1. イタズ 熊
《ネタバレ》 20年前にビデオ鑑賞。ワタシは、毛皮にされた母熊の乳首に無償に食いつく場面、老猟師がそれをみて涙する場面で号泣でした。その後の猟師の覚悟や山での孤独な闘いにもね。やっぱり『生きる』ことを真剣に描いてる映画は素晴らしい。都会の一般人の皆様には普通は馴染みの無い世界のお話なので、定期的にロードショウで放送してもらいたい映画です。 [ビデオ(邦画)] 8点(2011-06-27 22:01:11) |
2. 楢山節考(1983)
《ネタバレ》 20年以上前か、テレビのロードショウで観賞。上っ面ばかりのバイオレンス映画やサスペンス映画より遥かに恐ろしくおぞましい映画。なぜかというと、生存欲や支配欲や性欲など、誰の心にも憶えがある本能を自覚させ、その暴走振りを納得できるように描いてるから。しかも本編の中で『必然性あり』としても描いてるから。こんな時代や地域は確かに実在したんだし。人間の本能と本性をリアルに描いてるので『恐ろしい』という意味で心に響いたからこの点数。下手すればトラウマになる映画。要注意。 [地上波(邦画)] 9点(2011-02-07 16:47:14) |
3. その男、凶暴につき
《ネタバレ》 20年前の若い頃に話題だったんでビデオ屋から借りて鑑賞。当HPで高得点であり高評価している諸兄方には申し訳ないのだが、くだらない。無抵抗の人間を執拗に痛めつけ続けたり主従関係を平然と裏切って不気味に笑ったりしている場面をリアルに映像化して見せられれば、平穏な生活を送ってきた一般の皆様が観たら確かに腰を抜かすほど仰天して戦慄して、恐れ入りましたと崇めちゃうんだろうけどこんなもん、喧嘩が日常茶飯事だった下町で育った監督さんのブラフでしょ。凶暴じゃなくて陰険。喧嘩や暴力に慣れた者からすれば強さも怖さも感じない。というより『どうだ怖いだろう!』という意図がみえみえ。だいたい、みんな揃って陰険に人を虐待する物語なんぞ心に何も生まれない。作品として感動(泣いて感激する事じゃなくて感じ入ること)できる要素が全然無い。で、この点数。たぶんワタシのこの意見に腹を立てた人が敵討ちのつもりで(笑)の票を付け、ワタシのホームページに嘲笑のコメントを書き込んだと思いますが、その気持ちが解らないことも無いけど人間の感じ方は千差万別ですのであしからず。【蛇足。1】…この(コメディの分野で)天才と言われてる監督さんはビデオジャケットのみならず、現在自分が出演する全ての映像で、直立仁王立ちポーズになって無表情とも顰めっ面ともとれる表情で敵対する相手をジーッ…と見つめる演技を頻繁にやってますね。これはたぶん本人としては高○健さんや鶴○浩二さんになった気で凄んでいるのではないかと思う。もっとも、演技力と佇まいに無理があるので様になってない。業界では誰も進言できないんだね。 [ビデオ(邦画)] 1点(2011-01-31 15:48:53)(笑:1票) (良:3票) |
4. 花園の迷宮
《ネタバレ》 20年くらい前か、夜中に放送してたロードショウで鑑賞。役柄も地も、お淑やかぶってた島田陽子を本編撮影を進めるにつれお淑やかでいられなくさせてやった監督の手腕は大したものと思う(取調べでバケツ水をぶっかけるあたり、遠慮ないね)。戦争直後の貪欲な世界観と人間模様が生々しい。それと、およそ画面で見る限り演技なのか地なのか何を考えてるんだかさっぱり解らない内田裕也の存在は不気味なことこの上ない。これらの印象を与えたこの映画、これがこの時代に言われた【エロ・グロ・ナンセンス】というヤツですか。いやー後味悪い。 [地上波(邦画)] 5点(2011-01-27 21:26:20) |
5. 里見八犬伝(1983)
