした二人は、どこまで続くのかも分からないまっすぐな道で落ち合う。砂漠の廃屋で抱き合うがそこで彼女は殺されてしまう。その時一本の電話が事件を解決する。  意識の狭間を行き来する彼女の最後のメッセージは、彼の手を握ることだけで伝わった。愛していると。しゃがみ込み、ブラッドピットはほんの少し前まで彼女であった綺麗な顔を見つめて、唇を近づけるのであった。   っていうラストシーンじゃ無いの?これ。なに、このジャケット。なんなんだよ。オイ。コメディなのかよ!  にもかかわらず、そこそこ面白くて悔しい。
[DVD(字幕なし「原語」)] 7点(2013-07-27 21:56:02)
11.  エネミー・ライン 《ネタバレ》 
 色々理由つけても人様の財産撃墜しちゃダメだろ!オイオイ!4500万ドルだぞ。冒頭、びっくりである。アメリカなら撃っちゃえば?で嫌米なひとは納得、米軍好きはズンズン撃て、むしろ撃墜する位で丁度良いで納得だろ。な作りにドギモ、度肝引っこ抜いとけ。   イヤイヤイヤ、あのタイプのSAMに数秒以上の推進力は無いし。あれは最大戦速Mach2。最大戦速Mach1.6、高度50,000ftまで空戦可能な艦載機に相対速度140メートル毎秒しかない。「オイミサイルかせよ」とかジャージが格好付けてるその時間に有効射程からするする逃げていくに違いない。そもそも米軍機墜とせる手持ちのSAMなんか無ええだろ!  あの年代のアクティブ誘導方式はフレアの欺瞞を判別できないから。大丈夫だし。よしんばすり抜けても、米軍機の旋回力と訓練された回避運動の前には絶対当たりません。大・丈・夫!   が、待て待て。このまま空母に帰っちゃったらあんた。ジーン・ハックマンの役割がなくなるから落ち着け。ジャージの出番もなくなっちゃうだろ。いやいや待て待て。ハリウッド補正だ。逆御都合主義。これしかない。主人公が撃たれて死ぬと怒る客と弾が当たらなくて切れる客は同一人物だ気をつけろ。そうだ、落ち着け。  って。ゴファーさん(手提げミサイル先生)燃料無尽蔵やがな。これはアカン。フレア全然ガリガリ無視してもうとる。撃墜されてまう!アッー!!!   すばらしい冒頭に大満足です。ありがとうございました。  今も支援を続ける国連とNATOと米軍の尽力に敬礼であります。
[DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2013-06-20 22:18:46)
12.  沈黙の追撃 《ネタバレ》 
 僕らのセガールはとうとうやや複雑なシナリオに手を出し始めたせいで、普段よりの微妙な味わいがいよいよ珍妙な味わいへと昇華することによって見る物を当惑の渦に巻き込んだであろう事は疑いようが無く、セガール自身もアクションをすることを忘れてしまったという結論に至った。   いくら何でもそれは無い、と思ってしまう軍事ファンには申し訳ないのだが、これはもうどうしようも無くセガールで有り、セガール側の平行宇宙にはこうした軍隊が存在するのであると言う事を分かって頂きたい。   ただ、役者の無駄遣いだけは何とかして欲しかった。ヴィニー・ジョーンズがきわめて勿体なく、それに見合ったアクションをセガール様自身も用意するべきだったのでは無いだろうかと思うが、もう高齢のセガールがそのトラディショナルな武芸を映画で見せてくれるならそれだけで、ま、いいかと思ってしまうからファン心理という物は手がつけられない。
[地上波(吹替)] 6点(2013-05-21 21:17:38)
13.  フィッシュストーリー 《ネタバレ》 
 二つ分の原作小説を読んでしまったのがいけなかったか。シーズンが終わった後にクリーニングし忘れたコートから五百円出てきた様な爽やかさは得られなかった。でも何となく良い話になったな、と思えるのはもう片方の話がグッドエンドしたからだろう。  もちろんあの終末を味わい深く見つめるのだって心地よさがあったのだけれど、こんな風に大風呂敷を広げて、たたんでみせるのも悪くない。   あと、多部未華子って良い名前だなぁ。見た目はすんごく普通なのに、それと相まって古風な良い名前に感じられる。不思議。
