1. ワイルドバンチ
我々はいずれ滅びゆくものだが我々の意志は決して滅びさせはしないということ。その説得力。 [DVD(字幕)] 10点(2011-04-15 07:40:56) |
2. 歩いても 歩いても
《ネタバレ》 本当に細やかな目配りの利いた佳品である。まったく神は細部に宿りたまうだ。描かれるのは、我らが永遠のテーマ、家族関係。出演者それぞれが持ち味出して良かった。特にYOUは、暑苦しいケバいだけのおばさんとの印象があったが、ここはうまくハマった。ラストシーンの時間経過は少し冷静過ぎる感があるが、映画としては、すわりが良くなったか。 [DVD(邦画)] 9点(2011-11-01 20:43:47) |
3. ゆきゆきて、神軍
やばかった。気づいた時には奥崎ワールドに連れていかれてました。人間これぐらいのパワーがないと、臭いものの蓋はこじ開けられないのでしょう。下手に出てる時の平板な喋りが不気味です。自分の言葉に興奮して、あっという間に鰐とか蛇とかに変身してしまいます。御社の精神力強化研修ツールなどにいかがでしょうか? [DVD(邦画)] 9点(2011-07-18 19:50:21) |
4. ブレードランナー/ファイナル・カット
《ネタバレ》 暗く湿って猥雑な近未来都市の造形が良い。多情でけだるく、時に無機質に音を刻む音楽が良い。未来や過去を持つことができないロイが限りある記憶を語るのが良い。そのメッセージを引き取ったリックが、自分の人生への覚悟を決めるかのように、さりげなく折り紙を握りつぶすラストが良い。 [DVD(字幕)] 9点(2011-07-13 22:10:21) |
5. レオン/完全版
完全版で再鑑賞したが、やはり印象的な魅力的な作品だと再認識。ジャン・レノの渋さとナタリー・ポートマンの瞳のおませ感が満開の映画空間だった。助演陣もぴっちり決まっている。なんてたってゲイリー・オールドマンのあぶない感じ最高よ。やはりこれはヒットしますよね。 [DVD(字幕)] 8点(2013-06-09 06:38:28) |
6. パッチギ!
《ネタバレ》 握りこぶしであちこちゴツゴツ叩く。素朴で愚直で、後ろ向きでなく、幸福であるための覚悟がわかりやすく、魅力的でした。だいいち登場人物が生き生きと、変に屈折してないのがいいよね。映画でなければならない理由が確かにここにはあるのだが、ただ楽曲「イムジン河」へのこだわりは、シンボリックではあるが少々説得力を欠き、ストーリー展開の小道具としての印象に終わった。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-20 18:41:34) |
7. 長江哀歌
《ネタバレ》 やがて水底に沈む、鉄さびの匂う貧しい瓦礫の中の労働。しかし、人々の暮らしや街や河の詩情は豊かで、汽笛、クラクション、工事音、恋唄などの演出もあり、画面の印象が深まっている。男は過去に拘泥し、女は未来に舵を切る。浮かびあがれるだろうか。なで肩ランニングのオヤジどもがべちゃべちゃ食って、飲んで、タバコ吸って、信頼して、時に幻が空をよぎったり、発射したり。ものうげな遠近と近景に眠気を誘われた2時間でした。 [DVD(字幕)] 8点(2011-02-21 22:46:28) |
8. 断絶(1971)
ニヒリズムに満ちたロードムービー、これほど乾いた人間関係を描いた映画は珍しいと思う。とりあえず車を走らせよう、とりあえずボンネットを開けてみようぜというオタクぶりがクールです。人生を焦っているウォ-レン・オ-ツも沁みますね。やっぱり良い役者だったんだなあ! [DVD(字幕)] 7点(2013-06-09 07:02:02) |
9. 青の稲妻
少しザラザラと乾いたそっけない描写、起伏のない断片の集積された物語。印象的な色使い、やはりジャ・ジャンクーの映画です。この単調さが嫌いな人も多いんだろうなとは思います。実際後半うつらうつらしてしまいました。しかし不満はない、この監督のこの眠りへの誘い方が心地よいのです。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-09 06:56:20) |
10. シザーハンズ
少々グロテスクなファンタジー作品といったところだろうが、これが予想以上に面白かった。こんな訳解らん映画を撮った連中に敬意を表したい。笑えて、怒れて、悲しめて、しんみり・・・ジョニー・デップの怪演と、親父さん、お袋さんと警官にほのぼの。良い作品でした。 [DVD(字幕)] 7点(2013-06-09 06:47:36) |