《ネタバレ》 20年前にビデオ鑑賞。ワタシの年代なら幼少期に人形劇で観た本作ですが、全盛期だった角川アクション作品たる本作もまた素直にカッコ良かった。ただ個人的好みですが、劇中では神話にまでなった八人の戦士が護る姫君の役に、あの庶民的な顔した薬師丸ってどーなのよと思ってました。でも世間の評判はワタシと違って良さげでしたね(笑)。当事の技術で頑張った特撮は味わい深い。それと夏木マリさん、共演者全員を食ってしまう勢いでの怪演(猛演ともいえる)は当事から今に至るまでずっと続いてますね(笑)。 [ビデオ(字幕)] 8点(2011-01-10 09:35:09) |
6. ガンヘッド
《ネタバレ》 20年前に映画館で鑑賞。自動制御の巨大兵器を有り合わせの設備と工具だけで数時間足らずで復元したり、全長50mくらいの兵器を目の前で爆発させても無傷だったりする主人公が素敵(笑)。でもこの作品、巨大な設備やメカの傍に人間がいるという臨場感を感じさせてくれたところに最大の魅力を感じます。室内の匂いや温度まで実感できた。あの時代にこの出来は秀逸。 [映画館(邦画)] 8点(2011-01-10 06:03:45) |
7. 異人たちとの夏
《ネタバレ》 20代の頃に何かの気まぐれで鑑賞。人生の折り返し地点にきた男の身に起きた期間限定の霊体験のお話しが、これほど粋で、暖かくて、美しくて、怖くて、切なくて、トータルすれば感動的な物語になるとは驚きだった。両親エピソードと女のエピソードは相容れない気もしたが、それでもやはり心に残る美しく感動的な物語だった。(当事一介の芸人だった片岡鶴太郎氏が自己改造を宣言し、それを終えた直後の仕事がこれだった。この時より彼の成長は目覚しくなっている。) [ビデオ(邦画)] 9点(2010-08-19 07:03:13) |
8. 必殺!Ⅲ 裏か表か
《ネタバレ》 公開当事、前作に呆れながらも性懲りも無く劇場に行った。前作を【砂糖と練乳とチョコを混ぜた飲み物】と評したが今度は一転、【渋さ苦さの濃い抹茶】に激変していた。パンフにも「前作の不評を受け、今度は進化の分岐点的映画にした」みたいな事をスタッフが記していたのを覚えているが、何もここまで渋く苦くしなくても、と変貌に戸惑った。私観だが、必殺シリーズは、小さな存在ゆえに踏み躙られた市井人の恨みを密かに晴らす程度の小さな、悲しい、しかし極めて人情味の厚い物語と見ていた。この映画はもう別物。必殺じゃなくて虐殺。小技の参が真っ先に抹消され、華麗に簪さばいてる場合じゃねえ!とばかりに秀が刀持って暴れる姿の違和感の凄まじい事。主水も然り。人生の酸いも甘いも知り尽くして万人を欺いて生きる狡猾さを発揮していた壮年が、小娘にあっさり誑かされたリ、事件の黒幕を私情剥き出しで痛めつける姿、なんというかセコく見える。人間性を強調したテーマだとしてもね。暴力的怖さ、閉塞感、無力感が随所に漂う映画でした。 若干付記……ヤケ酒を煽る主水を暗殺しようと近づく武装集団。これを迎撃したのは単身で素手の壱。『俺が相手だ!かかって来い!!』って…、集団で武装していて逃げる方も逃げる方だが、壱も相当に無茶なやつだと思う(笑)。 若干付記2……『汚名挽回』という間違い言葉、検閲しなかったのね。スタッフ。 [映画館(邦画)] 6点(2010-08-12 14:03:53) |
9. 必殺! THE HISSATSU
《ネタバレ》 必殺シリーズのファンだった十代の頃に劇場で観た。ファンと言っても新・仕事人あたりからのソフト路線のファンだが、だからこそか非常に楽しめた。普段テレビで活躍していた彼らの映画版に相応しく、敵の勢力・事件の規模・お馴染みの殺し技のバリエーションがスペシャル版的にバージョンアップされており、しかしあくまで庶民のお話に留めているところが上手い。スペシャル版だからと迎えたゲストの二人、仕事人の朝ノ助は人生の影を感じさせながらも粋な漢を通し(殺し技の美しさはシリーズ随一と思う)、悪役の庄兵衛は子供好きを隠れ蓑にした殺人鬼(替え玉を使って生きながらえるトリックが狡猾さと不気味さを増していた)で、どちらも素晴らしかった。難点は何人かの方も仰る『潜水艦』。加えていえばコメディアンの起用。必殺スタッフってどうしても時流に合わせようとしたウケ狙いのオヤジギャグやるんですよね(笑)。そこを引いても楽しめた映画でした。テレビ番組の映画化の成功例。 [映画館(邦画)] 8点(2010-08-06 10:16:12) |