[DVD(邦画)] 7点(2013-05-09 20:34:18)
14.  南極料理人 《ネタバレ》 
「食べ物を粗末にするんじゃ無い」  爺さんは僕にいった。なんて事をするんだお前は、と、大好物の鶏を猫に与える孫をにらみつけた。人間様の食べ物は人間様が食べるのであって、猫様には猫様にふさわしい食べ物がある。彼の言いたいことはしまいには大義名分になって、僕の棒々鶏は取り上げられてしまった。脇の甘いところを見せた孫に一発良いのを入れられたことで、なにやら上機嫌でもある。  いやだって猫も時々は美味しいものを食べたいんじゃないでしょうかと言い返すも、テレビに見入ってしまった彼は全く聞いておらず、そうだねーうん、などと一モルも理解していない生返事をよこした。   南極で辛苦を共にする八人の隊員は、自分の仕事を大切にし、誠実に向かい合いつつも観測所での食事を楽しみにしていた。食事に見せる変な、他の言葉に何となく置き換えたくない、変な執着が耐えがたい極寒をイベント程度の日常に変えてしまっているかのようで見ているこちらは楽しくもあったのである。  事件らしい事件が起きない随筆の様なこの映画で、八人が起こした最大の凶行に僕の目は釘付けになってしまった。伊勢エビ。豪華食材である伊勢エビを、身では無く殻に風味が詰まった高級魚介をよりによってフライにしてしまった彼らは、やりきれない食卓の上で転がらない会話を無理にでも放り投げていた。   あのさ爺さん、「棒々鶏だけどさ、ほんの少し僕の分をニャン吉にあげて僕はその分は食べたつもりになって満足で、ニャン吉も満足なのでは?」どうよ、と次の日にもう一度訊ねる。 「そうなの?」まるで覚えていないが、あああのことね程度に孫の相手をする。 「いや、そうではないんだ。戦争中は敵地で食べ物というもののありがたみがあった。戦争が終わったら今度はありがたい食べ物そのものが無いんだ。物理的に手に入らない。戦争中の方がましなくらいだ」なにやらまじめに答える祖父に、意外性すら感じた。  だから、満足がではないんだと言う。お膳に上がったものだけじゃ無くて、お膳に上がる前の食べ物にだって礼儀を払いなさい、と。  伊勢エビを見て、ただ大きいからやりたいと言うだけでフライにしたがる大の大人たちはこの言葉を思い出させた。   が、そう言えば祖父は海軍学校でタダ飯を喰い、終戦直前に軍服を着て写真を撮ったら戦争が終わっていたなどと舌長であった。油断ならない男である。
[地上波(邦画)] 8点(2013-05-09 20:08:01)(良:1票)
15.  CHiLDREN チルドレン 《ネタバレ》 
 映画は映画、本は本。いつもそうは思っているのだが、やはり本の方を読んでしまっていると驚きや意外さというものは半減してしまうことが多い。これは当たり前なのだが、やはり本がおもしろかったりするとどうしても映画も観てみたくなるのは人情では無いだろうか。  で、この話もそうだったのかというと必ずしもそうではなく。本の方はびっくりするほどおもしろかったと言うほどでは無く、微妙な味わいだったと私は感じた。要注意であるが、私は感じた、と言うだけであって万人が微妙だったと感じるかどうかは微妙である。これの前に同じ作家の「砂漠」という小説を読んでいて、これが大層おもしろかったからである。始めにこちらのチルドレンを読んでいれば大層おもしろかった可能性は高い。   そういう訳で、映像化されたらとんでもなく面白くなってしまうかもしれない期待をしつつDVDを借りてきた訳だが、非常にこぢんまりとまとまっていて凄く面白い二時間ドラマくらいの感じかなと思ったら、実際にそうだったらしい。   静かに演じる俳優たちが、実に味わい深くて見終わるのが何となく惜しいと思わせる感覚は原作作家の味わいそのままで、何となくウキウキしてしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2013-05-07 20:44:18)