11. 12人の優しい日本人
あっち行ったり、こっち行ったり話はめまぐるしく展開、才気煥発、面白い法廷ドラマなのですよね。が、いかんせん元ネタがメジャー過ぎて、今一つ「二番煎じ」感がぬぐい去られず、くやしいなあ。 [DVD(邦画)] 7点(2011-11-01 20:53:09) |
12. かもめ食堂
山野でスケッチを描く、俳句をひねる、子犬を遊ばせる、そのようなやわらかい時間、気持ちの良いもの。そのようなもの。確実に楽しめて、確実に時間は過ぎる。おしゃれな時間つぶしとしては良い選択です。例えば、通販生活ファンのあなたにお薦め。 [DVD(邦画)] 7点(2011-11-01 20:00:21) |
13. 冒険者たち(1967)
海の城塞の存在感がすばらしく、この弧絶感にたどり着くための物語のようだ。3人の友情も恋愛との境界線がせつなくさわやかで、これが男女友情物語の基本でしょう。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-18 09:42:15) |
14. 血と砂(1965)
《ネタバレ》 導入部が無国籍風にゆるくて、ちょっとなめてかかったら後でしっぺ返しにあいました。白兵戦のドンパチシ-ンもそれなり迫力あったが、従軍慰安婦の胸に勲章を光らせた演出に象徴するように、被害者が同時に加害者でありうるという戦争の残酷さを突きつけてきました。全編、個性あふれる役者陣が魅力。特に伊藤雄之助はこのままほっとくしかないですね。 [DVD(邦画)] 7点(2011-06-12 11:28:55) |
15. サン・ジャックへの道
《ネタバレ》 「道まかせ」という名の聖地お遍路ツアーに参加した老若男女9人の物語。不仲の三兄妹を始めとした、我らが御一行様はあーだろ、こーだろと揉めながらも、しだいに理解を深めていく。政治も宗教も硬直してしまって話にならん、人生というのは道まかせの旅のようなもの、そこでの出会い、理解、融和こそ意味があるということか。旅のシーン、風景と人とのカメラワークが美しい。ぎこちない幻想シーンのいくつかは不要、最後の母の幻想シーンだけで良いかも。 [DVD(字幕)] 7点(2011-06-07 19:04:49) |
16. アラビアのロレンス
砂漠の織りなす圧倒的な叙事詩。画面がいちいち由緒正しい正統派で、広大な曲線、地平線、人間や駱駝の点在感が気持ち良い。空色の、あぶない眼をもつ異形のアラブ人ならずとも、この寂寥と暴力の自然の戦略に絡め捕られては、自らを単純化へ単純化へと駆り立て、いよいよ魂抜かれてしまうのでした。 [DVD(字幕)] 7点(2011-02-15 00:09:03) |
17. 新・仁義の墓場
オレハ チキュウニオチテキタ イセイノガキダ。スキデウマレタワケデハナイ。コウシンキョヒ。幻滅感が胸いっぱい満たされる。救いはない。欲望一直線の三白眼の餓鬼を岸谷五朗が大迫力、脇を往年のなつかしヤクザプレーヤー陣が固めた。我らの穏やかな胃は少々こたえましたね。希望も持てないし、勇気づけられもしない、趣味の悪い映画です。 [DVD(邦画)] 7点(2011-02-14 23:23:24) |
18. トウキョウソナタ
スパイスの効いた、家族の崩壊と再生or新生のドラマ。中産都市生活者の意識描写がカミソリ味でクール。唐突やけくそな展開は消化不良だが、全編台無しになるほど嫌いではない。エンディングのあと、確かに1~2分ほどは幸福などこかに連れて行ってくれたからね。 [DVD(邦画)] 7点(2011-01-31 19:56:57) |
19. ひかりのまち
ささやかな暮らしの中で生まれる、関係の引っかき傷の化膿とか凝固とか治癒とかが淡々と描かれる。(音楽がやや過剰)。かくして人生はうつろう。ウランちゃん幸せになろうね。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-23 18:56:26) |
20. ギター弾きの恋
食パン髪型のうぬぼれギタ-弾きがてれてれ生きて、最後におんおん嗚咽するお話。全篇、音楽が優しく、監督のセンスが効いた虚虚ないまぜの渋い仕上がりでした。さあ食うのは後にしろ、汽車を見に行くぞ。 [DVD(字幕)] 7点(2011-01-11 19:11:24) |