10. 必殺! ブラウン館の怪物たち
《ネタバレ》 まだ20代前半の頃、ファンゆえに前作に続き劇場に出向いて鑑賞。いやーくだらなかった。どうしても、大衆ウケを狙ったオヤジギャグを取り入れたい!という趣向に拘る必殺スタッフの、拘り過ぎた結果がこれ。そういえば当事買ったパンフにも『若い人にも楽しめる作品にしました。』とか書いてた。主水の両サイドを固める仕事人が、飾り職人の秀と三味線屋の勇次の類似品コンビにしか見えないのもがっかり。砂糖と練乳とチョコを混ぜた飲み物を出して、『こんなに甘いから若い子も美味しいって思うでしょ?』とか言われたような映画。 [映画館(邦画)] 0点(2010-08-06 09:39:16) |
11. 新宿純愛物語
《ネタバレ》 何かの気まぐれで20代の頃に自宅のビデオで観た。ありきたりのアクションもの。仲村トオルのイメージアップのつもりらしい映画だが、肝心の仲村が不思議なほどに台詞棒読み・演技下手だった。それと大地康夫氏の『10代久しぶりだなあ~♪』と喜んでズボン脱ぎだすシーンが、演技上手いからこそ、中年オヤジの好色さがよく現れていて気持ち悪かった。 [ビデオ(邦画)] 3点(2010-07-19 18:35:49) |
12. ローズ家の戦争
《ネタバレ》 30代の頃だったか自宅で鑑賞した。女には苦労したワタシの、指南書の1つといえる程の秀逸な映画だった。長年の間連れ添って、というより労わり愛した妻から突如として宣戦布告(この表現通りに)された主人公オリバーの、『俺が何をした!?。何をしなかった!?。』という一言が正に、突然振られた経験のある男の心境ですね。そして最後まで理由を語る事無く逝った妻の行動にも、恋破れた経験を持つ多くの男性諸氏が頷くでしょう(笑)。男女間の愛なんて想像を絶するいろいろな形がある。男はいろんな愛情表現をしたりしなかったりする。でもこの映画を観てると改めて己の愛情表現を点検し続ける必要性を教えられる。そして、語り部となっている老弁護士さんの愛し方を見習おうと思った。秀作なり。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-07-19 09:14:00) |
13. 将軍家光の乱心 激突
《ネタバレ》 若かりしころ、自宅のビデオで観た映画。これぞJAC映画。ワタシが知る限り、初めて悪役を演じた千葉真一さんも見事。それと一言。京本政樹はこういう役こそハマリ役。こういう役だけやってろってんだ。『大ファンだったんですぅ♪』とか抜かしてウルトラマンや仮面ライダーに無理やり要人役で出てくるなっての。 [ビデオ(邦画)] 8点(2010-04-01 19:00:33) |
14. ロボコップ(1987)
《ネタバレ》 若かりし頃にレンタルビデオで自宅にて鑑賞。さすがというかやっぱりというか、ポール・ヴァーホーヴェン監督得意の【人間の持つ暴力性と狂気性の恐ろしさとくだらなさ】をしっかり描いている故に世界観がハードになり好感が持てました。ビジネス界の非情さもね。ロボットつっても子供がすんなり受け入れられない辛口ヒーローは、それはそれで良いですね。【若干付記】…公開当時、某娯楽番組に出演されていた故・石ノ森章太郎先生が、刑事ロボットものは私の作品の盗作ではないのか!と怒っていたのが愛らしく思えました(笑)。【若干付記・2】…全身が機械のターミネーターが本編ではサイボーグと呼ばれている謎と相対的に、このロボコップは脳が人間なのにロボットとよばれているのがワタシには謎です。 [ビデオ(字幕)] 9点(2010-04-01 12:39:32)(良:1票) |
15. ベスト・キッド2