16.  ザ・コア 《ネタバレ》 
 どこから突っ込んで良いのか分からないほどの穴が満載されていて、覚悟を決める必要がある。時間が無さ過ぎて、展開が早すぎて、突っ込みきれないからだ。  地球のコアが止まった、出撃だ、掘るぜ掘るぜーってどっかで見たような気がしないでも無いのだが、もうちょっとさ、何とかしようよ。   これも別の監督が撮ったら良かったのにな。僕らの閣下が撮ってくれればもうちょっと何とかなった等と思ってしまう。
[地上波(字幕)] 5点(2013-04-30 04:26:31)
17.  THE 有頂天ホテル 《ネタバレ》 
 バラバラで着地していないため、感想に行き着かない。テレビ局のお祭りだったのだろうか。内輪でやればと思う。 けど、見られないほどひどくは無いという。
[地上波(邦画)] 3点(2013-04-24 20:54:49)
18.  ジェイン・オースティン/秘められた恋 《ネタバレ》 
 絵的な雰囲気は重厚でなかなか惹き込ます手腕に長けた話だった。しかし、なんであれで惚れちゃうんだろう。んーよく分からないけどま、いいか。  最後くっつかなかったけど、なんか永遠の愛みたいな終わり方で盤石のオチで安心した。
[地上波(吹替)] 7点(2013-04-24 20:51:20)
19.  ストリートファイター ザ・レジェンド・オブ・チュンリー 《ネタバレ》 
昔、教室にハエが大発生したことがあった。 何故教室に夥しい害虫が発生したかはあまり問題では無く、いかにして退治するかに皆が夢中になったのだ。 俺は空手の師匠に教わったと、飛んでいる彼らを箸で摘もうとするクラスメイトや、ジャッキーならこれで一発だとボボボと珍妙な構えで効果音を発する者まで現れた。  事態を重く見た新任の担任教師は、どう言うわけか宮城さん禁止とジャッキー禁止をクラスに言い渡して他の捕獲方法を考えなさいと言い始めたので有る。私達少年少女は勿論ツッコミどころを間違えて、それでは鍛錬にならないだとか、あと少しでジャッキーだったのにとか皆で一丸となり勘違いの渦でおぼれたのだった。  しかし、この映画にはこの何が何だかサッパリ意味不明な楽しみが希薄で、あまり面白がれないのが本当のところだった。何かこう大人の都合が見え隠れするのが良くない。なぜ割り切ったコスプレがないのか、何故バイソンが力自慢のバズーカさんなのか。乗り切れない。  あの担任の先生。まあ今でも結構若くて綺麗なんだろう彼女のあの絶妙の采配。ただ注意をそらして禁止するのでは無く、宮城さんとジャッキーを禁じて注意を引きつけてから話し合い、一方的にキンチョールをドスンと教卓においた時のあの興奮とよくわから無いけど得意顔は今でも忘れられない。 あの馬鹿馬鹿しさの中の花のような曇りないもう少し馬鹿馬鹿しいと言う、そう言うのがなくて残念だったのだ。 
[地上波(字幕)] 5点(2013-03-03 17:21:02)
20.  がんばれ、リアム 《ネタバレ》 
 耐える事しか出来無い相手を、執拗に虐げる。振り上げた暴力が、間違ったところに落ちていく。それで非は受け入れられ無い。どれだけ他人を痛めつけても、それによって自分の価値が変わる事は無い。低い人間で有るという事実がそこに有るだけだ。  この父親を見ていると、本物のクズとはこう言うものかと、感心しながらみてしまう。彼は豊かなら貧しい人を虐げて、豊かでも貧しくも無ければ毒ばかり吐き、貧しければこの様な事をする。どこかで観た事が有るようなタイプだ。   社会だとか、貧しさだとか、信仰だとか民族であるとか。そんなことが重罪の許可証になるわけが無い。この様に重大な犯罪をやってのける気質を持った人間の後押しをする事はあるが、誰も同情も許す事もしない。  完全にいかれた人間の生き様をみて背中がシャンとなるのだった。良い映画だ。
[DVD(字幕)] 8点(2013-01-30 07:28:15)
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