《ネタバレ》 公開後数ヶ月で出たレンタルビデオにて鑑賞。格闘技とそれを通じて得た人生の師、そして自らの努力で心身共に強く逞しく成長して行く、男の子が大好きなサクセスストーリー。ワタシも勿論好き。格闘技は対人格闘訓練しなきゃ強くなれないなんて現実を述べるのは野暮だ野暮。これは美しい童話でありおとぎ話なのだから。秀作。 (若干付記…ウェイトトレーニングにて、強さや見た目の良さが最も反映される部位だからといって、ベンチプレスで胸ばかり鍛えてても強くはならない。逆に腰痛の原因になり弱くなる。サトーチョーゼンの敗因の一つはこれだと思う。)野暮? (笑)。 [ビデオ(字幕)] 7点(2010-02-18 10:11:47) |
16. ベスト・キッド(1984)
《ネタバレ》 公開後数ヶ月で出たレンタルビデオにて鑑賞。格闘技とそれを通じて得た人生の師、そして自らの努力で心身共に強く逞しく成長して行く、男の子が大好きなサクセスストーリー。ワタシも勿論好き。格闘技は対人格闘訓練しなきゃ強くなれないなんて現実を述べるのは野暮だ野暮。これは美しい童話でありおとぎ話なのだから。秀作。 [ビデオ(吹替)] 7点(2010-02-18 10:02:30) |
17. ヤング・シャーロック/ピラミッドの謎
《ネタバレ》 スピルバーグの名に誘われて映画館で鑑賞。スピルバーグさんてホント、子供が飛行するシチュエーションが大好きなのね(笑)。ホームズの子供時代ってこのイメージで良いのかは解らないけれど娯楽作として楽しめました。ステンドグラスの騎士の襲撃シーンは圧巻だった記憶があります。 [映画館(邦画)] 7点(2010-02-18 07:59:23) |
18. 狂い咲きサンダーロード
《ネタバレ》 公開から5年後くらいか、バブルの時代に全盛を誇ってた商売・レンタルビデオ屋でのパッケージに眼がとまり興味本位で観た。うん解る解る。ワタシ自身もある程度そうなのだが、バブルとそれ以前の世代の10代の男にはこういう世界に美意識とかヒロイズムを感じるのな。作り手側のパワーも情熱も感じる。ただ重ねていうけどワタシはある程度しか良さを感じなかった。なぜかというと感動しなかったから。破壊するだけで作り出すとか生み出す作品じゃなかったから。ま、そういう映画だし好みの問題だけですね。悪い映画じゃないです。ところでジン君、『街中のやつら全部ぶっ殺せるようなモンくれ…。』って言うけどさ、自分だけが一方的に攻撃できて勝てると思ったら大間違いなのよ。迎撃して返り討ちにする用意ある人間の方が世の中多いのさ(笑)。甘い甘い。 [ビデオ(邦画)] 4点(2010-02-18 07:42:49) |
19. 極道の妻たちⅡ
《ネタバレ》 シリーズ二作目。これは当時ビデオ化されてから観た。弱小団体に落ちぶれた自分の組を叩き直す女を中心にし、人生を出直す覚悟の男や復讐に執念燃やす女やらの、一敗地にまみれた者達の第2ラウンドストーリー。人間の心模様がよく描けていて良かった。 ……ただし引っかかる点が一つ。主演たる【叩き直す女】が十朱幸代さんであること。いや、観る人によっては問題無いだろうし確かな演技力を備えた大女優には違い無いんだけど、この人が極道を演じる姿には強烈な違和感を感じてしまった。 [ビデオ(邦画)] 4点(2009-11-13 07:02:09) |
20. 極道の妻たち
《ネタバレ》 シリーズ第一作。当時ビデオで当時のツレと鑑賞しました。社会を裏から仕切る組織やそれに挑むインディー集団の大抗争。元を見れば人と人との意地ゆえの争いでしかなく、肉親ゆえの執着もあり、男と女だからこその情念が引き金な訳よね。タイトルと相対的に、男たちの描き方も秀逸です。そうそう、男って女が付いてるときは粋がっちゃう生き物なのよね(爆笑)。演じきってる役者陣が見事です。本職の人たちがホントにファンになってしまったという(笑)岩下志麻さんの姉御っぷり、決め方も絶品!! [ビデオ(邦画)] 9点(2009-10-29 06:53:47) |